(前半から続く)
l イスラム聖戦主義
FP JANUARY 2, 2015
Islam Will Not Have Its Own
‘Reformation’
BY
NICK DANFORTH
NYT JAN. 3, 2015
Radical Islam, Nihilist Rage
Kenan
Malik
FT January 5, 2015
A false history supports the jihadi
myth
Gerard
Russell
FP JANUARY 6, 2015
What Comes After the Islamic State
Is Defeated?
BY
GOPAL RATNAM
l ヨーロッパの極右と他者
NYT JAN. 2, 2015
In Sweden, the Land of the Open
Door, Anti-Muslim Sentiment Finds a Foothold
By
MELISSA EDDY
The Observer, Saturday 3 January
2015
Arab spring prompts biggest migrant
wave since second world war
Patrick
Kingsley in Cairo
FT January 6, 2015
European democracy cannot be clubby
world of familiar faces
Chris
Bickerton and Carlo Invernizzi
The Guardian, Tuesday 6 January 2015
Amnesia, not immigration, is our
problem
Natalie
Nougayrède
スウェーデンではモスクが襲撃され,ドイツでは西欧のイスラム化に反対するでのが続き,反ユダヤ主義も高まっている.今,彼らは問われている.
ヨーロッパは「他者」と生きることを拒むのか? それを明確に考えるために,本を読むことだ.
Ryszard
Kapuścińskiは,発展途上の世界を旅したポーランド人の作家だ.ヨーロッパ的ではない,もっと貧しい世界人口の大部分と,ヨーロッパトン関係を考察している.最初の世界市民は,2500年前のギリシャの歴史家,ヘロドトスだ.ヨーロッパは広大な大陸の一部でしかない.
Tony
Judtの戦後史には,私たちが目撃している景色がすでに書かれている.ヨーロッパ大陸は,異なる言語,宗教,コミュニティー,民族から織られた布であった.諸帝国の交差点にあった小さな都市が,真に多文化を表現した.
1914-45年にはヨーロッパが灰燼となって,境界が変わり,追放や大量虐殺があった.多くの人々が見知らぬ文化で,外国で,暮らした.1960年には,その多くが元植民地から来た.移民の労働力を吸収した.
ヨーロッパは常に他者と生き,他者を吸収する多文化の下で繁栄したのだ.それを阻止した静寂の時代とは,ヒトラーやスターリンの破壊であった.
NYT JAN. 7, 2015
The Marches in Dresden
By
THE EDITORIAL BOARD
l アメリカ大統領と政治
NYT JAN. 3, 2015
Are Two Dynasties Our Destiny?
Frank
Bruni
FT January 4, 2015
US should enjoy afternoon sunshine
while it lasts
Edward
Luce
Project Syndicate JAN 5, 2015
Obama’s Cuban Breakthrough
SHLOMO
BEN-AMI
NYT JAN. 5, 2015
The Path to Closing Guantánamo
By
CLIFF SLOAN
Project Syndicate JAN 6, 2015
The Unmaking of the President
ELIZABETH
DREW
FP JANUARY 6, 2015
Obama, Unbound
BY
SUZANNE NOSSEL
FT January 7, 2015
Barack Obama has at last earned his
freedom — from the Democrats
Jurek
Martin
l 高齢者
NYT JAN. 3, 2015
The Liberation of Growing Old
By
ANNE KARPF
増大する高齢者を,快適に,平等な視点で,すべての者に利益をもたらす生活が享受できるとしたら,誰にとっても幸せだ.
l アメリカの景気回復
NYT JAN. 4, 2015
Presidents and the Economy
Paul
Krugman
Project Syndicate JAN 5, 2015
Paul Krugman and the Obama Recovery
JEFFR
EY D. SACHS
Paul
Krugmanは,財政赤字を削減する緊縮派を非難し続けた.しかし,彼の予測は間違いだった.
FT January 8, 2015
US export economy fails to import
jobs
Gillian
Tett
l 2015年
The Guardian, Sunday 4 January 2015
My wish for 2015: a machine to judge
political claims against reality
Paul
Mason
FT January 6, 2015
An economist’s advice to astrologers
Martin
Wolf
経済予測を知ると,占星術が立派に見える,とJohn Kenneth Galbraithは述べた.経済予測をする者は,経済の趨勢と,知られていないことは何かを知る.
FT January 6, 2015
Public finances: A world of debt
Robin
Wigglesworth
Bloomberg JAN 6, 2015
Cheap Oil Is Rich Opportunity for
Asia
By
William Pesek
FT January 7, 2015
Europe has endured deflation before,
and prospered
Bilal
Hafeez
Project Syndicate JAN 7, 2015
The Price of Oil in 2015
JIM
O'NEILL
l ロシアの孤立
Project Syndicate JAN 5, 2015
Russia’s European Home
VLADISLAV
INOZEMTSEV
Project Syndicate JAN 6, 2015
Darkness on the Edge of Europe
YULIYA
TYMOSHENKO
Project Syndicate JAN 6, 2015
The Global Consequences of Russia’s
Isolation
HAROLD
JAMES and DOMENICO LOMBARDI
グローバル・ガバナンスから排除されたロシアは,世界の金融システムが破たんするのを願うだろう.
ロシアの通貨危機は,最近まで,まったく予想されていなかった.それはロシア経済の脆弱さだけでなく,国際秩序や経済理論の脆弱さを示すものだ.
ラテンアメリカやアジア諸国が通貨危機を経験して以降,新興市場は同じような危機を回避することに注意を払ってきた.特に,準備を増やし,経常赤字を抑え,政府や民間の対外債務を抑えることが重視された.その意味で,ロシアは危機の条件を持たなかった.
しかし,対外資産は危機に対処するものではなかった.ロシア企業が大規模な資本逃避に外国資産を利用したからだ.ルーブルの下落に応じて還流しなかった.特に,通貨危機が安全保障上の危機と結びつくとき,資本移動は不安定化する傾向を示した.第1次世界大戦前も,1930年代も,安全保障の枠組みが崩壊し,通貨危機が政治的に利用された.
今,ロシアがグローバルな政治・安全保障から脱落しつつある.
FP JANUARY 6, 2015
Putin’s Eurasian Dream Is Over
Before It Began
BY
REID STANDISH
FT January 8, 2015
Russia: Dangers of isolation
By
Kathrin Hille
プーチンにとって,ユーラシア経済同盟は,ソ連の再建ではないが,ロシアを世界の中心に戻すものだ.加盟諸国は市場を統合し,通貨や安全保障についても合意する.しかし,ロシア以外の国はどうか? ベラルーシは国境の管理を再開し,2国間取引をルーブルからドルに戻した.ロシアの行動を知るなら,ロシアだけに依存することはできない,と強権的指導者Lukashenkoは明確に語った.
Project Syndicate JAN 8, 2015
Putin in Denial
ANDERS
ÅSLUND
プーチンが,安全保障の情報だけを重視して,経済政策を支配している.
Project Syndicate JAN 8, 2015
Standing Up to Putin
BOGDAN
KLICH
NYT JAN. 8, 2015
Putin and His New Year’s Resolutions
Masha
Gessen
Bloomberg JAN 8, 2015
Soros's Terrible Plan to Throw Money
at Ukraine
By
Leonid Bershidsky
l ガンディーの暗殺者
Bloomberg JAN 5, 2015
The Campaign to Glorify Gandhi's
Assassin
By
Chandrahas Choudhury
Project Syndicate JAN 8, 2015
Modi’s Chauvinism Problem
SHASHI
THAROOR
l シャルリー・エブド襲撃テロ
The Guardian, Wednesday 7 January
2015
Charlie Hebdo: Now is the time to
uphold freedoms and not give in to fear
Simon
Jenkins
12人を殺害したシャルリー・エブドCharlie Hebdo襲撃は,何を意味するのか? 襲撃者は何を望むのか? イスラム原理主義の台頭を,西側は正しく扱ってこなかった.
愚弄することは,議論することよりも,相手を深刻に傷つける.それは民主主義の重要な武器であるが,宗教的な寛容さとの違いが問題になる.アメリカが北朝鮮の指導者が喜劇にしたように.民主主義における表現の自由を行使する者は大きな負担を予想する.
テロリストたちが望むことは,威嚇によって批判をやめさせること,フランスをパニックに陥れることだ.彼らから見て,西側の民主主義はまやかしである.イスラムの規律こそが強力で,勇敢で,持続する.
ビン・ラディンのアメリカ攻撃で,アメリカはその反撃を世界に及ぼすのではなく,戦争とみなすべきでもない,冷静に対応するべきだ,という助言は多くあった.しかし,助言は無視され,巨額の費用と多大の犠牲者を伴い,アメリカは同盟諸国を戦争に巻き込んだ.人身保護法も,民間通信の秘密も,司法手続きも,言論の自由も,損なわれた.ビン・ラディンのテロは成功したのだ.
フランスのテロリストも,同じことを求めている.テロリストの行動を予防することは重要だ.しかし,これは戦争ではない.犯罪行為として対処するべきだ.テロリストは領土を支配せず,政府を転覆できない.不安を広め,過剰に反応して,その結果を宣伝してはいけない.
The Guardian, Wednesday 7 January
2015
Charlie Hebdo: We cannot let the
Paris murderers define Islam
Ed
Husain
The Guardian, Wednesday 7 January
2015
The Charlie Hebdo killers must not
silence us. We should ridicule them
Suzanne
Moore
theguardian.com, Wednesday 7 January
2015
After the Charlie Hebdo attack, we
must resist the clash-of-civilisations narrative
Homa
Khaleeli
シャルリー・エブドCharlie Hebdoのニュースを聞いた後,沈んだ気持ちになる.われわれはますます不信と分裂のサイクルに引き込まれるだろう.文明の衝突や,世界の分割を叫ぶ者は,それがどれほど大きな犠牲を現実にもたらしているか,知らないのだ.パキスタンの学校襲撃を見ればよい.
FT January 7, 2015
A murderous attack on freedom of
expression
FT January 7, 2015
Liberty and laughter will live on
Simon
Schama
不敬は自由の生命である.笑いのヤリで突かれた,暗殺者たちの背後に潜むモンスターが激怒した.それほど言葉は弾丸なのだ.
ヨーロッパにおいて,自由と笑いは一つになって3世紀に及び,愚弄する権利として尊重された.画像による風刺が最初に現れたのは,カトリックとプロテスタントとの宗教戦争であった.プロテスタントにとって,印刷物はローマ教会のイメージに対する返答であった.彼らは異端と懐疑とを出版物で表現した.彼らは宗教画のイコンと正反対のものを発明し,そこでは法皇が想像上の怪物になり,国王も虐殺者たちの代表になった.
18世紀,禁じ手なしの風刺画黄金時代は,宗教戦争の終わりとともにやってきた.それは,特にイギリスにおいて,この力を独占するいかなる政治勢力も制度もない,自由の空間が生まれたからであった.ホイッグ党は,この世紀の大部分,政府を支配していたが,反対派を一掃することはできず,あらゆる富裕な産業家や分派が現れて,風刺画で敵を愚弄した.権力者たちの偽善を暴き,彼らを侮蔑の大騒ぎに突き落とした.
こうしてイギリスには喜劇の政治的伝統が生まれ,それは演劇や書物にも現れて,抑えられない熱狂となった.今もアメリカでは,民主主義の敵が,お金の次に,敬意である.風刺は政治の酸素である.コーヒーハウスや飲み屋で回される風刺画は,健全な嘲笑の波を巻き起こした.偉大な風刺画家James Gillrayの描く世界では,Prince
of Wales,William Pitt,Queen Charlotte,the
Lord Chancellor,などが愚弄された.
Gillrayが逮捕されたのは,王室の新生児の尻に接吻する大臣たちを描いた風刺画,1度だけであり,決して投獄されなかった.この伝統はイギリスで後継者たちに引き継がれ,アメリカやヨーロッパにも及んだ.Daumier and Cruikshank;
the begetters of Krokodil and Private Eye, Spitting Image and Canard Enchainé
as well as Charlie Hebdo である.
昨日の血塗られた凶行は,笑いを圧殺するものだった.しかし,風刺画家たちを殺しても,風刺の笑いは滅びない.
FT January 7, 2015
The gunmen in Paris attacked more
than a Muslim-baiting magazine
Tony
Barber
NYT JAN. 7, 2015
Charlie Hebdo Editor Made
Provocation His Mission
By
RAVI SOMAIYA
NYT JAN. 7, 2015
Paris Attack Reflects a ‘Dangerous Moment’
for Europe
By
STEVEN ERLANGER and KATRIN BENNHOLD
風刺漫画で著名なシャルリー・エブドCharlie Hebdoへの軍事攻撃により,ヨーロッパの反イスラム感情がさらに膨張するのは確実だ.それは,フランスの国民戦線のような極右を増やす.
イスラム過激派の支持者がさらに行動を激化させる中で,社会から取り残されたと感じている,エリートたちを嫌う白人労働者階級とが,ぶつかり合うだろう.
シャルリー・エブドは預言者マホメッドも攻撃し,フランス世俗主義のシンボルになっていた.イスラム過激派も反撃する.攻撃的な無神論は戦争行為である.
ヨーロッパのどこよりもフランスが,アルジェリア,シリア,北アフリカで植民地の歴史を持ち,600万人のイスラム教徒を抱え,軍事的に大胆な外交を展開した.その歴史に,厳しい構造改革や,社会・経済モデルの転換がうまくできない現実の政府の弱さ,経済の弱さが重なった.
クリスマス前後の3件のテロ,さらに,オーストラリアで起きたテロも含めて,こうしたテロはイスラム国家の呼びかけに応じた過激派の反応かも知れない.
NYT JAN. 7, 2015
The Charlie Hebdo Massacre in Paris
By
THE EDITORIAL BOARD
編集者のStéphane Charbonnierは,風刺画の刺激を抑えてはどうか,という提案を一蹴していた.Charlie Hebdoは,イスラム教徒にも,ユダヤ教徒にも,キリスト教徒にも,同じように攻撃する機会を提供した.風刺画はすべての憤慨を刺激するボタンである,と.
暗殺者は憤慨に駆られて犯行に及んだ.しかし,それを雑誌の風刺が招いた代償と呼ぶのは間違いだ.テロを避けるために,テロリストに民主主義の基準を決めさせるのは愚かである.
NYT JAN. 7, 2015
Is Islam to Blame for the Shooting
at Charlie Hebdo in Paris?
Nicholas
Kristof
分断は,異なる信仰心の間にはない.テロリストと穏健な人々との間,寛容を尊ぶ人々と「他者を嫌う」人々との間にある.
オーストラリアで,報復テロを恐れるイスラム教徒を助け,その安全を高めるために,タグがTwitterに載った.#IllRideWithYou 25万人以上がこれに積極的に応じた.
NYT JAN. 7, 2015
French Humor, Turned Into Tragedy
By
ANDREW HUSSEY
2012年の9月に,Charlie
Hebdoは,フランス政府の助言を無視して預言者ムハマドの風刺画を載せた.
私はチュニジアにいた.戦車や兵士がモスクの周りに集まって,西側との戦争を叫んでいた.数日前に,チュニスのアメリカ大使館が襲撃され,アメリカン・スクールは焼け落ちた.その少し前には,リビアに行ったアメリカ大使が武装集団に殺害されていた.
2006年,デンマークの新聞が載せたCharlie Hebdoの風刺画は問題になった.2011年にはシャリア・ローを嘲弄した.
しかし,現在のパリ市民のほとんどは,Charlie Hebdoを1960年代,70年代の遺物とみている.それが衝撃を与えるパワーは,はるか前から失われていた.ニューススタンドにある最新号の表紙も,間抜けな処女のマリアが,もっと間抜けなキリストを生んだ絵であったが,誰もこんな雑誌を読まないだろう,と思った.
その主要な作家たちは,1968年5月の革命世代であった.彼らはシャルル・ド・ゴールの強烈な父権主義と戦ったのだ.彼らは無制限な自由を信じ,抑制されない性行動を誇り,麻薬を楽しみ,何より,道徳や宗教のあらゆる権威を馬鹿にする自由を重視した.
Charlie
Hebdoは容赦ない挑発を追求した.それはパリっ子独特の伝統だった.フランス革命以前にさかのぼるものだ.
1970年に設立されたCharlie
Hebdoは,その時代の攻撃的なフランス世俗主義を体現した.これも,カトリック教会のパワーを警戒するフランス文化の昔からの伝統だ.68年の若者たちからなる革命世代は,旧世代に反抗し,その重要な部分は反宗教的風刺画であった.
しかし,現代のフランスでは革命世代も,当時の左派やリベラルの主張を示すけれど,エスタブリッシュメントの文化だ.アナーキズムの前衛であるCharlie Hebdoも,はるか以前からエスタブリッシュメントだった.
それはまた,フランス主要都市の郊外に広がる,貧しい移民たちが多く住むバンリューthe banlieuesで,Charlie
Hebdoに全く違った意味を与えた.中東,アフリカ,アジアの旧植民地から来た移民たちにとっては,権力の一部として,Charlie Hebdoの風刺は彼らの個人的なアイデンティティを嘲笑した.それは,唯一,フランス社会によって叩き潰されていない,あるいは同化されていない,彼らの尊重する部分であった.
NYT JANUARY 7, 2015
The Blasphemy We Need
Ross
Douthat
FP JANUARY 7, 2015
The Front Line Within
BY
DAVID ROTHKOPF
Bloomberg JAN 7, 2015
We're All Charlie Hebdo
By
The Editors
The Guardian, Thursday 8 January
2015
Charlie Hebdo: We must not stop
laughing at these murderous clowns
Martin
Rowson
theguardian.com, Thursday 8 January
2015
Charlie Hebdo: The ‘them and us’
narrative is a dangerous downward spiral
Nesrine
Malik
The Guardian, Thursday 8 January
2015
Charlie Hebdo: Don’t blame this
bloodshed on France’s Muslims
Nabila
Ramdani
The Guardian, Thursday 8 January
2015
The Guardian view on the response to
terror: the attack on Charlie Hebdo was a crime, not an act of war
Editorial
FT January 8, 2015
Be glad someone had the courage to
be Charlie
Robert
Shrimsley
FT January 8, 2015
Extremists are united in an unholy
alliance
Philip
Stephens
SPIEGEL ONLINE 01/08/2015
Je Suis Charlie
Stand Together in the Face of
Violence
A
Commentary by Stefan Kuzmany
NYT JANUARY 8, 2015
A Postcard From Paris
By
JASON STANLEY
FP JANUARY 8, 2015
Mosque Attacks Spark Fears of
Blowback After ‘Charlie Hebdo’
BY
COLUM LYNCH, KEITH JOHNSON
Bloomberg JAN 8, 2015
Charlie Hebdo and the War on
Cosmopolitanism
By
Francis Wilkinson
Bloomberg JAN 8, 2015
What the Charlie Terrorists Won
By
Leonid Bershidsky
l イランとの和解
FT January 7, 2015
Iran’s atomic matters of the heart
Roula
Khalaf
l 都市計画の虚妄
FT January 8, 2015
Britain’s self-perpetuating property
racket
Martin
Wolf
イギリス都市計画が19世紀に成功していたら,現在の偉大な諸都市は存在しないだろう.
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The
Economist December 20th 2014
Savarkar,
Modi’s mentor: The man who thought Gandhi a sissy
Pakistan:
From the graveyard
Swine
in China: Empire of the pig
Life
after power: The loneliness of Tony Blair
(コメント) ガンディーの暗殺者が,国民会議派からBJPにインドの支配政党が代わったことにより,名誉回復されつつあります.
パキスタンでタリバンが行った最大の学校襲撃テロについて,司令官が語った理由は深刻です.空爆を続ける西側とパキスタン軍に,自分たちが家族を失う苦しみを知らせるためだ,と.
中国の富裕化がもたらす変化は,豚の価格安定化準備や補助金政策から,家畜用飼料の世界価格,熱帯雨林伐採,各地の農地借用契約,抗生物質の大量投与,など,世界を震撼させています.
政権を離れて,国際チャリティーや宗教間対話を指導しても,トニー・ブレアは孤独です.イギリス国民の半数は,今も彼を戦争犯罪者とみなします.ブレアが自分の罪を認めないせいで,国民も彼を許しません.
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IPEの想像力 1/12/15
インドのガンディー暗殺者や,パキスタンの学校襲撃テロを生み出す闇,イラク戦争を開始したトニー・ブレアの孤独が,私には印象的でした.
宗教,風刺画,テロ,・・・ ヨーロッパが世界に広めた理想はボロボロです.
イデオロギーも戦争も,境界線をめぐる攻撃です.ガンディーの暗殺者が名誉を回復し,英雄として尊敬される時代に変わりそうです.日本の敗戦によって,伊藤博文の暗殺者も英雄となり,記念の銅像が建っています.
信仰を奪うこと,ナショナリズム,風刺や笑いは暴力を生みました.圧倒的な政府の監視や管理に対して,自分たちの尊厳を奪われ,文化や歴史,言葉も失って生きることに,暗殺者が抗議するとしたら,どちらの罪が深いのでしょうか?
表現の自由という権利を,インターネット上の暴言や,社会的な弱者への脅迫,差別を公言し助長する運動にまで認めるのでは,彼らが言論と政治を汚染し,公共の精神を劣化させるでしょう.一つの社会であるためには,寛容さや,広く,深い理解,他者にも感情移入し,同じ人間として共感できる能力を高めることが重要です.
タイのように,今も,不敬罪で軍がメディアや反政府活動を取り締り,多くの国外追放になった難民を生んでいる国もあります.日本の特定秘密保持法や皇室の報道は,そうならないのでしょうか?
治安を維持し,テロを予防するはずの,国家と警察機構が,諜報活動や捕虜の拘束,拷問によって,法の手続きや人権を無視していた,というアメリカへの不安と不快さは,ロシアや中国,北朝鮮,韓国,などへの不信感,対話の欠如とともに,グローバルな秩序の脆さ,空虚さを,私たちに痛感させます.
誰がこうした<境界線>を決めるのか? どうやって,何を根拠に決めるのか? 境界線は,どのようにして見直されるのか? すべての境界線を越えて,平穏な市民生活を広め,それを破る者たちが公正な審判を受けるには,どうすればよいのか?
政治家が対話を深めることも,歴史家が全体像を描き出すことも,究極において,もっとも重要ですが,大きなショックによって生じた事態の悪化を防ぐ力になるとは思えません.個人的な良心や良識に頼るだけで,深刻な社会的悪循環を止めるパワーは得られないのです.
The Economistのクリスマス特集号が紹介する,「豚の帝国」,が強烈です.中国の富裕化と豚の消費量増大は,政治的テロや戦争以上に,世界中の社会秩序や市場,環境を変革する力を示しています.
豚肉が中国人の富裕さのシンボルであり,その供給と価格を安定化するために,中国政府は備蓄を行い,畜産農家を補助し,飼料輸入を増やして,戦争に備えた自給体制を解体しました.中国のブタが,もうすぐ世界の家畜用飼料の半分以上を食い尽くすでしょう.中国企業は熱帯雨林を守るグループに参加せず,ブラジルやアルゼンチンで耕地を拡大して飼料を増産します.
イデオロギーも戦争も,その苛烈さを高める共通の起源は,貧困と差別です.豊かになることで,平等や公正さ,寛容のパワーが増すでしょう.現代では,それがはるかに世界的なスケールで起きるのです.その過程で,豊かな市民の姿勢,政治意識と感性が,社会変化の質を決めます.
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