(前半から続く)
l 気候変動と技術革新
FT November 27, 2015
The latest forecasts on climate
change
Simon
Kuper
NYT NOV. 27, 2015
The New Atomic Age We Need
By
PETER THIEL
化石燃料の時代を終わらせるには,原子力エネルギーを利用するしかない.
特に発展途上諸国では,貧困から抜け出すためにエネルギーを必要とする.たとえ現在の消費量がアメリカ人の40%でも,インドや中国は,より貧しく,しかも,汚染された環境に暮らしている.他方,アメリカ人は,左派なら,地球環境の破壊を,右派は,経済の景気の浮動性に与える影響を恐れている.
原子力発電所の事故は,スリー・マイル事故や,チェルノブイリ,そして福島のように,人々に不安を広めた.ようやく最近になって,気候変動についての懸念が原子力への関心を高めている.さまざまな問題,特にその高価格についても,政治家たちが決断すれば,投資が流れ込み,技術的な解決策を発見できるだろう.
かつてニクソン大統領が中国を訪問したように,オバマにはそれができるはずだ.
NYT NOV. 28, 2015
Short Answers to Hard
By
JUSTIN GILLIS
NYT NOV. 28, 2015
What the Paris Climate Meeting Must
Do
By
THE EDITORIAL BOARD
NYT NOV. 28, 2015
Paris Climate Talks Avoid
Scientists’ Idea of ‘Carbon Budget’
By
JUSTIN GILLIS
The Guardian, Sunday 29 November
2015
Innovation will save our warming
planet – so where is the investment?
Will
Hutton
気候変動に対抗する最も明白な道は、世界のエネルギー供給を変えることだ。西側の生活水準は、この250年間で、40倍にも上昇した。
それは、保守派が好む小さな政府だから、あるいは、社会主義者の支持する大きな政府だから、ではなく、資本主義と科学技術の結合によってであった。必要に応じて政府の支援を受けながら、技術革新の波が次々に起きて、経済の基盤や生産する財の質や量を劇的に変えてきた。
同じことを、今、世界のエネルギー供給について起こす必要がある。可能な限り炭素を排出しないような技術を、諸政府の支援するグローバルな研究開発投資が実現する。気候変動を科学として受け入れない保守派に限らず、現在の関心は限られているから、グローバルな炭素税導入や排出量規制は不可能だ。技術革新こそが地球を救う。
国連の呼びかけに応じて、170か国は自主的な貢献策(INDC)を提出している。パリ会議の課題は、この貢献策をより拡大し、より強い約束にすることだ。それには、化石燃料に代わるエネルギー供給が技術的に可能でなければならない。
特にインドは、中国の経済発展を再現しようとしている。もしそうなれば、世界に130億トンの炭素が追加で排出されるだろう。世界の基本は2度ではなく、4度も上昇する。しかしモディ首相は、インドが貧困と気候変動との選択をするとしたら、気候変動を選ぶ、と明言している。インド人の平均排出量は、ヨーロッパや中国の4分の1、アメリカ人の8分の1である。インドは成長する決意であり、容易に採掘可能な炭素の埋蔵量は莫大だ。
しかし、モディは、インドがさらに膨大な太陽エネルギーを得る可能性もある、ということを理解するべきだ。太陽エネルギーを主要な資源とし、炭坑よりも競争的な価格で供給できる技術を開発することが重要だ。そのための研究や供給・流通システムに投資しなければならない。
民営化がもたらした1つの結果として、そのようなR&D投資は激減した。今や公共事業や太陽エネルギーの発電機製造部門では、その売上の2%しかR&Dに投資していない。これに比べて、医薬品業界では15%である。
政府がこのギャップを埋めるべきだ、Sir David King and lords Browne, Layard, O’Donnell, Rees, Stern and
Turnerが書いた“a global Apollo
programme to combat climate change”は主張している。もし再生可能エネルギーに関するグローバルなR&Dを60億ドルではなく、150億ドルに増やせたら、インドが中国の達成した成長を再現しても、世界の炭素排出量は2030年をピークとして減少するだろう。
月曜日、パリでは、オバマ大統領とビル・ゲイツが、大規模な政府・民間基金を発表するだろう。10か国以上が、企業や社会慈善投資家とともに、エネルギーのアポロ計画に参加する。脱端子事業は巨大なグローバル市場になるだろう。
FT November 29, 2015
The rich world must take greater
responsibility for climate change
Narendra
Modi
正義を実現してほしい。それは、より少ない炭素の排出で安全に石炭を燃やし、なお発展途上国が成長できるものであることだ。少数者の生活スタイルが、多数者の経済発展に向けた階段を倒すものであってはならない。
The Guardian, Monday 30 November
2015
The world’s climate is in the hands
of just three nations
FT November 30, 2015
COP21 Paris climate talks: World
powers are aligned and change is possible
Jeffrey
Sachs
FT November 30, 2015
COP21 climate talks: Wasting
trillions on carbon curbs is immoral
Bjorn
Lomborg
パリ条約は、世界の気温上昇を減らすことがほとんどないが、毎年すくなくとも1兆ドルのコストをもたらすだろう。もっと違う方法で気候変動に対処し、もっと賢明な支出を行うべきだ。
化石燃料の価格を引き上げ、発展途上諸国に補助金を支払うのは、間違いだ。
FT November 30, 2015
COP21 Paris climate talks: The
challenge of achieving equity
公平さの問題は、1人当たり炭素排出量の上限を決めるルールによって解決できるだろう。ルールは貧しい諸国よりも、富裕な諸国にずっと厳しいものになる。もし上限の割り当て量を取引できるようにするなら、それは富を移転するメカニズムにもなる。
FT November 30, 2015
COP21 Paris climate talks: a
beginner’s guide
Pilita
Clark in Paris
Project Syndicate NOV 30, 2015
The Right Price for Preserving Our
Climate
CHRISTINE
LAGARDE
温暖化を避けるには,徐々に,予測できる形で,確実に化石燃料の価格を引き上げることだ.それは消費を抑制し,新しい燃料のため,技術革新への投資を促す.IMFは3つの戦略で炭素燃料を抑制する.すなわち,“price it right, tax it
smart, and do it now.”
Project Syndicate NOV 30, 2015
The Long March to Paris
RANA
KAPOOR, JOHAN ROCKSTRÖM and KHALIFA ABABACAR SALL
NYT NOV. 30, 2015
Obama and World Leaders Open Paris
Climate Talks, Seeking a Deal
By
CORAL DAVENPORT and GARDINER HARRIS
FP NOVEMBER 30, 2015
The Paris Climate Talks Will Be a
Historic Success. And a Historic Disaster.
BY
BILL MCKIBBEN
Project Syndicate DEC 1, 2015
From Good Intentions to Deep
Decarbonization
JEFFREY
D. SACHS, GUIDO SCHMIDT-TRAUB and JIM WILLIAMS
2030年の排出量目標以上に,2050年に向けた脱炭素化の合意が重要だ.
VOX 01 December 2015
Carbon and inequality: From Kyoto to
Paris
Lucas
Chancel, Thomas Piketty
NYT DEC. 1, 2015
The Green Tech Solution
David
Brooks
NYT DEC. 1, 2015
The Dubious Carbon Budget
By
OLIVER GEDEN
YaleGlobal, 1 December 2015
COP21: China Prepares to Act on
Climate Change
Isabel
Hilton
Project Syndicate DEC 2, 2015
The Copenhagen-Paris Express
LARS
CHRISTIAN LILLEHOLT
NYT DEC. 2, 2015
What Narendra Modi Can Do in Paris
By
THE EDITORIAL BOARD
FP NOVEMBER 30, 2015
Why Inking a Global Climate Deal Is
Such a Tricky Business
BY
BRUCE STOKES
Project Syndicate DEC 3, 2015
Putting out Indonesia’s Fires
STEPHEN
GROFF
Project Syndicate DEC 3, 2015
REDD+ Handed in Paris
JUTTA
KILL
VOX 03 December 2015
The price of oil and the price of
carbon
Rabah
Arezki, Maurice Obstfeld
Bloomberg DEC 3, 2015
Capitalism Can Survive Cutting
Carbon
By
Noah Smith
l 訃報Douglass C. North
VOX 27 November 2015
Structure and change in economic
history: The ideas of Douglass North
John
Joseph Wallis
Douglass C. Northは4つの分野で画期的な貢献をした。1.数量的経済史を開拓した。2.新古典派経済学を制度の理解に適用した。3.長期の経済・制度変化に関する理論を批判した。4.制度と組織とを区別した。
彼は常に、意図的に行動する個人の枠組みで考え、個人は、継承された文化のもたらすレンズと、自分が経験したことから、世界を理解する、と考えた。すなわち、前者は新古典派経済学、後者は歴史である。
VOX 27 November 2015
Douglass North, an economist’s
historian
Kevin
Bryan
l ヨーロッパは解体する
NYT NOV. 27, 2015
Europe the Unready
Paul
Krugman
ヨーロッパのプロジェクトが多方面でスローモーションの大災害に落ち込むのはなぜか,考えてみよう.この“European project”というのは,60年前の石炭鉄鋼同盟に始まる,緊密な経済・社会統合を通じて,平和的に繁栄をもたらす長期的な努力である.
技術的,経済的な統合が,徐々に心理的な統一もたらし,結果的に,ヨーロッパ合衆国を実現するはずだった.長い間,それは成功し,繁栄する,平和で,自由なヨーロッパが成長していた.しかし,結局,ヨーロッパのプロジェクト,増大する相互依存にもかかわらず,事態が悪化するとき,そのような相互依存を管理するだけの制度と政治的正当性を必要とした.エリートたちの願いにもかかわらず,それは欠けていたのだ.
金融危機,難民危機,テロ攻撃が,それを示した.
アメリカなら,フロリダやアリゾナ,ネヴァダ,カリフォルニアで起きた住宅ローン危機は,連邦機関によってショックを緩和されただろう.しかしヨーロッパでは,銀行救済がその国の財政破たんにつながった.
理想的には,ヨーロッパが同盟を強化し,相互依存を管理するさらに多くの制度を作るべきだ.しかし,もっとも顕著な問題でも,それを実行する政治的意志は存在しない.そうでなければ,後退することだ.
正しい答えはわからない.アメリカは,ヨーロッパでは夢にも実現しないような統一を得ている.そのことに私は感謝する.トランプ大統領がそれをどうするだろうか,と思ってしまう.
FT November 28, 2015
Europe needs a sense of strategic
direction to survive
Wolfgang
Munchau
The Guardian, Sunday 29 November
2015
Europe’s walls are going back up –
it’s like 1989 in reverse
Timothy
Garton Ash
ヨーロッパ中で壁が再現しつつある.ハンガリー,フランス,ドイツ,オーストリア,スウェーデン.
ヨーロッパ中で,心の中に壁があり,日ごとに高くなっている.パリの虐殺を見た後では,それも仕方ないことだが.偏見,政治家の煽動,無責任なジャーナリズムが加わって.
2015年に,私たちは1989年の逆転する劇を見ている.鉄のカーテンは,ハンガリーとオーストリアの国境をふさぐ有刺鉄線が切れたことで,崩壊し始めたのだ.今は逆に,ハンガリーのオルバン首相が偏見を唱えて境界をふさいでいる.「ヨーロッパをキリスト教の土地に保つために.」
イギリスにはすでに270万人のイスラム教徒が住んでいる.イスラム過激派は国内で育った若者たちだ.イギリスでも,ベルギーでも,フランスでも.
壁の再現には,3つの変化が関係している.
1.EU統合による自由移動.特に,2004年の東への拡大後,「ポーランド人の配管工」をシンボルとして,多くの人々が移住した.今では博士課程の学生や銀行のマネージャーである.ユーロ危機で,ギリシャ人の哲学博士号を得た者たちがロンドンやベルリンでウェイターとなった.イギリスはシェンゲン協定の外でも,こうした統合の一部である.
2.難民危機.中東からアフリカに広がる,戦争,テロ,独裁者を失った後の経済崩壊から,大量の難民が流出している.ヨーロッパにある約束の土地,ドイツに向けて.国連の推定によれば,今年,85万人以上がヨーロッパに入り,3485人が海で行方不明になった.地中海は,希望と絶望を分ける,巨大な墓場になっている.
3.イスラム過激派のテロリストたち.その多くは国内で過激化し,シリアやアフガニスタンで殺人術を学んできた.
政治やメディアにおいて,これらは混在し,誰もが混同して恐怖を高めている.ポーランド人の配管工とシリアの自爆テロリストは,想像の中でつながっている.
私は,かつてメルケルがつぶやいたことを思い出す.彼女は,鉄のカーテンの下で暮らすとはどういうものかを知っていた.若者たちに,自由で開かれたヨーロッパの価値を示すため,私たちは1日か2日,国境を閉鎖してみることだ,と.
もしかすると,メルケルの実験は始まったのかもしれない.それはある意味で,彼女が指導してヨーロッパの他の諸国も自分と同じ政策を取ると確認する前に,ドイツがすべての難民を歓迎する,という非常に寛大な誤算を犯したからだ.
その実験の結果がどうなるのか,誰にもわからない.ヨーロッパはかつて,壁を倒したことで有名であったが,今や壁を再建する土地になりつつある.
Project Syndicate NOV 30, 2015
Europe’s Barbarians Inside the Gate
NOURIEL
ROUBINI
ヨーロッパの社会的緊張が各地で燃え上がり,境界を越えて蛮族が侵入に始めた,ローマ帝国の崩壊の始まりに比較する評論家たちがいる.
ヨーロッパの没落は宿命ではない.危機はより強い連帯,リスクの分担,制度の統合をもたらすだろう.ドイツにはより多くの難民が吸収され,ドイツとフランスは軍事支出を増やして,イスラム国家への攻撃を強める.ヨーロッパ全体とアメリカや湾岸諸国が,難民のために,そして破たん国家の再建や多数のイスラム教徒,アフリカ住民に,経済的機会を提供するため,莫大な費用を支払うだろう.
それは財政的に苦しい負担かもしれないが,そうしない場合のグローバルなカオスに比べれば,たとえローマ法王が恐れたような第3次世界大戦が始まるわけではないとしても,支払うに値するものだ.既存の,そして,新興の諸大国からなる世界,より弱体なリビジョニスト(国際秩序の再編を要求する)諸国が加わった世界で,分裂状態のヨーロッパは小人でしかない.
Project Syndicate NOV 30, 2015
Europe’s Three Fault Lines
JEAN
PISANI-FERRY
VOX 30 November 2015
German wage moderation and the EZ
Crisis
Peter
Bofinger
Project Syndicate DEC 1, 2015
Overcoming Europe’s Twin Growth
Challenges
MICHAEL
HEISE
l トランプとル・ペン
NYT NOV. 27, 2015
Donald Trump’s Police State
FT November 30, 2015
We deride chances of Marine Le Pen
and Donald Trump at our peril
Gideon
Rachman
l 金融政策の乖離
Project Syndicate NOV 28, 2015
The Trouble With Interest Rates
J.
BRADFORD DELONG
Project Syndicate NOV 30, 2015
Failure at the Financial Stability
Board
SIMON
JOHNSON
Project Syndicate DEC 2, 2015
The Great Policy Divergence
MOHAMED
A. EL-ERIAN
l 労働者の保護
Project Syndicate NOV 28, 2015
Worker Protection in the Gig Economy
LAURA
TYSON and LENNY MENDONCA
l 中国の5か年計画
Project Syndicate NOV 28, 2015
China’s Latest Five-Year Plan
MARTIN
FELDSTEIN
中国の第13次5か年計画は,2010年から2020年に所得を倍増するという目標を取り下げた.年率6.5%以上の成長は,4つの理由で困難だから.1.工業からサービス部門への労働移動,工業や輸出より家計消費への依存,2.環境規制の強化,3.習近平の汚職撲滅運動,4.労働力人口の減少.
NYT NOV. 28, 2015
Notes on the China I’m Leaving
Behind
By
ANDREW JACOBS
NYT NOV. 28, 2015
Chinese Cash Floods U.S. Real Estate
Market
By
DIONNE SEARCEY and KEITH BRADSHER
Bloomberg NOV 30, 2015
Why QE Isn't the Answer for China
By
Christopher Balding
FT November 30, 2015
Panda bonds triumph over dim sum
debt after turmoil
Patrick
McGee
FT November 30, 2015
‘One
Belt, One Road’ set to turbocharge renminbi usage
James
Kynge
習近平は大きな目標が好きだ.「チャイニーズ.ドリーム」,「新しいシルク・ロード」,そして,“One Belt One Road”
(OBOR).
この莫大なインフラ投資計画は,中国の政府系銀行だけでは間に合わず,ロンドンの人民元債券市場を介して行うことになるだろう.
FT November 30, 2015
Renminbi reforms could drive down
Chinese forex reserves
Gabriel
Wildau
FT December 1, 2015
China’s woes disguise a tale of two
economies
NYT DEC. 1, 2015
China's Fitful Economic Reforms
By
ESWAR PRASAD
かつて私がIMFの中国チームを率いていたとき,中国の中央銀行は人民元の為替レートを操作していると見えたので,北京で中国政府スタッフに質問した.その回答は,要するに,中国は市場の力によって決定している,ということだった.しかし,言い換えれば,中央銀行は需要と供給の双方を管理して「市場が決定する」為替レートを固定した水準に抑えている,というわけだ.
IMFは,人民元に,グローバルな準備通貨の地位を与えた.しかし,政府の市場経済への移行は,まだ,全く不十分なものである.中国の成長は減速し,為替レートや株価が浮動性を増している.中国は経済崩壊や金融危機に向かっているわけではないが,その「安定性や秩序」を維持するという好ましい意図と,限定された,乏しい改革のせいで,市場は自由に機能できない.
かつて為替レートを管理したように,政府は企業や国民の期待を管理しようとしている.しかし,指導者たちは国民に,自由化の利益だけでなく,そのリスクを学ぶように求めねばならない.政府による管理を強化するのではなく,企業や制度の一層の改革を進めることである.
Bloomberg DEC 1, 2015
Watch Out China: A Reserve Currency
Brings Boom and Busts
By
Noah Smith
l グローバル通貨としての人民元
FT November 29, 2015
IMF poised to admit China’s renminbi
in elite currency basket
Shawn
Donnan in Washington and Jamil Anderlini in Hong Kong
Project Syndicate NOV 30, 2015
China’s Twin Challenges
ADAIR
TURNER
NYT NOV. 30, 2015
China’s Renminbi Is Approved by
I.M.F. as a Main World Currency
By
KEITH BRADSHER
NYT NOV. 30, 2015
The Choice Facing China as Its
Currency Becomes More Global
Neil
Irwin
FP NOVEMBER 30, 2015
China Gets a Seat in the World’s
Currency Country Club
BY
DAVID FRANCIS
FT November 30, 2015
SDR move seen as vote of confidence
in China’s leaders
Shawn
Donnan
FT November 30, 2015
Renminbi growing in stature despite
residual concerns
Shawn
Donnan
l サウジアラビア
FT November 29, 2015
Saudi Arabia: The wake-up call
Roula
Khalaf, Lionel Barber and Simeon Kerr
l TPPとWTO
VOX 29 November 2015
TPP unveiled
Jayant
Menon
VOX 30 November 2015
Towards a new WTO: An institutional
approach
Kent
Jones
WTOの合意形成メカニズムを改善するべきだ.
l 地政学の復活
Project Syndicate NOV 30, 2015
Managing a World of Great Powers
JAVIER
SOLANA
Project Syndicate NOV 30, 2015
The Promise of China’s G-20
Presidency
ANDREW
SHENG and XIAO GENG
Bloomberg DEC 2, 2015
If World Slips Toward War, Blame
Leaders' Imaginations
By
Leonid Bershidsky
2009年にGeorge Friedmanが21世紀の地政学に関する本を出版したとき,その予測はまるでコメディのように思われた.しかし,今では,それが現実になった.21世紀に,アメリカとポーランドの結成する軍事同盟と,トルコと日本の結ぶ軍事同盟との間で,戦争が始まると予想しても,それを笑うことはできない.
戦争は,指導者たちの世界観から生まれる.ドイツの元外相Joschka Fischerが最近書いたように,ヨーロッパは,世界が法の支配によって秩序を決めるというおめでたい発想をやめるべきだ.世界の秩序はパワーが決めている.地政学は復活した.
l 石油経済
FT December 1, 2015
Understanding the new global oil
economy
Martin
Wolf
l Mark Zuckerbergの慈善事業
FT December 2, 2015
Zuckerberg’s babies should be
unbundled
John
Gapper
FT December 2, 2015
Facebook’s Mark Zuckerberg leads new
approach to philanthropy
Stephen
Foley in New York and Hannah Kuchler in San Francisco
The Guardian, Thursday 3 December
2015
Mark Zuckerberg and the tech gods
cannot debug all the world’s problems
Gaby
Hinsliff
FT December 3, 2015
The fall and rise of technology
juggernauts
Michael
Moritz
l 現代の奴隷労働
FT December 2, 2015
FT Seasonal Appeal: China’s missing
children
Lucy
Hornby
FT December 3, 2015
FT Seasonal Appeal: The long and
dangerous road to slavery
James
Politi and Maggie Fick
FT December 3, 2015
FT Seasonal Appeal: Brazil’s slaves
face death threats and debt
Joseph
Leahy in Altamira, Pará
FT December 3, 2015
FT Seasonal Appeal: Vulnerable
migrants in the Gulf
Amy
Kazmin in Sindhupalchowk and Simeon Kerr in Dubai
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The Economist November 21st 2015
Hoe to fight
back
The
industrial internet of things: Machine learning
Chinese
investment in Africa: Not as easy as it looks
Charlemagne:
The fly Dutchman
(コメント) テロ攻撃は,外国における信者の「グレイ・ゾーン」を分裂させ,イスラム国の(信仰の)領土にすることを望んだ,それを阻むためにも,安全な生活と宗教的な寛容さ,法の支配を人々が信頼できるようにすることだ.テロと戦うとは,そういう意味である,と指摘します.同時に,EUの境界線を守り,域内の自由移動を維持すること,シリア内戦の終結に向けた軍事.外交的な取り組みの強化,地中海からアフリカに及ぶ経済再建によって若者たちの不満を吸収すること,が考察されます.和平の交渉はまだ非常に困難であっても,始まっています.
中国がアフリカに膨大な投資を計画しているけれど,その実現には,かつてヨーロッパの帝国やアメリカの多国籍企業が苦しんだ,アフリカの諸問題を解決する過程が避けられません.
オランダで,モロッコから来た移民のコメディアンが,なぜ移民排斥を主張する有力政治家にも劣らない強い関心と国民的な支持を得ているのか.
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IPEの想像力 12/7/15
国際政治経済の先週の小テストで,「シリア内戦は第3次世界大戦に向かうのか?」と問いました.もちろん,決まった答えはありません.
私はこう考えました.
1.テロの予防,内戦の終結について,暴力からのガバナンス形成を考える特有の難しさがあります.
テロは軍事介入と戦争状態が続く土地から,ますます緊密に統合化する世界の情報・輸送システムを利用して,特に,インターネットを介したイデオロギーの浸透として,境界を越えて発生しています.これを完全に予防することはできず,その起源をさかのぼって,内戦を終結させる政治的な解決策を実現するしかない,と思います.
2.内戦の終結に関して,既知の解法はありません.コソボ空爆や,シエラレオネ介入,コロンビアの麻薬戦争から政府交渉へ,さまざまな経験から学ぶ努力が必要です.
今,中東で生じている内戦状態の背景には,英仏の帝国や,ソ連・ロシアの帝国,アメリカの中東介入,イスラエルの占領,など,オスマントルコが支配した地域で,安定した秩序が確立されていないことを示しています.主要諸国が支持する,地域の安全保障システムが必要です.
平和が確立されることで,それが緩やかな連邦制であれ,新国家の樹立であれ,政治指導者たちは暴力を離れて,平和と繁栄を共有する枠組みについて住民たちを説得し,指導者間の合意を形成し始めます.
3.しかし,第3次世界大戦を考えるうえでもっとも重要なことは,シリア内戦がEUの危機につながる恐れです.Paul KrugmanやNOURIEL
ROUBINIなど,多くの論者が重視しているように,ユーロ危機,ウクライナ危機,難民危機,そしてテロ攻撃は,ヨーロッパが新しいガバナンスに向けて制度を革新する圧力となっています.
もしヨーロッパ諸国が分裂状態を深め,同時に,市場の解体が経済も大幅な落ち込みに向かうなら,中東からヨーロッパ,アフリカまで,秩序の失われた混乱が広がるなら,それを利用して,あるいはその波及を恐れて諸大国の介入が強まり,第3次世界大戦は避けられないものとなるでしょう.
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私は安倍政権の誕生過程とその政治的性格を支持しませんでした。安保法案の審議過程も,原発再稼働も,沖縄における米軍基地の移転も,政治指導者としての安倍首相は,日本の方針を国民に説得する,十分な時間と論理を欠いていたと思います.
しかし、シリアへの空爆をめぐるイギリス労働党の分裂を知ると,日本でも安全保障問題で野党が十分な批判的役割を果たせなかったのではないか,と感じます.国民の平和主義や歴史認識を,野党としてどのように変えていくのか,アジアや世界の新しい秩序形成にかかわる中身を,積極的に議論していない,と感じるからです.
またアベノミクスは、その奇矯なネーミングにも関わらず,バブル後の長期の停滞やデフレ,財政破たんに向かう債務累積を回避し,日本経済を再生するための,金融危機後のマクロ経済政策,構造改革論でした.世界金融危機後は,欧米諸国にもその意義が共有されてきたし,同時に,欧米が量的緩和に進むほどのショックを,日本の政策論争は財政再建論の流れによって混乱していた,と思います.
先日,NHK日曜討論で,甘利明産業再生担当大臣が,安倍政権の経済再生を全体として積極的に提示しました.企業の収益が改善し,賃金が上昇すること,さらに,設備投資や消費が上向くことを目標として,政労使の協議で推進しているというとき,私は感心しました.法人税,子育て支援,介護,固定資産税,TPP,消費税など,政権として何を目指すのか,自民党政権の成長政策を描いて成功している,と思ったのです.
安倍・自民党政権が,長期に成果を上げる可能性(期待)を私は否定しません。
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気候変動に関する国際会議で,日本が中国やインドを説得し,国際的な枠組みを提案する機会があれば,それはEUの政治不安が続く中でも,その調整を助ける国際政治の安定化に貢献するでしょう.
あるいは,中国が愛国教育として,日本人を軍国主義の狂気に病んだ国民だと子供たちに教えるのをやめ,日本は,靖国神社の宗教行為を政治から完全に切り離す,と約束し,両国民に同時に戦後の和解と協力の成果を発表する,ということはできないでしょうか?
日本経済の成長を回復したという実績を安倍首相が得るなら,和解できると思います.リアリストであり,ナショナリストであることは,日中の指導者が相手を理解し,協力する妨げにはなりません.
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