IPEの果樹園2015

今週のReview

5/18-/16

 

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イギリスの選挙結果 ・・・不平等な世界と移民 ・・・中国人民銀行の学ぶ教訓 ・・・シリザは敗北する ・・・多元的貿易制度 ・・・2050年の世界

 [長いReview]

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主要な出典 Bloomberg, FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, The Guardian, NYT: New York Times, Project Syndicate, SPIEGEL, VOX: VoxEU.org, そして、The Economist (London)

[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.]


l  イギリスの選挙結果

The Guardian, Friday 8 May 2015

Democracy is a religion that has failed the poor

Giles Fraser

私は,今,イギリス人であることを恥じている.世界から孤立し,自己陶酔的で,明らかに,自分たちの中の弱い人々のことに無関心である.なぜ100万人もの人々がフードバンクに頼らねばならないのか? 自分の狭い関心でしか投票しない.多分,だから世論調査はあれほど大きく間違うのだ.投票箱はその人の利己心の集まりでしかない.

投票所のそばで「移民なんてくたばれ!」と叫ぶ男がいても,全体として楽観論は変わらなかった.投票によって人々は重要な選択を行う,と信じている.

しかし,投票は重要か? なぜ貧しいものは投票することで,彼らを抑圧し,疎外するシステムに,正当性を与えるのか? 人類学者のMukulika Banerjeeによれば,選挙は宗教の儀式と同様に,合理的目的や参加する個人に対する有効性に意味があるのではなく,シンボリックな意味を持つのだ.それは神聖な,力を高める瞬間なのだ.

力を得る,という幻想ではないか? しかし,彼らは何も変わらないと分かっていて,現状を維持する,この儀式に加わるのだ.

それは皮肉ではない.投票は世界を変える合理的な手続きというより,市民権の表現である.なぜ投票用紙を汚すためだけに,人々は投票所へ向かうのか? それは,投票用紙が権利であり,アイデンティティであるからだ.インドの地方で調査した彼女は「もし投票しなければ,誰も自分が存在していることを知らない」という言葉を記録している.

教会において,そこに帰属することが信仰につながる,と言われる.民主主義の儀式もそうだ.

FT May 8, 2015

Europe and union to dominate Cameron’s second term

George Parker

FT May 8, 2015

Cameron can savour campaign success

Janan Ganesh

国民は,労働党党首の能力を疑うことはないが,その信念の固さを疑い,左派の描くイギリスに共感しなかった.

イギリスの政治は,その前に,あたかも別の国家のように行動し始めたナショナリストの支配するスコットランドによって翻弄されている.こうしてリベラリズムは奇妙な2度目の死を迎えたのだ.

キャメロンと保守党は,政治指導力と経済運営に関する中心テーマを訴え続けた.そして,最後に,スコットランド・ナショナリスト・パーティーSNPが労働党の少数派連立政権を介してイングランドを支配する,という有権者の懸念をつかむことに成功した.

選挙運動が何かを変えることはほとんどない.それは有権者が胸に秘めるものを表現するだけである.その意味で,労働党ははるか以前に敗北していたのだ.

勝利の朝,キャメロンはUKの諸民族に対する敬意を語った.それはスコットランドに大幅な地方分権を行い,イングランドにも自治権を認める,という意味だ.同時に彼は,EUの条件をめぐって交渉し,加盟の可否を国民投票にかける.

特権に憤慨し,国家の削減を主張した保守党の人々が権力を握って,5年後,さらに議席を増やした,ということに歴史家たちは注目するだろう.財政再建派,自由市場派が次の10年を支配するはずだ.保守党が多数を得て,単独政権を得たことは,キャメロンにとって右派の影響力が増すことを意味する.

緊縮と支持率とは,少なくとも自由主義の強いイギリスで,もはやそれほど和解できないものではなくなった.政治とは,可能性のアートであるが,何が可能であるかを決めるアートでもある.キャメロンはそれに成功した.

FT May 8, 2015

An ever more fragile union

Philip Stephens

この選挙の意味を,新興のスコットランド・ナショナリズムと,怨嗟に向かうイングランド・ナショナリズムとの衝突,分断を招くアイデンティティ・ポリティクス,旧政治の復活に見るだろう.

FT May 8, 2015

Labour can only win with a progressive message

Matthew Taylor

先週,たまたま,古くからの労働党員たちが話し合った.今回の選挙は,1992年の選挙に似ている,と.そのとき,予想に反して,ジョン・メージャーが勝利した.同様に,最後まで態度を決めなかった有権者は,総選挙の2つの重要な要因によって投票したのだ.経済の運営能力と,政治的指導力である.

エド・ミリバンドは非難する声にもかかわらず良好な選挙戦を示したが,選挙戦を通じて現れた新しい要因とは,保守党がイングランド有権者の不安を煽った,スコットランド国民党による政治の新しい勢力均衡が重大な結果をもたらす,ということだった.

労働党の次の指導者がだれか,というより,この敗北には指導者の個性にとどまらない,より深刻な問題が示されている.

路線の継続性と再確認を重視する者は,この敗北を,SNPの台頭,指導者の不人気,といった1回限りの要因に帰す.もっと有権者に好まれる指導者を選び,SNPの勢力が衰微するのを待ち,保守党がヨーロッパ問題などで失敗することを見守っている.

他方,ニュー・レイバーの党幹部・信奉者たちは高齢化し,直接の影響力を失っている.しかし,批判的な,近代化論者から見れば,労働党が勝利するのは,有権者のそれぞれが抱く望みがかなえられない,社会的な不正義に関する進歩的なメッセージと結び付くとき,社会民主主義が未来の挑戦に対する最善の答である理由を確信を持って示すとき,である.

2015年の選挙は,概ね,今とあまり大きく変化しないという前提で,昨日より明日を良くするのはだれか,という選挙であった.どの政党も変化の主要な要因,すなわち,技術,社会態度の変化,グローバリゼーションの諸相,に真剣に取り組まなかった.しかし,これらが私たちの性格を転換していくのだ.

選挙結果は,労働党の生存の危機を意味している.党が重大な多くの選択を行う勇気を持つなら,次の意欲的な指導者が育つだろう.

FT May 8, 2015

After a famous win, the chance to restore the United Kingdom

FT May 8, 2015

General election: France must craft EU strategy after Tory win

François Heisbourg

FT May 8, 2015

Cameron and Crosby vindicated as Conservatives head for victory

Janan Ganesh

NYT MAY 8, 2015

David Cameron Cruises Home

NYT MAY 8, 2015

Post-Election Britain: A Disunited Kingdom

Kenan Malik

NYT MAY 8, 2015

David Cameron’s Challenge

By THE EDITORIAL BOARD

NYT MAY 8, 2015

Cameron’s Victory Sets Stage for Fights Over Europe, Scotland and Austerity

By STEVEN ERLANGER

Bloomberg MAY 8, 2015

Cameron's Stunning Win

By Clive Crook

Bloomberg MAY 8, 2015

What Did British Voters Just Say?

By Marc Champion

The Guardian, Saturday 9 May 2015

Where Labour went wrong – and what we must do to put it right

Chuka Umunna

エド・ミリバンドは現代の最大の問題に挑戦した.繁栄を上位1%から広げること,である.他方,保守党は有権者の関心を捉えず,少数者のための党であった.

しかし,保守党が多数を得たのだ.スコットランドが敗北の理由にはならない.われわれはイングランドでも負けた.

1に,われわれは中産階級に対する訴えを欠いていた.われわれは社会の底辺と頂点について語ったが,その中間にいる有権者の多数を十分に捉えられなかった.

2に,われわれは裕福な人々に停滞する印象を与えた.しかし,富や雇用をもたらす人々に対して,もっと積極的に訴えるべきだった.われわれは,事実上,彼らのための政策を訴えていながら,敵対する言葉を使っていた.

3に,われわれは保守党以外の政党支持者を取り込む戦略を採用したために,それらの政策を批判しなかった.もっと異なるアプローチで支持者を拡大すべきだった.

The Guardian, Saturday 9 May 2015

Labour must be the party of ambition as well as compassion

Tony Blair

敗北は,次の勝利の機会をふさぐものではない.気迫を欠いてはいけない.

勝利するためには,有権者の中核を得なければならない.頂点を極めるルートを見出すべきだ.経営者にも,労働者にも,さまざまな重要問題で,右派と左派ではなく,保守派と進歩派の違いがあることを訴えるべきだ.

われわれは政府の積極的な,戦略的役割を支持する.さらに,正しい方針を示しても,組織が非効率では成功しない.世界は新しいし思考の驚くべき活気ある市場なのだ.われわれはそれらを学び,展開する必要がある.

The Guardian, Saturday 9 May 2015

There is one solution to our disunited politics: a Federal Kingdom of Britain

Timothy Garton Ash

われわれが,今,必要とするのは英連邦a Federal Kingdom of Britainである.そうでなければ,この選挙結果は,イギリスの終焉,そしてEUにおけるイギリスの終焉となるからだ.

保守党は政権を取ったと考えて,いつもどおりに政治を始めるつもりだろう.しかし,そうはならない.この選挙で最大の勝利者は,イングランドとスコットランドの統一したブリテンを解体する勢力であるからだ.

経済,政府支出削減の不平等な影響,EU離脱の国民投票,がこれから争点になる.しかし,議会の改革は,この国の形を全面的に変更する.

イングランド人は,保守派の叫ぶ「SNPを阻止せよ!」という声に刺激された.誰に対して権力を分権化するのか,という難問に,答を出すときだ.それは,キャメロンがEUに対する関係の見直しについて主張していることでもある.

Project Syndicate MAY 9, 2015

David Cameron’s Europe

CARL BILDT

NYT MAY 9, 2015

The Suicide of Britain

Ross Douthat

ヨーロッパの歴史にとって,帝国は正規の政治的枠組みであった.巨大で,数カ国語を使用し,多くのエスニック,特に,多くの宗教を擁し,一つの王室の下に連合が寄せ集まっていた.

その後,近代化,民主主義,ナショナリズムが起き,真実と人造の混じり合った,「諸国民」のヨーロッパが自治と主権を求めるようになった.

1914年から1945年まで,この運動は世界史的な惨禍をもたらし,大量殺戮と支配をめぐる残酷な戦争を引き起こした.こうした紛争から新種の混合秩序が生まれたのだ.戦争とエスニック・クレンジングで描き直された境界線の内側において,諸国民は自治を得る.しかし,彼らは超近代の帝国のような,帝王のいない帝国的官僚制度,EUによって監督されねばならない.

グレイト・ブリテンは,いつものように例外であった.植民地を失いながら,イングランド・スコットランド連合王国としての英国はその国内の帝国を維持し,いくつかの国民English, Scottish, Welsh and Ulster Irishが一つの国旗と王室を支持した.そして,その時代錯誤的な地位にふさわしく,EUの超近代的帝国から超然としたまま,EUに参加したが共通通貨には参加していない.

こうした特別な枠組みは,UK全体にとって利益があった.英連邦を維持することはグローバルな影響力を高めており,EUに参加しながら,しかもユーロ圏の最悪の経済危機を避けてきたことは利益になった.

しかし,これらの枠組みは続けられない.キャメロンの大勝を報じるニュースは,真の勝者がスコットランドとイングランドのナショナリズムであり,the United Kingdomは追い詰められたことを意味しているからだ.

スコットランドのナショナリストが求めるのは,ユニオン・ジャックをEUのポストモダンな統治に取り換えることだ.スコットランド人の多数が嫌う戦争と緊縮策を押し付けられる政治同盟ではなく,エスニックな期限を持つ自治権と距離を置いた超国家的カサ(集団的自衛権)を望む.そして,北で政治同盟への支持が弱まるほど,ますますイングランド人はナショナリズムに向かい,EUからの完全離脱を望み,UK内のスコットランドに対する過剰な優遇を疑うようになる.これがUKIPや,左右において,保守党内でも,ポピュリスト的,反グローバリスト的な運動が生まれる動力である.

2つのナショナリズムとEU離脱論に反対する議論は,紙の上では,有効である.スコットランド人は英国内で利益を得ており,ナショナリストの理想である,キルトを着た資源豊富な社会民主主義的ノルウェーは,独立後の現実によって否定されるだろう.

しかし,ナショナリズムは政治共同体にイメージを与えて,信念の対象,それ自体が目的になる.現在の秩序,ミニチュア帝国がもたらしている利益を冷静に説得するだけでは,勝てないのだ.

そうではなく,英国a Great Britainを支持するには,連合王国の過去の素晴らしい統治を思い起こし,イングランド人だけでなく,スコットランド人にとっても,それが扱いにくい障害ではなく,それを維持し,死守しなければならないものであることを説明する必要がある.小イングランド主義者に対して,イギリスの多文化的で,ヨーロッパとしての現在の姿を捨て去るのではなく,保持することが正しいと説明する必要がある.そして,リベラルな帝国が現実であり,エスニックな故郷に劣らず,われわれの血肉,われわれの生活の真髄であることを,実証する必要がある.

もしそれが指導者たちにできなければ,a Great Britainは消滅するだろう.

NYT MAY 9, 2015

Appeal to Dwindling Core Proves Costly for Labour Party in Britain

By STEVEN ERLANGER and STEPHEN CASTLE

The Guardian, Sunday 10 May 2015

I do not want to be English – and any attempt to create an English identity will fail

Paul Mason

The Guardian, Sunday 10 May 2015

Cameron should enjoy his ‘sweet victory’ – before it turns sour

Andrew Rawnsley

The Guardian, Sunday 10 May 2015

The way forward for Labour: neither right nor left is able to reach the whole nation

Will Hutton

FT May 10, 2015

What David Cameron’s electoral victory means for Europe

Wolfgang Munchau

FT May 10, 2015

The UK Labour party should blame Keynes for their election defeat

Niall Ferguson

保守党の勝利をもたらしたのは,オズボーンGeorge Osborne蔵相である.オズボーンが正しく,その批判は間違っていたからだ.

ケインズ主義者たちが財政緊縮策を強く批判した.その先頭に立ったのがThe New York Times で展開されたPaul Krugmanの主張だった.特に,“The confidence fairy”(信認の妖精)という言葉を作ってまでオズボーンを非難した.

しかし,クルーグマンが非難すればするほど,イギリスの投資は回復した.

さらにクルーグマンは,“a death spiral of self-defeating austerity”と警告し,イギリス経済が2晩底の不況に落ち込んで,大恐慌よりも深刻な苦境を強いられる,と警告した.それも間違いだった.

オズボーンは,確かに目標としたほどの財政再建をもたらさなかったが,財政赤字を抑え,累積の赤字額を増やさなかった.それは素晴らしい成果である.

過去のパターンと同様に,労働党は財政赤字と失業を増やし,保守党は改善した.有権者が,世論調査やケインズ主義者に卵を投げつけるように,保守党に投票したのは正しかった.

FT May 11, 2015

David Cameron’s ‘Little England’ is a myth

Gideon Rachman

アメリカ人の驚き,ヨーロッパ人の憤慨,インド人の侮蔑,などにもかかわらず,イギリスはこの政権が終わる5年後にも,分解せず,EUにとどまるだろう.

確かに,EU離脱の国民投票は大きな賭けである.しかし,EU残留を決めれば,スコットランド独立も抑えられる.

キャメロンのイギリスが国際政治から離脱するのではないか,とアメリカは心配するが,中東で戦争することと国際政治で活躍することは同じではない.ロンドンは世界で最もグローバル化した都市である.住民の37%が外国生まれで,金融,輸送,文化,観光,など,多くの産業でハブになっている.イギリス全体が本質的な貿易国であり,人々や資本を世界中から引き寄せる磁石である.

政治が内向きになっても,社会的,技術的,人口的,経済的な諸力が,イギリスをグローバリゼーションの前衛にとどめるだろう.

The Guardian, Tuesday 12 May 2015

Labour should forget ‘Blairism’ and reclaim Blair’s early radicalism

Polly Toynbee

YaleGlobal, 12 May 2015

Future of Two Unions, the EU and the UK, Hangs in Balance

Alistair Burnett

FT May 13, 2015

Cameron should use mandate to transform the welfare state

Danny Kruger

FT May 14, 2015

The mistake that could trigger Brexit

Philip Stephens


l  不平等な世界と移民

Project Syndicate MAY 8, 2015

Inequality, Immigration, and Hypocrisy

KENNETH ROGOFF

世界の不平等は,移民を受け入れることで縮小できる.豊かな諸国の細分の愛政策は,その意味で,偽善的なものであり,国境線で止まってしまう.グローバリゼーションは,世界の中産階級を増大させたが,それは先進諸国の中産階級にとって厳しい圧力であった.世界の移民や難民を増やす諸力は,温暖化も含めて,強まるだろう.

グローバルな人口配置に関して,平和的な転換が必要だ.確かに,健全な政治・社会制度を築き,正しい政策を取ることが持続的な成長のカギである.しかし,植民地を長く支配したヨーロッパの歴史を考えれば,アジアやアフリカの諸制度がヨーロッパと大きく異なる世界を生んだことに責任があるだろう.

豊かな諸国は,無料のオンライン医療・教育サービスを提供できる.開発援助を増やし,債務免除を行い,市場アクセスを改善し,グローバルな治安回復を推進できる.ヨーロッパの海岸に多くのボート・ピープルが着くのは,それらが機能していないことを意味する.


l  中国人民銀行の学ぶ教訓

Project Syndicate MAY 8, 2015

China’s Green-Energy Revolution

JOHN A. MATHEWS and HAO TAN

Project Syndicate MAY 11, 2015

Greening China’s Financial System

MA JUN and SIMON ZADEK

Bloomberg MAY 11, 2015

China's Baby Steps Toward Economic Disaster

William Pesek

中国人民銀行PBOC総裁のZhou Xiaochuanは孤独だ.彼ほど多くの課題に直面する中央銀行総裁はいない.デフレ,過剰債務,グローバル金融市場の混乱,改革を阻む既得権.それらについて教科書の答は存在しない.

もしZhouが教訓となる話を探すとしたら,それは1998年,日銀の速水総裁が,現在の中国とよく似たデフレの問題に直面したときの話であろう.日本は,債務の累積,高齢化,硬直的な産業政策によってデフレに直面していた.

速水の経験が示すように,少しずつ金利を下げても長期の問題は解決できない.Zhouは速水の3つの失敗を学ぶべきだ.

1.金融刺激策を,もっと攻撃的に,大胆に実行する.

2.銀行や地方政府の不良債権を切り離す.

3.金融緩和とセットで行う改革を強く要請する.

速水は,日本のデフレが単なる通貨供給の問題ではない,と考えた.もっと規制を成長に向けて整理し,独占的な慣行を廃止し,政府の政策に関する想像力の貧困を解消するべきだった.

中国にはそれができるはずだ.デフレのリスクを回避する大幅な金融緩和を行い,PBOCが不良債権の処理を促し,習近平のチームと協力して人民元の国際化や競争圧力を利用するのだ.

しかし,今のZhouが速水と異なることは何もない.

Bloomberg MAY 13, 2015

Man Who Brought Down Barings Warns on China

By William Pesek


後半へ続く)