(前半から続く)
l 中国はどうする?
BLOOMBERG Sep 12, 2013
Where
500 Retweets Can Win You 3 Years in Prison
By William Pesek
中国の指導部は,経済改革だけでなく,インターネット上の発言を取り締まるのも熱心である.オーウェルの『1984年』に似てきた.
Project Syndicate 17 September 2013
Silver
Linings for a Golden Age
Kishore Mahbubani
世界の平和や繁栄は低下するのか? ある地域は啓蒙と進歩が訪れ,他の地域には先祖返りと停滞が起きている.そこで3つの問題に分けて考える.
1.アメリカは,道徳的な指導力の源という地位を回復するか? 第2次世界大戦の最期に発揮し始めたその指導力は,2001年の9・11で失われた.
オバマはこの問題を,イスタンブールやカイロの演説で,また2007年,大統領選挙でも指摘した.しかし,国民や議会はオバマの決定を拒んでいる.グアンタナモの閉鎖は阻止され,市民への諜報活動が暴露された.
2.中国は,経済の活動力を回復するか? 欧米が停滞するとき,短期的には,これは難しい.特に,輸出・投資主導の成長は続かない.政府は,資源の浪費や過剰生産力,地方政府の債務問題を認めている.
現在の指導部President Xi Jinping and Premier Li Keqiangは,かつての改革派指導部Deng Xiaoping and Zhu Rongji.の遺産を復活できるか? 既得権を克服して,構造的な改革,政策転換を推進できるか? 政府はGDPの成長率が一時的に下がるとしても,改革を実行するだろう.
3.ヨーロッパと日本は「アニマル・スピリッツ」を回復するか? ユーロ危機は長期的な見通しを書き,アベノミクスも構造改革に消極的だ.
幸い,アメリカと中国の経済は活気ある社会によって支えられている.アジアの他の諸国でも若者は楽観的だ.今後,アジアの増大する中産階級が爆発的な成長を担うだろう.アフリカの人口増加もそうだ.
シリア,エジプト,ソマリア,アフガニスタンで深刻な課題が残されているとしても,食糧安全保障や気候変動がグローバルな課題であるとしても,将来には希望が持てる.われわれは人類史の新しい黄金時代に入るのだ.
FP SEPTEMBER 17, 2013
The
Drone War Comes to Asia
BY SHAWN BRIMLEY, BEN FITZGERALD, ELY RATNER
FT September 18, 2013
Beijing’s
internet crackdown may be hard to sustain
By David Pilling
政府はインターネット界のセレブ達,“Big Vs”を取り締まっている.インターネットの利用者が爆発的に増大し,政府の管理が難しくなってきたからだ.インターネット界の言論は無法の西部になっている.噂や情報が飛び交い,小さな地方のニュースが全国的な抗議運動になる.それは緩やかな市民社会の誕生である.しかし,彼らの発言は政府の利益に一致しないときがある.
この取り締まりは持続するだろうか? それは難しいだろう.取り締まりは,社会的な不満を吐き出す機会を奪い,政府の進める選択的な自由化の措置とも矛盾する.
FT September 18, 2013
Let
money leave China to ease Fed ‘taper’ pressure
By Charles Dumas
中国は,国内だけでなく,世界にまで影響するような政策転換に向かうだろう.
アメリカのQEが終結することを予想した資本移動が新興市場を襲っており,それは中国でも深刻である.かつて,1990年代の後半に,中国はアジア通貨危機を免れた.それは1994年に大幅な切り下げをしていたからだ.しかし,今回は違う.アメリカの政策変更は中国に最も強く影響するだろう.労働コストから見て,中国の為替レートは3分の1も過大評価されている.
中国の卸売物価のデフレと金利上昇で,企業は賃金を下げようとするだろう.同時に,過剰な投資の弊害から,投資も抑制されていく.その結果,中国経済は厳しい縮小に向かう懸念がある.指導部は,旧来の刺激策を繰り返すのか,それとも,新しい政策として,以前から約束していた資本勘定の自由化を実行するかもしれない.
民間部門の貯蓄が外国の土地や資産に向かって流出する.それは為替レートの減価を促し,過剰投資の急激な削減を緩和する.また,中国の目指す人民元の国際化にもプラスである.問題は,銀行の預金が流出することだ.政府は銀行を整理し,資本を強化しなければならない.それを負担するなら,金融自由化の利益が供給面にある.
世界市場は,この中国の転換によって重大な変化を生じるだろう.中国の貯蓄はアメリカの2倍,4.5兆ドルもある.大規模な投資がアメリカなど,世界の不動産・資産市場に向かい,他方,外貨準備として保有されていたアメリカ財務省証券は売られる.その構造調整の衝撃は,アメリカ連銀のQE終結を超える.
WSJ September 18, 2013
China's
Phony War on Corruption
l 日本の困難
FT September 13, 2013
Nuclear
freeze chills Japan’s cash-strapped utilities
By Ben McLannahan in Tokyo
2011年の福島原発事故によって,エネルギー供給の約30%を占めた日本の原発が停止し,火力発電と高価な天然ガスの輸入が急増した.9つの電力会社の損失額は3カ月間で1710億円に達し,2年間では2.4兆円になると予測される.
今,エネルギー価格の高騰でデフレ脱出がとん挫することを政府は恐れている.より長期的には,原発の完全な廃棄が,世界第3の規模である日本経済の競争力を失わせるだろう.そこで,アメリカのシェールガス革命で安価になった天然ガスの輸入を求めている.
BLOOMBERG Sep 16, 2013
Japanese
Ask, What’s Wrong With a Little Deflation?
By William Pesek
現在の黒田日銀総裁はデフレ脱出に努めている.しかし,もし前任者の白川総裁が正しいとしたら,日本はどうなるか?
かつて白川は,なぜもっと金融緩和しないのか? という問に,日本は高齢化しているから,物価の上昇は高齢者の固定所得(の購買力)を減らす,と答えた.政治家はこれを,言い逃れだ,と非難した.安倍もそうだ.
しかし,IMFの新しい研究でも,高齢化によって金融政策は効果を失う,と主張している.金融緩和が働くのは,それが長期の期待や現在の行動を変えるからだ.しかし,住宅の購入や投資を考えるのは若者である.日本は人口の4人に1人が65歳以上である.これは2060年までに40%になる.
多くの日本人は「良いデフレ」を経験している.藻谷Kosuke Motaniによれば,高齢者はインフレよりデフレを好み,政治家は,デフレを日本経済の停滞の一つの兆候であると考えず,原因だと誤解している.金融緩和でデフレを解消できる,と思うのは,貨幣数量説の盲信であり,カルトである.政府(そして高齢者)はデフレのおかげで苦しい改革を避け,膨大な債務を,わずかなコストで累積し続けている.
安倍首相は,大幅な金融緩和という簡単な改革にだけ成功した.これは最初,誰も苦しまない.しかし,本当にデフレが終わり,インフレが起きると,人々はコストの上昇に,政府は債務の負担に苦しみ始める.改革への政治的反発が生じるだろう.
WSJ September 18, 2013
Zen
Abe-ism Relax
By JOSEPH STERNBERG CONNECT
FP SEPTEMBER 19, 2013
Spy
Drones, Disputed Islands, and Diplomatic Firestorms
BY ISAAC STONE FISH
(小野寺防衛長官へのインタビュー) 日本は,尖閣諸島の防衛にドローンを使用するのか? シリアへの軍事介入を,日本はどう考えるか? アメリカの関心がアジアから離れる,と思わないか? Snowdenが暴露したアメリカによる諜報活動を,日本政府はどう考えるか? 北朝鮮の金正恩体制をどう見るか? 安倍による憲法改正は日中関係を悪化させるのではないか?
l 資本主義と農業労働者
The Guardian, Friday 13 September 2013
Why
fruit is picked by migrant workers
Richard Seymour
l リーマン・ショック後の金融改革
Project Syndicate 13 September 2013
Did
Capitalism Fail?
Roman Frydman, Michael D. Goldberg
Project Syndicate 13 September 2013
Five
Years of Financial Non-Reform
Anat Admati
VOX 14 September 2013
The
mother of all sudden stops: Capital flows and reversals in Europe, 1919-1932
Olivier Accominotti, Barry Eichengreen
2001年から2008年まで,ヨーロッパの半分に,他の半分とその他の世界から膨大な資本が流入した.2009年,その流れが止まって,資本が逆転し,危機が起きた.1924年から1928年も,同様に,ヨーロッパの半分は資本流入を経験した.そして1929年に,危機が起きた.
それは統計によって示すことができる.経常収支の差額からネットの資本移動を推定するのではなく,6つの主要な金融センター(New York, London, Paris, Amsterdam, Stockholm and Zurich)で発行された民間長期債券の額を集計した.その結果は,民間資本移動の増大と突然の停止を示している.ただし,1930年にはヤング案のおかげで資本流入が復活し,1931年に再び低下した.また,金融センターでも,パリやストックホルムでは債券発行が増大していた.
経常収支の赤字諸国を比べると(1929年危機のAustria, Germany and Hungary,2008年危機のGreece, Ireland, Italy, Spain and Portugal),2008年の方が経常収支の調整幅が小さく,デフレの圧力が緩和されている.それは,政府間や国際機関を通じた国際協調融資が大きかったからだ.ユーロ圏は,突然の資本流入停止に対して,効果的な保険システムを提供した.対照的に,1929年の中欧諸国は,個別の保険(外貨準備)に頼るしかなく,大幅な経常収支赤字の削減とデフレを強いられた.
国際資本移動の変化を説明するのは,各国の政策や経済状況ではなく,グローバルな要因,すなわち,債券発行市場(長期金利,株式市場の浮動性)と投資家のパーセプション(リスク認識)である.かつてハリスやヌルクセの古典的研究は,国際資本移動は経済的・金融的な均衡を不安定化する,という強い疑念を示した.グローバル・ファクターを与件として扱うのは間違いだ.
FT September 17, 2013
We
still live in Lehman’s shadow
By Martin Wolf
リーマン・ショックから5年が経つ.サマーズLawrence Summersが連銀議長候補から退場したのは,民主党員たちが金融自由化に責任あると考えているからだ.
しかし,リーマン・ショックが金融危機を起こしたのではない.債務の膨張に依存したバランスシートが危機を生んだ.もちろん,リーマン・ショックによる金利や株価の変動は重大な影響を及ぼした.今も景気回復に苦しんでいる.
その後の問題は,要するに,主要諸国の財務長官と中央銀行総裁が集まって,グローバル金融システムを政府の監督保護下に置いたのだ(病棟に入った).同時に,国民は途方もない高級で暮らす,コントロールを失った公務員たち,を見た.
政府と中央銀行は,パニックを救済したが,景気を回復できていない.債務に依拠した需要の増大と,彼らへの輸出で維持された世界景気は,その後も金融緩和に大きく依存している.それは他の選択肢がもっと悪いから,リーマン・ショック以前に似た,金融緩和を続けているのだ.
債務による成長をもたらした原因は,バーナンキが2005年に述べた「グローバルな貯蓄過剰」であった.特にアジア危機の後,発展途上諸国は過剰貯蓄を続け,世界的な低金利と経常収支不均衡が起きた.アメリカ連銀などは,このデフレ圧力を回避するために,国内のバブル経済をもたらす金融緩和を強めたのだ.それはグローバルな過剰生産力も実現し,その後のデフレを長引かせている.
金融緩和に頼る以外にないのか? 他の選択肢はない,と信じるイエレンJanet Yellenが連銀候補に残った.
Project Syndicate 17 September 2013
The
Wisdom of Crisis Prevention
Mehmet Şimşek
金融危機を防止することは,それが発生してから影響を抑えるよりもはるかに優れている.各国は効果的な政策協調だけでなく,マクロ・プルーデンシャルなガバナンスの改善にも国内.国際レベルで取り組むべきだ.
トルコは,銀行部門を規制・監督するガバナンスを欠いていたが,2001年の金融危機の後,これを改革した.銀行救済にGDPの25%も費やした.
バーゼル協定Ⅲによる反循環的な資本規制,金融部門に的確な政策を決定する機関,経済全般の安定性を監視する機関,インフレ目標,モーゲージの規制や,外貨による借入の規制,非金融企業による過度の借り入れを罰し,長期の貯蓄を促す税制,が実現している.
それでも,主要先進諸国の量的緩和は資本流入と不安定化を,トルコなど,新興経済にもたらしている.滝には,為替レートの浮動性を抑え,長期には,貯蓄や国際競争力を維持する,マクロ・プルーデンシャルの枠組みが,GDPの6%に達する対外赤字を生じているトルコにとって,重要だ.
FT September 18, 2013
There
is still much to learn from Lehman
Joseph Stiglitz
我々は最悪のケースを回避した.世界恐慌だ.
しかし,金融部門はより集中し,より競争力を失っている.金融部門は,より透明で,リスクの少ない,ふつうの市民を騙すことが無いような方針で改革することを拒んできた.
莫大な救済資金は今や返済されたのだから,何も問題はない,という.私は賛成できない.銀行はゼロ金利で資金を得て,もっと高利で融資し,返済した.いかさま勝負である.もっと厳しい条件で融資すれば,財政赤字も減っていたはずだ.多額のボーナスを配るより,経済再建に役立つ融資をさせるべきだった.
アメリカ経済は,もっとサービス部門で雇用を増やす構造転換を必要としている.それは市場の力で容易に実現できない.政府の行動が必要だ.所得分配の不平等も増大している.
しかし,金融危機は間違ったイデオロギーから生じ,今もまだそれによって,政府の行動を制約している.
FT September 19, 2013
West’s
debt explosion is real story behind Fed QE dance
By Gillian Tett
イギリスの金融監督庁元長官であるLord Turnerは,リーマン・ショックから量的緩和にまで続く物語の本当の主役は債務レベルの増大である,と主張する.この状況を変えなければ,西側経済が金融危機から逃れることはできない.
Lord Turnerは,銀行が教科書通りの組織ではなくなった,と述べている.すなわち,貯蓄者から預金を集めて,投資の計画に対して融資を行う.それは成長のための資金需要に応える点で重要だ,と教科書は説く.しかし実際は,イギリスの銀行融資の15%しか投資計画に向かわない.大部分は企業の資産購入,不動産購入,ライフサイクルに従う消費を維持するための個人への融資である.
Project Syndicate 19 September 2013
The
Blurry Frontiers of Economic Policy
Michael Spence
l アジアのグレート・ゲーム
Project Syndicate 13 September 2013
Asia’s
Emerging Community
Fidel V. Ramos
Project Syndicate 17 September 2013
Europe’s
Smart Asian Pivot
Javier Solana
Project Syndicate 19 September 2013
Asia’s
Game Without Frontiers
Jaswant Singh
l 人口の限界
NYT September 13, 2013
Overpopulation
Is Not the Problem
By ERLE C. ELLIS
人間が増えすぎて地球の資源では維持できなくなる.そんな主張を信じてはいけない.
現在の世界人口は約72億人であり,90億人まで増えると予測されている.しかし,先史時代の狩猟技術しかなければ,人類は1億人以上生きることができないだろう.農業が始まって,同じ土地に,人類はもっと増えることができた.それでも上限は30億人だろう.
資源と人口とを固定して比較することは間違いだ.人口が増えれば人間は技術や文明を変化させてきた.その上限を決めることはできない.人々が飢えているのは,現在も,将来も,その環境が理由ではない.
地球の限界とは,想像力と社会システムが決める.
l ドイツの選挙後に
NYT September 14, 2013
A
Campaign in Germany, an Influence Far Beyond It
By ALISON SMALE
FT September 16, 2013
Ignore
the doomsayers: Europe is being fixed
By Wolfgang Schäuble
ヨーロッパの冷静な危機管理は成功している.その成果は表れた.
1990年代に,停滞と失業に苦しむドイツが改革を実行して成功したのは,すべての党派・利益集団が協力して,雇用者と労働組合も協力して,雇用,公共部門,社会保障,消費税に取り組む合意を形成したからだ.財政再建の中でも,教育やR&D投資は優先した.ドイツの競争力は高まり,輸出も雇用も増えたのだ.
ユーロ圏でも同じことを実現しつつある.メディアや研究者,国際機関,政治において多くの批判が出されてきた.しかし,調整には苦痛が伴う.ヨーロッパはセーフティネットを提供している.この3年間で,財政赤字は半減し,労働コストと競争力は調整された.銀行のバランスシートが回復し,経常赤字も消滅しつつある.ユーロ圏の不況は終わるだろう.
2つの教訓を学ぶべきだ.1.構造改革には時間がかかる.2.現在の苦痛は永久に続かない.システムは調整されるのだ.
Project Syndicate 16 September 2013
The
European Consequences of Germany’s Election
Kemal Derviş
BLOOMBERG Sep 17, 2013
Europe’s
Best Hope Is a German Grand Coalition
By Peter Bofinger
9月22日の投票後,メルケルAngela Merkelが首相に再任されるとき,既存のFDP(the Free Democratic Party)との連立が続くなら,ユーロ危機が再現するだろう.
メルケルの危機対策は4つの特徴を示している.1.長期ビジョンを欠く,2.極めて警戒的,3.極端にプラグマティック,4.債務を強く嫌う.その結果,危機の最悪の際まで行かないと対策を示さず,事前の対策を示したのは,唯一,ユーロ圏の公的債務を減らす合意であった.
この姿勢は,周期的に問題が生じても赤字国の構造改革はうまく行く,と前提している.しかし,ECBによるユーロ圏を守るために「何でもする」という約束は維持できないだろう.たとえば,イタリアとスペインも危機になれば,ECBの融資の前に厳しい改革の条件を示され,政府や議会が承認しなければならない.それに失敗する可能性がある.
民間投資家のストライキが起き,これまでの公的な枠組みでは債務を保証できない.これに対してECBが融資することはドイツで憲法に反するという抗議が起きるなら,危機を止められない.銀行危機,財政危機,マクロ経済危機という,3つがなす悪循環で,危機は急速に悪化する.
ECBの約束は時間を与えたが,銀行同盟を合意しただけで,制度の他の欠陥は改革できなかった.GDPの60%を上限としてユーロ債を発行する,という提案も実現しなかった.メルケルがFDPではなく,危機回避のため赤字国の債務削減を約束している社会民主党との大連立を組むなら,ユーロ改革は進むだろう.
FP SEPTEMBER 18, 2013
Angie
the Revolutionary
BY PAUL HOCKENOS
SPIEGEL ONLINE 09/19/2013
Neo-Nazi
Murder
Greeks
Protest Rise of the Far-Right
By Georgios Christidis in Thessaloniki
l ロナルド・コースの訃報
NYT September 14, 2013
Ronald
Coase, a Pragmatic Voice for Government’s Role
By ROBERT H. FRANK
Project Syndicate 18 September 2013
Coase’s
Chinese Legacy
Andrew Sheng, Xiao Geng
l マルクス主義者の訃報
theguardian.com, Tuesday 17 September 2013
How
Marshall Berman reclaimed modernity for Marxists
Owen Hatherley
ブロンクス生まれのマルクス主義者,Marshall Bermanが72歳で亡くなった.彼はブロンクスの再開発で人々の夢や記憶を葬った,近代的な都市開発の思想を批判した.
l オバマはレイムダックだ
FT September 17, 2013
Obama
is beginning to sound like a lame duck
By David Rothkopf
l 無意味のカルト
FP September 18, 2013
Breaking
Ranks in Academia
Posted By Stephen M. Walt
国際情勢に関するアカデミックな研究が実際的な価値のない,ほとんど「無意味のカルト」になっているのはなぜか? それは物理学や化学,生物学の間違ったモデルを基に,「科学」をモデル化するからか? 多くの著名な研究者が論争に参加して批判されることを恐れ,難しい専門用語,抽象的な数学,理解できないポストモダンの隠語に逃げ込むからか?
研究の評価システムが偏っているからだ.
theguardian.com, Thursday 19 September 2013
Biden's
visit to Mexico: what you should know, Joe
John Ackerman
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The Economist September 7th 2013
Where’s the next Lehman?
The origins of the financial crisis:
Crash course
Striking Syria: Fight this war, not the
last one
Central Asia and its Russian dependence:
Remittance man
Free exchange: One of the giants
(コメント) 世界金融危機を深刻なものにしたのは,債務の累積,取引の複雑な相互シンク,政府の対応の不明確さ・予測不能,であった.Crash
courseとして,その基本的な経過が整理されています.新しい点は,アジアやヨーロッパがどのように関係するのか,が理解されてきたことでしょうか.
シリア空爆,タジキスタンとキルギスタンからロシアに向かう大規模な出稼ぎ労働者,そして,企業はなぜ存在するのか? という「コースの定理」の説明が面白いです.
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IPEの想像力 9/23/13
PechaKucha
Night, Kyoto Vol.11! を観てきました(参加した,とは言えません).グローバリゼーションの渦中に,コスモポリタンが集まるクラブの文化が,そうか,こうして繁華街の一角にあるのだな,と納得しました.
DerrickとAshの英語と日本語を交えた司会で,テンポよく9組がProjectsを発表し,真ん中でBeer Break, 最後は飛び入り参加者によるPechaKucha Mix! と記念撮影で終わる.彼らの話では,2003年から始まり,10年間で600以上の都市を舞台に,世界中で開催された企画です.
1.コスモポリタン・クラブ文化 ・・・音楽と,ビールと,談笑と,・・・野心,誘惑,歓楽,情念,何か,その中を,コスモポリタンな,不思議な熱気が漂い,帰属の無い個人が,新しい仲間を探している.自分という企画に,他人が関わる可能性を求めて,まるで夢想でしかない(と昼のビジネスが拒む)ことを,夜の街の,ここでだけは真剣に語ることができる.
2.日本であるから,そうなのか? ・・・「おおさかカンヴァス」では,47人のおばちゃん,しょうべん小僧,といった企画に歓声が上がった.街ゆく大阪のおばちゃんが,頼みもしないのに集まって,参加してくれた.・・・しょうべん小僧は,下の部分に公衆便所があり,利用者の小便の圧力に応じて,上のしょうべん小僧も遠くまで小便を飛ばす.・・・この楽しみとナンセンスに,日本の企画の貧しさも感じます.(橋下徹のせいで,予算はぐっと縮小された,のだろうか.)
5.カンボジア支援 ・・・つまり,これはビジネスではない.自分の気持ち,動機が何であれ,良いと思うことを主張し,行動するエネルギーがあること.そこに友人がいたから,その国に旅して,彼らの生きる困難さを知ったから,その素晴らしい世界を救いたい,と思う.
4.Bridge Japanキャラバン ・・・日本はバラバラだ,と思ったからか? 彼は日本中を旅して,人々をつなぐ.その企画に,誰でも参加して,自分は本にしたい,という.こんなのでいいのか? という不安や堅苦しさを跳ね飛ばせる自転車旅行のスペイン人?は,冒険家の心を生きる.
3.舞踏・舞踊 ・・・確かに,舞うというのは,音楽ととともに,太古からある芸術なのです.しかし,商業的な成功には結び付かない.オペラ,ミュージカル,舞台演劇・ショーや映像・映画として成功する国もあるけれど.芝居小屋,学園祭,など,日本ではそれも無いように思う.
6.自分という表現・芸術の意味を考える.・・・Letters,面白かった.手紙かと思ったら,文字だ.それを絵のように見る.しかし,象形文字でも,意味や意図を示すのは,誰かに何かを伝えるためだろう.つまり,なるほど,Lettersなのだ.私たちは地球上に広く生息する高度な文化を持った生物種であるけれど,だからこそ,異なる文化や言語・文字に阻まれ,隔離されている.文明の容器を超えるLettersの中に,芸術の意味を考える.
7.政治・性 ・・・Nuit Blanche 2013 から,最後のApotheke,ビラにある「<自分>のできごとをつくる」まで,ここには政治がある.独仏友好の協定成立を記念し,京都でも芸術家たちが作品を展示・展開する.Apothekeの仲間は,LGBT(Lesbian,
Gay, Bisexual, Transgender)によって社会から孤立させられた経験を持つ.ロシアの同性愛者を非合法化し,弾圧する法律に反対した.
日本人の参加者の多くは,文化的なバリアが厚く,この熱気に戸惑うのかもしれません.私は,音楽は満足,ビールは飲まない,コスモポリタンになれず,情熱を注ぐ企画も無し.結局,オープンな政治・性に参加する情念を持たないなら,日本人という文化の特異さを弁解することになります.
これは,文明圏や,野生の違いかもしれません.欧米文化が個人主義とクラブを持ち,イスラム社会がモスクや礼拝を持ち,日本人は・・・夏祭りや盆踊り,運動会や遠足,を残しています.これらを次々に住み替える若者たちの中から,日本のコスモポリタンも育つのでしょう.
伝統的な文化が近代化し,都市化する中で消滅し,それでも生きる上で仲間を得ようとし,あるいは,強烈な政治的情念で,ルールや公的な財源をめぐって争う人たちがいます.近代的な都市の文化の中に,伝統的な美しさや望ましい姿を再生する試みに,もっと自然に参加する仕組みを築くため,私たちは模索します.
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