前半から続く)


l  アフリカを世界のパン籠に

Project Syndicate OCT 16, 2015

The African Breadbasket

PAUL KAGAME and K.Y. AMOAKO

アフリカには耕作可能な土地(世界の60%)と豊富な生態系を持ち、技術革新を導入する可能性がある。現在、食糧輸入に頼っているアフリカは、世界のパン籠になる力を秘めている。

アフリカ農業は、まだ、生産性を一気に高める技術へのアクセスを持たない、狭い農産物に限られた、工業部門やより広い経済圏とのリンクを欠いた、小規模農家が担っている。それはアフリカの貧困を地方で固定することを意味する。

彼らの農業を根本的に転換するには、高度な投資を行い、作物を多様化し、成長する都市の消費市場とリンクしなければならない。世界中で、農業の発展が工業化と生活水準上昇のカギであった。

ただし政府は、土地所有権を農村共同体から切り離し、個々の農家に対して確立することで、投資のインセンティブを高めると同時に、共同体的な土地所有が保証している伝統的な関係を重視しなければならない。農村から雇用を失わせる技術が導入されるとき、大量の失業が発生するなら、政府はこれを他の雇用や都市への移住で吸収しなければならない。

環境へのダメージに配慮し、都市の荒廃や水の汚染を避けねばならない。農業発展の計画は各国政府が立てるとしても、そのアイデアを交換し、優れた経験を学ぶためにも、国際協力は有効だ。


l  デフレ怪獣Chinzila

VOX 17 October 2015

The quest for robust and synchronised growth

Maurice Obstfeld

IMFは最新のWorld Economic Outlookで、世界経済が3つの力によって変化する方向を検討している。すなわち、中国の経済転換、国際商品価格の下落、アメリカにおける金融政策の正常化(QE離脱)、である。

国際商品価格の下落に加えて、政治的不安定性や、資本流入後の債務過剰、過剰投資が、問題を悪化させる国もある。

為替レートの減価は、一般に、成長が減速する新興諸国や発展途上諸国を助けるバッファーとして働くが、外貨建て債務が多い国の場合、バランスシートに悪影響を生じる。

デフレギャップがある限り金融緩和を続けるべきだし、その余地があれば、インフラ投資が望ましい。それと並行して、将来の成長のために、構造改革を進めるべきだ。資本移動を制限する政策手段も目標を絞って有益である。

FT October 18, 2015

Germany’s search for a new growth model

FT October 19, 2015

China-Brazil link is top threat to global economy

Gene Frieda

世界経済における驚異として、もはやChinzila — the nexus between China and Brazilを見ることはなくなり、むしろ脅威となった。

中国の減速は国際商品価格の下落や需要の減少によって新興市場に金融的なストレスを生じている。2012年以来、中国の成長モデルは寿命が尽きてきた。さらに、株価下落や人民元減価が政策ミスを導いた。外貨準備を失い、銀行は自己資本調達の機会を失って、人民元の減価圧力は続いている。

資本流出を止めるために、中国当局は国内債券市場のバブルを刺激している。それは2016年に大幅な人民元安を生じるかもしれない。それはブラジルの金融不安を悪化させる。債務の膨張が止まらないことに政府は気付いた。

ブラジルの問題は従来の債務危機と異なり、むしろ国内のクレジット・ブームである。巨額の資本流入で、国内金利が大幅に下がった(2001-07年の12%から、危機後のQEによる5%へ)。しかも政治不安と政策への信頼性欠如は、漸進的な調整政策のオプションを奪ってしまった。急激な金融引き締め、通貨安、財政の均衡化が強いられるだろう。潤沢な外貨準備を持つ中央銀行だが、民間部門の債務危機を救済するためには容易に使わない。

中国が需要を維持することも、仮定としては、考えられる。インフラよりも消費を重視した財政刺激策、金融システムからの不良債権除去、金融仲介から社会保障まで、様々なシステムの改革。しかし、こうした政策は成長期でさえ政治的に難しいものだった。

それゆえ、大幅な人民元の減価を市場は恐れるのだ。怪獣Chinzilaが世界デフレを解き放つ。


l  カースト制とレイプに抗する少女

NYT OCT. 17, 2015

Longing for the Innocence of Playboy

Jennifer Weiner

NYT OCT. 17, 2015

A Rapist’s Nightmare

Nicholas Kristof

インド北部の村では、アッパー・カーストの男たちに強姦罪を問うことはなかった。男たちは何の恐れもなく、少女たちを破壊し続けていた。

しかし、カーストの底辺に属する一人の勇敢な少女が反撃したことも理由となって、それは変化し始めた。世界中のレイプに苦しむ女性たちは、アメリカも含めて、強姦を法によって罰することができない現実に苦しんでいる。

13歳のBitiya(仮名)が畑で働いていたとき、彼女を4人の上位カーストの男たちが襲い、裸にしてレイプした。彼らはレイプを録画し、もし彼女が誰かに話したら、ビデオをばらまき、兄弟を殺してやる、と脅した。

6週間後、Bitiyaの父親が町で少年の見ているポルノビデオに、娘が映っているのを知った。男たちは店で11ドルのビデオにしたのだ。父親は警察に訴えたが、関心を示さず、逆に、それを知った村の長老たちはBitiyaを公立学校から追放した。彼女は優秀な生徒であったが、他の少女たちに悪い影響を与える、というのだ。

彼女を学校に戻すように、公的な圧力が生じたが、長老たちはBitiyaの家族に対して、懲罰のため、食糧配給を拒んだ。Bitiyaは、かつて不可触民と呼ばれた、カーストの中の最底辺、Dalitである。

市民社会は4人の男たちを逮捕し、その後、保釈した。裁判は長引き、ひどい証言を聞いた後、Bitiyaの父は心臓発作で亡くなった。家族はアッパー・カーストの復讐を恐れて、16歳の兄も外出できなくなった。

被告たちはBitiyaに、告訴を取り下げ、和解させるために15000ドルを持ってきた。Bitiyaはそれほどの大金を見たことがなかったが、受け取ることを拒んだ。「私は彼らが投獄ざれることを望む。」「すべての人が強姦によって罰せられることを知ってほしい。」

Bitiyaとその家族の決意は、インド社会を変えつつある。


l  オバマ外交の迷走

FT October 18, 2015

Barack Obama’s painful Afghan journey

ED Luce

感動的なHBO(ケーブルTV局)の番組The Diplomatにおいて、故ホルブルックRichard Holbrookeが帰ってきた。それはオバマのアフガニスタン政策が動揺する時期と重なった。

オバマ大統領は、アフガニスタンを説明するとき、いかなるベトナム戦争への言及も禁じた、と彼は述べた。ホルブルックは、期限を決めたオバマの計画は必ず失敗する、とはっきり説明している。米軍は、アフガニスタンを安定化するには、あまりにも広い地域に分散してしまうからだ。ホワイトハウスは彼の主張を封印した。しかし先週、事実上、オバマはホルブルックの指摘を受け入れたのだ。彼の任期終了まで、米軍はアフガニスタンにとどまる。

ベトナム戦争との同一視は確かに行き過ぎである。1968年に、米軍は50万人以上がベトナムにいた。オバマが来年残すのは9800人だ。戦死者はこれまで2500人に達するが、ベトナムでは6万人が死んだ。しかし、類似点もある。親米政権は腐敗が激しく、その軍隊は役に立たなかった。アフガニスタンでもそうだ。

さらに重要なことは、オバマの新計画に信用に足る終結策がないことだ。これこそベトナム戦争との重大な類似点である。若い外交官として出発したホルブルックはベトナム戦争に関して、アメリカは国益によって正当化できないほど多くの兵士を失っている、と上官に主張した。共産軍への外部からの支援、特にソ連と中国を止めない限り、アメリカは敗北するだろう、と。アフガニスタンも同じだ。ホルブルックは、パキスタンを真の同盟国にする計画を持ち、2国を含めて考えた。しかし、オバマの最近の演説でも、アフガニスタンには28回言及したが、パキスタンは2回だ。

14年間も駐留したアメリカ軍の上げた成果は容易に失われかねない。タリバンは支配地域を拡大している。イランがタリバンに資金援助し、アフガニスタン内で拠点を広げている、という証拠がある。イランは、同盟か、敵か? 答えることは難しい。アフガニスタンが新しいシリアになるかもしれない。ただし、ここで地上軍を置いているのは、ロシアではなく、アメリカだ。

アフガニスタンがオバマに教えた苦い教訓は3つある。

1.アメリカ国内政治への配慮が足りなかった。アフガニスタンとイラクの戦争を終わらせる、と約束してオバマは大統領になった。しかし、オバマ政権の時代は、イスラム原理主義との長期の戦いにおける混乱期、と記憶されるだろう。

2.アフガニスタンは兆候でしかなく、本当に深刻な問題はパキスタンだ。パキスタンは、自ら作り出したタリバンの犠牲者になりつつある。シャリフ首相はパキスタン軍を抑えられず、軍隊は国家の中の国家である。パキスタン軍がタリバン支援をやめるはずはないし、オバマも、だれも、パキスタンの政治を転換する手段を持たない。そのパキスタンが核兵器保有を増やしている。

3.ホルブルックの歴史的類推は適切だ。「タリバンが去った後、すべてが可能に思える黄金時代があった。アメリカはそこで何をしているか、説明しそこなった。」 ベトナムと同じだ。将軍たちは決定を支配し、タリバンは迫ってくるが、アメリカの指導者たちは事態の変化に振り回されているだけだ。

Bloomberg OCT 18, 2015

Putin's Syria Play Demands a U.S. Response

By Editorial Board

NYT OCT. 20, 2015

Kurds Need More Than Arms

By CALE SALIH and MARIA FANTAPPIE

アメリカがクルド人部隊に武器援助すべきかどうか、論争になっている。クルド人が軍事的に強化されれば、政治的独立への期待が強まり、地域秩序が混乱する、と恐れているからだ。しかし、重要なことは、アメリカがクルド人の福祉改善に地域的な補償を与える計画を示すことだ。

The Guardian, Wednesday 21 October 2015

Britain clings to its bombing addiction with the weary rationale of a junkie

Frankie Boyle

NYT OCT. 21, 2015

Are We Losing Afghanistan Again?

By THOMAS JOSCELYN and BILL ROGGIO

The Guardian, Thursday 22 October 2015

How the west broke Libya and returned it to the hatred of the past

Yasmina Khadra

FT October 22, 2015

Middle Eastern echoes of the religious conflicts that remade Europe

Malise Ruthven

イラク、シリア、イエメン、など、中東における宗派間の戦争を見れば、ヨーロッパの宗教改革とその後の30年戦争と比較してみたくなるだろう。

宗教的な相互の寛容さと啓蒙主義、領土的な国家主権の確立がヨーロッパで可能になるには、およそ300年を要した。

FP OCTOBER 22, 2015

At the U.N., Beijing Begins to Shift Away From Putin

BY COLUM LYNCH


l  民主主義の対抗者

FT October 18, 2015

A strong press is best defence against crony capitalism

Luigi Zingales

The Guardian, Sunday 18 October 2015

Europe is becoming an undemocratic continent where force matters more than law

Paul Mason

ギリシャ危機と、シリア難民危機が示したように、EUは非民主的なパワーによって支配される土地になっている。それは大企業やロビー集団、超国家官僚制度による、準超大国である。あなたがもし超国家的NGOsによって組織されない限り、各地の議会はEUECBを動かせない。

Project Syndicate OCT 19, 2015

The Trouble With Financial Bubbles

HOWARD DAVIES

FP OCTOBER 19, 2015

Is the China Model Better Than Democracy?

BY DANIEL A. BELL, TIMOTHY GARTEN ASH, ANDREW J. NATHAN, TAISU ZHANG

Daniel A. Bell, The China Model: Political Meritocracy and the Limits of Democracyをめぐるパネル討論が行われた。

Daniel A. Bell ・・・「垂直型民主的能力主義」という概念は、ギリシャ的な、民主的小国家に比べて、中国のような膨大な規模の国家にとって適当な統治システムである。

Timothy Garton Ash ・・・それは共産党の内部で行われている政治ではない。政治的メリトクラシー(能力主義)は実現していない。


l  アルゼンチン

FT October 18, 2015

Argentina: Handover fears

Benedict Mander


l  インティファーダ

NYT OCT. 18, 2015

Mismanaging the Conflict in Jerusalem

By NATHAN THRALL

パレスチナ人の聖地を立ち入り禁止にし、治安の悪化を理由に住居をブルドーザーで破壊し、パレスチナ人居住地域を壁で隔離し始めた。イスラエルによる暴力は、これまでの土地収奪に共通する要因だ。

NYT OCT. 19, 2015

Turkey’s Self-Inflicted Disaster

By SUAT KINIKLIOGLU

Project Syndicate OCT 20, 2015

The Inevitable Intifada

DOMINIQUE MOISI


l  日本の再武装

Project Syndicate OCT 19, 2015

Why Japan Should Rearm

BRAHMA CHELLANEY

日本の政治的復活と再武装は、今世紀のアジアにとってもっとも重大な変化の1つである。日本は安保体制を改革し、TPPに参加することで、より安全な、競争力のある、国際的な関与を深めた国家に生まれ変わろうとしている。

日本は、真に独立した軍事力として、イギリスやフランスと同じく、核武装を含む完全な抑止力を持つのだろうか? その通り。しかし、アメリカとの安全保障条約を放棄しない限り、日本の再武装は防衛面に限定される。

中国の軍事力と対抗する必要はない。秩序維持に限定した防衛は、攻撃的な軍事力よりも少なくて済む。それでも日本の再武装は、アジアおよびその他の世界にとって、重大な変化である。

FT October 20, 2015

Japanese universities need brighter ideas

Sahoko Kaji

日本は世界で最も高齢化した国である。若者はますます気象になっている。優れた能力を持った若者を育てることが、日本にとって最も重要だ。

しかし、大学で若者たちは容易に単位を取れ、企業も彼らが大学で学んだことに関心を持とうとしない。日本の大学ランキングは、国際的に見て、シンガポールや中国に劣っている。

VOX 21 October 2015

Using the World Bank Doing Business Ranking to inform economic reforms in Japan

Jamal Ibrahim Haidar, Takeo Hoshi


l  ロシアの後退

FP OCTOBER 19, 2015

They Came to Fight for Ukraine. Now They’re Stuck in No Man’s Land.

BY MARIA ANTONOVA

20145月、ベラルーシ東部の町Gomelで、19歳の学生であったRudolphは、あるFacebookの文章に感動した。「これはロシアとウクライナとの戦争ではない。自由と無法との戦争だ。」

ウクライナ東部でロシアが支援する分離独立主義者の戦闘が拡大してから、ロシア、ベラルーシなどから、ウクライナ革命に共感する若者たちが義勇兵として戦闘に参加した。しかし、内戦が凍結された今、彼はその役割を法的に正当化することができずに苦しんでいる。ビザはなく、ウクライナの友人を頼って生活するだけで、ベラルーシKGBが彼の帰国を困難にしている。

FP OCTOBER 19, 2015

Your Official Mission Creep Timeline of the U.S. War in Syria

BY MICAH ZENKO

Project Syndicate OCT 20, 2015

From Memory to Denial in Russia

ROBERT SKIDELSKY

「ロシアにおけるもっとも痛切な経験の一つは、1998年に、唯一保存されたスターリンの強制収容所、Perm-36を訪問したときのことだ。私は、モスクワ政治学院the Moscow School of Political Studiesのセミナーに参加して、ウラル地方の都市Permにいた。この学院は、共産主義後のロシアの若者に、民主主義、自治、資本主義を教えるために、Lena Nemirovskayaが設立した。」

FP OCTOBER 20, 2015

How Putin’s Ukrainian Dream Turned Into a Nightmare

BY ADRIAN KARATNYCKY, ALEXANDER J. MOTYL

FT October 21, 2015

Behind the gloss Moscow is a sad city

Guy Chazan

NYT OCT. 22, 2015

Sheikh Putin of Syria

Maxim Trudolyubov


l  ミャンマー

FT October 21, 2015

Elections in Myanmar are a beginning — not a fairytale ending

David Pilling


l  TPPは半分でしかない

FP OCTOBER 21, 2015

The TPP Is Just Half a Loaf

BY JEFFREY E. GARTEN

TPPだけでは不十分だ。現代の貿易は、すべて「技術」を含む。革新的な技術に脅かされる労働者への、事後的な補償ではなく、積極的な技術教育・再雇用支援を法律として強化し、制度化しなければならない。

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The Economist October 10th 2015

The Trans-Pacific Partnership: Every silver lining has a cloud

The Trans-Pacific Partnership: Weighing anchor

Europe’s migrant crisis: Angela the beleaguered

Germany’s refugee srisis: Merkel at her limit

The Democratic primary: Berning up

Russia’s Syrian war: An odd way to make friends

English cities: All politics is local

(コメント) TPPに関する記事は,むしろ悲観的なものであり,アメリカ国内での反対論を懸念します.メルケルが直面する難民危機が,トルコのEU加盟交渉に新しい意味を追加しました.シリアに空爆したロシア政府のシナリオとプロパガンダの行方を憂慮します.

面白い記事は,サンダース候補に関する分析と,イギリス保守党政権が進める地方分権の大改革が,グローバリゼーションとクロスする視点です.大阪都構想は,何より,イギリス保守党と連携するべきでした.

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IPEの想像力 10/26/15

BS-TBSマンデードキュメント「負けてたまるか~戦う農家 岡本重明」(2015.10.26)を観ました。

安倍政権の国家戦略特区は、規制改革を目指すために、成功モデルを示して他地域にその試みを広げる、いわば新興諸国・中国型の改革です。国際競争を理由に、既得権を打破して、主要産業の活性化を図る政府の意図が、新しい政策を模索するさまざまな関係者の間に対立をもたらします。

こうした政策形成のプロセスこそ、政権政党と官僚制の存在理由を問うものだと思います。この番組で私は、下からの、当事者たちの規制改革や政策決定に向ける情熱を,岡本重明という個性的な農業企業家の姿に見ました.

岡本氏は、農地の利用規制に不満を持っています。農民は.農地を利用して沿道で店を出したり,米を加工して新しい商品を作ったりすることで,利益を得ることができない.岡本氏は、農協や農業委員会の姿勢に不満を持っています。彼らは機械化を勧めたり,農産物の多様化に向けてマーケティングしたり,することもない.

岡本氏は、中央政府・官僚ではなく、市長や農業委員会が変わればできる、と考えます。岡本氏は,養父市の特区に参加し,また、タイの農家にもおいしい日本米の生産ができる、と技術指導に努めます。

そんなとき,新米の買い取り価格が大幅に下がりました。

コメの国際市場価格と規制・政治の問題が,日本農業を挟撃します。国際環境の変化や技術革新,それに必要な投資と長期計画をめぐって,農業はどこまでビジネスなのか? 政治なのか?

岡本氏は、市長選挙に立候補します。組織を持たない岡本氏は敗北しますが,選挙で当選した政治家の半分も得票したことに,本来の,政治の覚醒を見る思いです.

岡本重明氏の熱い思いに,強い感銘を受けました。

ネットを検索すると,「リアル 国家戦略特区 養父市 農業再生を託された男」(スーパーニュースアンカー 2014.10.16)が,同じ養父市の、三野昌二副市長(広島出身、経営コンサルタント)を紹介していました.

特区は,棚田のコメをブランド化したり、企業による土地購入を容易にしたりして、さまざまな分野から参入を促す。レタス工場や,都市の若者を招くパートナーズの試みを取り上げていました。

他方,NHK日曜討論では,こうした市場化の試みが農家の数%に対する意味があるとしても,全体をどうするのか,示すものではない,と反対する声も聴きました.

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PHILIPPE LEGRAIN のコラム(“The Disintegration of Europe,” Project Syndicate OCT 19, 2015)は,EU難民危機が政治的な打開策を進める条件を4つ示します.

「問題に関する正しい理解を共有すること。前進するための効果的な方策が合意されること。主権の一層のEU集中が受け入れられること、政治指導者たちに変化を促す能力があること。」

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MOHAMED A. EL-ERIANのコラム(“Governments’ Self-Disruption Challenge,” Project Syndicate OCT 13, 2015)を思い出しました.

「政治献金やロビーの政治的影響力は、この課題をさらに難しくする。彼らは、システム全体の長期的な福祉を改善するために行動するより、ミクロな動機を追及し、その一部は伝統的な階層、しばしば、エスタブリッシュメントの富裕層がシステムを支配し続けるのを助ける。そうすることで彼らは、アップグレードや転換に特に重要な、小規模の、新興プレーヤーを阻止するのだ。」

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PARAG KHANNAのコラム("The End of the Nation-State?" NYT October 12, 2013)は,進行の諸都市や経済特区を,新しいグローバルな政治体の誕生,と見ます.都市化,技術変化,資本蓄積は,グローバルなインフラを整備した飛び地へ,国民国家の外部に流出する.それらの繁栄のカギは,近隣諸地域の超国家的な安定性であり,TPPはそれを目指すものかもしれません.

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中東であれ,アフリカ,ドイツ,イギリス,中国であれ,政治にもフロンティアがあり,新しい覚醒が生じます.

豊かで,高齢化した諸国の政治では,安定化のための補償メカニズムと制度化を再編し,革新して,技術変化と若者の意欲をどのように社会として実現できるか,政治権力をめぐる組織や社会運動の成否は,その優れた答えを競い合っているのだな,と思いました.

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