(前半から続く)
l EUの通貨と移民
Project Syndicate JAN 8, 2016
The Threat That Will Save Europe
DANIEL
GROS
ギリシャによるユーロ圏の離脱もなかった。シェンゲン協定をめぐって、国境管理を再現した国もあるが、それは一時的なものである。どちらも統合化のルールに従っている。
Project Syndicate JAN 8, 2016
European Solidarity In a World of
Crises
JEAN-CLAUDE
JUNCKER
FT January 14, 2016
Uncertainty over the EU is
Switzerland’s biggest challenge
Ralph
Atkins in Zürich
FT January 15, 2016
Poland-EU: Stand-off in the east
Henry
Foy and Duncan Robinson
l 北朝鮮の核実験
NYT JAN. 8, 2016
Stopping North Korea’s Nuclear
Threat
By
VICTOR CHA and ROBERT L. GALLUCCI
北朝鮮は今も、核兵器が大勢を維持する唯一の手段であると信じている。
制裁は戦略の一部である。北挑戦は、過去に二度、交渉に応じた。それはマカウの銀行口座を封鎖されたとき、人道に対する犯罪として国際裁判所に告発されたときだ。
Bloomberg JAN 8, 2016
Stiffer Sanctions on North Korea
Won't Work
By
Andrei Lankov
(China Daily) 2016-01-08
DPRK nuke tests threaten itself and
others
By
Zhang Zhouxiang
NYT JAN.
9, 2016
How
‘Crazy’ Are the North Koreans?
By JOEL S. WIT
Project
Syndicate JAN 11, 2016
Rethinking
Sanctions
KOFI A. ANNAN and KISHORE MAHBUBANI
経済制裁が増えている。国際レジームとして制裁が効果的に働くになったのか?
実際は、それが効果を発揮していない、と専門家は指摘している。制裁は、むしろ逆効果にもなる。闇取引が増えるのだ。制裁をすることで外交的な努力が無視される。制裁したまま解除されない。何かせよという国内政治の圧力によって、効果のない制裁を行っている。
制裁には、確かに、それが国際政治の適切な手段として決定される場合がある。その効果を上げる必要がある。
FP JANUARY
12, 2016
How to
Plan for the Worst in North Korea
BY JAMES STAVRIDIS
l 金融市場と金融政策
FT January 10, 2016
Heed the fears of the financial
markets
Lawrence
Summers
経営者や政策担当者は、日々の株価の変動を気にするな、と優れたエコノミストや政治家は言った。しかし、同時に、株価を単なる投機だと軽視するのも間違いだ。中国の市民たちは資金を海外に持ち出そうとしている。その規模から、中国の動揺は、アメリカ、ヨーロッパ、そして多くの新興市場に波及する。
Project
Syndicate JAN 12, 2016
Reforming
or Deforming the Fed?
BARRY EICHENGREEN
大統領選挙で金融政策の改革が話題になるのはこれが最初ではない。金融危機の後、連銀が金融機関を救済したことや、その後の量的緩和によってゼロ金利を維持したことに、不利益を被った者たちが不満を持っている。連銀は経済的な病気に対する治療を行ったが、その原因には異論があるからだ。
アメリカ政治文化の伝統には、18世紀にまでさかのぼる、巨大な政府や金融権力の集中に対する強い不信感がある。連銀は、彼らの恐怖を刺激するのだ。共和党の大統領候補争いで、その参加者たちは、金融政策を批判する。Ted
Cruz, Rand Paul, and Mike Huckabeeは、ドルの価値を金Goldに固定せよ、と主張する。
しかし、彼らの提案には具体的な中身がない。また、なぜ金Goldの価値だけに固定するのか、その迷信を説明することもない。むしろ、財・サービスのバスケットの価値に固定する方がよいだろう。それは、失業率による調整を加味するなら、「テイラー・ルール」だ。
民主党の候補では、Bernie
Sandersが連銀を批判している。利益相反が含まれるマーチャント・バンカーではなく、大統領が地方連銀の理事長を指名するように求めている。また、議事録の即時公開を求めているが、それは好ましくない。さらに、金利引き上げに対する批判を述べているが、たとえ大統領候補でも、中央銀行の独立性を犯すような発言はすべきでない。
Project
Syndicate JAN 12, 2016
How to
Save the World Bank
NGAIRE WOODS
VOX 11
January 2016
Beyond
competitive devaluations: The monetary dimensions of comparative advantage
Paul Bergin, Giancarlo Corsetti
FT January 15, 2016
A welcome drop in the global price
of crude oil
l TPPという通商協定
VOX 10 January 2016
The TPP as a set of international
economic rules
Tsuyoshi
Kawase
NYT JAN. 13, 2016
Doha’s Domestic Troubles
By
MOHAMED FAHMY
FP JANUARY 13, 2016
Time Is Running Out On Obama’s Push
to Pass Asian Trade Deal
BY
DAVID FRANCIS
l ヨーロッパ難民危機
Project
Syndicate JAN 11, 2016
Leave No
Refugee Behind
HELEN CLARK and FILIPPO GRANDI
NYT JANUARY 13, 2016
Ten Theses on Immigration
By
ROSS DOUTHAT
NYT JAN. 13, 2016
A Climate of Fear Widens Divisions
in Europe’s Migrant Crisis
By
JIM YARDLEY
l 第4次産業革命
Project
Syndicate JAN 11, 2016
Shaping
the Fourth Industrial Revolution
KLAUS SCHWAB
第4次産業革命をどのように実現するのか? 以前の産業革命と違い、1.技術の波及が早い。2.限界コストが低下し、多くの分野で共通のプラットフォームができる。3.グローバルな規模ですべての国に影響する。
そのマイナス面も含めて、第4次産業革命は、仕事、共同体、家族、アイデンティティーを変えるだろう。それは共有された運命を新しい集団的な、道義的な意識をもたらすかもしれない。
Project
Syndicate JAN 12, 2016
Humanizing
an Inhuman Future
KEMAL DERVIŞ
NYT JAN.
12, 2016
Strong
Unions, Strong Democracy
By RICHARD D. KAHLENBERG
l オバマの一般教書演説
FP JANUARY
11, 2016
The FP
Guide to Obama’s Last State of the Union Address
BY DAN DE LUCE, JOHN HUDSON, LARA JAKES
FP JANUARY
12, 2016
Obama’s
Failed Command
BY JOHN HANNAH
Bloomberg
JAN 12, 2016
Obama's
Poetry and Prose
By Albert R. Hunt
NYT JAN. 12, 2016
President Obama’s Call to America’s
Better Nature
By
THE EDITORIAL BOARD
FP JANUARY 12, 2016
Thank Goodness There’s No Obama
Doctrine
BY
NICK DANFORTH
Bloomberg JAN 12, 2016
Hope and Change Again, If Only for a
Moment
By
Megan McArdle
Bloomberg JAN 12, 2016
Let Obama's State of the Union Be
the Last
By
Stephen L. Carter
Bloomberg JAN 12, 2016
Obama's Vision: Crush Republicans
By
Francis Wilkinson
FT January 13, 2016
State of the Union gives Nikki Haley
new podium
Courtney
Weaver in Washington
FT January 13, 2016
Barack Obama still has time to
establish his legacy
NYT JAN. 13, 2016
When the State of the Union Is
Strong, but Doesn’t Feel Like It Is
By
BRYCE COVERT
FP JANUARY 13, 2016
Obama: The Last Year and the Legacy,
Part 1
BY
ROSA BROOKS
FP JANUARY 13, 2016
Obama Pushes Back Against Republican
Rhetoric in State of the Union
BY
DAN DE LUCE
l 中国の開発モデル
Project
Syndicate JAN 12, 2016
Exporting
the Chinese Model
FRANCIS FUKUYAMA
中国は、アメリカとその他の西側諸国との間で、開発モデルの競争が始めている。その結果は、これから数十年のユーラシアを決定するだろう。
中国はその経済モデルを転換しつつある。輸出指向型、環境汚染を強める重工業に依存した成長モデルを、もっと国内消費・サービスに依拠する成長モデルに転換するのだ。
その転換には対外的な側面がある。2013年、習近平主席はユーロシアの経済的な中核を転換する戦略、“One
Belt, One Road”「一帯一路」を提唱した。それは鉄道による輸送を中国から、中国の西部、中央アジア、中東や南アジア、ヨーロッパにまでつなぐこと。また、港湾やインフラの整備で、鉄道輸送の拠点にもつなぐことだ。
中国が指導するAIIBは、そのためのインフラ投資を行う。中国の開発モデルは、西側で支持されているモデルと異なる。中国企業は、国際商品、資源を求めて、ラテンアメリカ、サブサハラ・アフリカで非常に活発に投資してきた。しかし、「一帯一路」は、中国の重工業を低開発諸国に移転し、彼らを豊かにするとともに、中国製品への需要をもたらすのだ。
中国の開発モデルは、道路、鉄道、港湾、電力、空港、など、国家が主導するインフラ投資によって、工業化を促す。アメリカのエコノミストたちは、汚職や内部取引に関心を向けて、こうした巨大プロジェクトを好まない。欧米の開発援助は、公衆衛生や女性の社会的進出、グローバルな市民社会支援、反汚職の運動に向けられている。
どちらのモデルが広まるだろうか? 中国の開発モデルは、世界中に広がり、所得増と中国製品への需要をもたらし、世界市場の需要停滞を補うだろう。中国の汚染企業も移転される。中央アジアは世界経済の辺境ではなく、中心地になる。中国的な権威主義体制が威信を高め、グローバルな民主化には打撃となる。
ただし、中国的な開発モデルが成功する条件である政治的安定性が、世界のどこでも前提できるわけではない。すでに中国は、エクアドルやヴェネズエラなど、友好諸国の内部で利害関係者が激しく対立し、ナショナリスティックな法律に阻まれて、相手の気まぐれな政府に困惑している。
アメリカはAIIBに参加し、環境、安全、労働のグローバルな基準に向ける努力を続けるべきだ。また欧米諸国は、開発援助だけでなく、自国内でもインフラ投資で失敗する原因を問い直し、開発モデルの見直しを始めるべきだ。
Project Syndicate JAN 13, 2016
The Return of Public Investment
DANI
RODRIK
インフラに対する公共投資は、貧しい諸国で、経済成長の欠かせないエンジンである。しかし、「資本原理主義」ともいうべき公共投資型開発モデルとして、1970年代以来、公共投資は開発論から無視されるようになった。エコノミストたちは公共投資や物的投資、インフラから離れ、民間市場や人的資本を重視し、ガバナンスや制度を改善するように助言した。
こうした姿勢を転換するときが来た。アフリカではエチオピアが、この10年で驚くべき成功を実現した。インドも、ラテンアメリカのボリビアもそうだ。
国際商品ブームと同様に、こうした高投資はしばしば破たんで終わる、ということを我々は知っている。経済的・社会的なリターンは減少し、資金が枯渇して、債務危機に向かうのだ。
しかし、その条件はさまざまだ。公共投資がかなりの期間、10年以上も、経済の生産性を上昇させることもある。エチオピアはそうだ。それはまた民間投資を刺激する。インドがそうであった。貧しい国だけでなく、欧米の先進経済においても、公共投資は大きな成長の条件をもたらす段階にあるだろう。
こうした主張に対しては、財政均衡やマクロ的な安定性を理由に反対するが、それは公共投資の性格を見誤っている。公共投資は国家の債務ではなく資産である。
l アメリカの不平等
The Guardian, Wednesday 13 January
2016
America is finally waking up to its
inequality problem
Owen
Jones
l 日本のデフレ世代
FT January 13, 2016
Japan: Deflated generation
Leo
Lewis
日本の成人式を迎えた若者たちは、そのすべての期間をデフレが支配していた最初の世代である。彼らは小さく考え、注意深く行動し、いつも、緊急時にお金が無くなることを心配している。
彼らの心理的な重圧は、日本の政治を動かす安倍首相とアベノミクスに対する大きな抵抗となっている。
l イギリス国歌を新しくする?
FT January 15, 2016
England needs to find a new national
anthem
Jeremy
Paxman
l 憎しみの書
SPIEGEL ONLINE 01/15/2016
Book of Hate
The Bold Attempt to Demystify
Hitler's 'Mein Kampf'
By
Martin Doerry and Klaus Wiegrefe
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The Economist January 2nd 2016
Brazil’s fall
Brazil’s crisis: Irredeemable?
Global inflation: Low and behold
Japan, South Korea and their history wars: Saying sorry
for sex slavery
Simplifying Indian taxes: One country, but no single
market
Economic ideology: Reagan’s Chinese echo
Ethiopia: What if they were really set free
Buttonwood: Tales of the unexpected
South-East Asian integration: More hat than cattle
(コメント) ブラジル経済と政治の危機が相互に強め合う関係を再現しつつあると言います。ブラジルはこうした関係を「ポピュリズム」としてマクロ経済の不安や通貨危機の経験から反省し、卒業したはずでした。しかし、選挙制度の負担は企業からの組織的な政治献金に頼る条件を固め、民主化を実現した政治闘争は経済運営を縛る憲法の領域を聖域化してしまいました。ルセフの政治手法や財政健全化策も問題を悪化させたようです。
ラテンアメリカの左派政権が変わった、と祝福するエコノミストたちは、チリやブラジルの軍政後の民主化された政権に期待していたのですが、ラテンアメリカが北米に代わって成長を主導することは、まだ、実現されない希望のままです。
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IPEの想像力 1/18/16
台湾総統選挙の盛り上がりに驚きました。
100円程度までなら配ってよい。関連グッズの販売で選挙資金集め。奇抜な選挙カー。音楽家たちによる、候補者のための応援演奏会。
・・・政治への情熱は強い方がよいのか?
どのような選挙が行われるか、は「民主主義」という原理を実行する中身を大きく変えるものです。選挙区の広さ(代表の数)と境界を決め、比例代表制を取り入れ、選挙資金を規制し、政党を組織し、政党への公的助成金を出し、政権の周知方法を決め、戸別訪問や配布物、ポスターを規制し、投票所と開票作業を監視し、国会の審議をテレビ中継する。
国によっては候補者の演説会や議会で殴り合いの乱闘が起きるし、軍隊がクーデタを起こすより、選挙を通じて独裁者が高い支持を得る場合もあります。
・・・どのような政治か?
軍政から民主化した韓国や台湾の選挙が示す情熱と比べて、かつて両国を植民地化していた日本は、敗戦と占領によって、同様に軍政から民主化した後、政治をどのように変えてきたのか。政治は、何よりも、独立戦争であり、民主革命であり、制度と既得権をめぐる分割・再編過程を公開討論に変える試みです。
若い政治家、異質で多様な候補者が活躍することは、政治が社会の変化を促し、制度を改革するとき、欠かせない条件になります。18歳選挙権が政治をどう変えるか? とNHKの日曜討論は若者たちを集めて問いかけました。
それは18歳の問題ではなく、彼らが参加する政治の問題です。安全保障と戦争、失業、非正規雇用、インターネット詐欺、社会保障、財政破たん、バブルに翻弄される経済政策。すでに政治が議論する力を失っている中で、18歳の若者たちに何を語るのか。
・・・帝国とナショナリズムについて、質問を受けました。
それは統治のモデルであるとともに、イデオロギーとして機能したと思う、と私は答えました。帝国も、ナショナリズムも、イデオロギーとして支持された時代は過ぎ去った(あるいは、復古的に再利用される)一方で、統治のモデルとして繰り返し「平和」や「安定性」,「共感」を求める人々がいます.それは異質な文化や言語,信仰の問題に,政治的革新や柔軟な容器を提示する,想像力に富んだ人々を登場させるでしょう.
遠くの支配者が宮殿の奥から住民を無視した解決策を押し付けることも,血や因習によって復古的な勢力,狭量な,狂信的指導者の神聖化に向かうことも,グローバリゼーションの一部に必ずともなう神経症的政治過程である,と私は思いました.
・・・なぜ国旗(あるいは、国歌)を変えるのか? という質問を受けました。
「君が代」を聴いて、いつも、私は違和感を禁じえません。その歌詞にも、メロディーにも、伝統的な美や、歴史を経てきた荘厳さというより、前時代的な暗さ、抑鬱された時代のメッセージを再現するように感じるからです。これは、言うまでもなく、人によって違うでしょう。
国立競技場を立て直すより、若い作曲家たちに国歌を募集して競わせる方が、日本のイメージを刷新し、国民がその使命と躍動感を共有できるでしょう。
実際、イギリスの国歌‘God
Save The Queen’についても、異なる国歌を望む意見があります。「イングランドのラグビー対戦で、ナショナル・チームは国歌を歌うが、観衆は口ごもる。」と、FTの記事は述べています。その歌詞もひどいし、リズムはまるで葬列の行進曲だ、と。
イギリスのフットボール・ファンは,スコットランド人ならイングランドからの独立を求めて戦ったロバート1世をたたえる“Flower of Scotland”を,ウェールズ人ならイングランドに対する抵抗をたたえるウェールズ語の“Land of My Fathers”を,そしてアイルランド人はイギリス人を土地から追い出す蜂起をたたえる“A Soldier’s Song”を歌う,とJeremy Paxmaは書きます.
パリのバタクラン劇場がテロリストたちに襲撃されたとき、通りの群衆から自発的に「ラ・マルセイエーズ」が歌われた、ということです。それは革命の歌、戦いの歌です。果たして、東京オリンピックでテロが起きたとき、人々は自然と「君が代」を歌うのでしょうか?
安倍首相は、憲法を書き換えるより、右翼に独占された「君が代」を変えるほうが、新しい保守政治を若者たちにアピールできるでしょう。2020年のラグビーやオリンピックの国際試合までに,国民がチームの勇気を高めるような,そして他国も敬意を示すような,素晴らしい国家の理想を身近なものとして生き生きと描く,新しい国歌を議会で決めてほしいです.
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