(前半から続く)


l  リアル・ポリティクス

The Guardian, Monday 21 December 2015

Politics isn’t a fairytale about good versus bad

Pablo Iglesias leader of Spain’s Podemos party

「リアル・ポリティクス」とは、ドイツ語の「現実の政治」から始まった。主に国際関係において、国内政治や地方政治とは異なる原理や正当化が行われることを意味する。

「国家理性」とは、国家がその原理や倫理、自国の法律に反しても、自国を守るために採用する例外的な手段を意味する。

これらの言葉は、中国の兵法家である孫子Sun Tzu, マキャベリMachiavelli, リシュリューCardinal Richelieu, ビスマルクBismarck and カール・シュミットCarl Schmittによって使用され、発展した。

映画『アルジェの戦いThe Battle of Algiers』の中で、マチュー大佐は、独立を求めるFLNと戦うフランス部隊を指揮していた。ジャーナリストに、彼の兵士が拷問によって情報を得ているのか、と質問される。マチューは、兵士にとってその任務は勝利することである、と答える。拷問はそのための手段でしかない。

拷問が法的に認められるかどうかを訊くのではなく、アルジェリアはフランスのものかどうか、とジャーナリストたちは訊くべきだ。マチューはそう示唆する。

そのあと、映画は、FLNの指導者Larbi Ben M’hidiが拘束された姿を映す。彼は、ゲリラたちが使うバスケット爆弾が市民たちを殺害していることについて、意見を訊かれる。Ben M’hidiの答えは皮肉なものだ。自分たちはフランスを攻撃したいのだ。フランス人が我々に武器(戦闘機)を与えればそうするだろう、と。

あらゆる政治企画に関して、ウェーバーが指摘した責任の倫理がある。その背景にあるイデオロギーが、何であれ、政治プロジェクトを正当化する。シオニストは自由な世界を守り、イスラム主義者はアッラーのために、ソ連は社会主義や世界のプロレタリアートを代表して、自分たちの行為を正当化した。

マクナマラRobert McNamaraは、ドキュメンタリーThe Fog of War,の中で、アメリカが第2次世界大戦に敗北していたら、日本の民間人を組織的に爆撃したことで、自分が裁かれただろう、と述べた。言い換えれば、愛国者とテロリストの差とは、戦いの勝者と敗者の差になるわけだ。英国の女王が、IRAのヴェテラン兵士で、現在、北アイルランド政府に参加しているシン・フェイン党の党員であるMartin McGuinnessと握手した。彼女にも尋ねるべきだ。

政治を善悪の童話として示すものには(むしろ)冷笑主義がある。政治において倫理が無意味だ、というのではない。しかし、何かを変えるつもりなら、政治の働く現実を、まず理解することだ。

Project Syndicate DEC 21, 2015

Renewing American Leadership

ANA PALACIO

Bloomberg DEC 22, 2015

Germany Is Right to Flout Russia Sanctions

By Leonid Bershidsky


l  ドーハ・ラウンドの終幕

FT December 21, 2015

The Doha round finally dies a merciful death

グローバルな政策決定過程における喜劇の最長記録が、漸く、閉幕した。いわゆるドーハ・ラウンドは、2001年に始まった多国間貿易交渉であるが、先週、WTOによって死亡が宣言されるまで、10年近くも脳性マヒに陥っていた。

交渉は、多くの時間とエネルギー、飛行時間を無駄にした。しかし、WTOの交渉機能を維持するために、加盟国政府は可能な限り多角的なアプローチを続けるべきである。

2001年にドーハ・ラウンドが始まったとき、それは911のテロ攻撃から2か月後であり、世界の連帯に多くの言葉が費やされたが、ビジネス界は交渉をそれほど支持していなかった。それは「開発ラウンド」として貧しい諸国にもたらす利益を約束しすぎた。農産物貿易を自由化し、彼らが貧困から抜け出すのを助けるはずだった。

しかし、1.たとえば農産物の輸出国と輸入国との間に、深刻な対立があった。2.大きく転換したにもかかわらず、中国は発展途上国として負担を受け入れなかった。3.アメリカなど、農業のロビー活動に政府はまるで弱かった。

進展のないままドーハが生き延びていた間も、特にアメリカは2国間や地域における貿易交渉を進めた。その著名な成功例がTPPであるが、それは多国間交渉の代替物にならない。最強国によるルールの一方的な押し付けになるからだ。

より望ましいアプローチは、諸政府による集団的な貿易協定が、その成立後も参加国を増やし、最終的にそれらがWTOのルールに従う多国間の協定になることだ。

ドーハ・ラウンドの終わりは、WTOのフォーラムとしての機能、紛争処理メカニズムは重要である。加盟諸国は、ドーハからWTOを救いだし、再生させるべきだ。

VOX 21 December 2015

The WTO lives on, the Doha Round does not

Gary Clyde Hufbauer

たった1国でも多国間交渉を止めることができる。しかし、いずれの問題も、融資の諸国が集まって多元的な形の交渉を続けることができる。


l  危機から再生する

Project Syndicate DEC 21, 2015

Argentina’s Economic Big Bang

MOHAMED A. EL-ERIAN

新たにアルゼンチン大統領に選出されたMauricio Macriは、先週、高インフレに苦悩する経済を活性化するための大胆な計画を開始した。

長年の経済管理の失敗により、アルゼンチン経済のパフォーマンスは数十年にわたって悪かった。前政権は難しい選択を避け、資源配分を損ない、外貨収入を減らすような、非効率な管理を行って問題を解決困難にした。最近の国際商品価格の下落が、成長のダイナミズムをさらに低下させ、インフレ加速、貧困の拡大、不確実さと金融の不安定性を増して、事態はさらに悪化している。

理論上、政府はこうした危機的状況を克服し、成長と雇用のエンジンを再生するための、5つの基本的選択肢を持っている。

1.好調な時期に蓄えた準備や資産を使う。・・・2.内外から借り入れる。・・・3.政府支出を直接に削減すると同時に、民間部門の支出を減らすように誘導する。・・・4.税や手数料を引き上げ、外貨収入を増やす。・・・5.価格メカニズムを使って経済全体、さらに外国との貿易や金融の調整を加速する。

しかし実際には、政府がこうした政策を行う上で困難が生じる。第1の問題は、職種な要因が、現実であれ、想像上であれ、いくつかの選択肢を失わせることだ。ケースによって、すでに準備や資産はなく、外国の融資者もいない。また、成長回復を破壊する恐れがあるため、財政緊縮には特に慎重でなければならない。

2の問題はタイミングだ。政策が効果を発揮する正しい順序で、政府は実施しなければならない。経済的、金融的取引を理解することに加えて、政府は、政策に対する民間部門の反応を考える必要がある。そして、確かな、持続する、包括的な成長を促すように、供給側の改革と緊密な協力の下で、すべてを進めるべきだ。

Macri政権のアプローチは歴史的に見て例外的なものだ。大胆な戦略を実行するという約束で大統領になった。すなわち、選択肢の中の需要管理や金融緯線よりも、攻撃的な価格自由化と量的管理体制の廃止である。すでに、ほとんどの輸出税や通貨管理は廃止され、為替レートの自由化で、ペソは即座に30%減価した。

こうした順序で改革を実施する政府は少ない。多くの政府は、特に通貨管理の廃止に、もっと躊躇する。その理由は明らかだ。政府は価格自由化を遅らせて、初期のインフレを抑え、賃金・物価のスパイラルを避け、資本逃避を減らしたいのだ。もしこうした問題が生じれば、改革はとん挫し、国民の支持を失う。

外部からの大規模な金融支援が、Macri政権の改革に提供されるべきだ。アルゼンチンが成功すれば、それはラテンアメリカ全体に優れた自由化のモデルを示すだろう。

FP DECEMBER 21, 2015

The Afghanistan Land Bridge Is Finally Here

BY KEITH JOHNSON

世界で最も非現実的なエネルギー・プロジェクトがついに始まった。それは、トルクメニスタンの天然ガスを、アフガニスタンとパキスタンを経てインドに市場に届けるため、いわゆるTAPIパイプラインを敷設するものだ。1100マイル、100億ドルのプロジェクトで、地域の平和と協力を促す計画である。アフガニスタン南部のタリバン支配地域や、パキスタン南部のバルチスタンも、そこには含まれている。

FT December 22, 2015

Hope and fear in the endless Greek crisis

Martin Wolf

ギリシャ政府は一層の債務免除を求めている。IMFもそれが必要だと認めている。しかし、IMFがギリシャ政府に構造改革を実行させる力はないだろう。改革は望ましい、という政治的合意が欠けている。

ユーロ圏の債権者は、IMFと違い、追加の債務削減に反対している。しかし、少なくともドイツは、IMFが融資に残ることを望んでいる。ドイツはそれほど現在のギリシャ政府を(さらにどのようなギリシャ政府も)信用していないからだ。また欧州委員会はIMF型の融資条件がギリシャに対して半永久的に続くことを望んでいる。しかし、ギリシャ政府もIMFスタッフも、その可能性を否定している。

パンテノン宮殿と似て、ヨーロッパも古く、損傷がひどく、修理中である。ギリシャが安定的なユーロ圏の中にとどまり、繁栄することを望む。

FT December 22, 2015

A golden opportunity for reform in Spain

Miriam González Durántez

Project Syndicate DEC 23, 2015

The Kingdom Beyond Oil

GASSAN AL-KIBSI

サウジアラビア政府はかつてない戦略転換を目指している。それには2つの理由がある。第1に、世界石油価格が、バレルあたり100ドルから40ドルへ、大きく低下し、歳入の90%を石油輸出に頼っていることから、財政赤字が生じている。第2に、今後15年間に、600万人の若者が労働市場に参加する。

しかし、政府には新しい指導力が備わっており、改革によって、2030年までにGDPを倍増し、600万人の雇用を創出する力がある。


l  世界金融危機後の改革

Project Syndicate DEC 22, 2015

The Political Consequences of Financial Crises

HOWARD DAVIES

世界金融危機の原因について、3分の1の人は政府が過度に介入したことを批判し、他の3分の1は政府が適切に介入しなかったことを批判し、最後の3分の1は分野によっては過度の介入が、また他の分野では適切な介入の欠如が、原因であると批判する。

NYT DEC. 23, 2015

Bernie Sanders: To Rein In Wall Street, Fix the Fed

By BERNIE SANDERS

ウォール街が連銀を支配している。エクソン・モービルが環境保護局を支配することを、われわれは許さないだろう。しかし、連銀の理事会に、アメリカの大銀行が幹部の名を加えている。

連銀の最近の利上げも、アメリカの雇用の多くを提供している中小の起業家にとって好ましくない者であった。想像上のインフレを抑えるために、人々の雇用を奪うような決定は許されない。そのために、1.商業銀行が国民の預金を使ってギャンブルにふけることを許さない。2.銀行が経済から資金を奪うような誘因、過剰な連銀預金への利払いを取り除く。3.連銀からの支援を受けるには、その銀行が中小企業や消費者に対する融資を増やしていなければならない。


l  億万長者たちの寄付

FT December 23, 2015

Scrooge’s activist hedge fund letter to Santa Claus

John Gapper

FT December 23, 2015

Philanthropy: How to give away $1bn

Stephen Foley

億万長者たちは、10億ドルをどうやって寄付するべきか?

Mark ZuckerbergFacebook)が娘への手紙で約束した寄付は世界中の億万長者の間に論争を起こした。Facebookで成功した億万長者から、ほかにも共同創設者のDustin Moskovitz、その妻であるCari Tuna、投資家Sean Parkerがいる。

Chuck FeeneyDuty Free Shoppers)は現代のthe “giving while living” movementを指導する。

Prince Alwaleed bin Talal al-Saudthe Saudi investor)は伝統的な慈善活動団体を残す。

ヘッジファンドからは、Paul Singerや、John Paulson

Pierre OmidyareBayの創設者)。Jeff SkolleBayの幹部)。・・・Bill Gates。・・・Laurene Powell Jobswidow of Steve Jobs)。・・・

FT December 23, 2015

The age of chivalry can show us how to help today’s refugees

Albrecht von Boeselager


l  貧困の思想と政策

VOX 23 December 2015

Challenges in maintaining progress against global poverty

Martin Ravallion

新著The Economics of Poverty: History, Measurement and Policyでは、豊かな国や貧しい国で行われた論争を評価した。貧困をどうやって測るか? どれくらい貧困はあるか? なぜ貧困はあるのか? 貧困をなくすために何ができるか? 過去200年間で、貧困に関する主流の思想は大きく変わった。

初期には、貧しい者が貧しい以外に何かできる力を持つとは考えなかった。貧困は不可避的に続くのであり、著名な思想家たちが、貧困は経済進歩に必要だとか、貧しさがなければ、だれも土地を耕したり、工場で働いたり、軍隊に入らないだろう、と主張した。

こうした考えは今も、ショックから貧しいものを守るという社会の安定性に関して主張される。反貧困政策についての貧困者保護論は、2000年以上もさかのぼることができる。こうした支持論は事態が正常に戻れば失われる。恒常的な貧困対策を公共政策として考えることはなかった。

2の議論は、近代的な考え方であり、貧困を公共政策で解消するべき社会的病理と考える。それは力強い成長経済では完全に矛盾しないと思われた。個人の自由に対する制約を取り除くことで成長にも貢献する。国家が積極的な役割を果たすと認められたが、問題は、政府が何を、どのように行うか、である。

相対的な貧困、不平等を、その様々な関連する要因に分解して対策を考えることが大きな前進をもたらした。良質な学校教育や医療システムは、どこでも重要な条件であるが、各地で政府は正しい政策を個々に見出さねばならない。

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The Economist December 12th 2015

Playing with fear

Anti-immigrant Populism: The march of Europe’s little Trumps

Integrating refugees in Europe

European business and refugees: Getting new arrivals to work

African demography: The young continent

India and Japan: ever closer friends - Come together on the Abe road

German Politics: Usula major

The Fed and emerging markets: The secular sulk

Free exchange: The gifts of the moguls

Finance in films

(コメント) なぜヨーロッパで極右のポピュリズムが栄えるのか? なぜアメリカ大統領選挙で保守派の勢いが続くのか? 市場を開放し、国境を開放し、グローバリゼーションや人母自由な移動を支持するThe Economistは、安全保障の危機だけに説明を求めません。壁を築くことより、経済成長こそが真の解決策であるのに、またイスラム教徒を敵視するより、彼らを助けることが正しいのに、それを積極的に支持し、説得できない主要政党に、問題を認めます。

難民危機の解決は、さらに巨大なアフリカの人口危機を考える練習問題でしかありません。

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IPEの想像力 12/28/15

「辻井伸行 X オーストリア」を観ました。特に、リストの「ラ・カンパネラ」をアンコールで弾いたとき、その演奏に、オーケストラや観衆が息をのんで聞きほれたように、私も感動しました。

辻井の演奏する横で、指揮者の佐渡裕がしょんぼり(!)と段差に座って聴いていました。番組の中で、佐渡は、神が与えた才能と、自分のハンデを克服したいという決意が、辻井の演奏に特別な高揚感を与え、聴衆を感動させるのだ、と述べていて、納得しました。

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2015年の世界では、一方には超資産家が活躍し、他方に難民危機がありました。ギリシャの資産家が島を借りて、難民たちが暮らすインフラを整備した、と聞きます。MicrosofteBayFacebookによって現れた超資産家たちが、石油、鉄鋼、自動車の超資産家たちとは異なる、富裕層の新しい法則を目指す気配があります。

彼らはますます、驚くほど若く裕福になり、きわめて不平等な世界にいて、非常に多くの情報や人々の評価にさらされているのです。社会主義の思想が衰えた後、急速に保守化し、ナショナリストや宗教的な右派が支持を集める民主主義体制の下で、世界に地域紛争や内戦が広がる中、不安を感じているのではないか、と思います。

政府は貧困が広まるのを解決できないだけでなく、危機において彼らを守ってくれないのではないか。

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市場の統合化が進むとき、それによって局所的な危機を市場が緩和する、と思われました。金融の自由化が進むときは、それが一時的なショックを融資によって平準化する、と思われました。

しかし、より大きな市場が企業規模を拡大し、その支配力を強めました。より自由な金融ビジネスのグローバルな競争は、中央銀行の監視や規制をますます無効にして、利潤追求を優先し、各地のバブルを刺激しました。金融システムの公的救済と財政破たんを深めた末に、危機後も、金融政策によるマクロ経済の制御をむつかしくしています。

大企業や大銀行による独占的な市場支配を監督・制御することや、国民国家の範囲を超えて貧困の問題を解決し、不況や失業を緩和し、技術革新の利益を広く享受できるシステムを、超資産家ではない私たちも、実現したいと願います。

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IT革命を経て、その便利さにもかかわらず、生きることが難しい、不安定な、不公平な社会が広がります。

かつて、Windowsが毎年のようにバージョンアップしていたとき、「そろそろ年貢の納めどき」というコピーを観ました。IT社会に生きる者たちは、そのOSを通じてコンピューターにつながれます。さまざまな情報機器やアプリが更新され、そのたびに新しいスキルを要求されます。そして、再教育や訓練するより、スタッフを使い捨て、仕事を短期に外注する方がよい、という経営スキルや、教育機関の宣伝・競争が広まったのではないか、と思います。

グローバル企業や超富裕層は、本国や受入国の制度・法律を変える力を持ちます。タックス・ヘイブンだけでなく、脱税に近い免税制度や低税率の適用、投資の優遇制度を、国家や地方政府、開発特区が競って採用します。こうしたグローバルな仕組みに依拠した富の蓄積とは、超富裕層がますます社会の豊かさとは切り離された地主や貴族になることを意味します。

The Economistは、企業の集中・巨大化が、ごく少数の企業に高い収益をもたらす事実に注目し、その理由を、ネットワーク効果、に見ています。Facebookも、Uberも、Amazonも、彼らが最初に示した優位は小さなものであったでしょう(あるいは、その優位はなかったかもしれない)。しかし、利用者が増えると他に比べて魅力が増し、同時に、彼らは競争相手を次々に買収して、新しい技術革新やビジネスモデルを呑み込んでいきました。

超富裕層が漠然とした不安(や善意)から教会や学校に寄付し、慈善活動をすることは、独占利潤や社会的な差別に由来する「貴族的」行為です。政府の機能や選挙システム、政治運動を改善することを通じて、彼らのように富の蓄積ができない、もっと直接に社会を豊かにする仕組みを広めるべきでしょう。

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本当は、辻井伸行のコンサートも無料で聴けたら良いでしょう。超富裕層などいなくてもよい。巨大な金融機関は、どうしても必要なら、1つの小さな島に限定して、金融ビジネスを自由化するのがよいと思います。

優れた音楽家やスポーツマン、科学者は、人々の称賛と敬意を唯一の報酬として、社会を豊かにし、一緒に庶民の暮らしを楽しめばよいはずです。

私的に所有し、売買することが望ましい分野は、ずっと小さくてよいでしょう。知識や芸術を独占し、売買する仕組みを通じて利益を増やす過程は、多くの者を排除し、支払い能力によって差別する制度を正当化しています。こうした富の分配と秩序の在り方は、それを強制する権力と結びついて、富や権力をめぐる争いの一部になります。

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