(前半から続く)
l 中国の改革:金融システムと毛沢東
NYT December 27, 2013
Markets
on Edge as China Moves to Curb Risky Lending
By NEIL GOUGH and KEITH BRADSHER
中国の金融システムは「大き過ぎて潰せない」状態になる危険がある.
公式の銀行融資は,世界金融危機以降,2倍以上に増えたが,それは経済全体の成長よりも倍の速さである.さらに重大な問題は,影の銀行システムによって起きている.多くの企業や個人が,しばしば政治的なコネを使って,国営銀行から低利で借り,それを高利で又貸ししている.融資を求めて必死になっている企業はどのような高利でも借りるからだ.
政府はこのような危険な行動を是正すると約束した.経済の方針は市場が決める,と三中全会が承認したのだ.そして金利の自由化,国境を越える資本取引,地域・官僚による保護の撤廃,を目指した.そのわずかな改革の試行が資金市場を混乱に陥れた.
中国の銀行危機は1930年代のアメリカにおける取付けとは異なるだろう.中国政府は取付けや無秩序な銀行閉鎖を防ぐ決意を表明している.むしろ,預金者が次第に銀行から去ってしまうだろう.これまではインフレ率を下回る規制された金利でも預金が集まった.その結果,銀行は国有企業や政治的コネを持つ有力者に対する巨額融資を行えなくなる.それは旧ローンの支払いに必要なものだ.
これまで中国の銀行システムは高速道路の料金所のようなものであった.銀行は眠っていても儲かった.帰宅した頭取の席に,たとえ犬が座っていても.
FP DECEMBER 27, 2013
China's
Angry Spirits
BY LIZ CARTER
毛沢東の生誕120周年で,習近平主席はその業績をたたえた.同じころ,日本では安倍首相が戦犯を祀った靖国神社に参拝した.有名な作家で活動家のLi ChengpengはSina Weiboに書き込んだ.すなわち,亡霊たちに低頭する人々は,数百万人が餓死し,家族が引き裂かれた悲劇に対して,美談をでっち上げている,と警告したのだ.
Liは意図的に誰とは示さなかったために,日本の占領下で死亡した1500万から2000万人のことか,毛沢東の大躍進期に死亡した1800万から4500万人のことか,わからない.ある匿名のユーザーは,日本人が他国民を殺戮した愚者を尊敬するのに比べて,われわれは自国民を殺戮した愚者を尊敬している,と書いた.
FT December 30, 2013
Fears
after key China debt level soars 70%
By Tom Mitchell in Beijing
FT December 30, 2013
China
takes a leaf out of Stalin in central Asia
Ahmed Rashid
NYT December 30, 2013
Pollution
Rising, Chinese Fear for Soil and Food
By EDWARD WONG
Project Syndicate DEC 31, 2013
China’s
Policy Disharmony
STEPHEN S. ROACH
民間需要やサービス部門へのシフトは,同じ投資でも雇用を増やし,貧困を減らすから,7-8%の成長が国民の不満を高めない,という利点があるだろう.
FP DECEMBER 31, 2013
The
Year of the Horse
BY MICHAEL PETTIS
なぜ改革が成功するためには成長の減速が必要か? 2つの理由がある.1.債務を削減すること.債務の膨張を止め,投資の効率性を改善する必要がある.そのため投資はもっと中小企業が行い,債務の抑制による成長減速を受け入れねばならない.
2.過去30年間の高成長を実現したのは,家計部門からの所得移転を行う目に見えないシステムであった.すなわち,土地とエネルギーへの補助金,国有企業が得てきた融資の無制限アクセス,環境規制の緩和,賃金への下落圧力,価格を支配する独占力,通貨価値の過小評価,そして何よりも,低金利であった.それらを止めて,より健全な,バランスのとれた成長を回復する必要がある.
債務に依存した成長から,「成長の質」を求める政策に転換する.それは庶民の家計部門に成長による所得増大をもたらす.そのためには既存の成長率は低下し,7~8%になる.
l 北アイルランド
The Guardian, Sunday 29 December 2013
In
an era of austerity, Northern Ireland looks more fragile than ever
Richard Seymour
l 苦汗工場・奴隷労働
NYT December 29, 2013
Uncle
Sam’s Sweatshops
By THE EDITORIAL BOARD
アメリカ政府はWalmart や Gapのような量販店に発展途上諸国で衣服を生産する工場に良い労働条件を要求するように圧力をかけた.しかし,15億ドルも衣服を海外から購入する政府自身が,こうした助言に従っていないことが判明した.政府は問題の重要性を理解し,工場が強制労働を使用していないか,規制を強化する.しかし,さまざまな中間業者が介在するので管理は難しい.むしろ利用したすべての工場名を公表することだ.また政府は,量販店がバングラデシュに求めた安全基準の協定に参加することも検討している.
NYT January 1, 2014
A
Girl’s Escape
By NICHOLAS KRISTOF
13歳の少女は見知らぬ者の家庭で毎日叩かれ,報酬もない労働を強いられている.彼女は逃げ出すことを望んでいる.
Marilaineは,こうした20万人におよぶハイチの子供たち,restaveksの一人である.それは現代の奴隷制であり,人身売買の温床である.しかし,restaveksは奴隷制と違い,食事も自分の家庭より良い場合もあり,Marilaineは午後のフリースクールに通っている.多くのrestaveksはもっと悪い状態だ.
こうした子供たちを減らすには,妊娠の管理や無料の公共教育を普及させることだ.それは所得の貧しさを解決するだけでなく,彼らの尊厳と自由を拡大する.
l ラトビアのユーロ採用
FT December 30, 2013
Latvia
sees joining euro as extra protection against Russia
By Richard Milne, Nordic and Baltic Correspondent
ラトビアの財務大臣Andris Vilksはユーロを支持して,最近のロシアによるウクライナへの圧力を挙げた.18番目のユーロ採用国になろうとしている政府に対して多くの反対もあるが,政府は単なる金融の問題を超えてユーロ圏参加の重要性を訴えている.
ラトビアの隣国エストニアは2011年にユーロを採用した.リトアニアも2015年の採用を目指している.
ラトビアは今もロシアと深い結び付きがある.銀行預金の約40%は旧ソ連圏諸国から来る.人口の4分の1はロシア系である.ロシアは近隣諸国における影響力を失うことを嫌う.だからこそ,バルチック諸国やフィンランドはEU,NATO,ユーロ圏を目指すのだ,とVilksは主張する.
尊敬されていたValdis Dombrovskis首相がスーパーマーケットの大規模な崩落事故で辞任し,政治的な混乱が起きている.10月の調査ではユーロ採用を支持する者は5人に1人しかいない.反対する者は58%に達する.政府には50%の支持が必要だ.
NYT December 31, 2013
With
the New Year, the Euro Arrives in Latvia
By JACK EWING
NYT January 1, 2014
The
Euro Adds Latvia, but Further Growth Is Uncertain
By LIZ ALDERMAN
ラトビア市民にはユーロ採用に反対する者がいる.「ユーロは自分たちの貨幣ではない.」 しかし,ヨーロッパの指導者たちはラトビアの参加をユーロ圏拡大のしるしとして喜んでいる.問題はユーロ圏の経済成長が十分に回復するかどうか,である.
チェコ,ポーランド,ハンガリーはユーロ採用の目標年を延期した.デンマークやスウェーデンも,ユーロ危機によって採用への支持が低下している.イギリスには採用計画がない.キャメロン首相はEUとの距離をもっと取るつもりだ.そしてEU離脱を問う国民投票を準備している.
イギリスに比べてラトビアのような小国が独自通貨を維持することは多くのコストをともなう.同時に,ヨーロッパ合衆国にはならないだろう.50年後にユーロ圏がどうなっているか,単純に現状から予想できない.
l 2014年を占う
FT December 30, 2013
Mapping
out 2014
未来を占う水晶玉はないが,予測することはできる.FTの専門家たちが2014年の重要事件を考えた.
イングランド銀行は金利を上げるか? ・・・反EUの小政党はヨーロッパ議会で躍進するか? ・・・アベノミクスは日本のコア・インフレ率を2%にまで上げるか? ・・・宇宙旅行産業が始まるか? ・・・ワールドカップの勝者はどこか? ・・・原油価格は1バレル100ドルを切るか? ・・・中国の成長率は7%を切るか? ・・・Narendra Modiがインド首相になるか? ・・・
FT December 30, 2013
Three
big macro questions for 2014
by Gavyn Davies
2014年は,発展した諸国の株式市場が上昇する5年目に入る.強気市場が続くかどうかは,いつ世界GDPの水準が供給条件の制約に達するか,そしてグローバルな金融引き締めが始まるか,によるだろう.
それ故,グローバルなマクロ経済の重要問題は,1.アメリカ連銀が供給の制約を意識するのはいつか? 2.中国は信用の膨張を止められるか? 3.ECBはゼロ以下の金利,あるいは,日本化Japanificationに直面するか?
Project Syndicate DEC 30, 2013
Unrealpolitik
in Russia and China
DOMINIQUE MOISI
第一次世界大戦の起源に関するMargaret MacMillanの近著(The War That Ended Peace)によれば,唯一つ確実に言えることは,指導者が重要だ,ということだ.誰も戦争を望まなかったが,それを止められなかった.1914年のヨーロッパに,ビスマルクOtto von Bismarckのような指導者はいなかった.最近のロシアと中国の行動にも,指導者の不在は明らかだ.
第1次大戦に向かう政治・軍事指導者たちは,工業生産と大量輸送が戦争の性格を変えたことを理解していなかった.アメリカ南北戦争の経験から学ぶべきであったが,ヨーロッパは「世界の中心」であると信じ,アフリカやアジアで「文明化する使命」という名目の紛争を輸出することに忙しかった.
ロシアがウクライナを影響圏に留めたとしても,プーチンは昔からのヨーロッパ問題に直面する.隣国を支配する負担は大きすぎるが,ロシアの野心を満たすには小さすぎる.支援で生き延びるウクライナは,ロシア以上に腐敗し,機能不全を起こしている.その国土はフランスよりも大きく,人口は4500万人に達し,ヨーロッパの地政学的な均衡を維持する要所である.18世紀に3度の分割で消滅したポーランドと違い,ウクライナをEUとロシアが東西に分割することは不可能だろう.
同じ問題に中国は東シナ海と領空で直面する.中国も文明の優越性を信じ,長期の利害に関して,自制できないのか? その中国の姿勢は,ベトナム,インドンネシア,フィリピンの連携や,アメリカへの支援を求める動き,そして日本の安倍政権による軍備増強につながった.
イデオロギーの時代は去り,国益を冷静に計算する時代になる.しかし,その移行期には,外交よりも戦争が大きく変化する.外交ゲームの要点は古典的なものだ.相手国の利益と認識をよく理解すること.穏健さと自己抑制を外交の本質として発揮できること.それはロシアと中国に欠けるものだ.
オバマはどうか? ビスマルクが平和を維持した冷静な権力政治 calm power-politicsを学ぶべきだ.
Project Syndicate DEC 30, 2013
Insecure
Europe
ANA PALACIO
WP December 30, 2013
The
good news about 2014 (maybe)
By Robert J. Samuelson
FP DECEMBER 30, 2013
Next
Year’s Wars
BY LOUISE ARBOUR
不安定の性質はさまざまだ.組織犯罪,激しい選挙に向けた政治不安,反政府軍,地域的な波及,専制体制と,それに対する過剰な防衛・介入,共同体的なアイデンティティ紛争の激化,中心・周辺間の緊張,集権的なガバナンスの機能不全.
紛争には長い形成過程がある.それを解決するには,時間,関与,資源が必要だが,それらを欠くケースが多い.2014年にグローバルな安定性を脅かす紛争の可能性は,・・・
1.Syria and Lebanon 2.Iraq 3.Libya 4.Honduras 5.Central African Republic 6.Sudan 7.The Sahel and Northern Nigeria 8.Bangladesh 9.Central Asia 10.North Caucasus (Sochi)
BLOOMBERG Dec 30, 2013
Four
Trends to Watch in Asia in 2014
By William Pesek
Project Syndicate DEC 31, 2013
Slow
Growth and Short Tails
NOURIEL ROUBINI
2013年の世界経済は再び困難な年であった.2014年もさらに成長率は低下し,特に新興市場には壊れやすい諸国がある,・・・India, Indonesia, Brazil, Turkey, South Africa, Hungary, Ukraine, Argentina, and Venezuela.内外における不均衡,成長の減速,インフレ率の目標以下への低下,選挙を迎える政治的緊張.
ユーロ圏の回復リスク,安倍晋三のアベノミクスによるデフレ脱出,・・・
NYT December 31, 2013
Global
Optimism for 2014, With an Eye on Dormant Risks
By JACK EWING, NEIL GOUGH and DAVID JOLLY
WP December 31, 2013
A
China debt crisis in 2014?
By Robert J. Samuelson
2008年の世界金融危機の成長や雇用に対する影響を緩和するため,中国は地方政府の公共投資に頼った.しかし,道路,橋,水道,下水,地下鉄,通信インフラ,などは返済に足る収入を上げていない.地方の債務は急速に増大しているが,その規模は管理できる程度だ(GDP比56%).中央政府は銀行の破綻にも迅速に対応するだろう.
Project Syndicate JAN 2, 2014
The
World Economy’s Shifting Challenges
GEORGE SOROS
l 「特化」というアイデア
Project Syndicate DEC 30, 2013
The
Specialization Myth
RICARDO HAUSMANN
直観的で,明確なアイデアは,強い説得力がある.しかし,真実とは限らない.その1つは,特化Specializationである.
国家の比較優位による特化,貿易の利益.しかし,それは非常に間違った,危険なアイデアだ.
それはあるレベルでは正しいが,他のレベルでは間違っている.個人がその能力について特化するのは,より高いレベルで多様性をもたらす.個人や企業が特化することで,都市や国家は多様化する.例えば,特化した医者が多くいる病院がそうだ.
同じ人口規模の都市を比較すると,多様化した都市の方が裕福である.成長が早い都市の方が多様化している.それは内部市場が豊富であるだけでなく,輸出も多様であるからだ.
国家については,さらに多様性が重要だ.オランダ,チリ,カメルーンはほぼ同じ人口規模である.しかし,オランダはチリの3倍,チリはカメルーンの10倍,豊かである.輸出を観れば,オランダはチリの3倍,チリはカメルーンの3倍,多様である.
発展の過程で,都市や国家は特化するのではなく,多様化する.それらは単純な産業構造を多様化していく.そのためには協力の問題を解決しなければならない.なぜなら新しい産業が起きるには,それまでなかった経験を持つ労働者,納入業者が必要だから.そのために政府は積極的に介入する.
都市や国家が既存の産業の中で少数の分野に特化することは危険である.それは多様な能力を失い,新しい産業を開拓する新興ビジネスの能力を奪うだろう.バリュー・チェーンのグローバル化によって,納入業者・下請け業者は急速に「脱植民地化」されていく.都市も国家も新しいバリュー・チェーンでの役割を開拓する必要がある.
競争は非効率な企業や産業を消滅させる.政府の仕事は彼らの死滅を手伝うことではない.部分を超えた全体の拡大に役立つ,新しい活動,新しい生産能力を追加することで,凝集・複合体agglomerationの経済利益を生み出すことである.
l 介入の結果
Project Syndicate DEC 30, 2013
Irresponsible
Interventions
MOHAMMAD-MAHMOUD OULD MOHAMEDOU
l 1914年の教訓
FT January 1, 2014
Reflections
on the Great War
1914年の元旦.誰もヨーロッパの指導者たちが戦争を始めるとは思っていなかった.
各国の首都で,人々は他のことに関心があった.しかし6月28日に,サラエボでオーストリア皇太子が暗殺され,それから1か月も経たずに各地で戦闘が始まった.
2014年が1914年と同じ時代を変える破局に向かう理由はないが,当時と今が似ている不安な点はある.その教訓を考えれば,
1.紛争の偶発的な原因と,より根の深い国際関係の緊張状態,戦争に至る各国の国内情勢とを区別しなければならない.テロを未然に防ぐことは難しいが,グローバルな軍事・政治・経済の緊張状態を解決するのは政治家の仕事である.受け入れられた国際ルールの範囲内で行動する責任があり,国家間や民間の競争には秩がなければならない.
2.敵対するナショナリズム,それを煽る誇り,野心,歴史的な悲しみの無視,執着,は戦争を起こす条件になる.新興の大国によって,また,旧大国の衰弱によって,国際システムが再編されるとき,戦争のリスクは高まる.ある種の際立った脅しは国際関係において不可避であるが,相手国の動機や合法的利害を評価することが重要だ.
3.戦争は短期に,被害を抑えて,管理されたものにとどまると前提することは間違いだ.1914年に,ヨーロッパは半世紀前のドイツやイタリアの統一戦争を想定した.2003年,イラクに侵攻したアメリカとイギリスもそうだ.どちらも全く間違いだった.
4.戦争が起きた場合,戦後の平和を維持する結末にしなければならない.1919-23年のヴェルサイユ講和会議はそれに失敗した.1939年,その代償が1914年よりもさらに大きいことを知る.
l ヨーロッパの政治と経済
FT January 2, 2014
To
revive trust in Europe, rebuild faith in democracy
By Tony Barber
たとえ景気や雇用が2014年に回復しても,EUやユーロに対する信頼は容易に回復できない.人々は社会が外部の力によって,その間違った処方箋で解体されることを憤る.ドイツ,グローバリゼーション,銀行家たち,ブラッセルの官僚.ヨーロッパ市民の社会契約が,その核心として守ってきた福祉国家さえ壊されてしまった.
ユーロ圏は,その現実に合わせて政治家や市民がもっと変化しなければならない.「マーストリヒトの正当性」,すなわち,マーストリヒト条約の中身を忠実に実行すれば,南欧諸国のEU支持派は力を失い,経済は破滅状態で,ユーロ圏や民主主義への信頼も失われた.指導者たちは,ユーロ圏に参加したことの意味,その利益と責任を,市民たちに教育しなければならない.
FT January 2, 2014
Russia-led
union risks new divisions
SPIEGEL ONLINE 01/02/2014
'This
Perverse Angst'
Draghi
Defends Euro Rescue Policies
「なぜ私たちが責められるのか? 2年前,ヨーロッパの銀行に追加の流動性を供給したとき,インフレ率が上昇すると言われた.しかし,何も起きなかった.私がロンドンでコメント(ユーロを守るために何でもする)したとき,中央銀行の権限を越えていると言われた.しかし,初めから,私たちは権限内で行動すると確認していた.そのたびに,何てことだ,このイタリア人がドイツを滅ぼす,と言われた.事態が悪化するという不安は広がっていたが,逆だった.インフレは低く,不確実さは減った.」
VOX 2 January 2014
Joint
liability in international lending: A proposal for amending the Treaty of
Lisbon
Kaushik Basu, Joseph Stiglitz
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The Economist December 21st
2013
Look back with angst
The Economist’s country of the year
Curse of the mummyji
A Tale of Two Rushes: There’s gold in
them there wells
(コメント) 1914年と2014年で類似している点として,「自己満足」を指摘します.ビジネスマンは金儲けに忙しい.政治家はナショナリズムを安易に煽る.しかし,大規模な戦争に至るのを防ぐには,1.潜在的な危険を抑えるシステム,2.積極的なアメリカの関与(アメリカ外交),が必要だ,と考えます.理性が広まると信じるだけでは,戦争を防げない.
The
Economistが選んだ2013年の優れた国家は,ウルグアイ,です.ウルグアイが優れたモデル,優れたシステムを採用し,広めたからです.すなわち,同性婚,軽い麻薬の合法化,さらに,率直で慎ましい,しかし大胆でリベラルな,Jose Mujica大統領を選んだことです.
アメリカのゴールド・ラッシュの歴史とシェール革命を結び付けています.
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IPEの想像力 1/6/14
なぜ新年を祝うのか?
収穫の祭や,教祖・国父の誕生を祝う,というのは,まあ,わかります.しかし,旧年の最後の1秒と,新年の最初の1秒に,何も祝うことは含まれていません.世界中の年越し行事,カウント・ダウン,年越しのパーティー,除夜の鐘,超高層ビルや議事堂を染める花火,初日の出を,炬燵の中で観ました.
太陰暦から太陽暦になっても,なぜか各地の暦や季節の行事とバラバラな新年は残ったわけです.時間の感覚が異なる世界で,新年には新しい意味が与えられます.宇宙旅行が日常化する時代には,新年を測る基準も変わっているのでしょう.
ü 大晦日は紅白歌合戦の一部を観ました.この番組は魅力がなくなった,と思います.「レコード大賞」や「かくし芸大会」がなくなるように.時代と音楽が変わったことを実感します.そこで,私がもしNHKの神様なら,紅白歌合戦を懐古版と回顧版に分けます.懐古版は,以前の紅白を愛する世代の人気投票で歌手を決め,以前のように演出します.回顧版は,今年1年のグローバルな音楽シーンを振り返るカテゴリー別の音楽評と,歌手・タレントたちの時間分担・独自演出です.
ü ようやく年賀状を投函.遅すぎましたが,ともかく年内です.郵政民営化で,年賀はがきの発行枚数や配達枚数がチェックされました.
ü 元旦は映画「ボーン・スプレマシー」,「ボーン・アルティメイタム」,夜には「相棒」を観ました.NSAにより世界中の電話やメールが盗聴されていること,また,広く読まれたナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』が伝えるように,テロリストの精神を破壊する研究を米軍がカナダで行っていたこと,ブッシュ政権がアメリカ国外の基地でテロ容疑者から情報を得るために拷問を繰り返していたこと,など,日常に及ぶ戦争行為の凍りつくような事実を知ったうえで,これらの映画を観るのは,ちょっと心臓に悪いほど,これは現実にかなり近いのか,という不安を生じます.
ü 歩いて長弓寺に初詣.しかし,天理教の教会本部までランニングする,というのは1か月ほど鍛え直してからにします.私は宗派を問いません.神様というのは,善意や誠意を育てる集団的な条件,あるいは,他者の幸せを喜ぶ心ではないでしょうか? 幼い子どもをほめる母のような.
ü 2日,3日は箱根駅伝です.学生たちの力走に,三浦しをんの『風が強く吹いている』をまた読みたくなりました.東京と箱根とをつなぐ,駅伝,予選会,シード制などのルールにも魅力があります.株式会社や金融市場のルールを変えたら,もっと人々が参加し,金融危機を抑えることもできるのでは?
ü 2日に少し観た「瑛太が挑む世界最長の大河シリーズ第2集」も面白い内容でした.番組解説には,「“地球上で最も過酷な大地"を行く.」とあります.・・・アフリカ最古の独立国.コーヒー発祥の地.瑛太は少女の水汲みに従います.絶壁を4時間かけて登った洞窟に,エチオピア・キリスト正教の教会があります.こうした洞窟教会を100以上も作っている,ということです.厳しい生活,病気や死.密教的な祈祷と衣装.おそらく,戦乱・殺戮や離散,奴隷の歴史.これらが畏怖と救済の神様を生む土壌です.
ü 3日,自分でも9.7キロをゆっくり走りました.なぜ関西でも,春の六甲駅伝とか,秋の琵琶湖周回駅伝がないのでしょうか? 自転車で知床から桜島・沖縄まで,ツール・ド・ジャポン2800キロを開催してほしいです.「強靭国家」より,よほど元気が出るでしょう.
ü あべのハルカスを建設した近鉄グループの「いてまえ精神」に感服しました.金融危機後の世界では,投資機会の不足,アニマル・スピリッツの必要,がしばしば議論されています.都市再開発,住宅建設,新興産業,・・・ハルカスはぜひ成功してほしいです.
ü トム・ロブ・スミス『チャイルド44』を読み始めました.凄惨なディストピア小説です.・・・戦争で国家に食糧をすべて奪われ,夫を失い,教会の鐘も奪われた.村中が飢え,死に瀕している.オクサーナの10歳の息子が,ネコを見つけた,と知らせます.猫を狩りに行った兄弟を待つ彼女の元に,弟だけが返ってきます.そして,弟の話を聴いて,オクサーナは教えます.「おまえの兄さんはもう死んでしまった.今頃はもう,誰かに食べられている.」・・・「神様,お願いです.息子を返してください.」
2014年が1914年と少しでも似ているなら,新年を祝うより,恐れることが多いはずです.靖国神社参拝,毛沢東生誕祭,新防衛大綱,米中の艦艇が東シナ海で異常接近,グローバリゼーションもユーロも楽観ではなく悲観を広めます.
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