(前半から続く)
l APEC北京サミット
NYT NOV. 7, 2014
China and Japan Reach Accord on
Disputed Islands: Let’s Agree to Disagree
By
JANE PERLEZ
FP NOVEMBER 7, 2014
Xi's In the Money
BY
RICHARD WIKE
APECサミットの開催で,中国政府は,香港の民主化デモや領土紛争ではなく,彼らが誇る経済成果に注意を向けることができる.西側に比べて,アジア,特に中国の人々は,経済成長の将来について特に楽観している.
しかし,その背景にある安全保障に関する不安は強まるばかりだ.日本,ベトナム,韓国の国民の80%が,領土紛争は戦争になる可能性がある,と考えている.アメリカは「アジア旋回」でアジアに軍備を集めているが,アジア諸国は中国がアメリカに協力するとは考えていない.
中間選挙敗北後のオバマはワシントンを離れ,彼を支持する者が多いアジアを訪問することを喜んでいるだろう.しかし,アジア諸国がアメリカに注目するのは,中国をそれほど恐れているからだ.
Bloomberg NOV 7, 2014
How Much Is a Xi-Abe Handshake
Worth?
By
William Pesek
握手したからと言って,不安や摩擦がなくなるわけではない.安倍も,習も,それぞれの事情でナショナリズムを刺激した.中国人の多くが日本を嫌い.日本人のさらに多くが中国人を嫌う.指導者たちは話し合わなければならないが,和解することを好まない勢力が国内には多く存在する.
アジアでは経済的相互依存を深めながら,同時に,それが不信感を緩和することはない.握手では変わらない.
(China Daily) 2014-11-07
It's time Obama made peace with
China
By
George Koo
(China Daily) 2014-11-07
Japanese must see China anew
By
Bao Xiaqin
Project Syndicate NOV 8, 2014
APEC at the Apex
KEVIN
RUDD
NYT NOV. 8, 2014
A Changed China Awaits Mr. Obama
Nicholas
Kristof
(China Daily) 2014-11-08
Apex of Asia-Pacific cooperation
By
Dong Xiangrong
FT November 9, 2014
China is no refuge from Obama’s woes
Edward
Luce
FT November 10, 2014
A ray of hope for China’s
relationship with Japan
中国は領土問題で国際的な仲介を許すことで譲歩できる.日本は靖国神社でA級戦犯を分けることで譲歩できる.日本との対立は強硬姿勢と国内権力の確立に役だっただろうが,中国は和解への方針を選択し,国際社会における地位を高められる.日本はその優れた環境保護の技術で,中国の環境問題を解決するために協力することができる.
FT November 10, 2014
Chinese strike back against party
rule
Patti
Waldmeir
VOX 10 November 2014
APEC and the ‘battle of free trade
agreements’
Jayant
Menon
NYT NOV. 10, 2014
Resetting U.S.-China Relations
By
WANG DONG, ROBERT A. KAPP and BERNARD LOEFFKE
オバマ大統領と習近平主席は会談において,互いを敵視せず,東アジアにおけるその役割を積極的に認めるべきだ.そして米中は,グローバルな問題に関して協力して解決策を求める.
温暖化ガス,エネルギー効率の改善,西アフリカのエボラ危機,アフガニスタンの再建,イスラム国家の脅威,北朝鮮の非核化,がそうだ.そして経済的な結び付きを深め,軍の相互交流を図り,中国の経済・軍事能力が高まるにつれて,グローバルな役割と責任に関する理解を共有することが望ましい.
NYT NOV. 10, 2014
Frosty Meeting at APEC Could Be
Start of Thaw Between China and Japan
By
JANE PERLEZ
FP NOVEMBER 10, 2014
Xi's Just That Into You
BY
KEITH JOHNSON
FP NOVEMBER 10, 2014
China's Silk Road Strategy
BY
MIN YE
Bloomberg NOV 10, 2014
Xi's Dream Calls for Love, Not Money
By
William Pesek
FT November 11, 2014
Lame-duck president of a declining
power still inspires the world
Jamil
Anderlini in Beijing
指導者の魅力はどこにあるべきか?
中国の国営メディアは,オバマを「レームダック」の大統領,冷めたビザのような,陳腐な言葉,あるいは,「怠惰な」アメリカのリベラルな民主主義と解説した.しかし中国におけるオバマ人気はロックスター並みだ.
1時間前に着いたウラジミール・プーチンとの対照は明白だった.プーチン歓迎の群衆は少なく,誰も自分で写真を撮ったりしない.
ビジネス会合で,オバマは言論の自由や労働の権利,人権を,また自由で透明な政治システムや多様性を語った.そのとき,アメリカに子供を留学させようと考える中国人の親たちの心をつかんだ.
他方,プーチンは,資源豊富な小国の指導者のように,新しい条約やロシアへの投資を誘致した.
ここ数年,周辺諸国と領土紛争を繰り返しているが,中国はインフラ投資に数十億ドルを提供し,ヨーロッパまでの「新しいシルク・ロード」や「海のシルク・ロード」を建設することで関心を集める.
多くの外交官たちは,特に,アジア太平洋の諸国に対して,中国が誇大の中華帝国をまねた秩序を求め,臣下の地位を受け入れるように望んでいる,という.
日本の安倍首相は,前日になっても,習主席との面談ができるかわからなかった.習と握手するために,安倍は一人で,あたかも悔悟する学童のように,記者団の前に立たされた.中国は,かつての皇帝のように,指導者が引見するかどうかを外交交渉の圧力として利用できる,数少ない国の一つだ.
インフラ投資を約束する中国の魅力は,一種の再建された朝貢システムだ.他方,オバマの魅力は普遍的な価値であり,近代のアメリカが築いたソフトパワーである.アメリカの衰退や国内政治の困難はあるが,習が夢見ても,かなわないものだ.
NYT NOV. 11, 2014
President Xi Jinping Makes It His
Mission to Empower China
By
CHRIS BUCKLEY
Bloomberg NOV 11, 2014
China Changes the Subject in Hong
Kong
By
William Pesek
北京は話題を変えることに成功した.
しかし香港の大富豪たちは,北京に依存することで問題を解決してはいけないだろう.香港の貧富の差を縮小し,人民に対する説明責任をより多く求めることで,学生たちの求めた民主化を救出することが,香港の重要な地位を保つからだ.
(China Daily) 2014-11-11
Tokyo should not let shrine hold
relations hostage
By
Tom Clifford
Project Syndicate NOV 12, 2014
China’s New World Order
LEE
JONG-WHA
世界の貿易,製造業,外貨準備で最大の割合を占め,アメリカの経済規模を抜く中国が,その力をグローバル・ガバナンスの再編に向けるのは当然だ.西側諸国は国際機関を支配し,その資金やポストに関して中国の役割を不当に低いまま抑えている.不満を強めた中国はアジア・インフラ投資銀行(AIIB)を創設して,指導的な地位に就いた.これはまだ,ほんの始まりに過ぎないが.
(China Daily) 2014-11-12
Listen to what Asia might have to
say
By
Tom Plate
Global Times 2014-11-12
Washington can’t make rules alone
any more
By
Ding Gang
The Guardian, Wednesday 12 November
2014
Forget the Brics – America and China
will reshape the new world order
Natalie
Nougayrède
オバマは最初からアメリカのイメージを変え,敵にも和解を呼びかける指導者を目指した.しかし,世界はホッブズのイメージに近く,オバマの願いはかなわなかった.そしてAPECサミットでは,北京を訪問し,中国のシャツを着て習と握手する.
中国は,BRICSではなく,国連安保理常任理事国(あるいは,ドイツを加えたP5+1)を重視している.ヨーロッパはイスラム国家を抑えられない.米中関係だけが事態を変更できる.
FP NOVEMBER 13, 2014
China and the United States Are
Preparing for War
BY
MICHAEL PILLSBURY
l 売春合法化?
The Observer, Sunday 9 November 2014
Make prostitution legal? No, it will
still be a vile trade
Catherine
Bennett
l 都市の自由
The Observer, Sunday 9 November 2014
Give our cities power to prosper and
all Britain will flourish too
Will
Hutton
都市は文明の起源であったし,今も革新や成長の源である.巨大な国家の官僚制に支配されるより,都市圏として財政的な自立と発展を許すべきだ.
l エボラ危機が示すもの
FT November 9, 2014
We play with fire if we skimp on
public health
Larry
Summers
Project Syndicate NOV 10, 2014
Ebola and Inequality
JOSEPH
E. STIGLITZ
エボラ危機は,グローバリゼーションが良い点ばかりではなく,悪い点を一気に世界に拡大することを示した.またこの危機は,政府と市民社会の重要性を示した.エボラ・ウィルスの感染拡大を民間部門だけで阻止することは不可能だ.
ワクチンの製造など,民間部門が重要な役割を担うけれど,貧しい国の,貧しい人々に対して,十分な資源を投入する誘因はなかった.われわれは,本来,政府が担うべき分野を,民間部門に頼ることで,重大な失敗を犯していることがわかる.
アメリカ人男性は,その誕生時の生存余命が豊かな諸国の中で最短である.アメリカは,子供の貧困率が先進諸国で最高である.より多くお貧困,より多くの貧しい子供たち,医療・住宅・教育を受けられないより多くの人々,食糧を確保できないより多くの人々がいるアメリカで,その健康状態が悪いのは当然である.
しかしアメリカでは,高所得の,医療保険を持つ人々も,健康状態が悪い.それはおそらく,ストレスに関係あるだろう.大きな不平等がある社会で,人々は失敗の結果を恐れ,成功の階段を登ろうとして,強いストレスを受ける.
医療保険制度,そして社会を,どのような構造にするかは,大きく結果に影響する.アメリカと世界は,市場の力に頼りすぎ,その他の価値,平等や社会正義を軽視することで,高価な代償を支払っている.
Project Syndicate NOV 12, 2014
The Ethics of Fighting Ebola
PETER
SINGER
l アメリカ金融危機後の不安
FT November 9, 2014
‘American Power after the Financial
Crisis’, by Jonathan Kirshner
Gideon
Rachman
Jonathan
Kirshnerは,2004年に書いた.「アメリカには,第2次世界大戦以降のどの時代よりも大きな,主要な金融危機のリスクがある.」それは,「最近のアメリカ金融経済の規制緩和と,高度に移動性を高めた国際金融市場と関係がある.」
金融危機は,アメリカの政治的パワーを世界的な規模で弱めた.それは,イギリスがポンド危機を繰り返す中で,第2次世界大戦後に軍事力を縮小したことに似ているだろう.
l イランとの外交
NYT NOV. 9, 2014
Tackling a Drought in Iran
By
CHANDRAN NAIR
NYT NOV. 11, 2014
Freud and the Middle East
Thomas
L. Friedman
FT November 12, 2014
Detente and messages to the
Ayatollah
Roula
Khalaf
l 金融政策の展開
FT November 10, 2014
Printing money to fund deficit is
the fastest way to raise rates
By
Adair Turner
金融政策に関するIMFの主張は分裂している.World Economic Outlookでは緩和による刺激を求め,Global Financial Stability Reviewは金融緩和が不安定性をもたらすと警告する.実際,最善の金融政策は,貨幣を印刷して,同時に,金利を上げることだろう.
世界経済は,何十年も続いた,民間部門の過度に債務に頼る成長が終わり,その二日酔いに苦しんでいる.需要は弱く,全ての主要経済がインフレ目標を下回った.財政刺激策を主張する声もあるが,その場合,政府債務が膨張する.
財政再建と金融の超緩和政策を支持する場合,量的緩和で長期金利を下げ,金融資産価格を引き上げる.それは債務に依存した危険な融資や非銀行の金融ビジネスを拡大し,金融危機を生じた経験に戻ってしまう.
レバレッジを抑えるために金利はもっと高くして,政府がもっと直接に支出を刺激するべきだ,という声がある.一時的に財政赤字が増えるのは,中央銀行が融資する.それはタブーを破る点で難しく,伝統的な財政再建の主張が景気回復を挫折させる恐れがある.それゆえ,中央銀行による政府債購入は,それを恒久化すると説明する必要がある.
日本の消費税引き上げは,財政を持続可能にするために必要だ,という.しかし,実際,日本政府が財政による刺激によって成長を回復し,同時に,その債務を返済する現実的なシナリオは何もない.
FT November 10, 2014
Currency wars fail to spark global
growth
Komal
Sri Kumar
世界経済が減速する中で,財政・金融政策には限界があり,次第に,為替レートの減価を促すことが刺激策として重視されている.しかし,競争的な切下げで世界不況は回避できない.
市場の競争圧力を用いて,国内の改革を促進し,成長率を高めることが重要だ.日本の追加緩和も,アベノミクスを救うことはないだろう.
Project Syndicate NOV 10, 2014
The Return of the Dollar
MOHAMED
A. EL-ERIAN
FT November 12, 2014
An imperfect plan for fixing the
next crisis
John
Gapper
FP NOVEMBER 12, 2014
This Is Not Your Father's Stock
Market
BY
DANIEL ALTMAN
l G20
Project Syndicate NOV 10, 2014
A Plutocrats Summit?
WAYNE
SWAN
Project Syndicate NOV 11, 2014
The Bonfire of the Subsidies
KEVIN
WATKINS
FT November 12, 2014
G20 to consider plans to create
pandemic fighting fund
Andrew
Ward, Pharmaceuticals Correspondent
FT November 13, 2014
G20 is a forum for impotence over
the global economy
Chris
Giles
l 情報プライヴァシーと対テロ政策
FP NOVEMBER 10, 2014
The Big Counterterrorism
Counterfactual
BY
STEPHEN M. WALT
イギリスの電子諜報機関GCHQの長官Robert Hanniganが,FTに投稿して,インターネット・プライヴァシーの厳格さがイスラム国家やアルカイダなどのテロ組織を助けている,と主張した.われわれがプライヴァシーを厳しく守るほど,悪人どもの行動は容易になる,というのだ.
もし英米が強大な監視能力や,容易に他国内でテロの容疑者を攻撃できる武装ドローン,クルーズ・ミサイル,などを持っていなかった場合,何をしただろうか?
従来の諜報活動により多くの費用と時間をかけ,テロ組織が何を考えているか,そのメッセージを慎重に検討し,敵を我々の社会に入り込まないように,彼らを限定するようにもっと努力し,地上軍の投入にはより慎重になり,アメリカと西側の政策が何を刺激するか,そのより広い意味を熟慮したはずだ.
諜報機関をなくせばよい,というのではない.しかし,テロ対策として「監視し,攻撃せよ」という考え方は,技術を過信することで広まっている.それはわれわれの外交政策や自国の行動をますます無謀なものにするだろう.
l 中国経済
FT November 10, 2014
China’s economy is choking on a
surfeit of stimulus
By
Joe Zhang
FT November 11, 2014
Singles’ Day frenzy of love and
dollars
Patti
Waldmeir in Shanghai
FT November 11, 2014
Chinese tech: Selling to the next
billion
Charles
Clover
l 新しい戦争を描く
NYT NOV. 10, 2014
The Truth About the Wars
By
DANIEL P. BOLGER
上級司令官として,私はイラクとアフガニスタンで70名を失った.彼らの,そしてもっと多くの兵士たちの犠牲にもかかわらず,われわれは失敗した戦争を残した.その事実が私を毎日さいなむ.退役軍人の日(11月11日)は何よりもつらい.
増派によって何かを得たとすれば,それは時間だった.イラク政府は再建のための時間を得たはずだ.しかし,しかし結果は,ぼろぼろの腐敗した,宗派に依拠するバクダッド政府だった.アメリカは彼らと組むのを拒んだ.
われわれは敵を知らず,われわれ自身の軍事力を知らなかった.砂漠の嵐を準備していたが,それはベトナム戦争だった.将軍として,私は間違った.それは9・11のような,軍人だけでなく,超党派的な,公的評価を受けるべきだ.
私は異なる戦略を示したい.イスラム国家に対する封じ込めは不完全で,終わらないだろう.しかし,おそらく,最善の策は,彼らを休ませず,その戦力を「疲弊」させることだ.最小のコストで長い戦争を続ける.
VOX 11 November 2014
World War I: Why the Allies won
Stephen
Broadberry
NYT NOV. 11, 2014
Saving Libya, Again
By
DIRK VANDEWALLE
NYT NOV. 11, 2014
Give the Taliban a Chance
By
JACK FAIRWEATHER
タリバンは一枚岩ではない.カブール政府の下でも,NATOが撤退すれば,地方はタリバンが支配を拡大するだろう.彼らを敵とみなすのではなく,アフガニスタンの国民自身が創る次の政治システムの,一部になるのを助けるべきだろう.
SPIEGEL ONLINE 11/13/2014
A Kurdish Family at War: Three
Generations with the Peshmerga
By
Ralf Hoppe
l 米中の気候変動合意
FT November 11, 2014
An unethical bet in the climate
casino
Martin
Wolf
NYT NOV. 11, 2014
Wobbling on Climate Change
By
PIERS J. SELLERS
NYT NOV. 11, 2014
China, America and Our Warming
Planet
By
JOHN KERRY
FT November 12, 2014
Xi and Obama revive hopes on global
warming
FT November 12, 2014
The climate breakthrough in Beijing
gives the world a fighting chance
Jeffrey
Sachs
NYT NOV. 12, 2014
Climate Change Breakthrough in
Beijing
By
THE EDITORIAL BOARD
FP NOVEMBER 12, 2014
U.S and Chinese Climate Commitments
Will Be Difficult to Fulfill
BY
DAVID FRANCIS
FT November 13, 2014
Xi and Obama have shown leadership
on emissions
Kevin
Rudd
FP NOVEMBER 13, 2014
One Cheer for the Climate Deal
BY
KATE GALBRAITH
l ネオコン
FT November 11, 2014
Unvanquished Republican neocons
surge back
Jacob
Heilbrunn
共和党が中間選挙で議会を制したことを受けて,ネオコンのイデオロギーが復活するかもしれない.
後にベトナム戦争に関して後悔した,ケネディ,ジョンソンの時代の民主党員と違い,チェイニーやウォルフォヴィッツ国防副長官は,イラクやアフガニスタンの戦争で失敗を犯したと認めなかった.むしろ誤って兵士を告発しているとオバマを激しく非難している.
イランとの核合意を推進してイスラエルを批判するより,イランの体制転換を図るべきだ,と主張する.
l トルコとクルドの和解
FT November 12, 2014
A precious chance to end Turkey’s
conflict with the Kurds
Hugh
Pope
l 生まれ変わった安倍政権
FT November 12, 2014
Abe is a man on a mission –
destination unknown
David
Pilling
日本の政治指導者,安倍晋三は,惨めな第1期の汚名をすすぐために再生された,情熱に溢れる“Abe 2.0”である.経済的にはアベノミクス,外交的には積極的な外遊,防衛政策でも「普通の国家」を掲げて行動した.
特に,今週の動きは顕著であった.第1に,黒田日銀総裁は追加緩和を発表し,株価を7%も上げ,円安は5%も進んだ.第2に,習近平主席と会談した.その握手がいかに冷淡なものであっても,これは大きな前進だ.第3に,衆議院を解散し,選挙を行う意向が示され,大きな驚きを与えた.
その成果はどうか? アベノミクスの元祖,浜田宏一は,その3本の矢を評価して,「A」「B」「E」とした.安倍のスペルになる.外交に関しても,中国を警戒する諸国は歓迎しているが,中国は嫌っている.そして,国内政治で安倍の支持が維持できるかどうか,最大の困難が残される.憲法改正,特に第7条の改正は,国民投票という関門を通れないだろう.
それでも安倍は信念を曲げない.
FT November 12, 2014
Japan actions risk igniting currency
war
Diana
Choyleva
l メキシコの第2の夜明け
Project Syndicate NOV 13, 2014
Mexico’s Growth Problem
DANI
RODRIK
l 韓国からのUN事務総長
Project Syndicate NOV 13, 2014
The Politics of UN Leadership
SHASHI
THAROOR
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The
Economist November 1st 2014
The
revolution is over
Special
report Iran: The revolution is over
America’s
mid-term elections: The silent centre
Rule
of law in China: China with legal characteristics
Prostitution
in India: Make it legal
Banyan:
The city on the hill
Japanese
investment in South-East Asia: Outward bound
(コメント) イランとの核合意をアメリカは結ぶべきである.イランの政治や社会は大きく変化している.合意はイラン市民にとって有益であり,イラン経済や外交も含めて,中東地域と国際秩序をさらに良い方向に導く一歩になる.
アメリカの中間選挙が,非難合戦により,強い党派意識を持つ支持者だけの政治に向かうのを阻むために,中央に位置する,冷静な有権者が投票しなければならない.
中国の「法の支配」,インドの売春を合法化する運動,オバマの掲げる理想は後退したのか,日本企業は国内よりも東南アジアへの投資を増やす.
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IPEの想像力 11/17/14
The Economistのイラン特集記事をパラパラめくりました.面白いです.
イランとの核合意をアメリカやEUは実現できるでしょうか? もしアメリカがイランを,国際テロ活動を支援する,宗教国家として敵視するだけなら,交渉すること自体が間違いです.
しかし,イランは変わった,イスラム革命は専制国家を打倒した後,革命政権を体制として確立した.革命の指導者ホメイニは,秘密警察に追われたアナーキストであったが,革命政権を維持するため,現実的な権力機関を強化する重要性を即座に理解した.イランの政治体制は,もちろん西側の民主主義とは異なるが,様々な機能が重なり,権力のバランスを取ることによって独裁を防ぐ,アメリカ建国の指導者たちが目指した政治体制に似た姿をしている,と記事は指摘します.
政府は革命の正当性を継承するだけでなく,35年を経て,経済的にはるかに豊かになった国民を治めます.産油国としての富を,多くの腐敗にもかかわらず,政府は都市や国民の教育にも投資してきました.国内権力を確立したイランの体制が次に目指すのは,大国として認められること,地域の覇権を得ることでしょう.グローバリゼーションの時代に,それを達成するには経済成長を高め,西側の先進技術を得ること,特に,市民社会・民間企業の活力が必要だ,と分析します.
P5+1との合意はイランを国際社会に招き入れ,政治と経済の改革を助けます.
国際社会や国際秩序を思いつつ,ブリスベンG20の共同宣言(要旨)を読みました.面白いです.
この宣言を,成果の乏しい,予想された内容と批判する論説や,安倍首相と習主席とのお粗末な会見だけに注目する論説もあります.しかし私は,よくできた宣言だと思いました.インフラ投資と貿易自由化を通じて,世界の成長と雇用を実現しよう,というのは現代の政府が共有する使命です.もし,主要な地方政府が集まって世界連邦政府の政策合意を示したら,この文書がそれに近いだろう,と思います.
成長と雇用に向けたマクロ政策の基本ルールが示され,インフラ投資を促すネットワークの構築,融資枠の設定,貧困と不平等を世界的に削減するために何をすべきか,目標が具体的に言及されています.女性,若者,包括的・持続可能な成長,そして,移民たちの送金費用を5%までに減らす,というのも面白いです.
金融危機後の規制・システム改革が自画自賛になったのは不思議ですが,国際機関を強化し,エネルギーや温暖化防止には市場システムを活用しよう,という合意を形成できたことにも,冷戦後の世界秩序を実感します.
もし安倍首相がAPECやG20で軽視されたとしたら,それは中国の冷淡な政治姿勢や,日本経済のデフレによるところが大きいでしょう.しかし,日本が共同宣言に示された目標に照らして果敢に行動するなら,世界の安定化や成長,国際秩序の平和的な再編に役割を担えるわけです.
さらに,安倍氏は,ジョン・ハンター『小学4年生の世界平和』を読むことです.小学生たちは,50の危機に直面し,その解決策を決めた後,全ての国の経済状態が改善するような結果に導く,というワールド・ピース・ゲーム(WPG)に挑みます.
このゲームで勝利する指導者たちが共有するのは,深慮であり,集団的な英知です.他方,大震災と中国脅威論が結びついた,安倍氏の権力・国家観,安全保障国家(強靭国家)の考え方は,浅薄である,と思います.
安倍首相がブリスベンで,「日本は敵対的なナショナリズムを否定する」というテーマで演説したら,世界はその声に耳を傾けたはずです.あるいは,「日銀の金融緩和と円安が,アジア諸国の成長も促すような仕組みを考える.」 「衆議院解散と消費税引き上げ延期は,財政健全化や構造改革を加速する,国民的な合意形成のためだ.」と主張すべきではなかったか?
北京で,「尖閣諸島と靖国神社についての中国の不満に真摯に応えたい.」 と表明し,「日韓関係の改善に向けて従軍慰安婦に対する補償と事実の究明に積極的に協力する.」 「南京大虐殺と戦争をめぐる歴史教科書の叙述を改善したい.」というテーマで演説したら,アジアの政治対話を導く,グローバルな政治家のガッツを示せたでしょう.
安倍氏が,WPG小学4年生の質問に真摯に答える姿を見たいです.
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