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IPEの風 9/8/08

福田首相が辞任しました。

もう、何か月も、経った気がします。あるいは、これが「日本の政治」と分類されたビデオの巻き戻しであれば、何年も経ったような気がします。

自民党の総裁選挙は世界の関心を集めていません。もっと多くの争点があるはずなのに、社会保障費の財源をどのように確保するか、各候補は主張しています。誰が、この論争を整理したのか? 増税を気にする財界でしょうか?

世界の指導的な国であれば、政治の最高指導者は強靭な意志と明敏な思考力、そして抜群の決断力で、行動と成果を示さなければならないはずです。その後、日本でも、新しい争点を加えて次々と総裁選挙に参加する意志を示す候補者たちが現れました。これも演出でしょうか? 良いことなのか、悪いことなのか?

マッケインが指名した共和党の副大統領候補は、44歳の女性です。

他方、NHK衛星放送のドラマ「奥さまは首相:ミセス・プリチャードの挑戦」を観ました。アメリカのドラマ「ホワイトハウス」も面白かったですが、イギリスのドラマも面白い。政治に参加しよう、と呼びかけた主婦が、選挙に勝って、本当に自分が首相を引き受けることになります。就任した途端、女王と話し合い、分刻みの予定に従い、重要な決断を迫られ、その結果、特殊部隊の兵士が二人殺されます。

世界には、全く異なる政治と政治家についてのモデルと未来像があるのです。≪今週のReview≫を見てください。ネパール、タイ、アメリカ、ロシア、グルジア、日本、アルゼンチン・・・

平岩弓枝著『御宿かわせみ』の文庫本、第33巻を読み終えました。しばらくすると、第1巻を手にして、第一話を読み返しました。

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「すさまじきものは宮仕えか、世情不穏の折というのに、おえらいさんは何を考えているのだ。」

ここ数年、露国船がしばしば樺太を侵し、幕府は仙台、会津両藩に蝦夷地警備を命じている。

世の中が、かつてない大きな力で揺ぶられかけているのを、町奉行所の一同心も冷飯食いの次男坊でさえも気がついているのに、私腹を肥やす一念しかない御用商人と、その手にあやされる幕閣の諸侯があることに、若い二人は立腹し、痛飲した。

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大商人が幕閣を歓待し、賄賂を与え、遊ばせるために、長崎から黒人奴隷と混血の遊女を江戸へ連れてきた、という話です。旅籠「かわせみ」に、たまたま逃亡した二人が身を寄せ、夜明けには姿を消してしまいます。彼らが何者であり、何のために連れてこられたか、次第に主人公たち(東吾と源三郎)は知るようになりますが、この愛し合う異人の男女を逃がしてやることはできません。

しかし、逃亡を続けていた男は、ついに囚われた女を見つけ出し、輸送する人々を襲って救出します。彼らはどこへ向かうのか? それは、彼らの夢がかなうところ。・・・海の向こうにある男の母国です。女を体に縛り付けて、男(ハンフウキ)は雪の舞う江戸湾に突進し、泳ぎ始めます。

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ハンフウキが如何に強靭な生命力を持っていたとしても、この雪の海を小半刻と泳ぎ続けることは不可能である。

だが、ハンフウキは泳いでいた。波にもてあそばれながら、必死に泳ぎ続けている。

感動が激しく東吾を襲った。

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