前半から続く)


l  中国の防空識別圏設定

NYT November 23, 2013

China Claims Air Rights Over Disputed Islands

By CHRIS BUCKLEY

FP November 24, 2013

China's Beef with Japan is Also a Warning to the U.S.

Posted By Gordon Lubold, Dan Lamothe

FT November 25, 2013

An irresponsible game in the Pacific

中国は,防空識別圏の設定という形で,尖閣諸島・釣魚島に対する圧力をさらに強めた.日本が警戒のために哨戒機を飛ばせば,中国は「防衛的な非常措置」を取るかもしれない.さらに,アメリカは日本の防衛に関与する約束がある.

この島は100年以上も日本が管理してきた.その後,1945-72年は,アメリカが沖縄とともに管理した.中国の主張は無謀である.

中国にとっては,この島が潜水艦や海軍の通行を妨げている.沿岸の安全保障に必要だろう.また,歴史的な恨みがある.

もし中国が主権を主張したいなら,国際的な調停に持ち込むことができる.双方が現状を維持して将来世代に解決をゆだねることもできる.そして,その間,資源は共同開発することだ.

しかし,中国は日米関係を破壊するためにこの問題を利用しているのだろう.無責任はゲームだ.

NYT November 25, 2013

Japan Answers China’s Warnings Over Islands’ Airspace

By MARTIN FACKLER

NYT November 25, 2013

China’s Coercive Play

By THE EDITORIAL BOARD

中国からの一方的なパワーの提示に対して,東京もワシントンも憤慨した.同様に領土紛争を抱える東シナ海,南シナ海にも影響する.

しかし,安倍の過剰な表現で推進されるナショナリスティックな政策も事態を悪化させている.オバマ政権は,安倍が中国との緊張を高める極端なリスクを犯すのを許さない形で,日本の利益を守らねばならない.また,中国が慎重な,抑制された行動で,中日間の衝突を回避する道を見出すよう促したい.

中国の行動は,先のオバマ・習会談で示された「新しいタイプの大国間関係」というものに疑念を抱かせる.

Global Times | 2013-11-25

US containment frays China's nerves

By Zhou Jinghao             

WP November 26, 2013

China must rescind its air zone over disputed islands

By Editorial Board

一方的な防空識別圏の設定とルールの強制は,それに従わない航空機への軍事攻撃をも意味する深刻な主張である.アメリカも日本も直ちに抗議し,中国政府に取り下げを求めた.

数年前,中国の指導者たちは“China’s peaceful rise”を約束した.軍事力に頼らない,新しい大国を目指すのだ,と.

もし中国が防空識別圏の必要を感じるなら,日本や近隣諸国と飛行情報を共有する領域を設けるべきだろう.

FP NOVEMBER 26, 2013

Imitation Is the Securest Form of Flattery

BY ISAAC STONE FISH

2013-11-26 (China Daily)

Japan and US overreacting

日本とアメリカのヒステリーは,不要であり,危険である.彼らは中国の戦略的意図を誤解している.

日本とアメリカを含む数十の国が防空識別圏(ADIZ)を設定している.これはアメリカが始めたのであり,その防衛的な性格をよく知っているはずだ.

世界で唯一の超大国であり,匹敵するものの無い軍事力を持つアメリカがADIZを必要とするなら,中国がADIZを設定することは当然であろう.「国際的な共通の慣行」を超える要求はしていない.

日本とアメリカが中国の「一方的な」現状の変更を非難するのも間違いだ.アメリカも日本も,自分たちがADIZを設定する際に他国に相談したことはない.中国が防衛に関して日本とアメリカに何を同意してもらう必要があるのか?

現状を変えた,と非難するなら,日本とアメリカは何を現状と呼ぶのか? 彼らが一方的に設定したADIZsによって,「国有化」される前の現状は奪われたのだ.

The Guardian, Wednesday 27 November 2013

Japan and China: collision course

Editorial

これはまるで第1次世界大戦前か第2次世界大戦前のヨーロッパではないか? 中国と日本との間で島の領有をめぐる紛争がエスカレートしている.

中国は特定の国を目標に設定したのではない,と言うが,日本政府はそう考えていない.中国は,日本政府が島を国有化したから状況が変わった,と言う.日本政府は,ナショナリストがこの島で国旗を振ることを止めたかったのだ.

この島は,日本でも,中国でもなく,台湾にもっとも近い.台湾は日本との関係が良好で,領有権を避けて海洋資源の利用を合意している.中国と日本も,ナショナリズムを加熱せずに,実際的な解決策を話し合うべきだ.

FT November 27, 2013

Biden to raise China’s ‘unsettling behaviour’ in visit

By Geoff Dyer in Washington, Ben McLannahan in Tokyo and Tom Mitchell in Beijing

FT November 27, 2013

China may have overplayed its hand on the islands

By David Pilling

中国の攻撃的な行動は,中国とのバランスを取る国として日本への期待がアジア諸国の間に強まる結果になる.フィリピンでも,中国や韓国と同様に,かつて日本軍は民間人を殺害し,レイプしたが,それでも外務大臣は日本の軍備増強を支持すると明言した.

安倍首相はASEAN10か国を訪問した.また日本企業の進出も支援している.中国の行動は,むしろ,国内で平和主義の憲法を改正するナショナリスティックな環境を準備するだろう.

FT November 27, 2013

Beijing plays a longer game with its air defence zone grab

By Jamil Anderlini in Beijing

アメリカのB52が中国の防空識別圏を無視して飛行した.

しかし,中国の戦略家たちは確実に長期的なデザインを描いている.中国国民は国営メディアを通じて,中国が抑制された対応をしていると感じている.日本が島の長期管理を根拠にするのであれば,中国は同じように長期管理を目指すだろう.

中国は近隣諸国に中国の要求を認めさせることができる.各国の航空会社は,毎年あふれる中国からの海外旅行者を獲得するために競い合っているからだ.その影響力は台湾を見ればわかる.台湾と外交関係を持つ国は,中国からの圧力で急速に減少した.

中国の指導者たちは時代が中国に有利な流れであることを知っている.国内で破滅的な失敗を犯すとか,日本やアメリカと戦争するようなことがない限り,中国の外交に従って世界は変わる.しかし,ここに危険がある.

中国には賢明な戦略を駆使する者がいるけれど,第1次世界大戦前のヨーロッパの歴史から正しい教訓を学んでいない.賢明なやり方であっても,近隣諸国と敵対し,恐れさせることは,破局の始まりでしかない.

NYT November 27, 2013

Airspace Claim Forces Obama to Flesh Out His China Strategy

By MARK LANDLER

イランの核問題に関する外交的な努力が注目を集めた週末.もう一つの地政学的な危機が火を噴いた.日本と中国の間にある小さな岩礁だ.

アメリカは対応を迫られている.バイデン副大統領はアジア各国を訪問する予定だ.しかし,冷静な解決策を求めるとき,紛争のナショナリスティックな過熱を軽視しているかもしれない.

NYT November 27, 2013

After Challenges, China Appears to Backpedal on Air Zone

By JANE PERLEZ

NYT November 27, 2013

China’s Move Puts Airspace in Spotlight

By RICK GLADSTONE and MATTHEW L. WALD

Global Times | 2013-11-27

Credibility crisis to haunt Obama’s Asia policy

By Clifford A. Kiracofe

2013-11-28 (China Daily)

US fuels belligerent Abe

FT November 28, 2013

China has thrown down a gauntlet to America

By Philip Stephens

北京は,尖閣周辺の空をアメリカのアジア政策を判定するリトマス試験紙とみているのだ.ワシントンは,中国の拡大主義を抑える現状維持に動くかどうか,問われている.おそらく,中東での後退を責められているオバマ大統領が,尖閣でも後退することは許されないだろう.

中国の外交エリートたちは,台頭するドイツが犯した失敗,近隣諸国がドイツに反対する同盟を形成したこと,を繰り返さない,と言う.しかし,歴史は繰り返すものだ.

Project Syndicate NOV 28, 2013

Creeping China

BRAHMA CHELLANEY

中国はインドとの間にもヒマラヤの境界線で長い間紛争地域を抱えている.近隣諸国と領土紛争を同時に起こす中国の意図を理解しかねる者もいるが,これは現状維持を拒み,徐々に地域の覇権を得ていく中国の戦略である.

中国のZhang Zhaozhong将軍は「キャベツ戦略」と呼んだ.対抗する国のアクセスを否定する安全保障を何層にも,徐々に,確立する戦略だ.さまざまな瀬戸際戦略を用いて,中国の望む条件を押し付ける.領土紛争を起こし,侵犯を繰り返し,軍事拠点を設け,圧力をかける.

YaleGlobal, 28 November 2013

Will a Rising China Be a Responsible China?

Frank Ching

BLOOMBERG Nov 28, 2013

Xi Jinping Overreaches in the East China Sea

By William Pesek

改革派として三中全会を終えた習近平が,反対派を抑え込み,環境汚染,所得格差,政治腐敗に憤慨する国民の関心をそらすため,日本と敵対する姿勢を強めているのかもしれない.

中国は,平和的なグローバル化を望み,戦争は自分たちのDNAにない,と言う.他国に内政には相互に敬意を払い,中国文化を広める,と言う.素晴らしい.しかし,最近の行動はそうではない.

Global Times | 2013-11-28

B-52’s defiance no reason for nervousness

By Global Times


l  アメリカの社会保障改革

NYT November 24, 2013

California, Here We Come?

By PAUL KRUGMAN

FT November 25, 2013

Affordable Care Act: In need of resuscitation

By Stephanie Kirchgaessner


l  ヨーロッパの政治経済

theguardian.com, Monday 25 November 2013

From Quebec to Spain, anti-protest laws are threatening true democracy

Richard Seymour

ヨーロッパ各地で民主主義を求める大衆を,政府の暴動鎮圧部隊が弾圧している.ネオリベラル緊縮体制と大衆民主主義との関係を理解する必要がある.

これまで,ネオリベラルの権力は,人種差別主義者,権威主義的な大衆弾圧と連携して登場した.ギリシャの政治社会学者,Nicos Poulantzasは,新しい「権威主義的国家体制」にとって「法・警察ネットワークの展開」は不可欠の要素である,と述べた.Stuart Hallは数年前に,サッチャー派のネオリベラリズムを,「この体制の下で,市場は自由になり,人々が統制・調教される」と書いた.

ネオリベラリズムの国家は,古典的なリベラリズムの問題に対応したものだ.特殊利益集団に取り込まれた国家は,最終的に,「統治不能の危機」に陥る.サッチャーが,国家の主要な目的は秩序を維持することだ,と述べたように,彼らは「法と秩序」を再強化して権威を再建した.

抗議デモやストライキを制限する法律が増え,中央集権化され,軍事化された警察機構が整備され,刑務所の建設ブームがすべてサッチャーの時代に起きた.有権者との関係は弱まり,ビジネス・エリートたちが支配的になった.

theguardian.com, Monday 25 November 2013

Technology didn't kill middle class jobs, public policy did

Dean Baker

多くの人は,特に富裕層は,技術変化によって所得格差が生じた,という話を信じている.しかし,データはそれを支持しない.

技術変化のせいで中産階級の職場が失われ,新しい高度な知識や技能を彼らが習得しなかったから所得が減ったのだ,というのでは,所得格差は受け入れるしかなく,人々に教育と再訓練の機会を増やすことしか対策はない,と政府は主張するだろう.しかし,所得格差の拡大は政策の変化に対応している.

富裕層への課税,企業の報酬体系,貿易・通商政策,労働組合の組織率,などが所得格差を決めたのだ.

Project Syndicate NOV 26, 2013

Empowering Europe’s Roma

GEORGE SOROS

NYT November 26, 2013

Beyond Lecturing Berlin

By KARL-THEODOR zu GUTTENBERG

NYT November 27, 2013

Euro Marriage in Peril

By NOURIEL ROUBINI

ユーロ圏は中身のない結婚であった.指輪だけで,夫婦の行動は変わらなかった.

ユーロ・コインが流通し始めた2002年に戻れば,ユーロ圏は若く,ドイツを中心としたコアと,周辺諸国との幸せな結婚であった.ヨーロッパも世界も成長しており,相違は解消されると楽観していた.自国の通貨や金融政策がなくても,周辺は構造改革を進めて成長し,競争力が改善し,EU全体の生産性や所得水準を高める,と.

しかし,貯蓄過剰と支出過剰の2人が銀行口座を共有し,同じクレジット・カードを使うのは間違いだった.GDP3%以下に財政赤字を抑えるというルールは守られず,構造改革も進まなかった.成長,生産性,競争力は収斂せず,住宅バブルや金融・財政政策の放漫さを加速した国もあった.

歴史的に見て,成功した通貨同盟は通貨を共有しただけでなく,銀行同盟(預金保険と銀行再編),財政同盟(財政移転と財源・支出のプール).経済同盟(単一市場),政治同盟(経済・財政の運営)をともなった.ユーロ圏にはユーロしかなく,危機を経て銀行同盟が議論されているが,ドイツは周辺諸国の緊縮と構造改革を信用できない.

完全な同盟化を目指さないなら,多くの国はギリシャと同じ財政危機を生じ,競争力を得るためにユーロを離脱して自国通貨を増発し,切り下げるだろう.それはドミノ倒しを生じて,ユーロ圏を崩壊させる.債券はデフォルトになり,単一市場も失われ,EUがそれに続くかもしれない.


l  NAFTAとは何だったのか?

NYT NOVEMBER 25, 2013

What We’ve Learned From Nafta

誕生20周年で,NAFTAの評価が議論されている.

賃金は下がった(Dean Baker).アメリカの貿易収支は,1993年わずかに黒字であったが,2013年には500億ドルの赤字である.それは40万人以上(彼らの支出に関連して失った職を含めれば60万人)の雇用を失ったことを意味する.低価格の利益は低賃金の損失を埋めていない.

大規模経済の利益を得た.・・・規制緩和に成功した.

メキシコの成長でアメリカも利益を得た.・・・メキシコは苦しみ,アメリカもその影響を受けた.

ロス・ペローは間違っていた(Gary Hufbauer).1994-2000年に,アメリカは200万人の雇用を生んだ.単純な重商主義は間違いだ.NAFTAは貿易量を増やした.貿易赤字や黒字の説明にはならない.不均衡を説明するのはマクロ経済の変化である.アメリカには多くの良い職場と低コストをもたらした.NAFTAは加盟国すべての生活水準を改善するために合意された.それがTPPなど,現在のアメリカ通商政策のモデルである.


l  オリンピックの幻想

NYT November 25, 2013

A Divided Rio de Janeiro, Overreaching for the World

By MICHAEL KIMMELMAN

FT November 26, 2013

The Olympic optimism bias has left the taxpayer out of pocket

By JohnKay


l  スコットランド独立

FT November 26, 2013

Independence is the right economic choice for Scotland

By John Swinney

The Guardian, Wednesday 27 November 2013

Labour must answer the SNP with more than a slogan

Martin Kettle

FT November 27, 2013

Scotland: Breaking the bonds

By Mure Dickie


l  金融政策の可能性

VOX 26 November 2013

The impossible trinity, yet again

Stephen Grenville

VOX 27 November 2013

Monetary policy will never be the same

Olivier Blanchard


l  土地の収奪

SPIEGEL ONLINE 11/27/2013

Land Grab

Foreign Firms Drive Cambodians from Farms

By Andreas Lorenz

毎年,何千人も,カンボジアの農民が企業に土地を奪われている.政府もそれを助けている.

2006519日,カンボジアの村,Choukで,突然現れたブルドーザーが農民たちの水田をつぶした.タイの企業Khon Kaen Sugar Industry PCLが新しい土地所有者になったからだ.警察官は土地を有刺鉄線で囲い,農民を追い出して発砲したため負傷者が出た.農民たちは極貧状態になって,3度の食事を欠き,若者たちはタイやマレーシアへ出稼ぎに行った.

クメールルージュが支配した1973-75年にすべての土地所有が否定され,その後,所有権があいまいになった.ドイツはカンボジアの土地登記システムを支援したが,それは収奪を助ける仕組みになっている.


l  中国の影響力

Project Syndicate NOV 27, 2013

Bringing the Chinese Consumer to Life

STEPHEN S. ROACH

NYT November 27, 2013

China’s Limited Influence

By IAN BREMMER

多くの人は中国の台頭とグローバル・プレーヤーとしての重要さを不可避のことと思っている.中国が第1の貿易相手国になった国は124か国に及び,アメリカの76か国を大きく超えている.しかし,中国の経済的影響が増大したにもかかわらず,その他国に及ぼす影響力は小さい.

ある国が経済や安全保障に関して依存を強め,他国によって政策決定を支配されるほどになってしまうことを「捕獲(捕虜・捕囚)capture」状態と呼ぶ.

中国の場合,北朝鮮,カンボジア,ラオス,がそうである.しかし,影響力を行使できることが中国の緊急時のパワーに役立つ国ではない.パキスタンやミャンマーに対しては政策への支配を控え,あるいは,失っている.

中国は一部の国に経済的影響力(Sudan, Angola and the Democratic Republic of Congo)や政治的な勢力(Iran, Syria and Venezuela)を保持しているが,その国内の腐敗や対米関係の悪化で,中国にとって役立つ諸国ではない.

ロシアは石油・天然ガスの大口購入者である中国を重視するはずだ.しかし,ソ連以来,両国関係は競合しており,特に,シベリアへの中国人の進出を恐れている.

ドイツ,ブラジル,サウジアラビア,インドネシアは,中国がその影響を強める戦略の対象になるだろう.しかし,彼らも中国だけに依存することを警戒している.タイやベトナムのような新興諸国でも,中国の影響を抑えるために,アメリカがアジアに関与し続けることを望むのだ.


l  ラトビア首相辞任

NYT November 27, 2013

Latvian Premier Resigns Over Collapse of Building

By DAVID M. HERSZENHORN


l  エネルギーの将来を考える

NYT November 27, 2013

Power in 2030: The Roads We May Take

By DANIEL YERGIN

原子力エネルギーのルネサンスが期待されたときもあったが,福島原発の事故があった.アメリカの石油輸入量が増大すると予想されていたが,シェール・ガス革命が起きた.エネルギーの将来を予想することは難しい.

3つのシナリオを示すことで,将来の変化がどのような条件で起きるか判断する材料になる.1Global Redesign エネルギー革命によりアメリカと世界の経済は成長する.ヨーロッパや中国からも,エネルギー・コストの低いアメリカに工場が移転される.2the Age of Renewables and Electric Transportation 気候変動の惨事が続いて,主要国政府の政策が転換する.再生可能エネルギー,電気自動車,エネルギー効率を大幅に改善する建物と都市が普及する.3The Turbulent Times of Vortex世界経済の変調によって,中国の不動産バブルも破裂し,減速した経済過程に石炭の利用が再び増大する.


l  世界最大の生協に破産問題

FT November 28, 2013

Co-operative Group: Mutual maelstrom

By Sharlene Goff and Andrew Bounds

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The Economist November 16th 2013

Europe’s economic rules: Brussels v. Berlin

Prostitution in Germany: A giant Teutonic brothel

(コメント) 中国の改革方針も,フィリピンの台風後も,安倍政権や福島の記事も,バンコクのデモ,中東,NATO,フラッキング,などの記事もあります.

ここに挙げたのはドイツとEUに関する記事です.経常収支不均衡に関するEU内の政策監視や勧告へのメカニズムは,なかなか実効性をともないません.ドイツとスウェーデンの売春に対する取り締まりや売春労働者への社会保障,年金,など,進歩的な政策に関して,国家に対する姿勢の違いを反映した見直しが議論されています.

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IPEの想像力 12/2/13

これらは,オバマのミュンヘン会談,習近平のキューバ危機,かもしれません.

国境線をめぐって,ドイツは再統一の際にポーランドやロシアとの領土紛争を刺激しないように注意したと思います.しかし,中国やロシアは違います.近隣諸国の政治体制に影響を及ぼし,国境線を変更します.なぜでしょうか?

通貨が仮想的な社会的シンボルであるように,国境や統治の単位・システムも仮想的な社会的メカニズムです.人間のDNAにも,地球工学や地質学にも,その土地が民主主義を必要とするとか,どの国家に帰属するか,判定する性質は発見できません.通貨は人々が「貨幣」として受け取る限り存在し,国境や国家は人々がそれを「正当」とみなす限り存在します.

国境線はますます重要でなくなるという趨勢を受けて,参加と競争に関する合意を共有する空間が広がります.しかし同時に,国境線が国家・政治体制の違いと軋轢を表現する時代の刻印であり,政治的秩序と安定性の保証が衝突する空間も,大国によって再生されています.

中東外交と東欧外交,東アジア外交.どれについても,その成功と失敗が世界の形を変える重大な可能性を持っています.イランとの暫定合意によって中東の繁栄が平和への流れを生み,ウクライナとEUの合意失敗が東欧圏の不安定化と,ロシア,EUの経済危機を強め,中国による防空識別圏が東アジアにおける軍事衝突と軍備拡大,核拡散に至るなら,30年後,2013年を1979年や1989年のような転機とみる歴史が書かれます.

尖閣諸島や竹島,北方領土の問題を単純化し,即断してはならないでしょう.日本の外交は,合意のための条件を詳しく分析し,丁寧に解決への途を発見してください.

l  もしイデオロギー的な意味付けがなく,戦略上の重要な位置にもなければ,実質的に管理・支配することで,優れた統治を競ってはどうでしょうか.

l  住民がいなければ,首都や海岸・境界からの距離に応じて帰属させる.

l  双方の認められた境界から同じくらい遠く離れた島には,主権を認めず,中立化するとともに,その資源を共同で管理する.

l  住民がいて,その政治意識の高ければ,東ドイツやスコットランドのように,沖縄やチベットも,住民投票で独立と帰属を決めてはどうでしょうか.

大国と周辺諸国との関係は,国内秩序の安定化やイデオロギーと結びついています.中国と日本が,異なる政治イデオロギーを強調することで,国内の秩序を正当化する程度は,領土紛争の平和的な解決能力と反比例します.

大陸国家に比べて,島々の繁栄は資源と交易に拠るでしょう.海洋資源だけでなく,海底の地下資源開発が進めば,新しい領土問題が起きます.あるいは,民間航空機や海外旅行者が増え,北極海の氷が溶け,宇宙の情報通信・軍事利用が増え,さらに民間輸送や旅行が可能になれば,同様に,境界問題が現れます.

中国は,国民党政府を内戦で倒した革命政権として,第2次世界大戦後の国際秩序に合意していない,という自意識を持っていると思います.中国政府と国民の自尊心は理解できるでしょう.

中国の長期に及んだ国際社会からの孤立が終わり,開放政策に転換したことで,新しい合意を確立しなければならない状況になりました.しかも,急速な経済成長と世界貿易・市場に占める重要性,軍隊の近代化,などは,文明としての復興や,恥辱の歴史に対する反発を欧米の秩序に,特に,日本の侵略戦争に対して持つでしょう.

平和的に解決したい,という意思を表明し,相互の政治目標と国際システムを尊重することです.

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大国の指導者たちを集めて,魔法をかけ,小さな島に生まれ育った首長である,と信じ込ませます.

安全保障と島民の生活改善に何を目指すか? さらに100年後,どの国が大国化と国境線の変更を唱え,どの国が新しい交易路に応じて繁栄を享受しているか? いくつかのシナリオを描いて,彼らが国際機関に改善策を提言します.

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