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IPEの風 1/26/09

バラク・フセイン・オバマの演説を聞きました。

200万人の群衆がワシントンDCに集まったことは驚きです。それ以上に、彼らを迎えても動揺することがないオバマの強靭な人格に驚きました。

200万人と言えば、当然、大都市が空から降ってわいたような状態です。食糧は? 寝る場所は? 治安維持は? 祭りにつきものの喧嘩やスリ、迷子や泥棒はどうしたのでしょうか? あれほどの人が集まるのだから、周辺には簡易トイレが整然と設置されていたそうです。

ガザ地区の人口は150万人、と読みました。イスラエルの戦闘機が、あるいは過激派のテロリストやロケット弾が、ワシントン上空に現れないか、と思ってしまいます。

オバマの演説を読んで思うのは、歴史や世界に対する言及です。アメリカ大統領である者は、人類の近代史を代表し、グローバリゼーションを代表します。ザ・プラネット・プレジデントと指摘されます。

また、演説は労働者に対する尊敬を具体的・象徴的に表明しました。この世界は、困難な戦争を戦った人々、大地を切り拓いた人々の、献身的な労働に負っています。公共の精神に訴えて、新たな挑戦へ向けて人々に参加を呼びかける原初の政治的な呼びかけに感動します。

44代大統領となったオバマ自身が、そのままアメリカという国の理想を体現し、また、そうであるからこそアメリカは内外に理想的な社会を築く力になりたい、と訴えます。その言葉は、政治家の信条や内政・外交上の得点を超えた魅力を発揮している、と思います。

国家の指導者という責任に応える、聡明さと自信は、どこから来るのか?

60億の世界市民に向けた就任演説でもある、と多くのコメントは述べています。アメリカは、ソ連が崩壊した今、民族ではなく理想によって世界国家を建設する、もっとも重要な政治・社会運動なのです。

慎重な意見、批判的な評価もあります。オバマは右手を上げて宣誓しますが、左手は国際情勢、右足はアメリカ国内の事情、そして左足は金融情勢に縛られて、今から異なった方向へ走る馬に鞭が入るのを待っている、とThe Economistの風刺漫画が描いています。

「犠牲、義務、勇気、フェア・プレイ」 ・・・自分にないものばかりだ、と私は反省しました。これこそ、権力=服従のシステム、利益=打算のシステムに支配された、現実世界に欠けているものです。

日本のオバマが現れて、世界精神に向けた灯火を引き継ぎ、楽観主義や理想の力を引き出す姿を、私も200万人で称えたいです。

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