IPEの果樹園2017
今週のReview
7/3-8
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ポピュリズムの条件 ・・・Brexit国民投票の罠 ・・・ITビジネスとコミュニティー ・・・政治経済学の復権 ・・・ トランプの貿易政策論・・・韓国.シンガポールのエリート ・・・ロシアとドイツのナショナリズム ・・・カタール危機 ・・・ロシアのクローニズム ・・・ペロポネソス戦史 ・・・北朝鮮とアメリカ・ファースト ・・・日本のマクロ政策 ・・・パレスチナの人権・市民権 ・・・ユートピア ・・・香港返還20周年
[長いReview]
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主要な出典 Bloomberg, FP: Foreign Policy, FT: Financial Times,
The Guardian, NYT: New York Times, Project Syndicate,
SPIEGEL, VOX: VoxEU.org, そして、The Economist (London)
[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.]
● ポピュリズムの条件
FT June 23, 2017
Lessons from Burke on the origins of
our present discontent
Jesse
Norman
政治的混乱、国家債務の負担、財政支出の重圧、深刻な国際紛争、宗教対立、高まる大衆的不満、・・・ 1760年代、70年代は、イギリス史における波乱の時代であった。
この時代は、イギリスがフランスを破った7年戦争で始まった。しかし、最後は国際的な恥辱とアメリカ植民地の独立で終わる。この間イギリスには7人も異なる首相が現れ、政治的メリーゴーラウンドとポピュリズムの高まりがあった。
1984年以降は、小ピットが首相となって、英仏間の自由貿易を合意し、またナポレオンと戦って敗退させた。新しい国であるアメリカをフランスから引き離し、イギリスとの関係を回復させ、近代的貿易秩序の基礎ができた。
現在のような、怒りや不信が巻き起こるときにも、歴史の教訓はイギリスの復活を予想させる。1770年、エドマンド・バークは、代表制の議会政府と政党政治の重要性を強調した。その6年後には、アダム・スミスが『国富論』で、自由な市場と商業社会の利益を主張した。歴史家たちが「長い18世紀」と呼ぶ時代、イギリスは帝国としてだけでなく、寛容さ、貿易、立憲政府、法の支配によって、優れた国家の地位を確立した。
今、大衆的な不満の高まる中で、われわれは何を学ぶべきか?
1.バークは、1789年にフランスで革命が起きることを、同時代人よりもはるか以前に、予期していた。彼はその兆候を見たからだ。公共の権力に対する侮辱、私的所有に対する攻撃、不都合な事実を無視し、審判を求めるポピュリストの要求。ジョージ・オーウェルより1世紀半も早く、バークはフランスの政治論争が大きく変質したことを知った。敵との不同意を尊重する姿勢から、ラベルを貼り、個人を侮辱し、公然と否定し、社会の敵として憎悪する。政治や平和的な公益、異なる見解の宥和を、暴力的に弾圧するものとなった。
2.ポピュリストの神話を粉砕せよ。フランス革命がそうだ。革命は、特権の廃止、エリートの打破、貧者への権限付与と教会権力の解体を唱えた。現実には、こうしたことは何も起きなかった。暴力と流血、アナーキー、テロ、内戦から戦争の拡大、何万人もの犠牲者が出た。
3.最も重要なことは、代表制議会と政府を支持すること、商業社会のリベラルな価値を擁護することだ。イギリスの主権とは、人民ではなく、議会にある。われわれの政治的、法的諸制度、王室、司法制度は、すべてが組み合わさってわれわれの主権をなしている。それは何百年もかけて、紛争と妥協、相互の譲歩が積み重ねられた結果であり、進化の産物なのだ。
それは成文化されなかったが、慎重に、そして漸進的に、いつも改善され続けてきた。それは集団的な形で、専門知識を備えた正統性、直面する課題への鋭敏な対応と、長期的な意思決定の能力を示してきた。
NYT JUNE 23, 2017
Our Fake Democracy
Timothy
Egan
FT June 25, 2017
A post-populist playbook for global
capitalists
Rana
Foroohar
GEの最高経営責任者であるJeff Immeltが後継者を決めて引退する。アメリカ経済と企業に関して自由に語った。
低賃金とアウトソーシングだけでは、グローバリゼーションの中で豊かな経済を維持できない。経済の70%が家計の消費で成り立つのであれば、労働者の賃金が上昇しないままでは成長できない。
経営者はもっと生産現場を重視するべきだ。ダヴォスではなく、工場に行け。もっとドイツ人に学ぶことだ。特に、統合された製造業の生態系を重視する彼らのモデルは重要だ。大企業はアンカーになるが、その周辺に多くの中小企業をともなって、彼らが生態系を支えている。
GEが新しい工場を建てるのは、優れたエンジニアが集まる場所だ。もっと教育に投資しなければならない。グローバリゼーションとコミュニティーの関係はより広く理解されるべきだし、公共財の供給は重要である。
FT June 28, 2017
The economic origins of the populist
surge
Martin
Wolf
高齢者、高等教育を受けていない者、白人男性労働者が、文化的な変化、移民流入に対して示す反応として、ポピュリズムを説明することがある。しかし、アメリカと西欧の一部だけに政治の主流派を抑えるほどポピュリズムへの支持が現れたのはなぜか? それは金融危機が深刻な社会的亀裂やアイデンティティの動揺を招いたからである。金融危機と経済的ショックが、既存の制度(政党,司法,ジャーナリズム)や専門知識、金融や政策の専門家に対する軽蔑を広め、「王様は裸だ」と示したのだ。
いくつかの指標で見て、スペイン、アメリカ、イタリア、イギリスは金融危機の影響が強かった。他方、ドイツ、日本、カナダにはポピュリズムの影響が少ない。その違いは、金融危機の影響で示せる。
アメリカが示すように、ポピュリズムはその影響をさらに悪化させる。政治家たちは、経済的な不安に積極的な政策で応じるべきだし、ポピュリズムによる文化的な不安を刺激する単純化と嘘に対して、強く反対しなければならない。ポピュリズムは民主主義そのものを破壊する。
FP JUNE 28, 2017
Can Nationalists Ever Make Good
Liberals?
BY
JAMES TRAUB
NYT JUNE 29, 2017
The Problem With Participatory
Democracy Is the Participants
By EITAN D. HERSH
● 高層ビル火災
FT June 23, 2017
Ignore the Grenfell scapegoating and
build more homes
Tim Harford
FT June 28, 2017
The Grenfell inferno has burst
Kensington’s bubble
Roula
Khalaf
FT June 29, 2017
Grenfell: the anatomy of a housing
disaster
John
Gapper in London
● Brexit国民投票の罠
FT June 23, 2017
Britain can learn from Australia on
how to fix Brexit
Pilita Clark
イギリスは、1999年、オーストラリアであった国民投票から学ぶべきだった。ハワード首相は、英連邦内で王室が維持されることを望んでいたが、キャメロンと同じように、選挙戦においては国民投票を約束した。共和制を支持する声が国民の間でも、彼の閣内でも強まったからだ。
しかし、Brexitと違って、国民投票の前に、政府は、共和制がどのように機能するのか、超党派で明確に示すように求めた。ビジネス界、学界、政界、すべての流れを含む、150人の代表が集まって、1998年2月、2週間にわたって、さまざまなオプションが議論されたのだ。どのように大統領が、女王と総督に代わるか、という問題も含まれていた。
国民投票で共和政は否決された。今でも、多くの共和主義者は、それがマキャベリ的な謀略であった、と非難する。共和制の支持者が分断されたからだ。他方で、Brexitが離脱の条件を、オーストラリアのようなハードルなしに達成できたことも重要だった。オーストラリアでは、共和制が国民投票で多数を占めるだけでなく、6つの州で多数を占めなければならなかった。
FT June 24, 2017
Brexit poll anniversary marked by
fragile economy
Chris
Giles
FT June 25, 2017
Look to Greece for lessons on how to
negotiate Brexit
Wolfgang
Munchau
EUと交渉するイギリスの担当者たちは,ギリシャの財務大臣たちに会って話をよく聞くべきだろう.
FT June 27, 2017
Brexit, Parma ham and pork-barrel
politics
Alex
Barker
NYT JUNE 27, 2017
Britain’s Broken Ladder of Social
Mobility
By JENNI RUSSELL
Bloomberg 2017年6月27日
U.K. Needs a Second ‘Glorious
Revolution,’ Only Calmer
By
Tyler Cowen
Bloomberg 2017年6月27日
Can the City Survive?
By Satyajit Das
The Guardian, Wednesday 28 June 2017
What if the will of the people is
now for a second referendum on Brexit?
Karan
Bilimoria
The Guardian, Wednesday 28 June 2017
Who paid for the leave vote? Brexit
should be halted until we know
George
Monbiot
Project Syndicate JUN 28, 2017
The Changing Geopolitics of European
Emotion
DOMINIQUE
MOISI
FT June 29, 2017
Europe’s stake in Britain’s
long-term prosperity
FT June 29, 2017
How Britain’s Brexiters lost control
of Brexit
Philip
Stephens
● ヘルムート・コールの葬儀
SPIEGEL ONLINE 06/23/2017
The Last Act
A Raging Battle over Kohl's Legacy
By
SPIEGEL Staff
ヘルムート・コール元首相の葬儀に関して、未亡人はストラスブールで行い、1人のドイツ人にも挨拶させない、という考えを示した。それは、メルケル首相やドイツの敵に対する彼女の姿勢だった。
ヘルムート・コールは、東西ドイツ統一を実現したが、キリスト教民主同盟の党首と首相の在任期間が長引く中で支持を失い、批判が強まった。党の献金疑惑で政界を退いた。2008年に35歳年下のエコノミスト、マイケ・リヒターと再婚した。マイケMaike Kohl-Richter未亡人は、コールの親しい友人や家族、関係者から彼を切り離した。そしてコールの業績に関する評価をめぐって、キリスト教民主同盟やメルケル首相の考えと対立している。
政治家の評価をめぐる遺族の争いは珍しくない。
● ITビジネスとコミュニティー
Project Syndicate JUN 23, 2017
The Underside of Uber
LUCY
P. MARCUS
NYT JUNE 23, 2017
You Don’t Want to Buy Groceries From
a Robot
By STACY TORRES
次にWhole
Foodsで買い物するときは、私の友達Estherと会うだろう。しかし数年もすると、あなたはロボットに会う。あるいは、そこには誰もいない。
アマゾンが生鮮野菜販売のWhole Foodsを買収し、機械化や他の分野でも人間のサービス労働者を消滅させる傾向を加速させたもの、と見られている。アマゾンのシアトルにある店では、店員も会計もすでにいない。
私はそんな店ができてほしくない。レジの店員と話すことは大したことではない、迷惑なときもあるだろう。しかし、彼らは知らない者同士の社交性を育てているともいえる。
私が初めてEstherと会ったのは10年前である。彼女はマンハッタンの個人パン屋さんで会計係だった。私はそこで、65歳以上の高齢者たちが近隣との社会的関係を築き、孤立を避けて、一人で独立した生活をする方法を研究していた。
会計掛や他のサービス労働者たちと交わすはかない関係が、孤立する危険な位置に近い人々にとっては特に重要なものになりうる。一人で暮らす高齢者、慢性的な病気のある人、失業者、などだ。
ロボットの導入は、それがビジネスとしてはよいことであっても、人々にとって常に良いとは限らない。買い物の経験や、われわれが住みたいと思うコミュニティーを育てるために、数ドルを余分に支払うとしても、それは機械化を抑制する理由になるかもしれない。
NYT JUNE 24, 2017
The Real Threat of Artificial
Intelligence
By KAI-FU LEE
FT June 27, 2017
Uber has been a positive force for
creative disruption
John
Thornhill
FP JUNE 27, 2017
Google Hit With EU Record $2.7
Billion Fine
BY
DAVID FRANCIS
FT June 28, 2017
Google case shows how Europe is
still playing catch-up
FT June 28, 2017
The internet of things: industry’s
digital revolution
Ed Crooks
Bloomberg 2017年6月28日
Google Is Fighting a Losing Battle
With the EU
By
Leonid Bershidsky
● 武器輸出の制限
Project Syndicate JUN 23, 2017
Revisiting the Global Order
JAVIER SOLANA
FP JUNE 26, 2017
The World Is Even Less Stable Than
It Looks
BY STEPHEN M. WALT
FP JUNE 27, 2017
Give Trump a Chance in the Middle
East
BY
LEON HADAR
Bloomberg 2017年6月27日
Sweden's Smart Idea for Reducing
Global Killing
By Leonid Bershidsky
スウェーデン大胆な一歩を踏み出そうとしている.非民主的な体制に武器を売ることを禁止する法律を定める世界最初の国になることだ.もし他の主要武器輸出国が同じことをすれば,無意味な戦争で犠牲になる人々が減るだろう.
スウェーデンは世界第12位の武器輸出国である.
NYT JUNE 29, 2017
Martin Schulz: A Partnership Worth
Saving
By MARTIN SCHULZ
● 政治経済学の復権
Project Syndicate JUN 23, 2017
Economics in Transition
Diane
Coyle
2008年、エリザベス女王のthe
London School of Economics訪問において示されたご質問、“Why did nobody see it
coming?”は経済学の危機を示した。多くの文献が出されたが、3つの研究を紹介する。その変化に向かう予測としては、経済学の前提する行動が変わる、というものだ。もっと歴史を研究し、もっと価値や規範を重視した、社会制度や相互関係、エージェントに依拠したモデル化が進むだろう。
VOX 25 June 2017
W. Arthur Lewis and the tradeoffs of
economics and economists
Ravi
Kanbur
政治経済学は、市場の失敗が存在するさまざまな領域で、政府介入を支持する重要な議論である。介入は、効率性や公平さの視点で、また、政治と経済との相互関係から生じる。ルイスはケインズのマクロ経済学を支持したが、開発の問題では制度をより重視する姿勢を取った。
ルイスW
Arthur Lewisは、政治経済学にとって永久の問題をあつかった。西インド諸島、エジプト、インドで観た労働力の過剰供給に対して、ルイスは政府介入が投資不足を解決する手段であることを示した。他方、エンクルマKwame Nkrumahに招かれて、黄金海岸から独立したガーナの経済開発に関する報告書を作成したとき、利用可能な耕地が豊富にある点で、問題は労働力不足であると考えた。そして、エンクルマ首相が政治的な記念碑的プロジェクトを、「工業化」として、推進する姿勢を批判した。市場の失敗の性格を理解し、正しい介入を決めねばならない。
それはケインズが「大蔵省見解」を否定し、「自由放任の終わり」を書いた姿勢と共通する。その問題を、ケインズは、エドマンド・バークの言葉を引いて示した。「法律を作るうえで最も難しい問題は、何を公共の知恵によって国家が指図し、何を、可能な限り介入せずに、諸個人の努力にゆだねるか、を決定することだ。」
● 思春期
NYT JUNE 23, 2017
Mis-Educating the Young
David
Brooks
ソーシャル・メディアの発達した若者たちの思春期は、以前と大きく変わった。
● 長期の投資評価
NYT JUNE 23, 2017
In Long Run, There’s No Such Thing
as an Einstein Investor
By
ROBERT J. SHILLER
● トランプの貿易政策論
NYT JUNE 23, 2017
Europe and Japan Near Trade Deal as
U.S. Takes Protectionist Path
By
HIROKO TABUCHI and JACK EWING
Project Syndicate JUN 27, 2017
Does Addressing Bilateral Trade
Imbalances Work?
MARTIN FELDSTEIN
貿易不均衡について,政治家とエコノミストの意見は全く異なっている.
エコノミストは,貿易赤字が自国の行動と世界中の他の国の政策の結果である,という.アメリカは貯蓄以上に投資したから,その差を世界から輸入するのだ.しかし,政治家は,2国間の不均衡に注目する.米中間には3000億ドルの不均衡がる.アメリカは中国の政策を非難し,輸入を阻止し,輸出に補助金を与える.
エコノミストは,そのような政策によって貿易相手国の構成は変わるが,不均衡の規模は変わらない,という.また,自由貿易は国民全体にとっての利益である,という.しかし,それに必要な損失を受けた者への補償が不十分であることも知っている.
輸入による損失は,特定の財や地域に集中するから,アダム・スミスも,それを保護主義的な措置で抑える必要を認めていた.トランプが大統領選挙中に強く主張していたことだ.
しかし,今では彼が大統領であるが,関税引き上げや割当はどこにもない.その代わりに,トランプ政権は,そのような脅しを利用して,貿易交渉を進めている.米中首脳会談後に,中国はアメリカの牛肉を輸入し,アメリカの金融サービスにも市場を開いた.天然ガスも中国に売れるようになった.
曽於結果は,中国に対する貿易赤字を減らすだろう.アメリカの貿易赤字全体は減らないだろうが,アメリカの牛肉,金融サービス,天然ガスの生産者に利益となり,中国の消費者にも利益となる.
それゆえ,2国間の不均衡に注目することが望ましい政策変化をもたらすことはあるのだ.しかし,不利益をもたらすこともある.十分な注意が必要だ.
Project Syndicate JUN 29, 2017
The Rebirth of the TPP
KOICHI
HAMADA
トランプはTPPの合意を破棄したが,その要点を理解しそこなっている.
貿易自由化は2つの方法で実現す.1つは,WTOによるグローバルな交渉.もう1つは,2国間の自由化交渉だ.前者は,WTOの力がないためにルールに合意できなかった.後者は,2国間の利益が優先されることで,参加しない国に不利益を生じた.
TPPのようなメガ地域協定は,この中間,どちらのよい面も生かす交渉であった.トランプが理解していないのは,アメリカはいつでも協定を離脱できること,また,2国間で交渉したほうがアメリカは自分たちの利益をより大きく実現できる,という前提が間違っていることだ.
TPPにおいて,知的所有権の保護や投資をめぐる政府への訴訟を制度化する利益は,アメリカが強く望んでいたことだ.他の加盟諸国がこれらを受け入れたのは,中国がこのルールに従うことを望んだからだ.アメリカのような大国がTPPに従うことで,中国も従うことを加盟諸国は期待した.
FT June 30, 2017
Donald Trump’s tariffs would do
little for American workers
Gillian
Tett
● 韓国.シンガポールのエリート
FP JUNE 23, 2017
The Knives Are Out for South Korea’s
Robber Barons
BY
GEOFFREY CAIN
「私は神だった。」 失脚する前について、チェボルの後継者は言った。彼は長い間、効率を軍隊のように追求する労働者たちの分隊を指揮してきた。北朝鮮の王朝に似ているが、これは韓国経済の話だ。サムソンや現代という、よく知られた名前で、彼らの王朝は栄えた。
しかし、政治献金疑惑とパククネの没落、リベラルなムンジェインの政権誕生によって、彼らが生きる環境は変わるだろう。
FP JUNE 28, 2017
Singapore Can Have Meritocracy or
Aristocracy, But Not Both
BY
KIRSTEN HAN
シンガポールは,長い間,東南アジア諸国の模範,富裕さ,先進的,透明性,いずれにおいても最高水準の誰もがうらやむ国であった.
しかし,建国の指導者リー・クァンユーLee Kuan Yewの子どもたちによる喧嘩は,その実態を暴き,評価を大幅に損なった.それは,突然,Facebookへの書き込みで始まった.息子のLee Hsien Loongは現在の首相であるが,兄弟たちは彼が父親の旧宅を(その生前の意思に反して)残し,他の兄弟を排除して,自分の地位に利用した,と糾弾している.
実際,シンガポールの最高幹部のポストは,Lee Hsien Loongと人民行動党の旧幹部の子どもたちが握っている.称賛されるような能力主義ではなく,極めて閉鎖的な,縁故主義による支配である,と非難された.
● ユーロ圏改革
Bloomberg 2017年6月23日
Europe's Banking Union Is Dying in
Italy
By
Ferdinando Giugliano
FT June 27, 2017
Italy shows EU banking union still
has far to go
Project Syndicate JUN 27, 2017
Europe’s Gradualist Fallacy
YANIS
VAROUFAKIS
マクロンはユーロ圏を改革できるのか? メルケルの漸進主義は今までも改革を阻んできた.
それを変えるためには制度の革新が必要だ.すなわち,EIB債の発行による新規の公共投資で景気を刺激すること,ECBがGDPの60%まで政府債への利払いを引き受けること,ECBによる量的緩和やTarget 2の債券購入で得られる利益をユーロ圏全体で貧困家族の支援に利用すること,破たんした銀行を脱国家化し,EMSが管理することだ.
● ロシアとドイツのナショナリズム
Bloomberg 2017年6月23日
Angela Merkel Embraces German
Nationalism With a Twist
By Leonid Bershidsky
歴史において、指導者が、その国に属するとは何か、その文化とは何か、を定義する重要な瞬間がある。ドイツのメルケル首相が、ドイツ人とは何か、について雑誌の質問に答えた。ホロコーストに関する永久に負うべき責任から、フットボールのワールドカップまで。これはもちろん、選挙向けの宣伝リストである。
2013年の選挙期間中に、ドイツ国旗を振る行為をメルケルは直ちに憤慨して止めさせた。今年の選挙では、国旗が戻ってきた。メルケルのリストにも載っている。彼女のキリスト教民主同盟CDUは、ポピュリストのthe
Alternative for Germanyから、支持者を奪い返そうとしている。ドイツの文化と伝統が、選挙運動のテーマである。
他方で、2015年、2016年に100万人以上の難民を受け入れたメルケルが、イスラム教徒や移民の背景を持つ人々を意識しないはずはない。彼らは今やドイツ住民の21%を占める。その意味でメルケルの主張は、多様性を強調するフランスのマクロンと共鳴する。
これら2人の指導者は、従来のスローガン、多様性、多文化、超国家的連邦主義、から1歩を踏み出したのだ。彼らは、その対抗者と比べて進歩的に見えるが、伝統的な主流派からあまり遠くに離れないように、旧文化の深層につながる新しい味付けを試みている。
それは、2012年にプーチンが試みたロシアの国民的アイデンティティに似たところがある。プーチンはエスニックなロシア人とロシア文化を、歴史的に多様なエスニック集団が集まるマルチエスニック社会の「統合的枠組み」とみなした。プーチンは、お気に入りの亡命思想家Ivan Ilyinを引用した。
"Not
to eradicate, not to suppress, not to enslave outsider blood, not to strangle
foreign and non-Orthodox life but to let everyone breathe and give them a great
Motherland; to watch over everyone, make peace, let everyone pray in their own
way, work in their own way and involve the best from everywhere in building a
state and a culture."
このプーチンのマイルドなナショナリズムでは、誰でも「指導文化」に受け入れられる。「国家建設」に参加する限り、あなたは完全な同化を求められず、ロシアにおいて成功することができる。しかし、文化的アイデンティティに政治家たちが侵入することは危険である。その醜い側面は、ロシアがウクライナとの戦争を始めたときに明らかになった。ウクライナは同じような文化を持つが、そのアイデンティティとして、ロシアの一部であることを拒んだ。
メルケルやマクロンが近隣諸国を侵略することはないだろう。しかし、EU内には多様な諸国が加わっており、ドイツとフランスは強い影響力を持つ。たとえ抱擁力のあるナショナリズムでも、国旗を振る行為には変わりない。選挙の勝利に向けたナショナリズムの高揚が、その後の政治を支配するかもしれない。
FP JUNE 29, 2017
Donald Trump Finally Found a German
Thing He Likes
BY
PAUL HOCKENOS
(後半へ続く)