前半から続く)

FT March 5, 2014

Punishing a few oligarchs in London is not enough

By John Gapper

FT March 5, 2014

Putin seeks to calm EU’s Crimea crisis

By Robert Shrimsley

FT March 5, 2014

Russianeedstodefenditsinterestswithanironfist

By Sergey Karaganov

FT March 5, 2014

Ukraine crisis: Putin gamble on west’s disunity risks backfiring

By Geoff Dyer in Washington

SPIEGEL ONLINE 03/05/2014

Ukraine Crisis

EU Concerned about Cost of Sanctions on Russia

By Gregor Peter Schmitz

NYT MARCH 5, 2014

Ukraine, Not Ready for Divorce

By MYKOLA RIABCHUK

オレンジ革命は西側の謀略ではなかった.独立広場Maidanの反政府集会もそうだ.クレムリンが恥知らずにも非難するような,彼らはポグロムではないし,過激派やネオナチではない.使用言語の違いは政治的な立場と異なる.ウクライナ人の半分はロシア語を第1言語にするが,英語がアイルランド人をイギリス女王に結びつけないように,プーチンを支持するわけではない.

Maidan群衆の社会,地域,エスニック的な背景は多様である.過去10年間でウクライナ人の政治的志向は変わった.言語や地域で彼らを分割できない.

クリミアの複雑さは,その土地にもとから住む人々は,今や少数派のタタール人であることだ.かつて彼らは国家を保持していたが,1783年にロシアに征服された.1944年,ソビエト政府はタタール人を中央アジアに強制移住した.1989年に帰還できるまで,彼らはロシア語を話す多数派によって迫害され,イスラモフォービア(イスラム教徒への嫌悪・恐怖)に苦しんだ.安全と繁栄を求める彼らはキエフやEUを求めており,モスクワではない.

FP MARCH 5, 2014

In Ukraine Crisis, Europe Pledges Carrots While U.S. Contemplates Sticks

BY JOHN HUDSON

FT March 6, 2014

Reset the reset – visa bans will not deter Putin

By Philip Stephens

FT March 6, 2014

Crimea: A region divided

By Tony Barber

クリミアは,多様性,紛争,危険なほどの忠誠心,それらが混じり合った半島である.人々は貧しい.

20世紀における4つの政治的事件が現在のクリミアを形成した.1.第2次世界大戦におけるナチス侵攻,21944年のスターリンによるタタール人強制移住,31954年のフルシチョフによるクリミアのウクライナ編入,41991年のソ連邦崩壊.一晩で,ロシア系住民が多数派から少数派へ,強力な軍港を持つロシアの一部から,新しい独立国家ウクライナの紛争地域に変わった.

FT March 6, 2014

US and allies punish Russia over Ukraine

By Geoff Dyer in Washington, Peter Spiegel in Brussels and Guy Chazan in Simferopol

Project Syndicate MAR 6, 2014

Ukraine’s Unintended Consequences

MICHAEL MEYER

25年前,ハンガリーの首相になったMiklos Nemethがモスクワを訪ね,ゴルバチョフの改革に賛意を表した.彼はまだ40歳で,ハンガリーの社会主義労働者党に指名されて4か月しか経っていなかった.ナイーブな,若い官僚で,経済改革を委ねられたが,失敗すると思われていた.

しかし,彼は決してナイーブではなかった.彼の秘密の目標は,ハンガリーをソビエト圏から離脱させ,西側に付くことだった.その武器は,民主主義だ.数か月後に,初めての選挙を計画していた.共産党が権力を失えばどうなるのか,と問うと,市民的な民主主義が登場するだろう,と彼は答えた.

それを聞いてゴルバチョフは激怒した.完全に,自由で,公平な選挙だと? それはソ連圏の恐るべき前例となる.しかし,もしそうなれば,ソビエトは1956年のように軍隊を送るのか?  “Nyet” とゴルバチョフは言った.それは重大な答えだった.

Nemethは無事にブダペストに戻り,選挙を実施する.その後の激動がここに始まり,1989年にはベルリンの壁が崩壊した.そして,ソ連邦も解体する.

現在のキエフでは,逆のことが起きている.他人の意見を聞かない新政府は,ロシアの役割を認めるより拒否した.すべての市民たちの必要や利害を融和させて,問題の解決策を見出すのではなく,ロシア語を禁止し,ウクライナ東部の伝統的な自主権も廃止した.

ロシアが介入したとき,だれも驚かなかった.Nemeth1989年に事態を間違って導いていたら,ヨーロッパの地図は全く違っていただろう.

西側の指導者たちは,難しい局面にある.良い答えがないにもかかわらず,指導者たちは何かしなければならない,と信じている.彼らにも究極の結果はわからないのだ.情熱や圧力で行動するより,冷静な頭で,キエフの熱気を冷ますべきだ.予測できない事態の結果は深刻である.

NYT MARCH 6, 2014

Ukraine Fights for Its Truth

Roger Cohen

WP March 6. 2014

Russia’s Western enablers

By Anne Applebaum

2006年に,Rosneftがロンドン証券市場に上場した.前評判は悪かった.ロシア企業は犯罪や汚職と結びついている.経営者の関心は株主の利益を増やすことではない.

それも当然だ.Rosneft は略奪によってできた.その数年前に,Yukosが倒産した.300億ドルの税金を追加され,カリスマ経営者Mikhail Khodorkovskyは強制労働に送られたからだ.その後,Yukosの資産はウォッカ・バーの住所にある怪しげな企業に売られ,さらにRosneftに売却された.Rosneftの主要株主はロシア政府である.その幹部はプーチンの側近の一人だ.

国際金融界は,こうした原則を受け入れてしまった.それが価値を持つものなら何でも売買する.旧ソ連の億万長者たちがロンドンで美術品や不動産市場をどれほど支配しているか,アメリカ人は知らない.その金の一部は石油から,また一部は略奪から出てくる.ロシア人は経済と人権とを区別しない.ロシアのエリートはメディアを支配し,富が政府とのコネで生まれることを知っている.民主的な選挙は捨てたのだ.

西側の人間が何を言っても,プーチンの仲間たちは,全てが思い通りになる,と思っている.金さえ出せば.ビジネス界の指導者がロシアから来るなら,だれも人権問題など話さない.

これは避けられないことではない.条約を修正したり,軍艦を送ったりする必要はない.ロシア政府と我々の関係は一夜で変えられる.ロシアからの資金を受け取らないことだ.クリミアはわれわれへのウェーク・アップ・コールである.腐敗したロシアの体制がヨーロッパを不安定化する.

WP March 6. 2014

How the Ukraine crisis ends

By Henry A. Kissinger

世論は対決に向かう.しかし,どこに向かうか知っているのか? 政策の意味は,それがどのように始まったかではなく,どのように終わったかで決まる.

ウクライナが西側化,東側化,は重要ではない.もしウクライナが生き延びて繁栄するとしたら,どちらにも敵対せず,両者を橋渡しするからだ.

アメリカの賢明な外交はウクライナの東西を和解させるものでなければならない.しかし,ロシアも西側も,ウクライナのいくつかの分派も,この原則に従わない.双方が事態を悪化させる.ロシアは軍事的な解決策を強制できない.それは孤立を深め,さまざまな国境問題を激化させる.西側もプーチンを悪者にして済むものではない.それは外交ではない.ロシア人の心理をもっと考慮すべきだ.

すべての関係者が結果を重視するなら,私は次のような安定化を展望する.ウクライナは,1.ヨーロッパを含めて,自由に政治・経済関係を選択できる.2NATOに加盟しない.3.政治体制を自由に選択できる.指導者たちは国内の各派を和解させ,国際的にはフィンランドをまねる.4.既存の世界秩序において,ロシアはクリミアを併合できない.しかし,クリミアの自主権を尊重し,選挙にはロシアの監視も受け入れ,黒海艦隊の地位を保証する.

すべての党派が満足することは不可能だ.彼らの不満のバランスが達成できるだけだ.それを拒めば,事態は紛争に向かう.

WP March 6. 2014

Russia doesn’t respect borders. Neither has the U.S.

By Harold Meyerson

これはプーチンのモンロー宣言だ.

FP MARCH 6, 2014

The Battle for Lviv

BY MICHAEL PECK

Bloomberg 4 MAR 7, 2014

Crimea Is a Good Buy for Putin

By Leonid Bershidsky


l  TPPは要らない

NYT FEB. 27, 2014

No Big Deal

Paul Krugman

TPPに重要な意味はない.TPPがなくてもグローバリゼーションは実現したし,TPPで企業の利益は変わらないだろう.オバマは時間や政治力を浪費している.


l  民衆の政治参加と混乱

NYT FEB. 27, 2014

Thailand at the Brink

By THE EDITORIAL BOARD

Bloomberg MAR 2, 2014

Does Thailand Want to Be the Next Ukraine?

By Pankaj Mishra

腐敗した,民衆を無視する政府に対して,激しい抗議運動が続く中,ウクライナでもタイでも,分離主義者の運動が突如としてよみがえった.エジプトや,インドでも,民衆の声が政治への参加を求めている.しかし,われわれはシステムの全体をコントロールできない.

政策はだれが決めているのか? われわれの水,森林,土地,など,自然資源はだれが売っているのか? 5年に1度,選挙しても,政党や指導者は戦利品を分け合うだけだ.民衆はもっと直接に政治への参加を求めている.それは維持できるだろうか? 権力は分散するのか? 民衆の意志の爆発に,国家は耐えられるのか?

ウクライナやタイの将来を考えるには,イランで1906年に起きた立憲革命が適当である.それは1979年のイスラム革命や,ヨーロッパの民主化革命よりも,重要な教訓を示している.

イランの知識人や活動家は,中央集権化した王制の恣意的権力濫用を制限しようとした.それは,共和主義の,市民社会や民主的権利を含む,憲法の制定に成功した.しかし,機能する政府は現れなかった.分派闘争が激化し,イギリス,ロシア,オスマントルコの国際的な対抗的介入が強まった.深刻なカオスを経て,強権的な支配を確立する指導者strongmanが現れた.人々は主権を奪われ,一層,集権的で強力な国家を得たのだ.

ウクライナ,タイ,その他,弱い政治制度しかない諸国では,群衆の不満が同じような暴力とカオスを生むだろう.政治的自由は専制主義に変わり,その回復には長い時間がかかる.


l  ヴェネズエラ

Project Syndicate FEB 28, 2014

One Hundred Days of Solitude

ANDRÉS VELASCO

ウクライナと同様,ヴェネズエラでも,政府に対する抗議デモが続いており,政府の手先によって犠牲者が増えている.EUはウクライナ政府に対して暴力を取り締まるように求めた.Yanukovichは逃げ去り,キエフの大統領私邸は公開された.独仏とポーランドの外相がキエフに来て,暴力を回避する仲介に当たっている.しかし,ヴェネズエラには米州機構(OAS)の警告もない.

ラテンアメリカがいつもそうであったわけではない.かつてラテンアメリカでも,生命と自由は普遍的な権利であり,国境を越えて守るべきものであった.Pinochetのチリ,Jorge Rafael Videlaのアルゼンチンでも,今のNicolás Maduroのヴェネズエラと同様,政府を批判する者は国際的な陰謀とみなされた.

外交官たちが好む「自主権」や「民主的に選ばれた」という理由で,指導者の暴力を許してはならない.抗議に参加する人々は,彼らが国際社会で孤立していると思わないように,ラテンアメリカの人々は,たとえ政治家が主張しなくても,常にこのことを明確に告げるべきだ.


l  移民政治

The Guardian, Friday 28 February 2014

Migration politics: beyond the blame game

Editorial


l  Andrew Smithers

FT February 28, 2014

Lunch with the FT: Andrew Smithers

By Martin Wolf

Andrew Smithersは,1990年代後半の株価が大幅に過大評価されているという主張,グリーンスパン,バーナンキによるアメリカ金融政策への厳しい批判,で有名である.

2013年にはThe Road to Recoveryを出版した.そこではアメリカやイギリスの企業における「ボーナス文化」を投資と回復の妨げとして批判している.

われわれは「アベノミクス」から議論し始めた.Smithersはアベノミクスに反対だ.なぜなら日本の投資はすでに過剰であり,安倍はその水準をさらに高めようとしているからだ.

SmithersQEにも反対した.中央銀行は債務を抑制させるべきであって,資産価格を上げるためにQEに頼るのは間違いだ.債務をリスクのないものとして意識させるのは,より大きな危機につながる.


l  中国の911

FT February 28, 2014

China falls out of love with cash

By Patti Waldmeir and Simon Rabinovitch in Shanghai

FP MARCH 2, 2014

Blood and Fear in Xinjiang

BY JAMES PALMER

NYT MARCH 2, 2014

Tibet’s Enduring Defiance

By TSERING WOESER

FP MARCH 2, 2014

 ‘Enemies of Humanity’

BY DAVID WERTIME, RACHEL LU

The Guardian, Monday 3 March 2014

China's Muslims will pay a heavy price for the Kunming knife attacks

Isabel Hilton

FT March 3, 2014

Time China got serious on pollution

YaleGlobal, 4 March 2014

Romania: Chinese Are Coming!

FT March 5, 2014

Chinamaylearnitishardtowinawaronterror

By David Pilling

昆明における大量殺傷事件に関して,テロと断定した中国側の報道を西側が受け入れなかったことに,中国政府は不満を強めている.アメリカ大使はa “horrific, senseless act of violence”と呼んで,テロと断定しなかった.この表現に対して5万件もの非難のコメントが届いた.代表的なコメントは,もし昆明の事件を「無意味な暴力」と呼ぶなら,ニューヨークの911は「残念な交通事故」だったな,というものだ.

西側のジャーナリストは,新疆自治区に対する中国政府の政策に批判的である.言語や宗教を弾圧し,同化を進め,流入した漢族が人口の40%までも占めている.

しかし,これから中国政府も「テロとの戦い」に勝利することの困難を学ぶだろう.

Bloomberg MAR 5, 2014

China's Next Bubble

By William Pesek

Project Syndicate MAR 6, 2014

China’s Shadow Menace

YAO YANG


l  分割より連邦制

FT February 28, 2014

Standard Life and Scottish secession

SPIEGEL ONLINE 02/28/2014

Heading for the Margins

Why Is Britain Running Away from Europe?

An Essay by Will Straw

FT March 6, 2014

Spain and Britain need not fear the F-word

By DavidGardner

イギリスのスコットランド,スペインのバスクとカタロニアは分離主義運動の挑戦に直面している.両国とも,古くからの王制と帝国の喪失について,国民としてのプライドを守ることに熱心である.その答えは,しかし,分離でも統一でもないだろう.政治家たちは連邦主義による解決を恐れるべきではない.それはEUの統合とも共鳴する.


l  アフリカ

Project Syndicate FEB 28, 2014

The African Paradox

DOMINIQUE MOISI


l  新興市場の不安

Project Syndicate FEB 28, 2014

Emerging-Market Risk and Reward

NOURIEL ROUBINI

Project Syndicate MAR 1, 2014

Who’s Afraid of Tapering?

KOICHI HAMADA

アメリカ連銀がQEを終息させることが進行市場の金融不安を強めている.それは“Fragile Five” Turkey, South Africa, Brazil, India, and Indonesia)で顕著である.これらの諸国は財政赤字と経常収支赤字(双子の赤字)に苦しみ,金利上昇と通貨価値の下落を恐れている.

しかし,資本流出が高金利を招くと恐れるのは固定為替レート制を選択したからだ.変動レート制の下では,アメリカ連銀が金融を引き締めても,その結果は高金利であるより通貨の減価によって景気にプラスの影響を与えるだろう.逆に,主要国の金融緩和が短期的に周辺国の景気にマイナスの影響を与える.

変動レート制下に「通貨戦争」という考え方は間違いだ.競争的な減価は望ましくない不均衡をもたらすのではなく,逆に,世界経済の回復をもたらすだろう.大恐慌の歴史を研究したBarry Eichengreen and Jeffrey Sachsは,金本位制を離脱し,通貨を切り下げた諸国の景気回復が早かったことを示した.

主要国の金融緩和を責めるより,新興市場は自分たちの政策で改善するべきだ.

FT March 2, 2014

To see the problems of emerging markets look to Turkey

By Ruchir Sharma

Project Syndicate MAR 3, 2014

Emerging Economies on Their Own

JOSÉ ANTONIO OCAMPO


l  歴史に反する安倍政権

NYT MARCH 2, 2014

Mr. Abe's Dangerous Revisionism

By THE EDITORIAL BOARD

南京大虐殺を否定し,従軍慰安婦に対する謝罪を見直し,靖国神社に参拝する安倍晋三首相は,アメリカを日本と中国との紛争に巻き込む.

NYT MARCH 6, 2014

Asia's Trilateral Trade Talks

By THE EDITORIAL BOARD


l  人工知能との競争

FT March 3, 2014

Technology: Rise of the replicants

By Richard Waters

人工知能が発達して,急速に,大学卒の職場を奪っていくだろう.


l  再分配政策

FT March 3, 2014

We do not have to live with the scourge of inequality

By Jonathan Ostry

経済学者の多くは再分配政策は,成長を損なう,という悪い意味で語る.しかし,この点では意見が分かれている.もし累進課税が有効にインフラ投資や医療,教育に投資されたら,経済成長を高めるだろう.

それは最近のデータからも示された.わずかに再分配的な税制は成長を損なわず,その長期的な影響は成長を高めるだろう.

Project Syndicate MAR 3, 2014

From Poverty to Empowerment

SUBIR GOKARN and ANU MADGAVKAR

VOX 6 March 2014

Redistribution, inequality, and sustainable growth: Reconsidering the evidence

Jonathan D Ostry, Andrew Berg, Charalambos Tsangarides


Project Syndicate MAR 5, 2014

A New Progressive Political Economy

DAVID SAINSBURY


l  イタリア

SPIEGEL ONLINE 03/06/2014

The Gospel of Matteo

Italy's New Prime Minister Promises Radical Reform

By Walter Mayr


l  アメリカとロシアの年金問題

FP MARCH 5, 2014

Old People Are Sucking Us Dry

BY DANIEL ALTMAN

FP MARCH 5, 2014

Putin Is My Sugar Daddy

BY DIMITER KENAROV


l  ギリシャ

Project Syndicate MAR 6, 2014

What Makes Greece Special?

DANIEL GROS

ギリシャの債務処理が進まなかったのは,IMF融資条件が間違った目標を求めていたからだ.ギリシャは財政赤字を減らすことではなく,輸出を増やすことに国内改革の努力を集中するべきだった.

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The Economist February 22nd 2014

Putin’s inferno

Ukraine’s crisis: Europe’s new battlefield

American trade policy: How to make the world $600 billion poorer

A new prime minister in Italy: A man needs a mandate

Charlemagne: Homage to Caledonia

Scottish independence: Alex Salmond’s big problem

(コメント) 企業と国家,自然・海洋,貿易協定,分離独立と連邦・EU,銀行規制のバルカン化とFED.・・・つまり,どういうことなのか?

経済活動を組織することと,政治秩序との関係が,どのように調整されるのか? プーチンがウクライナの政治に介入するような形もあれば,世界海洋機構WOOを設立した海洋資源と気候変動とを管理する形もある.ますますインターネットで結びつき,国境を越えて飛来する多国籍企業の活動と収益を,どのように自国の領土内で産卵させるか,政府は悩みます.

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IPEの想像力 3/10/14

311から3年が経つのに,TVに映る地方自治体の首長たちは変わらない.被災者の心をつかんでいる,と言えるのかもしれませんが,私は違和感を持ちました.日本の政治は革新をもたらすより,それを抑え込むためにある?

自動車のラジオから,安倍首相の国会答弁を聞きました.自民党議員の質問に答えて,・・・被災地復興のために対岸の需要を取り込む.それは,ウラジオストックだ,と言うのです.この首相は,韓国や中国がもっと重要であることを無視して,復興も自分の立場に利用します.

他方,お昼前,橋下徹の大阪維新出直し選挙のニュースは,既存政党との亀裂を強調しています.私は,国家の分割も議論し始めたタイの政治的混迷を連想しました.

冷戦終結,バブル破裂,中国の台頭,北朝鮮核実験・拉致問題,世界金融危機,大震災,原発事故,尖閣・竹島領土紛争,など,カオスの中から,強権的な政治スタイルが好まれる時代になりました.どうすれば,平和と繁栄のメカニズムとして,国境や世代を超えた政治は機能するのでしょうか?

マレーシア航空機の行方不明報道に驚き,記事を探すうち,ネットで毎日新聞の「日本の論点」を見つけて読み始めました.面白いです.年刊誌『日本の論点』のインターネット版として今年から始まり,この20年余り日本が論争してきた「集団的自衛権」,「原発依存か,脱原発か」を載せています.

http://nihon-ronten.jp/info/first.html

そこから,新聞報道・社説比較Media Watch Japanのサイトに飛びました.・・・これもおもしろいな,と思います.主要4紙と日経を加えた5紙の重要政策に関する立場を,わかりやすく・使いやすく比較しています.

http://mediawatchjapan.com/

そして,さらにリンク先へ飛びました.・・・すばらしい.阪神大震災を経験し,東日本大震災では石巻でボランティアに加わった鈴木邦和さんが,大学生のとき,一人で起業したそうです.阪神と東北の2つの大震災から生まれた「日本政治報道株式会社」(日本政治.com)が,日本に優れた政治の土壌を育てるかもしれない,と期待します.

http://greenz.jp/2012/12/15/nihonseijicom/

投票マッチング,というサービスがあります.だれに投票するか,迷うならこれです,と教えてくれます.すなわち,主要政策に関して,自分のスタンスをインプットします.成長戦略から財政規律まで,20の政策について答え,さらに3つの重視する政策をインプットすれば,支持すべき政党が出ます.

このサイトの利用者は10代と20代が多く,彼らの支持すべき政党は,日本維新の会が最大(28.3%)です.みんなの党(19.3%)と自民党(18.9%)がこれを追っています.もし10代にも投票権を与え,60代以上の有権者が投票をボイコットしたら,こんな国会が生まれるのでしょう.

震災から復興するとしたら,地震を封じ込めたり,亡くなった人を呼び戻したりできない以上,私たちは優れた建築家や建設労働者たちを必要とします.彼らが活躍するための資材,資金,法的枠組みを提供しなければなりません.それには被災者自身と,彼らのコミュニティーを勇気づけ,社会全体で支援する政治の力が必要です.

もしネット上に,10代と20代のためだけでなく,50代,60代以上の人たちにも広く支持されるサイトがあれば,政治意識のダイナミズムと代表制の活性化につながり,復興は次々に新しい市民的な指導者たちの顔を政治に映し出すでしょう.

本棚にある林敏彦『大災害の経済学』を手に取りました.林氏は日経新聞に,阪神大震災から学んで,東日本大震災に政治の力を求めました.「今度こそ,抜本的な災害復興ガバナンス(統治)を確立しなければならない.」 そして本文では,911に際して,アメリカの政治家たちが成立させた法律や制度の革新,被害者への補償,が述べられています.

東北大震災のアーカイブや,ガバナンスを検証するための国際委員会は,できたでしょうか?

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