IPEの果樹園2016

今週のReview

2/22-27

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トランプの支持者 ・・・シリアの停戦合意 ・・・イギリスのEU離脱 ・・・マイナス金利の悲観論 ・・・メルケルの難民危機 ・・・ユーロ圏改革 ・・・サンダースのアメリカ ・・・人民元の通貨不安 ・・・次の金融危機 ・・・大学というビジネス ・・・日本経済のまやかし

 [長いReview]

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主要な出典 Bloomberg, FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, The Guardian, NYT: New York Times, Project Syndicate, SPIEGEL, VOX: VoxEU.org, そして、The Economist (London)

[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.]


l  トランプの支持者

FP FEBRUARY 11, 2016

What Is Scarier Than Donald Trump?

BY DAVID ROTHKOP

トランプの何が怖いのか?

その多くの嘘や愚かさを,メディアは重視せず,まともな候補者であるかのように扱い,彼の提示する条件でマイクやスタジオを与えた.それはトランプの正当性を高めた.彼についての悪評や破産,大ぶろしきの記録,怪しい仲間などは取り上げなかった.

もしトランプが共和党の候補になれば,このような愚か者にも国民は投票することになる.これはネオ・オーウェル的なナンセンスである.

私たちはトランプのことを笑う.しかし,トランプを候補者にする燃料がアメリカ社会に蓄積されていることについては笑えないし,笑ってはならない.現在や過去のヨーロッパが示した不満,疎外感,そして恐怖心である.暴漢たちが武装し,アメリカの民主主義を堕落させるのを許してはならない.

FP FEBRUARY 12, 2016

Michael Bloomberg’s One Percent Foreign-Policy Doctrine

BY THOMAS MEANEY

FT FEBRUARY 16, 2016

Trump towers over his surroundings

Edwin Heathcote

NYT FEB. 16, 2016

The Roosevelt Approach

David Brooks

トランプには政策がない。サンダースは政策を実現する見込みがない。

しかし、支持者はそれを気にしない。サンダースとトランプは、人々が感じていることを知っている。彼らが憤慨することに憤慨する。トランプ=サンダース現象とは、情念から生まれている。エネルギーを高め、魔法の解決策を与え、不信を抑える。

ヒラリーは有権者たちに冷静になるよう求める。プラグマティックになるように。投票のことを考えるべきだ。法案を議会で通過させることができるのは誰なのか?

しかし、その主張は聞いてもらえない。論争で、サンダースは現実の制約を無視している。だから常に大胆な答えを示す。トランプは政策ではなく、自我を表現する。だから彼の答えは生き生きしている。

こうした情念に、プラグマティズムでは勝てない。人間の感性とはそういうものだ。怒りの情念を、冷めた計算では打ち負かせない。

多くのアメリカ人が、自分たちは自然災害の(ゆっくり進む)被災者であると感じている。サンダースとトランプはその責任を信用できない集団に求め、彼らを非難する。ウォール街や移民たちだ。しかし、自然災害を引き起こしたのは、もっと構造的な力である。すなわち、グローバリゼーション、技術革新、家族の崩壊、人種差別。

偉大な国は自然災害に対して団結する。国を分断するような指導者を選ばない。F.D.ルーズベルトやD.アイゼンハワーのように、信頼、楽しみ、近所づきあいを強化するような指導者を選ぶ。彼らは指導者として、団結、責任感、犠牲を、深い意味で喚起した。

トランプやサンダースに対抗するには、心理的な転換が重要だ。

彼らには叫ばせておけばよい。そして、あなたは温かさ、信頼、楽天主義を示す。彼らは憤慨し、講演するだろうが、あなたは人々と意見交換し、おしゃべりし、話に耳を傾ける。

彼らは、移民たちや1%の富裕層など、誰かを犠牲にすることで問題をすべて解決できると言うが、あなたは犠牲を分かち合うと言う。富裕層も、中産階級も、貧困層も、市民として多くの貢献ができる、と。

官僚たちが無死の貢献をする国家に住みながら、彼らはビジネス界や国家を遠ざけるが、あなたは多様なアメリカの社会的な仕組みを再建するよう主張する。温かみのあるナショナリズムを支持し、アメリカは衰退しつつあるのではなく、21世紀にも支配的な地位を維持し、怒りや恐怖よりも、信頼こそが重要だ、と説く。

トランプやサンダースの情緒的な主張は、時とともに、人々を傷つけ、消耗させる。この国の社会を再建できるという信頼を与えるものが、ホワイトハウスに席を得るだろう。

NYT FEB. 17, 2016

Donald Trump’s Secret? Channeling Andrew Jackson

By STEVE INSKEEP

なぜトランプは支持されるのか? リアリティ番組が創り出したナルシシズムの怪物か? ヨーロッパナチズムの再来か? ニューハンプシャーで対立候補に2倍の差をつけて勝利したことは、違う説明を必要としている。

トランプは、アメリカ政治の伝統にあった政治スタイル、古典的なアメリカ民主主義の指導者である。トランプを支持するファンはアパラチア地方の諸州に集中している。ミシシッピやアラバマから、ペンシルベニア西部、ニューヨークまで。サウスカロライナ北西部は最も支持者が多い地域だ。

この大アパラチア圏は、何世紀も文化的に他地域と区別されてきた。イギリス諸島から来た移民たちは、この山間部に押し出された。その子孫たちは、限られた農地、炭鉱事故、極度の貧困に苦しんだ。

現代のアパラチアは素晴らしい道路や自動車産業、新しい移民たちによって異なって見えるが、その有権者たちは旧式のアメリカ、農村部の、白人、保守派が代表している。彼らがニューヨークの不動産大富豪であるトランプに見ているのは、ジャクソンという男だ。

意識的かどうかはわからないが、トランプはジャクソンのスタイルや考え方を借りている。トランプは、ほかのだれが傷ついても、支持者たちの問題を解決する、と約束する。彼は著名な富豪で、いつでも闘う覚悟があり、アメリカを再び偉大な国にする、という熱狂的な愛国者である。腐敗した政府を非難し、庶民の味方である。すべてジャクソンが言ったことだ。

ジャクソンは移民の子供で、孤児になった。1812年の戦争で将軍として活躍し、国民的な有名人になった。当時の軍の副官がジャクソンの伝記を書き、その野蛮な行為までも称賛した。多くの有権者の支持を集め、敵対候補を野蛮なやり方で叩き潰した。彼は服従を求め、新聞で彼を侮辱した人物と決闘し、殺害した。

トランプと同じく、ジャクソンも不動産で財を成した。インディアンが所有する望ましい土地を得るため、嫌がらせや買収により、安く売却させた。ジャクソンも政党や政策を気にしなかった。富裕層になったが、裕福なエリートを攻撃した。自由を擁護すると言うが、多数の黒人奴隷を使って、綿花プランテーションの個人的な帝国を経営した。

ジャクソンはホワイトハウスを手に入れたが、トランプはどうか? ジャクソンの時代の連携はもはや選挙を支配していない。非白人の有権者が増えた。多くの白人有権者もトランプを支持していない。ジャクソンの掲げた原則の1つは、多数派がアメリカを支配する、であった。


l  イスラム国家

FP FEBRUARY 11, 2016

The Islamic State Will Survive America’s Military Onslaught

BY COLUM LYNCH


l  シリアの停戦合意

The Guardian, Friday 12 February 2016

Russia is the big winner in Syria’s flawed ‘truce’

Shashank Joshi

The Guardian, Friday 12 February 2016

The Guardian view on Syrian peace hopes: are Russia and the US really on the same page?

Editorial

FT February 12, 2016

Syria plan prompts scepticism as Russia carves zone of control

Sam Jones in Munich

冷戦によって、人道的な支援を増やすことができる。

他方、シリアの停戦合意は、明らかに、ロシアの勝利である、西側は、結局、ロシアの定義したテロリストを攻撃することに同意した、とロシア政府の外交幹部は言う。

NATO軍の司令官も、和平合意に関するロシアの意図を疑っている。ロシアはシリア西部で反政府勢力に空爆し、アメリカは東部でISISに対して空爆した。この合意は、西側のロシアとシリア政府の影響圏、東側のアメリカの影響圏を、分断する状態に向かうかもしれない。シリア分割と、ロシアに中東の拠点を与えるものだ。

ケリー国務長官は、シリアの分割やアサド政権の存続を認めるものではない、という。しかし、ロシアの戦略が、ウクライナの東部に侵攻し、分断したミンスク合意と非常に似ているのを、だれもが感じている。

FT February 12, 2016

Syria ceasefire: What does it mean?

Erika Solomon in Gaziantep

FT February 12, 2016

Syria is merely one piece in Russia’s strategic jigsaw

Tony Barber

Bloomberg FEB 12, 2016

Syria's Welcome and Dangerous Truce

By Editorial Board

FT February 16, 2016

A Syria policy that dares not speak its name

Michael Ignatieff

かつてオバマ大統領が警告したラインを、化学兵器を使用したシリアのアサド大統領が超えたことに、アメリカは何もせず、その政策は無意味になった。

先週、ミュンヘンでモスクワとワシントンが合意したシリア停戦も、アメリカは望まないことだが、アサドとロシアのプーチン大統領が、アレッポなど、その支配地域で反体制派を攻撃することについて承認するものだ。

その結果、アレッポの自由派は引き続きロシア軍の爆撃にさらされ、2011年に始まった市民の蜂起が支援を得られないまま崩壊するだろう。アサドは独裁体制を再建し、生き残りの反政府派に報復するのは確実だ。

慎重にリスクを避けるアメリカ大統領が、その果実として得るのは、ISISと戦うためには戦略的にロシア軍と同盟するしかない、という間違った思い込みにより、多くの無辜の市民たちが命を失う、ということだ。ロシアとイランが中東に拠点を占め、各地の戦闘は続いて、平和になる日は来ないだろう。アメリカが見捨てた反乱軍の兵士たちは、生き延びたなら、必ずISISの仲間になる。アメリカはISISを敗退させるどころか、その仲間を増やしている。

アメリカの政策はヨーロッパに最悪の世界をもたらした。ヨーロッパの諸都市にはテロ攻撃が起き、シリアの内戦が終わらず、多数の難民がヨーロッパの境界線に向かっている。難民が増え続ければ、ドイツも他の諸国に並んで国境の壁を再建するかもしれない。

今でも方向を変えることはできる。ケリー国務長官はアレッポに人道支援物資を届けようとしているが、ロシアの特殊部隊が加わるシリア軍はアレッポの包囲を解こうとしない。その包囲の中で反乱軍を敗退させている。アメリカとNATOは、信用に足る強力な威嚇を与えることによってのみ、それを阻止できる。例えば、クリミア侵攻、ウクライナの主権侵害に対して、すでに行われているロシアへの経済制裁をさらに強化することだ。あるいは、信頼する反乱軍に地対空ミサイルを供給することだ。

最後の手段として、NATO軍は保護空域を設けるべきだろう。アレッポからトルコ国境までの都市をつなぐ避難経路の上空に、市民たちを保護する空域を設ける。さまざまな衝突のリスクに関しては、厳格なルール、緊密な情報交換、紛争回避について、アサドやプーチンを説得する。即時停戦と交渉を経た政治的な解決だけが、シリアに平和を実現するものだ。

NATOの信頼性、ヨーロッパ同盟の生き残り、無数の市民たちの命がかかっている。

FT FEBRUARY 16, 2016

Putin’s Syrian rampage presents tough choices

YaleGlobal, 16 February 2016

However Annoying, Failure to Engage Russia Is Not an Option

Jochen Prantl

FP FEBRUARY 16, 2016

Syria Cease-Fire Brings Turkey Closer to War

BY ROY GUTMAN


l  イギリスのEU離脱

FT February 12, 2016

The lady is for turning...in her grave

Robert Shrimsley

離脱派は、サッチャーの精神を引き継ぐと信じているが、サッチャーは自分の政治目的を達成するためにEU離脱を唱えなかった。しかし、権力を失ってからは離脱を支持しただろう。

EU残留派は、Winston Churchill, Lloyd George and the Duke of Wellington. そしてNeville Chamberlainを仲間として並べる。王室からはElizabeth Iが参加する。

EU離脱派は、Charlie Chaplin, John Lennon and Elizabeth Taylorを並べ、John Lennonも加えるだろう。

政治が離脱を唱えても、だれも経済的な利益を失いたくないのだ。

Project Syndicate FEB 15, 2016

Brexit and the Special Relationship

RICHARD N. HAASS

FT February 16, 2016

Eurosceptics must choose between party and country

Sebastian Payne


l  マイナス金利の悲観論

FT February 12, 2016

Yellen’s bias towards higher US interest rates

FT February 17, 2016

Central banks: Negative thinking

Robin Wigglesworth, Leo Lewis and Dan McCrum

東京、御徒町のレストランが夕食の客の準備に忙しい時、二人の老人は貴金属店の前の交差点で金価格の変動を気にしている。日本銀行がマイナス金利を採用したからだ。リスクを冒したくない老人たちにとって、そのニュースは悲観を強めるだけだ。

インターネット上では、退職者たちが日銀のマイナス金利を「拷問だ」と非難している。「デフレ克服のために物価を上げる、消費税率を引き上げる、金利を下げる。・・・彼らは我々を苦しめることしかしない。」

株価の下落、円高、10年物国債の利回りが初めてマイナスになった。しかも悲観するのは日本人だけではない。量的緩和が市場に対する効果を失って、中央銀行は新しい手段を探している。

スウェーデン、スイス、デンマーク、ユーロ圏に、最近日本が加わって、何らかの形のマイナス金利政策が及ぶ規模は世界経済のほとんど4分の1に達する。デフレと戦い、為替レートを安くし、成長を刺激することが期待される。

金融危機以降の金融政策に関して、市場はおおむね支持してきたが、マイナス金利については不安が強まっている。それは中央銀行の影響力が失われていることを示し、むしろ危険な政策である、と考える投資家やアナリストもいる。こうした極端な手段が金融や経済の安定性を損なう恐れがある、と考える。

スウェーデンのリクスバンクが2009年にマイナス金利(NIRP)を初めて導入した。その時は、経済が速やかに回復し、金利を引き上げた。しかし、20146月にECBがマイナス金利を導入しても、それはドラギ総裁のQEによるデフレとの戦いを支援し、その時間稼ぎとなるはずだった。それはユーロとの為替レートが大きく変動するのを抑制したいスイスやデンマークにも波及する。そして1月には、アベノミクスを支える日銀がマイナス金利を採用する。

経済理論では、マイナス金利が銀行の融資を増やし、貯蓄者に支出を促し、資本流入を抑えて、通貨を安くするはずだ。しかし、銀行は必ずしも速やかにマイナス金利を預金者に転嫁していない。すると、銀行経営を圧迫する面が注目され、銀行株が急速に下落した。それは株価を引き下げて、むしろデフレを強めている。

マイナス金利はどこまで進むのか? 銀行ビジネスへの影響は深刻だ。ほかにも、保険、年金運用、MMF、などは、安全な固定利回りの資産を探している。マイナス金利政策が債券利回りを失わせる。

人々は貨幣をベッドの下に隠してしまい、貨幣は流通せず、融資にも使用されない。それこそ非生産的である。ECB500ユーロ紙幣の廃止を検討している。ドイチェバンクのストラテジストは、マイナス金利政策が大量破壊兵器であり、通貨戦争を加速して「相互確証破壊」に至るのは確実であるから、中央銀行は他の「バズーカ」を探すべきだ、と述べた。

マイナス金利政策の最も陰湿な効果は、それ自体がデフレの悪夢を広めてしまうことだ。貯蓄から投資によって利益を得るという正常な時代ではなくなった、と多くの人が考え始めている。

Project Syndicate FEB 18, 2016

Central Banking Goes Negative

STEPHEN S. ROACH

絶望的な最期の行為を採用して、中央銀行は経済をコントロールしてきた。ゼロ金利、量的緩和、そして今や、マイナス金利である。しかし、こうした行為は次の危機を準備するだけである。

主要諸国の経済は慢性的な回復の遅れに苦しんでいる。これは野村のエコノミストRichard Kooが解明したように、バランスシート不況である。金融危機後、銀行は債務拒否症候群に苦しんでいる。

1930年代の「流動性危機」が、20年前にP.クルーグマンが指摘したように、日本で復活した。1990年代の初めに株価や地価のバブルが破裂した後、銀行を中心とした系列システムは過剰なレバレッジの負担に苦しんだ。同じことは、債務に依存した貯蓄不足のアメリカ消費者、レバレッジに頼ったインフレ的な成長を煽ったユーロ圏周辺諸国でも起きた。

これは現代の中央銀行が犯した最大の失敗であるだろう。しかし、彼らはそれを認めなかった。2004年初めに危機の克服を宣言したグリーンスパンに始まり、その後継者たちも、危険な坂道を進んでいる。バーナンキが採用したQE量的緩和や、ドラギがユーロを守るために「何でもする」と宣言したこと、黒田が採用したQQE量的質的緩和、そして、アメリカ連銀もマイナス金利を採用するのか? 問われている。

しかし、中央銀行家たちは伝統的な金融政策と非伝統的な手段との間に根本的な差はない、という間違った確信に依拠している。そこには、2つの問題があるだろう。第1に、彼らは金融的な安定性を損なっている。第2に、政治家たちは財政刺激策の要求から逃げることができる。1930年代の流動性の危機を抜け出すために、政府は何もしようとしない。

しかし、世界的に総需要が不足する中で、マイナス金利や、新規融資を増やさない銀行への処罰は、1990年代の日本で借り手たちがそうであったような、「ゾンビ融資」を増やすだろう。金融危機の中で道に迷った中央銀行家たちは、世界を巻き込みつつある。


l  メルケルの難民危機

SPIEGEL ONLINE 02/12/2016

Turkish-German Pact

EU Split by Merkel's Refugee Plan

By Horand Knaup, Peter Müller, René Pfister and Christoph Schult

NYT FEB. 14, 2016

Will Merkel Pay for Doing the Right Thing?

Roger Cohen

FT FEBRUARY 16, 2016

Germany must cut new migrant numbers fast

Jens Spahn

FT FEBRUARY 16, 2016

Angela Merkel: Lots of foes, fewer friends

Stefan Wagstyl

難民への開放政策を唱えるメルケルは孤立を深めている。ドイツが精査鵜を強く求めすぎれば、EUは分解する。

キャメロンを強く支持したメルケルだが、BrexitによってEUとの交渉を有利にできることが示された以上、他の国がそれをまねるだろう。

NYT FEB. 16, 2016

Why Angela Merkel Could Lead the U.N.

By MARK SEDDON


後半へ続く)