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IPEの風 11/9/09
鳩山政権の誕生が日本の政治システムや権力のあり方にもたらす重要な転換を、今後も、見続けたいと思います。たとえば、公共事業、ダム建設、道路、鉄道、空港、などに依拠した、政治家と官僚の不透明で不当な利権を暴き、もっと有効な税金の使い方を示してください。
「友愛社会」とは、高齢化する日本経済に新しい成長の可能性を拓くためにも、医療保険制度や年金、教育、などについて、新しい考え方や支出のメカニズムを構築することかもしれません。東アジア共同体や、普天間基地移転計画の見直しが、日本とアメリカと中国の将来の関係を描く重要な構想と結び付くことを期待します。
・・・しかし、遅すぎた? 東アジア共同体(EAC)への関心は、確かに欧米の金融危機と世界不況で高まったでしょう。それは中国の成長や欧米の景気回復を求める声で終わります。日本が、漸く新政権の方針として掲げたEACを、実際は、1989年の天安門事件とベルリンの壁崩壊、東欧民主化に並ぶ歴史的事件として、実現できたかもしれません。1980年代後半に、国内のバブルではなく、東アジア共同体への投資を開始するべきでした。
だからこそ、今は、自民党と共産党が代表質問で民主党政権を厳しく追及してください。以下のような点について、政府の考えを質してほしいです。
マニフェストの限界。
l 斉藤次郎氏の天下り。天下りの弊害やその対策。人事に関する厳しい選考基準と選考過程を説明する。
l 郵政民営化の逆転。郵便貯金の今後の扱い。
l 子供手当と授業料無料化。さまざまな矛盾、疑問、に十分な説明を。
l 普天間基地の移転問題。
l 高速道路無料化。都市部では、むしろ高額有料化。
l 労働者派遣禁止とホームレス、生活保護、失業対策。
成長と環境。
l 公共事業削減と地方経済への影響。
l 温暖化ガス排出量の削減策。炭素税。
l JAL再建と地方空港の存廃問題。
l 教育改革。学力低下。学校間のバラバラな競争促進。
l 年金・医療・介護サービスと高齢化社会への展望。
l 財政赤字と累積国債の解消に向けた政策。
l 世界金融危機からの回復と日本の景気対策。円高で経済構造の改革を目指すのか?
外交、安全保障。
l 東アジア共同体。貿易と投資の自由化。エネルギーや輸送のインフラを共通化する投資。
l ASEANへの援助競争。タイの政情不安。インドとの経済協力。
l インド洋における海上給油活動に代わるアメリカへの協力案。アフガニスタン支援。
l 朝鮮半島と台湾海峡に関する見通しと日本の安全保障政策。東シナ海の海底油田開発。シーレーン防衛。ソマリア海沖の海賊対策。
l 韓国、中国、東南アジア、などと、植民地・戦争の歴史認識を共有する。
l 世界の異常な金融緩和が終わる過程で、国債や金融市場は予期せぬ混乱を生じないか?
l 国際通貨制度(為替レートの調整、通貨危機の回避)、国際移民、直接投資、国際機関への参加と発言を強める。
・・・できることなら、沖縄県民との約束も、アメリカ政府との約束も、果たすように、普天間基地の海上移設案(浮遊式)を検討してほしいです。それはオバマにも受け入れ可能な、環境にやさしく、雇用を重視した、日本とアジア各国の造船業にも需要をもたらすような提案にします。
政府は、厳しい質問にさらされてこそ、有能な官僚たちの情報と知識に依りつつ、新しい政策を提案できます。国民の目指す理念や政治的な判断を示して、日本を変えます。逡巡するよりも大胆に、あなた方が信じる良い方向へ日本を導いてください。
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