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IPEの風 5/11/09

民主党の小沢代表が辞任しました。・・・麻生首相ではなく!

小沢氏が、政治資金規制法に違反していないなら、そのことをもっと主張して、即座に、調査委員会などを設けるべきだったと思います。それが先送りや弁解に過ぎないという誤解を与える余地がないように、委員の人選、報告の期限、情報開示の方法はあったはずです。

しかし、私は小沢氏の辞任を歓迎します。民主党が、自民党に代わって政権を担当する上で、重要な機会にしてほしいからです。民主党の議員・候補者たちは、以下のような疑問に答えてほしいです。

l         民主党政権は、自民党とどこが違うのか? 政権交代することの意味をどう考えたらよいのでしょうか? 異なる価値観や基本理念を示してほしいです。

l         日本の安全保障政策について、党内の一致はあるのか? 自衛隊の扱いや、日米安保体制、自衛隊の海外派遣をどう考えるのか?

l         非正規・派遣労働者や貧困、所得格差、雇用の問題で、独自の対策を持っているか? 若年失業者、ホームレス、自殺、生活保護、などをどう考えるか?

l         世界不況下の景気対策について、自民党よりも優れた政策を提案できるか? 財政赤字と膨大な国債を長期的にどうするのか? 消費税、公共工事、道路・ダム建設。

l         労働政策、産業政策、技術政策。金融市場と制度の改革。日本の長期的な経済成長率について、その制約を取り除くために、どのような新しい試みを支援できるか?

l         農村の過疎化・高齢化、農業政策。地方経済の活性化。林業。水産業。その将来を示してください。

l         高齢化、社会保障と財政負担、年金、医療保険、少子・高齢化。

l         外交政策、アジア外交、特に、中国、韓国、インド、タイと、どのような関係を築くのか? 北朝鮮による拉致問題、核開発の放棄、国交正常化への道筋をどう考えるのか? 米軍基地や地域安全保障など、アメリカとの関係で何を重視し調整するべきか? 国際機関や国際協力・援助をめぐる政策。ロシアとの関係。

l         靖国神社や歴史認識・教科書問題。

l         教育問題。不登校やいじめ、「学力低下」、「指導力不足」、「ゆとり教育」、など。

l         移民政策・入管法。在日韓国・朝鮮人。日系人。訓練生。看護婦。社会的統合化のための政策。国籍・帰化。

l         環境保護。温暖化ガスの排出規制。日本の自然や景観の回復、「生活の質」の改善。エネルギーの安定的供給と国際合意、新しいエネルギーの技術開発。

あまりにも多くの問題があって、争点を見えなくなるかもしれません。各政党には、国内外の問題や政策を整理・評価するシンク・タンク、政権構想を提示する戦略部門が必要だと思います。日本の戦後政治を総点検し、自民党の長期政権がもたらした功罪を根本から質してほしいです。政権交代によって、多くの国がその機会を国民に示し、自分たちの基本政策や制度を改善してきたと思います。たとえば、今、アイスランドが政権交代で試みているように。

そして何より、政治の世界に革新の情熱を集める力が、その人材があるでしょうか? さまざまな分野から人を集めて、政治家を育ててほしいです。

インターネットで民主党のマニフェストを読もうとして、多くの攻撃・中傷ブログが検索結果に並ぶことを知りました。これでは政党間のサイバー戦争です。政治という重要な社会的枠組みやその機能が、国民にとって卑しい、醜い、汚れた世界であると誇示することで、利益を独占している特殊な政治的人間がこの世界にいるのだと思います。

BBSや社会的ネットワークの内容を改善する方法があるはずです。少なくとも各政党は、自分たちの主張に関する正当な批判や質問に対して、積極的に応える姿勢を示してください。また、典型的な誹謗・中傷に対する説得力のある反論を示してほしいです。サイバー攻撃に対する政策情報対応室を設け、優れた批判や反対論を歓迎して、積極的論争を提示することです。

これまでも、政党活動は内部分裂や外部からの誹謗中傷、個人攻撃、言語や暴力による威嚇(街頭宣伝やテロ)、などによって市民の感覚から遠ざけられ、政治のプロ集団に利用されてきたと思います。もっと普通の市民が参加し、政治を通して現実を変えることができる、と実感できる仕組みを作ってほしいです。

そして、小沢氏が法を犯したのでなければ、民主党の政権を実現し、日本の政策や制度を変える重要な人物として、さらに活躍してほしいです。日本の政治の何が間違っていたのか、政治に寄生・暗躍するプロ集団(アメリカならロビー活動でしょうか?)を牽制し、撃破する、政権交代の舞台監督が必要だからです。

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