(前半から続く)
● オランダ選挙
NYT MARCH 10, 2017
How the Dutch Stopped Being Decent
and Dull
By
IAN BURUMA
The Guardian, Monday 13 March 2017
In the Netherlands, we’ll halt the
march of Geert Wilders’ populists
Joris
Luyendijk
FP MARCH 13, 2017
The Geert Wilders Effect
BY
JAMES TRAUB
Pim
Fortuyn、Theo van Gogh、そして、Geert Wilders。オランダの何が変わったのか?
SPIEGEL ONLINE 03/14/2017
Fallow Ground
A City of Workers Turns to Wilders
By
Alexander Smoltczyk in Almere, The Netherlands
NYT MARCH 14, 2017
Somebody Else’s Babies
Roger
Cohen
SPIEGEL ONLINE 03/16/2017
A Triumph of Reason
Dutch Election Slows Europe's
Populists
An
Analysis by Claus Hecking
Project Syndicate MAR 16, 2017
Wilders vs. Spinoza
STEVEN
NADLER
NYT MARCH 16, 2017
The Dutch Election Shows How Not to
Defeat Populism
By
CAS MUDDE
● ロボットへの課税
FT March 11, 2017
The unvarnished truth is key to
Silicon Valley’s success
Philip
Delves Broughton
FT March 12, 2017
The silver thread of technology that
runs through future jobs
Rana
Foroohar
アメリカには2つの労働市場がある。PhD保有者のための職場は多くある。また、ハンバーガーを焼くだけのような職場はさらに多くある。しかし、その間はない。それは消費者に大きく依存する経済にとって問題だ。ドナルド・トランプは、中産階級の職場を取り戻すと約束して大統領になった。たとえアメリカ大統領がグローバリゼーションを逆転し、技術による職場の解体を阻止することができても、アメリカ自身の問題は解決しない。それは、スキル・ギャップだ。
FT March 22, 2017
Stoicism is having a moment in the
robot revolution
Miranda
Green
Project Syndicate MAR 22, 2017
Robotization Without Taxation?
ROBERT
J. SHILLER
ロボット税に反対する声が強い.ロボットの定義は難しいし,生産性の上昇を妨げることになるからだ.
しかし,人々の職場が大幅に失われる場合,これを維持するために政府が介入することはコミュニティーが健全に維持されるために必要だ.ロボット化の外部性は課税の根拠となる.
あらゆる税には市場を歪める面がある.すべての人に,その支払い能力を無視して課税することはないからだ.ロボット税を否定するとき,所得分配の不平等化があらわれるだろう.累進性を高めるか,ベーシック・インカムを導入すれば,それは緩和できるが,政治的な支持を得るのは難しい.富裕層は増税を嫌うし,貧困層も政府支給で暮らすことを望まない.
ロボット化による不平等の拡大を是正するために,労働者の雇用に代わってロボットを導入することで得られる高所得に課税することは,その税収を失業手当や他の職場への移動を助けるために使うなら,政治的に支持される.
● アメリカ経済と金融政策
FT March 13, 2017
US Treasuries: On the cusp of a
reversal
Joe
Rennison and John Authers
Bloomberg MARCH 15, 2017
The Fed Delivers a Hike and a
Message
Mohamed
A. El-Erian
FT March 21, 2017
Tentative steps on the path to
interest rate normalisation
John
Plender
Bloomberg MARCH 19, 2017
The Fed's Global Dollar Problem
Mark
Whitehouse
連銀が金利水準を正常化するために引き上げることは必要だろう。しかし超低金利の時代が長引いたことで、ドル建の債務を累積する企業や諸外国はその返済コストが増加する。また、ドル建債務で利益を上げてきた者たちが損失に直面する。
Project Syndicate MAR 20, 2017
America’s Confidence Economy
MOHAMED
A. EL-ERIAN
● 韓国
FT March 13, 2017
South Korea’s democracy shines
through in a crisis
FP MARCH 13, 2017
South Koreans Can’t Agree What
Democracy Is
BY
STEVEN DENNEY
パククネ(朴槿恵)のスキャンダルは、彼女のキャリアを終わられる以上に、はるかに大きな問題である。それは韓国社会の最も強力な機関のいくつかを破壊し、かつてない憲法上の、そして、社会的、政治的な危機を生じた。
政治的な権威の回復は、自由で公正な選挙によってしか達成できないだろう。しかし選挙が近づくと、1980年代に専制支配から抜け出したときから韓国を性格づける社会・政治的な亀裂が現れる。韓国は保守派の政党と革新派の政党とそれらの社会運動が厳しく分裂し、しばしば街頭デモを組織する。保守派は反共産主義(すなわち、反北朝鮮)であり、国家安全保障を重視する。リベラルな革新派は、1980年代の民主化運動からその正当性を引き出しており、権威主義的な支配を憎む。保守派はしばしばリベラルを安全保障に弱腰で「北朝鮮のシンパ」であると非難する。リベラル派保守派を非民主的だと告発する。
韓国という国家のアイデンティティーは分裂しているのだ。それは朴の弾劾や大統領辞任に関しても明確に現れた。専制支配の時代に育った世代は、民主主義への支持が弱く、軍の政治的な課院ヨガときには必要だと認めている。
アメリカ製のTHAADミサイル防衛システム導入、米韓同盟関係の重視、日本との協力を保守派は主張する。他方、リベラルは、責任ある政治指導力、腐敗した体制を終わらせ、韓国民主主義を再建することを主張する。それはまた、中国、日本、アメリカとの新しい関係を求める。リベラルは北朝鮮との関与を重視し、アメリカとの関係には懐疑的である。THAAD配備を急ぐことには反対する。
Project Syndicate MAR 16, 2017
Soul Searching in South Korea
YOON
YOUNG-KWAN
Project Syndicate MAR 22, 2017
The Sino-Korean Trade War Must End
LEE
JONG-WHA
China Daily 2017-03-22
Seoul's goodwill gesture dented by
THAAD
By
Ma Weiying
FT March 23, 2017
China stokes grievance against Seoul
at its peril
● 中国の自由化と米中関係
FT March 13, 2017
China’s fixation on stability
creates economic risks
Eswar
Prasad
中国では習近平指導部の移行期にあって、経済に関するすべての面で安定性が最優先される。市場自由化から生じる浮動性を最小化することが政治的な要請なのだ。改革派の人々でさえリスクを取らず、敵を作らないようにしている。
矛盾するようだが、政府が管理を強化し、自由化を制限することは、長期的な経済の安定性を損なうのである。
たとえば、中国政府は6.5%の近辺にGDP成長率を固定しようとしている。よりバランスの取れた、環境を重視する成長モデルというリップサービスにもかかわらず、政府はGDP成長率の高さを成功の証拠とする発想に制約されている。それゆえ、債務の累積を乖離水、さらに銀行融資を増やしている。それは長期のリスクを高め、経済的な安定性を損なう。重要な改革を延期する。
価格についても、政府は安定性それ自体を目標にする。昨年、株価や為替レートが浮動性を強めて以来、政府はそれらを安定化するためにあらゆる権力を行使した。このやり方は逆立ちしている。政策を予測可能にし、市場を支持するインフラや規制を整備することが重要だ。それにより株式市場が正しい価格を見出し、企業はガバナンスを改善し、市場への説明や透明性を重視する。
政府による金融市場への支援は、不確実性と浮動性を増大させるだけだ。資本流出を制限したことは、政府が再び資本移動を直接に管理するのではないか、と外国投資家に懸念させる。それは資本流出を強め、資本流入を抑える。政府の望むこととは逆である。
市場自由化や浮動性を恐れるべきではない。効果的な規制や監督、信頼できる情報の流れ、規律ある財政・金融政策によって、市場を支えるべきだ。習主席は、市場の管理を廃止しながら、中国経済に対する支配力を高めることができる。
FT March 17, 2017
Surge of foreign buying builds case
for China bond index inclusion
James
Kynge
FT March 21, 2017
China’s digital economy is a global
trailblazer
John
Thornhill
FT March 21, 2017
China’s push to become a tech
superpower triggers alarms abroad
Louise
Lucas and Emily Feng
FP MARCH 21, 2017
What Just Happened in Beijing?
BY
ROBERT DALY
FT March 22, 2017
China and the US: an odd couple
doomed to co-operation
Martin
Wolf
米中関係の在り方によって世界の将来は変わる.アメリカは若く,現役の超大国である.中国は古代の帝国であるとともに,新興の超大国である.
この関係が特に困難さを増したのは,アメリカでポピュリストの排外主義的人物,トランプが大統領になり,他方,中国の習近平は中欧集権的国家の頂点に立つ人物であるからだ.
開放型の世界経済に対する皮肉な対照的主張が示された.それは1月のダヴォス,世界経済フォーラムで習近平がグローバリゼーションを強く支持した3日後に,トランプは「保護貿易がアメリカに繁栄と強さをもたらす」と主張したことだ.
今年の中国開発フォーラムで,中国人参加者から,アメリカを資本主義,民主主義,開放経済の成功モデルとして称賛していたが,世界金融危機,トランプの当選,保護主義はそれらを破壊した,と言われた.もちろん,西側の参加者は,中国の開放性は現実と矛盾しており,国家によるチャンピオン企業の育成やサイバー攻撃による技術の略奪を指摘するだろう.また,中国は開放性を支持するが,より大きな民主主義を許さないことに失望する.
しかし,明らかに,この不似合いなカップルは,グローバルな公共財の供給で協力するしかない,ということだ.グローバル・コモンズ,国際安全保障,安定した繁栄.それらがなければ,トランプの「アメリカ・ファースト」も,中国指導部の国民の福祉に焦点を当てることも,不可能である.そして驚くべきは,この点を中国政府の方が,アメリカ政府よりもよく理解していることだ.
来月の初会談を前に,彼らの議論を準備しよう.
1.米中が争えば,いずれの目標も達成できないことを確認する.それは軍事的な戦争だけでなく,貿易戦争でも言えることだ.
2.習は,トランプの中国理解が全くの時代遅れであることを理解させる.中国は人民元を安くしているのではなく,その価値を維持するために介入している.
3.トランプは,中国の産業政策が他国に対する破壊的な影響をおよぼし,他国政府の正当な関心事である,と確認する.相互依存した世界では,中国も他国の利益を配慮しなければならない.経常収支黒字もそうだ.同じことは,トランプにも言える.
4.中国は,トランプが求めるものを与えることができる.インフラを再生するための大規模な投資だ.
5.トランプはインフラ・ブームを求めているが,中国には最速のインフラ建設業者がいる.双方の利益は一致する.
対照的な2国ではあるが,その利益は共有される.開放型の世界経済を維持することもそうだ.しかし,リベラルな世界貿易のメリットをアメリカ大統領に説得するのは,中国の共産党指導者である.これほど破滅的な時代であれば,破滅的な手段も必要だ.
● 北朝鮮危機
Project Syndicate MAR 13, 2017
China’s Road to Peace on the Korean
Peninsula
MINGHAO
ZHAO
米韓軍事演習に合わせて、北朝鮮は中距離弾道弾ミサイルを発射した。また、ロシアと中国が反対している、ミサイル防衛システムTerminal High Altitude
Area Defense (THAAD)の韓国における配備をアメリカは加速している。
アメリカのドナルド・トランプ大統領が、選挙戦中には金正恩との直接対話を支持したにもかかわらず、北朝鮮への軍事的圧力を強めているのは明らかだ。トランプが対話する意志を持つとしても、基本政策や信頼できる政策協力を欠く政権には、その用意がない。
米韓の情報部は、北朝鮮が10~16発の核兵器と1000基以上のミサイルを保有していると推測する。その軍事的脅威を取り除くには、アメリカと同盟諸国に深刻なダメージを与えるだろう。しかも、韓国の大統領は辞任した。
中国の役割は複雑だ。一方では、北朝鮮に石炭輸入を禁止する制裁を科した。他方では、韓国のTHAAD配備を自国への深刻な脅威とみなしている。まさに日本政府も、THAAD配備を急いでいる。
北東アジアにおいて冷戦思考が高まる中で、中国の外務大臣Wang Yiは、米朝の列車が衝突事故に向かっている、と警告した。中国外務省は、北朝鮮の外務副大臣と面会し、アメリカのティラーソン国務長官とも会談する。
中国は、北朝鮮の核廃棄とTHAADシステムの撤去とを結び付けた韓国外務大臣Yoon Young-kwanの提案に注目する。
FP MARCH 14, 2017
Japan, South Korea, and U.S. Begin
Drills off North Korea
BY
EMILY TAMKIN
FT March 15, 2017
The threat from North Korea is no
laughing matter
Roula
Khalaf
NYT MARCH 15, 2017
Donald, Have I Got a Deal for You
Thomas
L. Friedman
すべての大統領は,就任してすぐに,外交の試練を受ける.トランプも例外ではない.それは若いケネディ大統領が直面したものと似ている.その危機は「スローモーションのキューバ・ミサイル危機」と呼ばれてきた.主役は,フィデル・カストロではなく,残酷な専制君主である金正恩だ.
もしこの危機であなたが眠れなくなっていないのであれば,注意が足りない.
アメリカには,外交を知らない,筋肉を誇示し,Twitterで大ぼらを吹く大統領がおり,他方の,王朝的な,北朝鮮の政治カルト集団を率いる指導者,金正恩と対峙している.金正恩は,ロサンゼルスにも届く長距離核ミサイルを開発し,最近,血のつながる兄,金正男をマレーシア空港で2人の女性に毒殺させた.
この朝鮮ミサイル危機は「13日」よりも長く続いている.しかし,だからと言って,危機が屈曲点に達したことを無視してはいけない,とRobert Litwakは語った.「北朝鮮の金は,もうすぐ,アメリカを大陸間弾道ミサイルで核攻撃できる指導者になるだろう.」
われわれは知っておくべきだが,このヤドカリ王国の経済規模は,オハイオ州のデイトンほどしかない.それでも2020年までに,イギリスの核保有規模の半分で,アメリカ本土を攻撃することになるだろう.100発の核弾頭を保有し,日本,韓国,(そして中国)さらに太平洋を越えてアメリカも攻撃できる国になろうとしている.
この危機はトランプが創ったわけではない.クリントン,ブッシュ,オバマから引き継いだ.しかし,彼が解決するしかない.その方法は3つだ.「爆撃するか,沈黙するか,交渉する.」
北朝鮮の核施設やミサイル基地を爆撃すれば,第2次朝鮮戦争,そして核戦争になり,その結果,数百万人が犠牲になるリスクを冒すだろう.破壊された核施設からの放射能汚染も空前の規模であるだろう.爆撃するのでなければ,北朝鮮が世界的な核攻撃能力を持つのを黙認することになる.「交渉するしか選択肢はない.」
それはオバマがイランと合意したような内容になるはずだ.トランプはそれを「かつてない最悪の取引だ」と非難したが.
オバマは,基本的に,イランが核能力を高める実験などを15年間凍結することと,制裁の解除などを取引した.なぜなら,彼はこの15年間で,イランの政治体制が変化することを期待し,それに賭けたからだ.
北朝鮮に対しても,その核能力を抑え,イランと同様に,体制転換のための時間を稼ぐ,という取引になる,とLitwakは言う.金のカルトはこれを受け入れる.なぜならアメリカの侵攻を抑える最小限の核を保持したまま,権力の地位にとどまれるからだ.中国も歓迎する.なぜなら敵対する日本や韓国が核武装するのを抑えられるからだ.しかし,トランプは中国の協力を必要とするから,北京と貿易戦争を始めるのは考え直すしかない.
オバマケアと同じように,トランプは外交を学ぶことになるだろう.非難するのは簡単だが,取引は難しい.自慢できるような純粋な勝利は何もない.それはテレビのショーで起きるだけだ.
NYT MARCH 15, 2017
Will Rex Tillerson Pass North
Korea’s Nuclear Test?
By
ANTONY J. BLINKEN
Project Syndicate MAR 17, 2017
Out of Time in North Korea
RICHARD
N. HAASS
Bloomberg MARCH 19, 2017
Ready or Not, Here Come Trump and
North Korea
Albert
R. Hunt
FT March 21, 2017
Bombing North Korea is not an option
Gideon
Rachman
北朝鮮を空爆するのは愚論である.
FP MARCH 21, 2017
China and America Need a One-Korea
Policy
BY
MICHAEL D. SWAINE
北朝鮮の核危機を解決するには,外交しかない.すなわち,米中が朝鮮半島統一のプランを交渉することで,北朝鮮を完全に孤立させることである.
● メイとスタージョン
FT March 13, 2017
Is a hard Brexit worth Scottish
independence?
David
Allen Green
FT March 14, 2017
Nicola Sturgeon’s influence leaves
Theresa May in a bind
Janan
Ganesh
FT March 15, 2017
Brexit, Scottish independence and
arguments from first principle
David
Allen Green
FP MARCH 15, 2017
The Brexit Delusion and the Battle
for Scotland
BY
ALEX MASSIE
FT March 18, 2017
Independence Day: Scotland prepares
for a sequel
Mure
Dickie
● Brexit
FT March 13, 2017
The great unknowns of Brexit
Gideon
Rachman
The Guardian, Tuesday 14 March 2017
The Brexit fanatics are at the helm,
but don’t despair - this is not over
Polly
Toynbee
The Guardian, Monday 20 March 2017
The Guardian view on triggering
Brexit: into an unknown future
Editorial
The Guardian, Tuesday 19 March 2017
Empire 2.0 is dangerous nostalgia
for something that never existed
David
Olusoga
FT March 19, 2017
A sensible Brexit deal is more
probable than you think
Wolfgang
Münchau
FT March 21, 2017
Brexit: why the Great Repeal Bill
will be the Great Whitehall Power Grab
David
Allen Green
FT March 22, 2017
What German unification teaches the
doomsayers of Brexit
Frederick
Studemann
東西ドイツ再統一の経験から、Brexitの交渉のむつかしさが予想できる。
FT March 22, 2017
Over-optimistic ministers manipulate
the Brexit debate
Janan
Ganesh
● クルド
Project Syndicate MAR 13, 2017
Address to the Kurdish Nation
BERNARD-HENRI
LÉVY
● 戦争
Project Syndicate MAR 13, 2017
A Normative Approach to Preventing
Cyberwarfare
JOSEPH
S. NYE
Project Syndicate MAR 13, 2017
War Against the West
IAN
BURUMA
NYT MARCH 13, 2017
The Never-Ending War in Afghanistan
By
ANDREW J. BACEVICH
NYT MARCH 14, 2017
Why Our Nuclear Weapons Can Be
Hacked
By
BRUCE G. BLAIR
NYT MARCH 15, 2017
What I Saw in Vietnam
H.D.S.
GREENWAY
FT March 16, 2017
Nations jockey for influence in
cyber space
Anne-Marie
Slaughter
第2の冷戦、サイバー戦争は始まっている。21世紀の諸国も旧いゲームの一部である。すなわち、戦略的な優位を求めるのだ。
だからロシア政府はアメリカ国財政治に介入し、サーバー情報略取や情報漏えいを駆使している。それに対して防衛システムを築くには、全体として、攻撃に強いシステムを必要とする。攻撃と工芸社に対する情報を集中することだ。民間サイドにもインフラが必要である。
Project Syndicate MAR 20, 2017
Keeping the Balkan Ghosts at Bay
CARL
BILDT
● インド
Bloomberg MARCH 13, 2017
Understanding Modi's Magical Appeal
Pankaj
Mishra
Bloomberg MARCH 13, 2017
Modi's Chance to Reshape India's
Economy
Editorial
Board
Project Syndicate MAR 14, 2017
Why India Should Scrap Parliamentary
Democracy
SHASHI
THAROOR
FT March 22, 2017
Beware the other side of India’s
prime minister
Bloomberg MARCH 21, 2017
Is Modi Too Powerful for His Own
Good?
Mihir
Sharma
● アイスランド
Bloomberg MARCH 15, 2017
Iceland's Recovery Will Be Tough to
Sustain
Leonid
Bershidsky
FT March 16, 2017
Iceland’s capital solution to a dire
banking crisis
● 産業戦略
Project Syndicate MAR 15, 2017
The Return of Industrial Strategy
PAOLA
SUBACCHI
先進諸国の多くで産業政策が復活している。しかし、産業政策で労働者階級の支持を拡大できる、と安易に考えるのは間違いだろう。
EUも、イギリス政府も、トランプ政権も、産業計画への関心を示している。しかし、EUが思うほど、成功する企業や分野を決め、さまざまな分野の政策に協力的な形で介入するのはむつかしいだろう。
確かに、長期の投資を、大きな外部性がある分野で行うのは、特に、情報関係で行われている。その場合も、産業政策は明確な時間の基準、里程標が必要だ。資産、資源、人的資本を配置するためには、その推定が前提されるが、イギリスの場合、これはBrexit交渉と切り離せない。
産業政策とは、弱体で、非効率な、制度の枠組みを変えることでもある。
FT March 16, 2017
Brexit will make UK manufacturing
more profitable
Patrick
Minford
FT March 17, 2017
Britain’s national champions can
thrive without protection
Geoffrey
Owen
VOX 18 March 2017
How globalisation affected
manufacturing around the world
Adrian
Wood
FT March 22, 2017
The shifting borderline between
employees and not-quite-employees
Sarah
O'Connor
● ロシア
FT March 16, 2017
EU goes back to the future in the
Balkans
Ivan
Krastev
FT March 19, 2017
Russia cannot live with the west –
or without it
Lilia
Shevtsova
ロシアの近代化には西側の技術が不可欠である。
FP MARCH 21, 2017
Ukrainian elder statesman: How
Russian hybrid war is changing the world order
Adrian
Bonenberger
FP MARCH 23, 2017
Former Russian MP Shot Dead in
Ukraine
BY
EMILY TAMKIN
Bloomberg MARCH 23, 2017
Russian Defector's Murder Sends a
Chilling Message
Leonid
Bershidsky
● LAのギャング
NYT MARCH 18, 2017
The Gangs of L.A.
By
JOSEPH RODRÍGUEZ and RUBÉN MARTÍNEZ
ロサンゼルスのギャングはどうなったのか?
● ベーシック・インカムの実現
Project Syndicate MAR 21, 2017
Getting Basic Income Right
KEMAL
DERVIŞ
ベーシック・インカムUniversal basic income (UBI)への関心が高まっている。その考えは新しいものではない。16世紀の思想家トマス・モアのほか、多くの者、右派のミルトン・フリードマン、左派ではジョン・ケネス・ガルブレイスがその変種を唱えた。現在、技術変化が雇用を破壊する中で、その解決策としてUBIは機能するだろうか?
UBIの魅力は3つある。1.すべての市民に社会的な基本「最低水準」を与える。2.人々は支援金を自由に使える。3.多くの社会支援プログラムが必要とする公務員を減らせる。さらに、UBIは職場を変わってもよいから、職場を頻繁に変わる者や短期雇用、自営業にも利用できる。
左派において、UBIは貧困を解消する手段とみなされている。リベラル派は、その支出が自由なことを支持する。UBIは、貧困国で支援策として実行されている。ラテンアメリカのさまざまな支援策は部分的にUBIを含む。
しかし、完全なUBIを実施することはむつかしい。多くの難しい問題があるが、最も顕著な問題は、市民にいくら支払うかだ。たとえば、アメリカで市民に年間2000ドルを支払っても、あまり効果はないだろう。しかし、1万ドルを支払うには、どれくらい多くの人に支払うかにもよるが、GDPの10~15%を要する。
失業手当、教育、医療、輸送、住宅への、既存の社会支援プログラムを削減することでバランスを取ることになるだろう。
デジタル技術により変貌した現代の労働市場では、UBIが職場間の移動性を高める点が注目されている。労働市場はますます流動化し、労働者は常に雇用を破壊され、新しい技術に適応しなければならない。それにはソーシャル・セーフティー・ネットが必要だ。
よほど極端なリベラル派でなければ、何の政策も示さずに支援金を渡すことを支持しないだろう。フランスの提案はこの意味で正しい方針を示している。各市民が社会的な勘定を持ち、ある意味で、償還できる「ポイント」を貯める。その口座により、各人は労働や研究、ある種の国民的なサービスに従事することで、実質的な公共的貢献を認められる。社会的な必要、特に、職業訓練や技量の習得のために、口座から支援金を引き出し、その額はあらかじめ決められた「価格」によって誘導され、一定の期間に一定額として制限される。
この方法は、一方における職場の移動、個人の選択と、他方における、社会政策の方針とを、適切に妥協させる試みである。それは、また、アメリカの社会保障制度と個人年金感情との両方の性格を含む。他方で、職業訓練を促すものだ。より柔軟な定年制と組み合わせるなら、これは現代の柔軟な社会的連帯のシステムに発展するだろう。
発展した経済には、より強固で洗練された社会的連帯のシステムが必要であり、その利用は個人の選択と職場移動が容易になることが望ましい。適切な妥協点が求められる。
FT March 22, 2017
As democracy retreats, famine makes
a comeback
David
Pilling
● グローバリズム
Project Syndicate MAR 23, 2017
A More Dangerous Globalism
JEREMY
ADELMAN and ANNE-LAURE DELATTE
Project Syndicate MAR 23, 2017
Nationalists and Globalists
ANNE-MARIE
SLAUGHTER
ウィルダー、ル・ペン、トランプ、彼らはエリートに対する大衆の政治を示すポピュリズムではなく、グローバリストに対するナショナリストの反発を示すものだ。
それは国民主権を掲げた革命である。彼らが求めるのは大地に根差すナショナリズム、トクヴィルが賛美した自発的なアソシエーションの豊かさである。抽象的で、理性を掲げた世界市民主義ではない。
重要な点は、国境と文化との関係だ。グローバリゼーションで国境を失うとき、人々をつなぐものはコミュニティーや共通の文化ではなく、集団的なアイデンティティーしかなくなった。根差すものがないグローバリストという呼称は常に危険であり、そのことをユダヤ人はよく知っている。ロシアではプーチンが、ソビエト時代の反ユダヤ主義を復活させている。
多くのトランプ支持者、そしてトランプ政権の関係者には、グローバリストは左派的なエリートであり、彼らが自分たちを愚か者だと侮辱している、という強い反発がある。トランプの勝利とは左派や高等教育を受けた者への大衆の反発であった。
切り離されていること、侮辱されていることは、強烈な感情であり、事実を超える悪の力を持つ。それは単純なポピュリズムのストーリーではなく、軽視してはならない。新しい愛国主義、文化、関係性、包括性を見出すしかない。
● 脱炭素
NYT MARCH 23, 2017
Why the World Economy Has to Be
Carbon Free by 2050
By
JOHAN ROCKSTROM
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The Economist March 4th 2017
France’s next revolution
French politics: Fractured
Red tape in America: Doing deregulation right
Deportation: Oiling the machine
Los Angeles: Dense as in smart
Lexington: Leading v cheerleading
German defence: Eine deutsche Atombombe?
Free exchange: An impossible mind
(コメント) フランス大統領選挙が、ル・ペンとマクロンの対決になる情勢を、そのポピュリズム政治の構造的な要因にさかのぼって考察します。あるいは、アメリカとドイツの難民に対する国外退去に見られる違いは何を意味するか?
トランプ政権の主要なテーマは、移民排斥や貿易戦争だけでなく、規制国家の解体です。その正しい進め方が重要です。ロサンゼルスの反成長住民運動、トランプの指導力、ドイツの核武装、そして、ケネス・アローに関する記事が面白いです。
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IPEの想像力 3/20/2017
LAマラソンの朝,4時15分に呼んでもらったタクシーは来ず,私と息子は慌ててメトロの駅に向かいました.しかし,駅では早速,ゼッケンと荷物のビニールパックを手にする,同じようにマラソンの格好をしたランナーたちがいたのです.
まだ真っ暗でしたが、彼らはなかなか元気です。半分ほどしか聞き取れませんが、早速マラソンの話を楽しみ、トレーニングの予定など、情報交換しています。
「目標タイムは?」とPaulaは私に訊きました。「5時間」と,私が答えると、「え! あなたトレーニングしてる?」と言われました。・・・まったく。面目ないです。後で彼女のタイムを訊きました。3時間47分! ・・・まいったなあ。
ユニオンステーションに着くと、さらに何人ものランナーが歩いており、すぐ近くにシャトルバスが数台待機していました。大会のホームページでは、確か、事前にネットで予約して、受付会場でもらった黄色のリストバンドをつけておく、ということでしたが.大丈夫でした。胸に付けたゼッケンを示して、どんどん乗っています。
ドジャースタジアムに着くと、まだ暗い敷地に舞台があって、ロックバンドが演奏していました。カントリーやロックの名曲みたいです。入り口では、もちろん、セキュリティが荷物をチェックします。早朝の寒さもあって、防寒のために着ていたポンチョ代わりのごみ袋を捨て、走った後に着替える服を詰めた透明のビニールバッグを、ゼッケン番号に従って分類されたトラックに預ければ,ゴールまで運んでくれます.私と息子は,荷台の前に立つ女性にバッグを手渡しました。
さあ,準備完了です。
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なぜLAマラソンに参加したのか?
春休みに、読みたい本は山積みでしたが、1つでも読もうとしたら休みをすべて使い果たしても読み終わらないように思いました。何か論文を書くべきですが、その材料は乱雑なまま机の周りに集積し,事務的な書類と一緒に埋没しています。
それは,学ぶことや,教えることへの魂の問題です.
どこか,ハーフマラソンにでも参加して,気合を入れるか,と思いました.あるいは,雪の少ない地域で,山歩きはできないだろうか,と.
RUNNETのニュースが届いたのは,そんなときです.エントリー可能な大会一覧.・・・ロサンゼルス・フルマラソンがありました.しかも,開催日まで1か月を切っています.本当かな,と信じられない気持ちで,ホームページを観ました.
日本語ページから進むと,確かにエントリーできそうです.受付期間の数日で締め切りになるとか,抽選になる大会も多いのに,これはラッキーだな,と思い,最後のクレジット支払いの番号入力まで来てしまいました.ここで中断して,次にアクセスしたときにはエントリーできないかもしれません.手帳で予定を観て,・・・決めました.
大会本部のホテルリストを観ました.130ドルから,250ドル以上のホテルも ・・・高いよ.
そこで,今,うわさに聞くシェアエコノミーの助けを借りました.AirBnBでLAを探せば,・・・・ありました.100ドル以下で泊まれます.スタート地点のドジャースタジアムに近い.メトロの駅にも歩いて行ける.スーパーマーケットがある.・・・いいな.Google Viewで周辺の通りを確認したのはもちろんです.
インターネットで,こうしたことができます.大変な時代になりました.なるほど,ホテルも,旅行代理店も,トラベル・ガイドブックの出版社も,多くの雇用を失うでしょう.
さらに,航空券が必要です.日も迫っているし,ネットで検索して,後から気が付いたのは,日付変更線がある,ということです.・・・うっかりしました.マラソンの後,すぐに帰らないと卒業式に間に合いません.
なかなかむつかしい条件なので,代理店に相談しました.彼が提示したチケットは,思ったより少し高く,しかも息子とは別行動になります.・・・それはどうも,と迷いました.
過去に使ったことがあるので,KALのサイトで探しました.仁川と金浦の空港間移動をしなければなりませんが,条件に合ったチケットを見つけました.代理店には悪いですが,そのままネットで購入しました.e-チケットの通知や予約番号も取得し,座席の指定もすべて完了です.
そして,ビザ申請です.ESTA(電子渡航認証システム)が導入されて,私は初めての渡米でした.トランプのアメリカへ入国することに,少し恐怖を感じます.こうして集めた個人データの集積から,テロリストなど,犯罪者を追跡しているのでしょう.しかし,・・・・突然,空港やホテルで,拘束されることもあるのではないか?
国境を超えるとは,そういうことなのでしょう.国家は治安を維持し,経済状態を健全に保つ責任があります.観光やビジネス,移民や貿易取引も,戦争から社会福祉まで,国家の関わる介入・監視対象です.・・・健全で,有能な国家を,私たちは求めます.
パスポート・ナンバーなど,さまざまな情報を入力し,クレジットカードで1人につき14ドルを支払う,という申請を終えて,アメリカ政府の承認を待つことになります.
2日前になって,荷物を確認するために詰めていました.リュック1つだけの弾丸マラソン旅行です.地球の歩き方のサイトで,持ち物チェックリストを参考に,息子に示すリストを作りました.しかし,大事なものを忘れていました.旅行保険です.
ネットで検索し,2人分,家族として加入しました.
最後の最後は,ドル紙幣.空港で2万円だけ両替です.160ドル余り,と円安を実感しました.
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LAマラソンが直前までエントリー可能であったのは,もしかしたら,トランプの入国制限など,不穏な情勢にランナーたちが敬遠したのかもしれません.
関西国際空港からリムジンバスで京都駅に着いた私は、卒業式のために白のワイシャツを買う必要がありました。そして、日本のジェントリフィケーション(高級化・都市再開発)を体験したのです。
伊勢丹百貨店のエスカレーターを上がり始めたものの、6階の紳士服売り場は遠く、ここでは高そうだ、とやめて、京都駅の地下街に向かいました。しかし、どうも食べ物屋が多く、男性の服は売っていません。
あるお店で尋ねると、ここには女性向けの店ばかりで、1軒だけ男性の衣装を扱う店でも、若者の服しか置いていない、と言われました。つまり、「あなたは女性ではないし、もちろん、若者でもない。」というわけです。
・・・ええい、観光地の歪曲された消費ビジネスめ! と悪態をつきながら伊勢丹へ戻り、たどり着いた6階で、私は再び唖然としました。・・・ワイシャツの値段は、1万5000円もしたのです。
LAでも京都でも、“Keep Out!” と、政治が言い、市場も言います。
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