前半から続く)

l  アジアの安全保障

FP APRIL 22, 2016

China’s Got Nuclear Power Plans for its Fake Islands

BY KEITH JOHNSON

Project Syndicate APR 26, 2016

Playing by the Rules in Asia

GARETH EVANS

「ルールに依拠した世界秩序」をオーストラリアは主張している。それは中国の行動を批判するものだが、アメリカも不満を感じるだろう。戦略的パートナーとしてのアメリカと、経済的パートナーとしての中国との間で、オーストラリアはゼロ・サム的な選択を避けたいのだ。


l  ユーロ圏の財政統合

VOX 22 April 2016

Towards a fiscal union for the Eurozone

Céline Allard, John C Bluedorn

VOX 24 April 2016

Which fiscal union?

Guido Tabellini

財政統合を推進すれば、それはユーロ債の発行と資本移動に対する財政安定化のルールを実行する独自機関を必要とする。金融危機に弱く、債務に依存し財政基盤の限られた国は、その利益も大きいが、独自機関により大きな主権を委譲することになる。

VOX 25 April 2016

Safeguarding the Euro – balancing market discipline with certainty

Thorsten Beck

長期的に持続可能な通貨同盟には、最低限の市場規律と、最低限の市場型リスク・シェアリングとが、適度に組み合わされていなければならない。後者には、政府が破滅的な危機に対するヘッジを提供し、金融規制と確実さとを提供する必要がある。


l  西側同盟の崩壊

SPIEGEL ONLINE 04/22/2016

Donald Tusk on Refugee Crisis

We Can Never Negotiate Our Values with Erdogan

A Commentary By Donald Tusk

SPIEGEL ONLINE 04/22/2016

Satire Affair

Turkish-Germans Caught Between Two Nations

By Serdar Somuncu

FP APRIL 22, 2016

How Many Angela Merkels Does It Take to Screw German Comedy?

BY THOMAS ROGERS

FP APRIL 22, 2016

Why Obama Couldn’t Rescue U.S.-German Relations

BY DANIELA SCHWARZER

次の日曜日にオバマがドイツに来ても、2008年の7月に大統領候補としてベルリンに来たとき20万人が歓迎したような情景は再現されないだろう。2009年にオバマが大統領に就任したとき、ドイツ、そしてヨーロッパの期待は最高潮に達していた。アメリカはヨーロッパと同じ価値観を実現するパートナーだと信じたのだ。気候変動、核廃絶、金融危機の協調的解決、国際機関の強化と国際協力・外交の重視、テロに足しても一方的・攻撃的な姿勢を改めると期待されていた。

そのようなことは起きず、ドイツ人の多くは失望を味わった。特にイラク戦争で、シュレーダーは、アメリカとドイツの価値観・生活スタイルが異なる、と言及した。冷戦も、東ヨーロッパの改革も、共通に支持するリベラルな世界秩序も、今は存在しない。

FT April 25, 2016

Barack Obama and the end of the Anglosphere

Gideon Rachman

オバマの個人的な背景が問題なのではない。オバマが、最初のアフリカ系アメリカ大統領であることではなく、最初の太平洋を重視する大統領であることが重要だ。ハワイで育ち、インドネシアでも過ごした。オバマ以前の大統領にはないほど、アジア太平洋を重視している。

SPIEGEL ONLINE 04/27/2016

Ticket to Europe

Refugee Crisis Focus Shifts to North Africa

By Walter Mayr

The Guardian, Thursday 28 April 2016

How the west was lost – and why we need it back

Timothy Garton Ash

アメリカとヨーロッパが協力して実現した、オバマが支持する西側の国際秩序に関して、反対する者は何を求めているのか? プーチン、トランプ、ル・ペンの描く世界秩序を支持することになってもよいのか?


l  シリア内戦

NYT APRIL 22, 2016

Frozen Life in Wartime Syria

By JANINE DI GIOVANNI


l  国連

FP APRIL 22, 2016

Everyone Hates the U.N. (Until They Need It)

BY SUZANNE NOSSEL


l  ラテンアメリカの変化

Project Syndicate APR 22, 2016 3

The Brazil Syndrome

LEARN MORE

中国が減速したことで国際商品価格は下落した。低賃金を理由に海外に生産拠点を移すことはなくなってきた。十分に工業化する前に、早期脱工業化が始まっている。外部環境の悪化に対する脆弱性が増しているのは、新興市場のガバナンス改革によって克服するしかないことだ。

Project Syndicate APR 27, 2016

Latin America’s Moment

RICHARD N. HAASS


l  所得格差

FT APRIL 23, 2016

Does anyone deserve £70m remuneration?

NYT APRIL 22, 2016

Rich People Are Living Longer. That’s Tilting Social Security in Their Favor.

By NEIL IRWIN


l  グローバリゼーションの制御システム

FT APRIL 24, 2016

The revenge of globalisation’s losers

Wolfgang Münchau

グローバリゼーションは西側先進諸国で普遍的な利益をもたらすことに失敗し、政治的な反発に直面している。エスタブリシュメントたちは、グローバル市場における競争力を実現する改革を各国が怠っているからだ、という。

私はそれに反対だ。西側におけるグローバリゼーションの失敗は、それがもたらす経済的なショックに民主主義が耐えられない、ということを示している。たとえば、20年間も実質賃金が停滞する。グローバルな金融危機に見舞われる。その結果、長期の経済停滞が続く。

ヨーロッパの大部分では、グローバリゼーションと技術革新が旧来の労働者階級を破壊したが、今や熟練労働者の職場、中産階級をも破壊し始めている。有権者たちが反対するのは当然だ。職場を失い、新しい雇用も見いだせないフランスの労働者たちが、そのような「改革」を支持するわけがない。

改革が成功する場合もある、とあなたは言うかもしれない。2003年のドイツで労働市場改革が行われ、ドイツのコストを抑えて競争力を増すことに成功した。しかし、その改革が完全雇用を実現したのは、他の諸国が同じような改革をしなかったからで、他国も労働コストを抑制すればネットの利益は生まれない。

しかも改革には大きなマイナス面があった。ドイツの物価は相対的に低くなり、純輸出が増えて、巨額の国内貯蓄が流出した。それは、ユーロ危機をもたらした国際収支不均衡の原因であった。こうしたドイツの改革が、先進諸国のグローバリゼーション対応策としてモデルになるとは思えない。

現実に、改革を進めた諸国がポピュリストの台頭にうまく対抗できた、という証拠もない。アメリカとイギリスは多くのヨーロッパ諸国よりもリベラルな市場構造を示す。しかし、イギリスはEU離脱を選択するかもしれないし、アメリカでは共和党が過激なポピュリストの大統領候補を立てるかもしれない。フィンランドはすべての分野で高い競争力を示すが、経済は回復せず、強力なポピュリスト政党が現れている。経済改革と既存政党への支持とは、直接、何の関係もないのだ。

グローバリゼーションが西側社会を政治的・技術的に圧倒している。われわれがそれを免れることはできないが、それでもグローバリゼーションのマイナス面を管理する必要がある。もはや、貿易自由化や市場改革を唱えるべきではないのだ。

この週末は、ドイツでTTIPに反対する大きな集会があった。ドイツにおける世界貿易やTTIPに対する支持は、この2年間で、90%から56%へ大きく減少した(反対は、25%から33%)。ドイツの社会民主党SPD党首がTTIPを強く支持するのは理解できない。反移民を掲げるAfDの支持者の多くが、かつてSPDに投票していたことも当然だ。

TTIP、反EU、反グローバリゼーション。マージナルな経済利益を得る合意は、その政治的な結果によって逆襲される。グローバルな市場自由化やEU統合を提唱する者は、その敗者を意識するべきだ。社会の一部の集団を損なうだけでなく、多くの国民が苦しんでいる。

Bloomberg APRIL 26, 2016

Swift Hack Is a Story of Globalization and Poverty

Leonid Bershidsky

バングラデシュの銀行システムを通じて、ハッカーたちは容易にSWIFTを侵略する。それは、ある意味で、ヨーロッパの難民危機と同じである。技術革新やグローバリゼーションによって、貧困と必要性はますます豊かな世界のドアを激しくノックする。人も資金も短時間で移動する21世紀にふさわしい、富のより普遍的な分配に努めるべきだ。


l  TPPTTIP

SPIEGEL ONLINE 04/25/2016

US Commerce Secretary on TTIP

'Our Administration Wants a Deal This Year'

By Veit Medick in Washington, DC

Project Syndicate APR 25, 2016

America’s Trade Deficit Begins at Home

STEPHEN S. ROACH

アメリカ大統領候補たちが不安を煽る中で、貿易論争とアメリカ労働者への影響が政治的党派の両端から歪めて議論されている。右派の中国叩きや左派のTPP反対が言うように、貿易はアメリカにとって最大の脅威なのか?

2015年、アメリカは101か国に対して貿易赤字を出した。これは、中国など、1国や2国を犯人扱いする政治家たちが理解していないことだ。貿易赤字の原因はアメリカ国内にある。すなわち、アメリカの貯蓄不足である。

2015年第4四半期の貯蓄率は2.6%であり、1年前に比べて0.6%減少し、20世紀最後の30年には平均6.3%であった。貯蓄がなければ投資できないから、アメリカは必要な投資をするために外国の貯蓄を輸入している。それは大規模な国際収支の不均衡を生じる。アメリカの貯蓄不足は、1980年以来の平均で、GDP2.6%となっている経常収支赤字と等しい。

この問題を政治化する者たちは、例えばトランプのように、中国からの輸入に45%の関税を設ける、と言う。低貯蓄率をそのままにして、このような政策を採れば、中国製品が失った市場を他の国からの輸入品が埋めるだろう。中国の賃金は、まだ、アメリカの他の主要輸入宛国より低いから、その結果は高コストとなって、実質的にアメリカ中産階級に増税したことと同じになる。

同様に、サンダースが言うように、アメリカが10年間で145000億ドルの政府支出を行った場合はどうか? アメリカの貯蓄不足の大きな割合が財政赤字であるから、それは一層の経常収支赤字と中産階級への圧力となるだろう。同じ意味で、TPPもアメリカ中産階級を苦しめる。なぜなら、それはTPPに参加していない中国からの輸入を、TPP内の日本、カナダ、オーストラリアからの輸入に転換する効果があるからだ

問題は、家計に貯蓄よりも消費を促すような、アメリカ政府が採ってきた政策である。アメリカはあまりにも長い間、外国の貯蓄に頼ってきた。貯蓄それ自体が目的ではないが、消費を刺激することで政府はアメリカン・ドリームを悪夢に変えてしまった。貿易論争はその危険を示している。

Bloomberg APRIL 25, 2016

German Scorn Could Kill the Transatlantic Trade Deal

Therese Raphael

NYT APRIL 26, 2016

The Mirage of a Return to Manufacturing Greatness

Eduardo Porter

半世紀前には、ケチャップのために2.2トンのトマトがカリフォルニアで耕作され、45000人を雇用していた。1960年代、大学の研究開発でトマトの耕作や採取を効率化する機械が発明され、労働者たちは失業した。農業労働者組合は、機械化やそのための公的研究助成を禁止するように求めた。

今や、クリントンは製造業の労働者たちがグローバルな競争に勝つことを、トランプはNAFTAを破壊し、中国に高い関税を課すことを、サンダースは通商条約の成立に反対することを、約束する。しかし、製造業の雇用は世界中で減少している。トランプのようにアメリカを壁で囲んでも、クリントンのようにアメリカから逃げ出す企業を罰しても、国内の製造業雇用が復活することはないだろう。

20世紀を通じてアメリカの農業は生産量を増やしたが、その雇用は労働者全体の41%から2%にまで減少した。製造業も同じである。日本が長期の停滞を経験しているのは、その開発戦略が過度に製造業に頼っていたからだ。

発展途上諸国は「早期脱工業化」に苦しんでいる、とDani Rodrikは言う。製造業には、資源採取と異なって、未熟練労働者を多く雇用するという特徴があった。しかも、国内市場が狭くても輸出することで成長できる。それは労働者たちに所得や技能を高め、高度な教育のための時間を与えた。豊かな国のようにサービス産業への移行が難しい発展途上諸国が、早期に製造業を失った後どうするのか、政治的な答えは見つかっていない。

FT April 29, 2016

US puts robots at vanguard to win next great power game

FT April 29, 2016

China’s robot revolution

Ben Bland


l  軍事介入より国内改革

FP APRIL 25, 2016

Why Is America So Bad at Promoting Democracy in Other Countries?

BY STEPHEN M. WALT

これまで3人の大統領が、グローバル化した世界で唯一の可能な政治体制はリベラルな民主主義であると確信し、ウィルソン的な理想を掲げて、民主主義の拡大をアメリカ外交の基本要素にした。しかし、こうした努力は良い成果を残せなかった。最近愚性が終わったMyanmarは別にして、Libya, Yemen, and Iraqなど、多くの顕著な失敗があり、Turkey, Hungary, Russia, Polandでも民主化は後退している。EUやアメリカでも民主主義はうまく機能していない。

私のようなリアリストは政治体制の性格や国内制度、ましてや民主化に関心がない、と思うかもしれない。それは間違いだ。リアリストたちは、体制の違いや国内制度が重要であることを知っている。リアリストたちは、相対的なパワーと安全保障の必要性が通常はより重要であり、国際システムの圧力が異なる体制を驚くほど類似した行動に導く、と考えている。

それでも、民主化にともなう危険を考慮しつつ、民主主義を支持する理由は存在する。安定した民主主義は長期的な成長を実現し、基本的人権を保護する上でも優れている。民主主義国も戦争するが、民主主義国同士は戦争しないという一定の証拠もある。

民主主義体制の増加は、人類にとって望ましいことであると思う。しかし、問題は、どうやってその目標を達成するのか、である。

まずはっきり言えることは、軍事介入ではない、ということだ。軍事力で民主主義を拡大することが失敗するのは、いくつかの理由による。第1に、リベラルな秩序が成功するには、憲法や選挙以上に、多くのことが求められる。効果的な法体系、政治的多元主義、所得や教育の水準、選挙で敗北しても将来の回復は可能であり、システム内にとどまって協力する動機がある、などだ。さまざまな社会的要素は西側で数百年を経て形成されたもので、それはしばしば、非常に苛烈で、暴力的な過程であった

2に、暴力による民主化にはほとんど常に暴力的な抵抗が起きる。ナショナリズム、その他のローカルなアイデンティティーは現代政界でも強力であり、高度に武装した外国の征服者が命令することに従わない。民主化の過程でパワーや富、社会的地位を失う集団は、不可避的に武器を取って反政府勢力になり、自分たちの利益を損なわれたと感じる近隣諸国は移行を阻止し、逆転させるだろう。

暴力は、民主化に最もふさわしくない者たちを指導者にする。彼らは有効な民主的制度を築かず、分派間の合意を目指さず、忍耐や寛容を促すことなく、安定した生産的経済も実現できない。外国の占領軍は正しい指導者を見いだせず、新政権への援助は汚職や現地政府のゆがみをもたらす。それは何の設計図もなしに、地震多発地帯で、原子力発電所を建設するようなものだ。

要するに、外部から民主化を、迅速、安価、確実に設計する方法はないのだ。軍事力が間違いなら、何か良い方法はないのか?

私は2つのアプローチを支持する。第1に、外交である。東欧やミャンマーのように、その国に自生的な、優れた民主化運動が存在しているとき、強力な外部勢力が、その影響力を駆使して、漸進的な民主化を励ますことは可能である。

2に、アメリカが民主主義の模範を示すことだ。もしアメリカが、公正で、繁栄し、活気のある、寛容な社会であると広く認められるなら、他国はアメリカの民主的な理想を模倣したいと思うだろう。逆に、不平等が蔓延し、政治家たちは外国人に対する攻撃や侮辱を示し、囚人の数が世界最大で、空港その他の公共施設が目に見えて老朽化しているなら、だれもアメリカのいうことを聴かない。

アメリカが、まず、国内でその理想に従う生活の改善をするなら、他国の民主化を促すことにも成功するだろう。それは、10年以上も費やしてきた、アフガニスタンやイエメンで強固な民主主義を築くことより、少し簡単であろう。


l  核廃絶とドローン戦争

FP APRIL 25, 2016

It’s the Proliferation, Stupid

BY JOHN HANNAH

NYT APRIL 27, 2016

Obama’s Last Chance to End the ‘Forever War’

By JENNIFER DASKAL


l  チェルノブイリ

SPIEGEL ONLINE 04/26/2016

The Chernobyl Conundrum

Is Radiation As Bad As We Thought?

By Manfred Dworschak

Bloomberg APRIL 26, 2016

Ignoring the Lessons of Chernobyl

Leonid Bershidsky

Project Syndicate APR 27, 2016

New Politics for Clean Energy

JEFFREY D. SACHS


l  ヨーロッパの反Google

FP APRIL 26, 2016

Europe’s Misguided Anti-Google Crusade

BY PHILIPPE LEGRAIN

NYT APRIL 28, 2016

Europe’s Case Against Google Might Help Rivals More Than Consumers

By JAMES B. STEWART

FT April 29, 2016

Facebook’s special shares are a mistaken invention


l  日本銀行

Bloomberg APRIL 26, 2016

Japan's Growing Poverty Defies Glib Explanations

Noah Smith

Bloomberg APRIL 28, 2016

Bank of Japan Finds It Can't Win

Mohamed A. El-Erian

FT April 29, 2016

The Bank of Japan risks a reputation for caprice

木曜日、日銀は投資家たちの期待を裏切った。マイナス金利を強めることも、金融資産をさらに購入することもなかったのだ。日銀の黒田総裁は、市場を驚かすことでデフレ退治を試みてきたが、それは中央銀行として、気まぐれだ、という評価につながるかもしれない。

日銀が消極的な決定に至った理由は、金融市場における他のプレーヤー、アメリカ連銀と日本政府の行動を考慮したからであろう。アメリカ連銀が金利を上げても、日本政府が増税をやめても、日銀への圧力は減少する。しかし、投資家を驚かすための「イタチごっこ」を続けることは信認を損ない、デフレ回避にマイナスとなる。


l  オバマの後に

NYT APRIL 27, 2016

Is the U.S. Ready for Post-Middle-Class Politics?

By CHARLES HOMANS

NYT APRIL 28, 2016

President Obama Weighs His Economic Legacy

By ANDREW ROSS SORKIN

NYT APRIL 28, 2016

Why Is Productivity So Weak? Three Theories

Neil Irwin

Bloomberg APRIL 28, 2016

Obama's Economic Disappointment

Narayana Kocherlakota


l  イギリスの大学

FT April 28, 2016

Boom time for UK universities as fee income encourages expansion

Miranda Green


l  セルビアの選挙

FP APRIL 28, 2016

Why the Election in Serbia Is No Cause for Rejoicing

BY CRISTINA MAZA

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The Economist April 16th 2016

The French left: Liberty, equality, seniority

Industrial clusters: Bleak times in bra town

Business in Africa: 1.2 billion opportunities

Free exchange: Terms of engagement

(コメント) フランスの若い経済大臣(Emannuel Macron 38歳)が、旧来の中道右派と中道左派のコンセンサスを超えた政策を模索します。特に、移民問題と若者の失業問題を扱う21世紀型の政策です。

中国の沿岸諸都市が特定の商品に関する世界的な生産集積地として発展し、今や、急速に消滅し始めています。他方、アフリカが示す新しい都市や中産階級のもたらす機会に、特集記事は注目します。

グローバリゼーションの利益と狭い地理的な選挙区制度による矛盾を克服する試みは、どこよりも、グローバルな都市において住宅問題に示されます。住民たちはグローバリゼーションの利益を享受しつつ、公共施設による不利益は集団的に拒みます(NIMBY)。さまざまな規制が都市の住宅建設を抑え、価格高騰が都市政治による補償や規制委員会の改変、そして上位の政治権力による相互報酬的なルールの確立に向かいます。

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IPEの想像力 5/2/16

インタビュー達人たち、で語り合う2人、ヴェネチアの陶芸家・画家、土田康彦と、チョコレートのパティシエ、小山進の話に驚きました。

土田氏の表現の正確さ、一つ一つの言葉に込められる思いの強さに、国を超えて放浪する者の高邁な精神と、その造形にかかわった不思議な人々の感動が伝わって来るようです。そして小山氏がチョコレートで実現した職人のユートピアにも、まったく、驚きました。

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グローバル・ステーツマンシップを示す新しい世界の指導者たちが登場するとき、未来に戦争ではなく希望を持つことができます。

The EconomistApril 16th 2016)の記事を読んで思いました。・・・「アフリカ新興市場の諸都市が、群島のように、インフラによって結ばれる。」

アフリカには大きな機会がある。戦争や内戦が続き、暴力にあふれ、狂気の指導者たちが住民を翻弄してきた大陸に、安定した平和が広がり始めている。

膨大な若者の人口が仕事を求めている。彼らは読み書きができて、急速に携帯電話も普及している。太陽光発電も普及する。小さな商店が太陽光発電のパネルを取り付けて、日が暮れてからも商売できるようになった。携帯電話も扱う。電話による情報が利用可能になり、それは支払いや決済、融資にも利用されるようになっている。

もしインフラが整備されて、小さな町や村が都市につながり、アフリカ大陸の各地に点在するいくつかの都市が、群島のように成長を加速し始めたらどうなるか? 彼らのダイナミックな投資や技術革新が、次の世界を形成するパワーの源かもしれない、と感じます。

STEPHEN M. WALTの論説(“Why Is America So Bad at Promoting Democracy in Other Countries?” FP APRIL 25, 2016)を読んで思いました。・・・「中国が独自の民主化を推進して、その社会的理想により、欧米社会の秩序変容や日本を含む近隣諸国との協力体制に影響を与える。」

アメリカは、民主主義を世界に広めるために軍事力を行使したが、それは多大の犠牲と浪費、そしてアメリカへの非難を生じた。民主化のために軍事力を用いることが失敗する理由を理解しなければならない、とWaltは考えます。民主主義は複雑な社会制度や政治的文化に依拠しなければ機能せず、それらは何百年もかけてヨーロッパに誕生し、容易に移植できない、と。

むしろ、アメリカやその他の民主主義諸国がすべきことは、他国の民主化に向けて内部の改革を支援すること、あるいは、民主化を弾圧する勢力に非軍事的手段で影響力を及ぼすことだろう。さらに、とWaltはアメリカの「リベラルな介入主義外交」を批判します、国内の改革を実現することで民主主義的統治の魅力を高めるべきだ。

未来に向けて想像してみることです。

アフリカの非核宣言と世界の核兵器廃絶に向けた貿易投資協定は、衰退する核保有諸国の軍備拡大競争を時代錯誤にするでしょう。あるいは、朝鮮半島の再統一と、それに先行するモデルとして、中国自身が権力の分散・連邦化を進め、その一部として、台湾の自治権を認めた再統合が成功するかもしれません。

それはアジアの未来を、「ベルリンの壁崩壊」よりずっと好ましい歴史にするはずです。

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The Economist April 23rd 2016の表紙は、アメリカの形をした、油の垂れる、汚れたエンジンを吊り上げて、さあ修理するぞ、と腕まくりするブルー・カラー姿のヒラリーです。

「先生的には、だれが大統領になってほしいですか?」と学生に訊かれて、少し、答えに詰まりました。・・・ヒラリーだろうか? 私は、彼女がファースト・レディとして夫を支え、また民主党の大統領候補争いでオバマに敗れても、その後の政権に国務長官として加わった後、今でも自分が大統領になってアメリカと世界を治めたい、と願う、その強い意志に驚きと敬意を感じます。

70歳を過ぎて大統領を務めることは大変だろう。しかし、本選挙までに2回の脱皮を成し遂げるなら、ヒラリー・クリントンに大統領になってほしい。」

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