同志社大学経済学部公開講演会

放射性兵器の環境と人体への影響

Environmental and Human Health Impacts of Radioactive Weapons

 

ウラニウム医療研究センター(UMRC)所長

アサフ・ドラコビッチ博士

(通訳:嘉指 信雄 神戸大学教授、コメンテーター:天木直人 元駐レバノン特命全権大使)

 

同志社大学経済学部公開講演会が2005年3月9日(水)午後6時〜9時に寒梅館ハーディーホールで開催されました。

市民、学生、医師、研究者、ジャーナリストなど約120名以上の参加を得て盛大な会となりました。遠くは神奈川県や岐阜県方面からもいらっしゃいました。

講師のドラコビッチ博士は、放射線学と核医学を専門とする医学者・医師であり,とりわけ劣化ウラン弾などの放射性兵器の環境および人体への影響についての世界的権威であります。米軍の軍医として要職についておられましたが、1991年ころから湾岸戦争帰還兵の中に特異な病状を発見し、調査・治療を開始しました。ところが軍は調査を中止するよう命令してきました。しかし博士は、医師としての良心と信念を曲げることなく調査治療を継続し、それがもとで軍から解雇されてしまいました。現在、米国とカナダを拠点とする民間の研究機関であるウラニウム医療研究センター(UMRC)所長として政府とは独立した研究活動をされています。今回、アフガニスタンやイラクでの放射性兵器の使用の実態をお話しいただきました。米軍帰還兵や地域住民の尿の多くから劣化ウランとともに非劣化ウラン(天然には存在しない減損ウランU236を含む)が発見され、放射性物質による被爆が現実に広まっている事が報告されました。アフガニスタン、イラク、コソボでは劣化ウランや非劣化ウランの被爆によるものと考えられる癌や白血病の発生、奇形で生まれる子供の数が急増しています。人類が劣化ウランをはじめとする放射性兵器を使い始めて15年間が過ぎました。しかし人類はこの非人道的な大量破壊放射性兵器の使用を止めさせることに失敗し続けているのです。この現実を多くの人たちに是非知ってもらいたいという博士のやむにやまれぬ思いと熱意がひしひしと伝わってくる講演でした。

神戸大学教授の嘉指信雄氏に通訳をお願いしましたが、非常に分かりやすい訳をしてくださいました。嘉指先生は,ウラン兵器問題に関する研究と市民運動の中心的存在として国内だけでなく国際的にも御活躍中です。コメンテーターとして元駐レバノン特命全権大使の天木直人氏が参加されました。天木氏は、イラク戦争に反対したため外務省から「勇退」を迫られた方です。フロアーからの質問も続出し活気ある講演会となりました。閉会間際には、ドラコビッチ博士と天木氏の良心と信念を貫き通す勇気ある生き方に対し、惜しみない賛同と敬意の拍手が参加者から沸き起こりました。

 

以下の記事がジャーナリストによってまとめられましたので御覧ください。

 

NGOの「難民ナウ!」の宗田氏による記事

http://www.geocities.jp/nanmin_now/radioactive_weapons.html


『週刊京都経済』の石井氏による記事

http://www.kyoto-keizai.co.jp/1890.html

 

『毎日新聞』大阪支社の花岡氏による記事

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/osaka/archive/news/2005/03/11/20050311ddlk27040456000c.html

 

サンフランシスコ・独立メディアセンターに掲載されたBrian Covert氏による記事

http://sf.indymedia.org/news/2005/05/1714441.php

 

 

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