IPEの果樹園2014

今週のReview

1/27-2/1

 

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インドのグローバル化 ・・・第1次世界大戦の始まり ・・・フランス大統領の浮気 ・・・アメリカの中東外交 ・・・安倍首相の訴え ・・・不平等の問題 ・・・日本の通貨・財政・エネルギー ・・・自由貿易と競争 ・・・ロボットより政府 ・・・バーナンキと金融の未来 ・・・中国の長期・構造変化 ・・・「万国の労働者よ,団結せよ.」 ・・・スイスの国際会議 ・・・カジノ・フィーバー

 [長いReview]

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主要な出典 Bloomberg, China Daily, FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, Global Times (China), The Guardian, NYT: New York Times, Project Syndicate, SPIEGEL, VOX: VoxEU.org, WP: Washington Post, WSJ: Wall Street Journal Asia, Yale Global そして、The Economist (London)


l  インドのグローバル化

YaleGlobal, 14 January 2014

Compete in the World? Yes, Indians Can

Kishore Mahbubani

インド人のスポーツ選手を世界の舞台で見ることはない.オリンピックでも人口で割ったメダル数では最底辺にいる.

だからインド人は,彼らが世界の競争でナンバー・ワンである,と聞けばきっと驚くだろう.しかも経済パフォーマンスの競争だ.その最も厳しい競争の舞台とは,世界中から移民を受け入れているアメリカ合衆国だ.そこには平等な条件が提示され,彼らが世界競争で自分を試すことを奨励している.

そこにおいて最も優れた成果を上げているのがインド系移民のグループだ.2010年,インド人は$37,931を稼ぎ,全国平均の$26,708を大きく超えた.もしインドの人口12億人が,その半分の所得を得るとしたら,インドのGDPは現在のイタリアに並ぶ1.85兆ドルではなく,24.65兆ドルになるだろう.潜在的な水準と現在の水準との差は,世界のどの国よりもインドが大きい.

残念ながら,インドの指導者たちはこのことを理解していない.もしこれを知ったら,インドはグローバリゼーションの加速を求めるチャンピオンになるだろう.ところが,インド政府はバリのWTO会合で,貿易をゆがめる農産物補助金をやめて,貧しい農家への所得補助に変えることを拒んだ.それはインド社会の長期的な利益を損なうものである.この自己破壊的な行動を変えるために,インドには3つの転換が必要だ.

1に,インド経済の競争力について,悲観的な考えを捨てることだ.開放されたグローバルな競争において,インドのインド人は,国外のインド人と同様に,高い競争力を持っている.今の悲観論が,ボリビア,キューバ,ヴェネズエラ,ジンバブエ,南アフリカと一緒に,WTO”No!”を連発した理由である.もし自分たちを高い競争力のある経済とみなせば,中国,日本,韓国,シンガポールなど,東アジア諸国と一緒に”Yes”と言うだろう.

2に,インドはその最高の資源をもっと活用することだ.それは国外に住むインド系の優れた人材だ.インド準備銀行の総裁になったRaghuram Rajanはその代表だ.Rajanは,2005年のJackson Holeで,Alan Greenspanを含むアメリカ経済界の大物を前にして重大なグローバル危機が起きると警告した.彼らはRajanの警告を無視したが,警告は正しかった.ほかにも,優れた人材がインド経済を救うために戻ってくるだろう.

3に,インド実業界の大物たちが矛盾した態度を捨てることだ.多くのインド企業,Tata, Wipro and Infosysは,世界的に成功している.しかし,彼らはインド国内市場が自分たちに保護されていることを失いたくないから,インド政府に自由化するよう求めないのだ.こうした態度は,彼らとインド経済の長期的な利益を,短期の利潤のために犠牲にしている.インドの実業界は,むしろ25兆ドルのインド経済になる道を拒んで,現在の2兆ドル市場を保護しているのだ.

1970年,韓国の製造業はインドの製造業の4分の1以下であった.しかし2011年までに,韓国の製造業はインドの2.5倍を超えている.もしインドの政策がもっとグローバリゼーションを支持していたら,サムソンや現代は,韓国ではなく,インドに生まれていただろう.インド企業が世界クラスになる課題は,地政学的な理由でも促される.すなわち,日本はインドと協力することを強く望んでいる.日本企業がインド企業のグローバルな競争を助けるだろう.


l  1次世界大戦の始まり

SPIEGEL ONLINE 01/16/2014

The Bosnian Knot

Conflicts Unchanged in Birthplace of WWI

By Walter Mayr

破滅的な戦争を経て100年の後も,多くのエスミック集団からなる地域は平和を得られない.第1次世界大戦が始まったサラエボはボスニアにあるが,1992年に起きた戦争でヨーロッパ最後の大虐殺が起きたのもボスニアだった.

サラエボ東部では,皇太子を暗殺した若者,Gavrilo Principが今も英雄である.

彼とその仲間たちが属した汎スラブ主義の運動"Young Bosnia"は,過激なナショナリズム,西側生活スタイルへの懐疑,後進的な経済への不満,が混じり合ってできた.

デイトン合意に従い,オーストラリア人Valentin Inzkoが再びこの地を監督するようになったのは歴史の皮肉である.彼は100周年にボスニアのEU加盟を目指したが,今はEUNATOへの加盟準備に入ることを望んでいる.ムスリム,クロアチア,セルビアの間に,基本的な合意がなく,この土地を国家にする条件は欠けている,という.

しかし,さまざまなエスニック集団からなる住民たちは,他国の政治家が国際交渉で決めたことが破滅をもたらしたのだ,と考えている.1878年のベルリン,1919年のヴェルサイユ,1945年のヤルタ,1995年のデイトン.

2次世界大戦後のヨーロッパにおける最大の虐殺がthe Republika Srpskaで起きた.Bratunac Srebrenicaの間である.8000人以上の男性と少年が殺された.殺したのはセルビアの正規軍部隊であった.人口の5分の1にあたる,3337人がBratunacで殺された.75か所の大量埋葬地が見つかっており,今も612人が行方不明だ.

虐殺の究明は戦争を負終わらせるために欠かせないことだ,と行方不明者を探すthe International Commission on Missing PersonsAdam Boysは語る.第1次,第2次大戦で未解決の問題が1990年代の戦争につながった.神話を断ち切るべきだ.

彼らは異なる真実の中に住んでいる.「誰もが一緒に住めなければ,この土地に平和は来ない」とセルビア市長は考える.

FT January 17, 2014

Peace in our time

By Simon Kuper

1914年に戦争が始まったとき,トラファルガー広場には群衆が集まって歓迎した.ドイツではリベラルな作家であるトーマス・マンが「戦争だ.一掃できる.解放だ.」と熱狂した.彼は「平和な世界」に倦んでいたのだ.

しかし現代では平和を求める力が強い.それは内外で,かつてないほど強まっている.武力衝突や暴力的犯罪は減少している.しかし911から数年後でも,平和なフロリダに住む女性が危険な世界へ外出することを控え,子供たちが無事に帰ってくることを祈っている,と言うのは,人々がTVニュースで恐ろしい話を多く観るからだろう.テロリスト,ドローン,シリア,内戦,いたるところで殺人がある.

人々が教育を受け,裕福で,国際的な結び付きを深め,民主主義の政治体制に暮らすようになれば,傾向として暴力が減少する.

ウクライナやベンガジの飢餓,ホロコースト,中国の『大躍進』は,TVカメラの外で行われた.今は一人の兵士がどこかで銃弾を撃てば,CNNが撮っている.すると政治家たちは殺到する.4もし第1次世界大戦でも兵士たちがトウィッターをできれば,戦争はもっと早く終わっただろう.

スマートフォンはメディアの浸透をさらに広げた.今やほとんど事態が映像で観られる.1914年に戦争を祝った群衆は,マシンガンも知らなかった.しかし,われわれは核兵器の恐ろしさを知っている.日中間で緊張が高まっているが,兵士が死ねば中国政府も事態を収拾しなければならないと考えるだろう.1914年と違って,国際情勢は平和を促す.

SPIEGEL ONLINE 01/17/2014

World War I Centenary

The Symbolic Power of French Victory

By Romain Leick

FT January 19, 2014

A world above it all – welcome to Davos 1914

By Margaret MacMillan


l  フランス大統領の浮気

NYT JAN. 16, 2014

Scandal in France

Paul Krugman

オランド大統領が,憶測されているような女優との夜遊びに耽っても,驚くほどのことではない.(それがフランス人だ.) しかし,まるであてにならない保守的な経済原理を振り回すことにはショックを受けた.

フランス経済はヨーロッパの中ではよい成果を示している.しかし,ユーロ圏は日本型のデフレに向かう危険がある.ところがオランドは,需要だけでなく供給にも改革が必要であり,減税と,その財政負担を考えた歳出の削減を唱えている.これではセイの法則だ.フランスには生産的な資源も,資本と労働力もある.需要が不足しているのだ.財政支出を削るのは間違いだ.

FT January 17, 2014

François Hollande: Politics take a back seat to personal troubles

By Hugh Carnegy in Paris

FT January 19, 2014

The real scandal is France’s stagnant economic thinking

By Wolfgang Münchau

セイの法則とは,供給は需要を創り出す,というものだ.それはオランドが選挙前に約束した原則を実現できず,メルケルの支配を許したことに一致する.オランドには,厳しい緊縮策に歩み寄るしかなく,新しい経済ガバナンスを唱える力はなかったのだ.

NYT JAN. 19, 2014

The Unbearable Lightness of Hollande

Sylvie Kauffmann

theguardian.com, Monday 20 January 2014

France's Hollande is completely out of touch with modern economics

Dean Baker

1998年,アメリカではMonica Lewinskyのスキャンダルが大いに関心を集め,オサマ・ビン・ラディンがアフリカの2つの大使館を爆破したことに政治は対応しなかった.

Project Syndicate JAN 22, 2014

France’s Little Big Man

DOMINIQUE MOISI


l  アメリカの中東外交

FT January 17, 2014

The costs of clandestine talks with Syria’s strongman

By Roula Khalaf

Project Syndicate JAN 17, 2014

The Enemy in Syria

JAVIER SOLANA

WP January 17, 2014

Making things worse in the Middle East

By Fareed Zakaria

この数か月でも中東はさらに暴力の支配する世界になった.事態の極端な悪化を観て,多くのアメリカ人は,これをアメリカの失敗,少なくともオバマの「受動的な」アプローチによるもの,と確信した.アメリカがこれ以上,この地域に関わることは考えられない.

中東は,あたかも宗教改革後のヨーロッパでカソリックとプロテスタントが戦ったように,宗派対立の中にある.その原因は歴史や政治に深い根を持っているから,容易に終わらないだろう.

事態を理解する3つの要因がある.第1に,中東の国家構造は,第1次世界大戦後,ヨーロッパの植民地帝国によって作られた.例えばイラクは,ほとんど何も共通していないオスマン帝国の3つの地区を合わせて作った.

植民地帝国はしばしば少数民族から支配者を選んだ.その方が,支配者は帝国との協力関係に依存するだろう,という計算だ.1930年代,40年代に,シリアでナショナリストの反政府運動が高まったとき,フランスはアラウィート派から多くの軍事や官僚を登用した.その結果,彼らが国家を支配するようになった.

2に,イスラム原理主義の台頭である.その原因は,サウジアラビアのワッハーブや,イラン革命による西洋化への攻撃,などであるが,世俗の共和国を次第に軍事独裁国家に変えた.特にナセルのエジプト,サダム・フセインのイラクは,世俗の支配が,ときとともに崩壊し,部族への忠誠心に代わった.

3に,ワシントンがイラク進攻で深く介入したことだ.中東の州は闘争が激化した最大の要因は,ジョージ・W・ブッシュ政権がサダム・フセインの体制を転覆し,スンニ派がけ力を握る構造を破壊して,イラクをシーア派に与えたことだ.現首相のマリキNouri al-Malikiは,シリアとイランで約10年間の亡命生活を送った.アメリカ政府は彼が民主主義と多元主義の価値を信じているというが,現実にはこの2つの体制に接近した.

イラク政府は200万人以上の難民を流出させ,その多くはスンニ派とキリスト教徒であった.彼らは政府に失望し,反政府軍として闘い,次第に原理主義者になった.

ブッシュ政権の幹部には,今も,アメリカ軍が中東にもっと拡充されていれば,紛争を解決できた,と言う一群の人々がいる.しかし,彼らは事態を正しく理解していない.

FP JANUARY 17, 2014

Media That Moves Millions

BY SHELDON HIMELFARB, SEAN ADAY

Project Syndicate JAN 18, 2014

Stopping the Syria Contagion

ANNE-MARIE SLAUGHTER

シリア内戦は明らかに地域全体を不安定化し,国際的な危機に発展している.アメリカやヨーロッパからも市民が内戦に参加し,第1次世界大戦後の国境線が失われた.多くの国家(Iran, Saudi Arabia, Qatar, Russia, the United States, Turkey, France)と民間の資金提供者が武装勢力を支援している.

3つの方法で紛争を整理し,合意を高めることができる.

1に,国連が仲介するジュネーブ国際会議の主要目的は,交渉による解決と政治的な移行に向けた各派のインセンティブを変えることだ.それはどのような形であれ選挙を行うことになり,その選挙への参加資格をめぐって国際会議で合意することができる.

参加資格は,支配領域の住民に対する人道的支援を認めることや,戦争犯罪,人道に対する犯罪を禁止すること,それには意図的に医療施設を攻撃したり,支配地域の住民を植えさせたり,捕虜を処刑したりすることが含まれる.これらは国連の「住民を保護する責任」(R2P)の原則に従うものだ.もしアサドのバース党がこれを守らなければ,彼らは選挙に参加できない.

2に,国際社会は紛争解決への関与を公式に強めることだ.特に安保理で,シリアの和平仲介を内政干渉として反対し,放置してきたロシアや中国の姿勢は支持されないだろう.ロシア政府は紛争解決のためにその影響力を行使するべきだ.

3に,アメリカのオバマ大統領は武力行使の選択肢を明確に含めるべきだ.アサド政府が化学兵器の廃棄という積極的な協力を合意したのは,オバマがミサイルによる空爆を示唆したときだけだった.その後,アメリカ国民は軍事介入を望まず,アメリカの軍事力は使用できないと思われている.

しかし,安全保障に責任を持つ大統領は,世論が反対しても軍事力を行使しなければならないときがある.シリアの危機は地域全体に拡大し,ヨーロッパにも近い.アルカイダはその勢力を拡大している.アフガニスタンやイラクで多くの犠牲を払って得たアメリカの安全が損なわれるのは確実だ.

NYT JAN. 21, 2014

Bosnia’s Lessons for Syria

By PHILIPPE LEROUX-MARTIN

シリアとボスニアは比較されてきた.国際会議the Geneva II20年前を思い出させる.どのような教訓を学べるだろうか?

国際会議には抑制・謙虚さが重要だ.内戦は外部勢力の介入を拒む傾向がある.

1に,各勢力は全く異なる間違ったレンズで現実を見ている.自分たちの目標のほかには目を向けない.そして,どのような形で介入するかが重要だ.エスニック集団に分割して介入を行うと,彼らの分離運動や虐殺を強めてしまう.

2に,より広い地域全体の和平が必要だ.オバマ政権がロシアを参加させ,潜在的にはイランも参加させる方針は正しい.

3に,戦争は武器を下しても終わりではない.戦争で敗北した国家や戦争のエリートたちは,しばしば,敗北を過渡期としてしか見ない.その後も異なった形で政治的目標を追求する.

和平合意とは,諸党派が武力によらず,政治過程として闘争を行う制度や法律を定めることである.紛争を終わらせる外交の力は,選挙や憲法の制定を通じて人々の将来の行動を変えることで発揮される.

外交は決して短期に成果を得られるものではない.あきらめず,辛抱強く,謙虚に,戦闘集団を武力行使から引き離すことだ.

Project Syndicate JAN 21, 2014

Arab Prospects Beyond the Arab Spring

TAREK OSMAN

Project Syndicate JAN 23, 2014

Syria’s War in Iraq

CHRISTOPHER R. HILL


l  移民への不安

FP JANUARY 17, 2014

The Frenzy

BY HARRIET SALEM

EU新加盟諸国からの移民に対する労働規制が解除されたが,ルーマニアやブルガリアからの移民は特に増加していない.なぜ起こらなかった移民の洪水を今も警戒し続けるのか?


l  カンボジア

NYT JAN. 17, 2014

Workers of the World, Faint!

By JULIA WALLACE

カンボジアの衣服工場で集団失神が起きている.それは彼らの土地のさまざまな自然神崇拝や労働者の権利を無視されたことへの不満が関係しているだろう.


l  安倍首相の訴え

WP January 17, 2014

China’s propaganda campaign against Japan

By Kenichiro Sasae

NYT JANUARY 17, 2014

Between China and Japan, a Tug-of-War Over Africa

By BREE FENG

The Guardian, Sunday 19 January 2014

Sino-Japanese tensions: the dangerous drum of nationalism

自衛に関して不満を言うものはないが,緊張が高まる中でナショナリズムを強め,交渉による譲歩を難しくするのは間違っている.

FP JANUARY 21, 2014

Roiling the Waters

BY ELBRIDGE COLBY, ELY RATNER

FT January 23, 2014

End drift to war in the East China Sea

今秋,安倍首相がダヴォスに現れたことは,日中間の論争を新たに刺激した.

記者会見で安倍は,靖国参拝を正当化しただけでなく,日中間の対立を第1次世界大戦前のイギリスとドイツに似ていると明確に主張した.ヨーロッパの2大国が貿易を増やしたことは戦争勃発を防げなかった,と述べ,中国と日本も「似た状況」にある,と.

安倍は単に状況の深刻さを訴え,信頼醸成の手段を求めたのであろう.しかし,日本の首相が1914年のヨーロッパを持ち出すことは,恐怖や激しい感情を刺激するものだ.彼はこの1年を通じて,ナショナリストの雰囲気を高めてきた.靖国参拝の自制を破り,平和憲法の改正を主張する.中国の軍事費増大を地域の主要な不安定要因と主張するが,日本の自衛隊は,特に公海における能力で中国に勝っている.

もちろん,こうしたことが中国の姿勢を承認するわけではない.防空識別圏の主張は危険であり,一部の議論で,中国は領土回復の「外科的な」侵攻を成功させる,というのは狂っている.双方が軍事的な威嚇を止めるべきだ.

安倍と習の首脳会談が必要だが,その見込みはない.その結果,アメリカが外交的に仲裁しなければならない.アメリカ政府は日本に安全保障の傘を提供し,紛争地域もそれに含めている.同盟国への攻撃を中国に明確に警告しなければならない.しかし,同時に安倍に対して,そのナショナリストの姿勢を抑えるべきだと明言しなければならない.

手遅れになる前に,安倍と習は破滅を避けるべきだ.

2014-01-23 (China Daily)

China key to Japan's recovery

By Jin Baisong

日本の景気回復,デフレ脱出には,中国市場への輸出が重要である.

Project Syndicate JAN 23, 2014

Japan’s New Dawn

SHINZO ABE

この何年間も,日本を「日没」にたとえ,日本経済の成熟と衰退を議論する者が多かった.しかし,今は違う.

日本経済は活気を取り戻し,人々の気持ちも変わった.日本は新しい「夜明け」にある.既得権を打ち破って,私は改革を実行するつもりだ.発電と販売とを完全に分離し,電力を自由化する.大規模な医療介護産業を育成する.減反制度を廃止する.規制緩和を進め,例えば,都市の建築規制を緩和する.TPPやヨーロッパとの経済パートナーシップ協定を締結する.政府の管理する資金を利用して成長産業を育成する.法人税を国際競争に負けないように下げる.労働市場のルールを改革し,旧産業から新産業に人材を移動させる.高齢化と少子化に対して,女性の労働市場への参加を高める.企業重役に占める女性の比率を2020年までに30%にする.企業統治に機関投資家の役割を高める.

さらに,日本には311の東日本大震災からの復興,福島第一原発の事故処理がまだ残されている.

日本の繁栄は世界の平和と開発に貢献する.多くの可能性を持つ近隣諸国とも平和と繁栄を分かち合う.海上輸送路,空中,宇宙,サイバー・スペースの移動の自由が重要である.それらは,唯一,法の支配と,自由,民主主義,人権という基本的価値の確立によって達成できる.アジアの成長が軍備拡大に支出されるのを阻み,軍備の透明化と公開を図るべきだ.

アジアを信頼と秩序の地域にしなければならない.そのために政府間の危機管理メカニズムや軍関係者間の相互コミュニケーションが重要だ.日本は2度と戦争しないと誓う.


l  不平等の問題

The Observer, Sunday 19 January 2014

Britain is scared to face the real issue – it's all about inequality

Will Hutton

NYT JAN. 19, 2014

The Undeserving Rich

Paul Krugman

theguardian.com, Wednesday 22 January 2014

The real tragedy behind the Wrexham 99p store 'riot'

Ally Fogg

FP JANUARY 22, 2014

The Inefficiency of Inequality

BY DANIEL ALTMAN

機会の配分は,努力や能力によって決まるべきである.しかし,所得のあまりに大きな格差はそれを歪め,不平等を拡大する.富裕なエリートたちは,カントリー・クラブ,チャリティー・ディナー,その他のネットワークを使って機会の配分に高価な代償を求めている.それはシステムによって排除するのだ.例えば選挙制度も,候補者の優れたアイデアだけでなく,事務所と維持するためには多くの資金が必要だ.トップの大学に入学する若者も,その多くが富裕層の子弟である.

もし貧困が無能や怠慢の結果であると考えるなら,またその子供たちも無能で怠慢だと言うなら,非効率的な配分の問題は存在しない.しかし,明敏で勤勉な子供たちが貧しい家庭にも生まれると考えるなら,非効率な機会の配分は深刻な問題だ.この問題を解決すれば,アメリカの成長率は高まり,資産価値も上昇するだろう.

それには2つの選択肢がある.1つは,全ての選考から富裕さを排除することだ.政治にも大学受験にも金がかからず,カントリー・クラブ候補者の選考は完全に匿名性を保って決める.しかし,実際には反対の傾向が強まっている.もう1つの選択肢は,不平等な分配を抑えることだ.幼児教育に公的な支援を与えて貧しい家庭の子供を助ける.その他,公的な支援が効果を示すには数十年を要する.資産ではなく,その純増分として所得の累進課税制度も時間がかかる.最も効果的な相続税は,政治的に反対が多くてほとんど利用されていない.

グローバリゼーションは国家間の不平等を減らすとしても,各国の内部で不平等を拡大している.

こうした不平等を無視することは,われわれすべてを貧しくする.

FT January 23, 2014

Banish ‘inequality’ from the economist’s lexicon

By Samuel Brittan

「不平等」というあいまいな言葉に惑わされてはいけない.所得や資産の不平等をなくすために生じる混乱を考えるべきだ.平等主義者への反対論はいくつもある.不平等を失くすより,全体に豊かになる方が積極的である.実際,西側の失業者はテレビを持っており,医療保険も利用できるが,これらは国王エドワード7世にも利用できなかった.

アメリカだけでなく,イギリスでも,さらに,平等主義的と思われるスカンジナビア諸国でも,不平等は拡大している.その背景にある理由を考えるべきだ.新技術の影響は,もう1つの背景がなければ,それほど大きくないと思う.それはグローバリゼーションによって,アジアの数十億人の貧しい労働者たちがヨーロッパや北米の労働者と競争し始めたことだ.

左派も右派も同じような対策を論じている.最低賃金の引き上げを保守党の首相も要求するが,かつてなら,それは失業を増やす,と反対された.今も,最低賃金の引き上げはコストの上昇によって購買力を失わせる,と言える.インフレ目標もそうだ.それらは,裏口からの実質賃金引下げである.

効果的な方法は,貧困層の課税を控除される水準を引き上げることや,特定の社会保障を増やすことである.その費用は裕福な中産層や財政状態によっては赤字で賄う.地理的な小規模な政府は,企業の流出を恐れるから,協力する必要がある.


l  アメリカの後退

FT January 19, 2014

The rise of a new US federalism

By Edward Luce

FT January 20, 2014

Get ready, the indispensable Americans are pulling back

By Gideon Rachman

今年のダヴォスは“Reshaping the Worldがテーマである.しかし,世界の警察官であったアメリカはいない.アメリカの介入や仲裁を当てにできなくなって,各国は自分で事態を収拾しなければならない.イスラエルでさえ,それを覚悟している.

オバマ政権はそうした見方を否定する.アメリカはシリアの和平交渉でも,イランの核開発交渉でも,中東和平でも,不可欠の役割を果たしている.ヨーロッパ,アジア太平洋,中東で,アメリカは安全に関する主要な保証人だ.

しかし,明らかに軍事力を行使しなくなったし,この準・孤立主義は国民に広がっている.経済不況,イラク・アフガニスタンの後遺症,シェール革命でエネルギーの自律性を得たこと,などが関係する.第1次世界大戦後や,ベトナム戦争後にも,こうした内向き志向はあったが,今回はより構造的かもしれない.新興諸国,とくに中国の台頭に対する静かな調整だ.

世界はアメリカを失い,より多くの不安定化に備えて,自国による対応能力を高める.


後半へ続く)