(前半から続く)
l 平和の候補はいないのか?
FP OCTOBER
2, 2015
Give Peace
a Chance
(And why none of the current presidential
candidates want to talk about it.)
BY STEPHEN M. WALT
アメリカ大統領候補たちが、平和、についてどう考えているか、もっと聞いてみたい。もちろん、彼らは軍事支出の追加や軍事行動に関してすでに多く語っている。しかし、自分は「平和の候補だ」と名乗る者はいない。
アメリカが平和に強い関心を持ち、世界が平和であれば大きな利益を受ける国であるのに、なぜ候補者たちは平和を積極的に語ろうとしないのか?
もちろん、アメリカは過去に戦争で利益を得たことがある。しかし、それは戦略的な利益であって、戦争それ自体が利益ではない。私はリアリストとして、分割された世界が平和ではないことを認めているから、理想的な平和主義を唱えることはない。しかし、アメリカの戦略上の優位は、現在、非常に優れており、戦争によって損なわれる方が大きい。
平和それ自体が重要な目標であるにもかかわらず、候補者たちがそれを支持していないのは、平和を支持する者は弱く、絶対平和主義と同じだ、とわれわれが誤解しているからだろう。かつて、外交政策の専門家に認められるには、軍事力の行使に向けた情熱を示す必要があったのだ。ノーベル平和賞の受諾演説でさえ、オバマはむしろタカ派的な主張を示す必要があった。
私も退役軍人たちに深く感謝しているが、その気持ちはペンタゴンに特権的な自由を与えるのではなく、軍人たちにもっと良い医療を提供することで示すべきだと考える。
「アメリカを強くする」と言うのは不十分な回答だ。アメリカは紛争を回避するべきであり、世界が平和であるためには、どのような政策を取るべきか、詳しく説明しなければならない。
l ヒューマン・クラウド
Bloomberg OCT 2, 2015
The Job of
the Future Is ... Home Health Care
By Justin Fox
法律が整備され、自宅における介護の職業が急速に増加している。それは未来の職業だ。
FP OCTOBER
5, 2015
How to Win
the Global War for Talent
BY JEFFREY E. GARTEN
FT October
8, 2015
The human
cloud: A new world of work
Sarah O’Connor, Employment Correspondent
雇用者たちは、仕事をする新しい方法として、ヒューマン・クラウドを見るようになった。ホワイトカラーの職場は多くのバラバラなプロジェクトや業務に分割され、その後、世界中のどこからでも、その仕事をやる意思のある労働者たちの、バーチャルな「クラウド」にばらまかれる。彼らはインターネットに接続していればよい。
ヒューマン・クラウドは、スキルの不足を解消し、高失業の地域をなくし、グローバルな能力主義をもたらす。そこでは労働者たちが、その位置、教育、ジェンダー、民族に関係なく、成果によってのみ報酬を受ける。それは、工場制が始まる前の、自分たちの仕事に関する支配を回復する、小規模生産者の時代に回帰するものだ、という者もいる。
批判者は異なる歴史に注目する。それは幸せな職人たちではなく、死んだ目をした生産ラインの労働者だ。ヒューマン・クラウドは、バーチャルな苦汗工場が広がる無法の西部であり、サービス部門はバラバラに解体され、世界的な規模の「底辺への競争」に人々が投げ込まれる。
それがユートピアなのか、ディストピアなのか、それはあなたがヒエラルキーのどこにいるかによるだろう。人々は、より生活コストの安い土地に移住し、より賃金の高い土地で仕事を探すだろう。「静かなオフショアリング」が進行する。
こうした労働者たちは「自営業者」に分類され、被雇用者に比べて、税制や医療で不利となる。法律はそれに適合せず、クラウド化を妨げている。
l 新興アジアのデフレ
FT October
4, 2015
Emerging
Asia: The ill wind of deflation
James Kynge and Jonathan Wheatley
価格の変化はしばしばグローバルな変動の前触れである。13世紀、モンゴルによるヨーロッパ侵攻を最初に示したのは、Harwich港で魚の価格が上昇したことだった。バリチック地方の漁船が侵略者との戦闘に向かい、魚の最大の市場であったイギリスに向けた供給が減ったからだ。
デフレーションとは、生産物の価格が長期にわたって下落することだが、アジアの工業地帯から日本やヨーロッパに冷気を送り込み、アメリカの景気回復も脅かしている。物価が下落することは消費者に好ましいと思うのに、政策担当者たちは恐れている。なぜなら、物価の下落は企業の利潤を減らし、雇用を減らし、総需要を失わせるからだ。
1929年、アメリカの株価下落を大恐慌にした原因もデフレーションであったと考えられる。Ben Bernanke が、2008-2009年の金融危機で、量的緩和QEを決断したのも、物価の累積的な下落が主要な動機であった。
アジアのデフレーションを示す証拠は注目されている。製造業の過剰設備、貿易需要の減少、生産性の衰微、がそうだ。中国はその最大の例である。デフレーションが世界的な脅威になっている。アジアの供給過剰が西側の需要不足と均衡しないことは、その基本条件である。デフレーションが西側のQEによる需要の底上げを圧倒する。
アジアの問題は、消費者物価ではなく、生産者物価の下落に示されている。日本を望む主要なアジア諸国で下落し、中国では42か月連続で下落している。しかも、その下落スピードが増していることが警戒を要する。すでに大幅な雇用削減を始めた大企業が注目される。
アジア中で企業の収益は悪化しているが、その債務超過は「バランスシート不況」のリスクを高めている。債務の利払いや返却が企業に支出や投資よりも貯蓄を強いるから、成長がさらに減速するのだ。債務の急激な膨張が危機を長引かせる原因になっている、と指摘する専門家もいる。アジアの過剰生産力が処理されず、デフレーションを長引かせるからだ。
IMFは、先月、アメリカ連銀の金利引き上げは債務を負った企業のストレスを高める、と警告した。アメリカの需要を押し上げるポンプとしてQEを行っても、アジアのデフレーションは需要の不足ではなく、供給の過剰が問題だ。果てしなくQEを行っても、過剰生産力は解消しない。政府のさまざまな支援策も加わり、安価な融資によって企業は生き残る。
ドルに対するアジア通貨の下落は、輸出を刺激するはずであったが、むしろ需要を抑え、デフレーションを悪化させている。こうした事態は、多年度に及ぶスーパーサイクルの一部と見ることができる。それは1890年代から4回起きた。下降期は15年から26年続いた。
l スウェーデンとカナダの移民政策
FT October
5, 2015
Sweden
immigration: Don’t look back
Richard Milne in Sodertalje
Jalalは目覚めると,シリアのローカルテレビを観る.道路の向こうにあるシリア正教会でお祈りする.週末には,アッシリア・プロフットボールの2つのチームを応援できる.しかし,ここはシリアではなく,スウェーデンの町Sodertaljeだ.
多くの難民や移民を受け入れてきたスウェーデンは,現在の難民危機に示唆するものがあるだろう.ストックホルムの南西35キロにあるSodertaljeは,シリアやイラクからの難民が多い.Ronnaの学校では,750人の生徒のうち2人だけが両親ともスウェーデン人である.
新しい移民たちは自由に居住地を選べる.その結果,多くの移民がすでに住む地域に集まる.彼らはスウェーデン語に苦しみ,自分たちの町から出ようとしない.失業率は2倍以上で,ますますスウェーデン社会との統合が遅れる.
より健全な混住を求める声もある.エスニック間の緊張が高まり,排外主義的な攻撃や発砲事件が各地で起きている.人種暴動が起き,反移民の社会民主党員は移民政策の見直しを求めている.
NYT
OCTOBER 5, 2015
Remembering
a Milestone for Immigrants and America
By
LAWRENCE DOWNES
SPIEGEL
ONLINE 10/06/2015
Looming
Doubts
Merkel's
Grip on Refugee Crisis May Be Slipping
NYT OCT.
7, 2015
Canada
Knows How to Respond to a Refugee Crisis
By ADRIENNE CLARKSON(カナダ総督from 1999 to 2005)
3歳の少年Aylan
Kurdiが,顔を伏せて,トルコの海岸に死体となっている写真を見たとき,私は衝撃で静止した.
同じ歳の幼児であった私は,1941年12月,香港が日本に征服された直後に,中国人難民となった.赤十字のおかげで,私の父は2つの船,鉄道を経て,1942年8月にカナダへ着いた.それはモザンビーク,南アフリカ,ブラジル,そしてニューヨーク港を経た,長い旅であった.
当時,カナダは非白人の移民を差別していたから,両親と私の7歳の兄は,カナダ行きの船を逃すところだった.しかし,1人の職員が,私たちに乗船するように言った.私たちに与えられた時間は8時間だけだった.1人につきスーツケースが1つ.兄は,それがないと眠れない枕を許された.祖母が母にコメの炊き方をくわしく教えていた.しかし,それ以後,祖母には2度と会えなかった.
1979年,カナダは次の難民危機として,ベトナムのボート・ピープルを,待つのではなく,職員たちが助けに行った.彼らは1日20時間働き,東南アジア中で6万人の難民を助けた.難民たちは,181の旅客機をカナダ政府がチャーターして費用を負担し,軍基地へ空輸した.
難民は受け入れられ,登録され,カナダ側の支援グループがいる各地の街に向かった.そこでは子供たちが学校へ行き,親たちは住宅と仕事が得られるように支援を受けた.
カナダの移民支援スタッフたちは,再び,各地に派遣されるだろう.カナダは人口の1%,35万人の移民を,毎年,受け入れると決めている.カナダは難民危機の扱い方を知っており,それを他国に教えることができる.引退したスタッフたちがその経験をドイツやスウェーデンの現場に伝えている.ヨーロッパ諸国やトルコ側の難民の手続きに関して,現地スタッフを訓練している.
私は,Aylan Kurdiがカナダに来たとしたらどうなっていたか,と考える.カナダにはすでに彼の叔母が住んでいる.拡大家族が彼を歓迎し,庇護しただろう.もし彼が,私がそうであったように,カナダで育ったとしたら,どうなっただろうか? 彼はカナダの小さな町に住み,ユダヤ人の薬屋で処方箋を見せて,咳止めの薬を無料でもらう.薬屋の主人は彼の息子に,Kurdiを雪の中,歩いて送っていくように言う.フランス語圏のカナダで,彼の家族は小さなアパートの中に住居を得ただろう.そして隣人たちから,彼の母はシチューや豆の煮込みの調理法を教わるのだ.
私は近くの公立小中学校と高校に行き,公立の大学を出た.私の兄はMcGillへ行って,外科医になった.私はトロント大学へ行き,TV局の報道記者になり,その後,カナダ総督になった.幼いKurdiは,こうした機会を得ることがなかった.
l ギリシャ・東欧
Project
Syndicate OCT 5, 2015
Greece
Without Illusions
YANIS VAROUFAKIS
SPIEGEL
ONLINE 10/08/2015
Varoufakis
on Eastern Europe
'A
Connection Between Austerity and Xenophobia'
Interview Conducted by David Böcking and
Andreas Wassermann
Project
Syndicate OCT 8, 2015
The Mirage
of Structural Reform
DANI RODRIK
l 魚と銀行のセーフティ・ネット
Project
Syndicate OCT 5, 2015
Ending
Rogue Fishing
MARIA DAMANAKI, YORIKO KAWAGUCHI and JANE
LUBCHENCO
VOX 05
October 2015
Fixing the
global financial safety net: Lessons from central banking
Minouche Shafik
l 量的緩和とデフレ対策
FT October
6, 2015
Beware of
the liquidity delusion
Martin Wolf
Project
Syndicate OCT 6, 2015
Debt Déjà
Vu
ADAIR TURNER
FT October
7, 2015
Global
economy: The case for expansion
Lawrence Summers
世界経済が直面する危険は、2008年のリーマンブラザーズ倒産以来、今が最も深刻である。
グローバルなデフレの悪循環という幽霊が現れた。工業諸国の成長が衰え、それは資本輸出を減らして、新興市場を損ない、そのことがさらに西側経済の成長を遅くする。政策担当者たちは、西側が不況に戻るリスク、グローバルな不況を生じるリスクを、著しく過小評価している。
われわれは新しいマクロ経済の時代にある。そこではデフレのリスクがインフレのリスクよりも大きく、市場経済が自立的に回復する力に頼れない。世界の経済戦略を緊急に転換する必要がある、と私は確信している。
成長の減速、低インフレの予想、実質ゼロ金利、これらの組み合わせを説明するのは、長期停滞論である。高い貯蓄率、投資の減退、リスク回避傾向の強まりが、完全雇用に見合う金利の水準を下げる。名目金利がゼロになって、それ以上下げることができないことは、大きな制約となるのだ。第1に、所得分配の不平等化、第2に、人口減少、労働者の減少が成長率の予想を下げている。
IMFと世銀がリマで政策担当者を集めた会合を開いた。彼らは自己満足に浸る時間などないはずだ。成長の減速が金融危機後の一時的な結果である、という考えは愚かなものだ。アメリカ、ヨーロッパ、日本のデータを見るべきだ。世界経済が止まりかけている。
アメリカ連銀、ECB、日銀は、一層の減速を阻止し、世界を不況から救わねばならない。債券利回りが1%を下回っていることは、既存のQEが景気刺激の効果を発揮しないということだ。資産への投資に伴うリスクを顕著に減らす支援策が必要だ。それは財政刺激策のための国債を購入する以上のことであるだろう。
世界経済が直面するリスクは、日本がかつて経験したものと似ているだろう。日本は25年間も停滞し、それを解決するために何もできなかった。
(China
Daily) 2015-10-08
Time to
rethink the recipe for a global recovery
By Zhu Qiwen
l 世界銀行
Project
Syndicate OCT 6, 2015
A New
Vision for the World Bank
NANCY BIRDSALL
世界銀行は、持続的で包括的な経済発展を目指して、金融に限らず、様々な改善の支援を助言する機関にならねばならない。そうすることで、グローバルな問題に対する集団的な解決策を強調すること、グローバルな公共財の供給、に貢献できる。
FT October
7, 2015
India’s
Raghuram Rajan urges IMF and World Bank reforms
Victor Mallet and James Crabtree in Mumbai
IMFの元主任エコノミストで、現在はインドの中央銀行総裁であるRaghuram Rajanが、新興市場における流動性危機を回避するための「グローバル・セーフティー・ネット」のために、工業諸国がもっと資本を提供するべきだ、と求めた。
FP OCTOBER
6, 2015
Trouble in
Peaceland
BY SÉVERINE AUTESSERRE
l サウジ崩壊
FP OCTOBER
7, 2015
It’s Time
for the United States to Start Worrying About a Saudi Collapse
BY JOHN HANNAH
l FIFA
The
Guardian, Thursday 8 October 2015
The
Guardian view on Fifa’s latest crisis: it is time for money to speak for change
Editorial
l モディ
FT October
8, 2015
China
spurs Narendra Modi’s pivot to Washington
Philip Stephens
l ウクライナ革命
FP OCTOBER
8, 2015
‘Winter on
Fire’: The Evolution of Ukraine’s Revolution
BY REID STANDISH
l エボラと世界保健システム
FP OCTOBER
8, 2015
Can the
Global Public Health System Learn From Its Ebola Mistakes?
BY LAURIE GARRETT
l クリントンの金融危機対策
Bloomberg
OCT 8, 2015
My Plan to
Prevent the Next Crash
By Hillary Clinton
Bloomberg
OCT 8, 2015
Clinton's
Financial Plan Covers All Her Bases
By Paula Dwyer
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The Economist September 26th 2015
Dirty secrets
Progress in
Ukraine: Look west, Maidean
The war in
Syria: The cost of inaction
Bello: A big
leap towards peace in Columbia
Bagehot: The
Osborne Doctrine
Foreign tech
firms in China: Cards on the table
China’s
consumers: Doughty but not superhuman
(コメント) フォルクスワーゲンの不正は環境保護の国際監視体制、特にヨーロッパがでたらめであることを暴露した、と言います。シリア内戦の惨状は、アメリカの不行為がもたらした高価な買い物です。コロンビアの武装組織と政府との和解は、世界のモデルになるはずでした。
そして、中国をめぐって、イギリス蔵相の「オズボーン・ドクトリン」が強いる3つの賭けに言及し、中国が目指す「自主創新」「リバランス」が欧米のハイテク超国家企業を手なずけ、世界の最後の消費者として、完全にアメリカの地位を奪えるか、という問いを発します。答えは、否定的なものですが、そう問わねばならない欧米日の弱さも明らかです。
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IPEの想像力 10/12/15
労働市場や労働契約というものが、インターネットの普及によって、大きく変化するかもしれない、とFinancial Times やThe
Economist、New
York Timesは書いています。
どうして、何が、起きるのか?
「ヒューマン・クラウド」というアイデアを紹介しています。
一方の側では、自分の専門的な技量や経歴、仕事仲間や注文を受けた人たちからの評価、仕事の動画ビデオや評価のためのデータなどを、クラウドに載せます。他方の側は、どのような仕事を望むか、その条件を詳しく載せます。スカイプによるインタビューなどを経て採用し、報酬を支払えば、労働契約は成立するはずです。
「コースの定理」によれば、会社ができるのは取引コストがあるからだ、と言います。では取引コストがなくなったら、会社や労働組合はどうなるのか? 労働市場が、企業や民族、地域、国境を越えて統合され、仲介組織は消滅して、ネット上に移動します。
社会企業家を研究する学会の話を聞いたところ、学会費は無料だ、ということでした。会員名簿はグラウドに書き込み、学会の開催通知や連絡もネット上で行い、事務所やスタッフを必要としない時代であれば、それで十分かもしれません。
AIが急速に進歩する結果として、次第に人間の労働は、コンピューターを補助するだけになるのでしょうか? AIの学習スピードは人間よりもはるかに早く、様々な技能や熟練だけでなく、複雑な文化や芸術にも自動翻訳機能が普及するでしょう。労働の報酬は、極端に2極化するのか? あるいは、むしろ職人的な共同体が繁栄するのか? 企業や労働契約のない世界で、労働規制や最低賃金制度、失業手当は機能しなくなる?
東京オリンピックのデザインが盗作だと疑われたように、音楽でも、著作でも、インターネット上で検索し、盗用や複製が氾濫します。国境を越えて、これらを徹底的に取り締まるのか、むしろ積極的に許容するのか、ビジネスや、社会の利益という視点で、議論を始めるときでしょう。
もしデフレが続くなら、賃金の引き上げが労働者の最も重要な目標ではなくなります。職場の自主的な管理や雇用の安定性、ゆとりある労働時間や仕事の内容に関する合意形成といった、賃金や労働時間では示せない労働条件の改善が主要なテーマになると思います。
工場制度や労働組合が誕生し、あるいは、金融危機や大量失業でマクロ経済学が誕生したときのように、新しい時代には「ベーシック・インカム」や「人民のためのQE」のように、新しいアイデアが試されるでしょう。
ユーロ危機や移民・難民問題として議論されていることが、次の時代には、優れた労働者たちを競争的に保護し、招待しているかもしれません。グローバル企業の雇用戦略は、世界の主要都市や主要教育機関におよび、学校の競争は優秀な子供の奪い合い、という発想に向かいます。しかし、ブランドなど重要ではなくなる頃、学校も消滅して、教育は「ヒューマン・クラウド」に移動し、ほとんどすべて無料になります。
グローバリゼーションは、労働者がコミュニティーを再興する条件です。小さな労働組合や協同組合が残るとしたら、それらは自由、平等、友愛の理想を実現する、相互扶助的な地上のネットワークです。
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When
I saw the photo of three-year-old Aylan Kurdi lying dead, facedown, on a
Turkish beach last month, I felt an electrifying stillness.
この筆者が衝撃で動けなくなったのは、彼女も同じ年齢の難民であったからです。
一人の幼児の姿に、私たちは人類の歴史的、社会的な可能性のすべてを見ます。この少年や少女が、のちにカナダ総督にもなることができると知ったら、難民を見る目が変わるでしょう。それは難民の苦しい旅が、私たちの社会や文明を試す機会に変えます。
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