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IPEの風 12/31/07
2007年の国際政治に関する論説を集めた末に,世界が再び戦場になる発火点を挙げるとしたら,北朝鮮・台湾,バルカン半島,イラク・イラン・パキスタン,だと思うようです. ・・・誰が? それは,一種の世界知能,です.
では,日本政府や政治家たちは,その変化に準備しているでしょうか?
2007年の経済に関する論説を読んだ印象は,市場システムは極めて柔軟で,しぶといけれど,ますます危ういバランスに向かっている,ということです.
多分,日本企業や金融関係者は,その不安や恐怖を分かち持っているでしょう.しかし,独自の打開策を持っているでしょうか? 日本政府に,自国の金融システムやアジア,そして世界の金融改革に向けた提案を行い,主要な意思決定メカニズムを構築し,将来の危機に備えて機能させているのでしょうか?
2008年に,アメリカの大統領選挙(そして新しい政策が決まる)と,北京オリンピックが開催される(そしてバブルが終わる),というのは分かっています.
もちろん,アメリカ大統領の選挙に参加することはできませんし,北京オリンピックに参加する人は多くいるわけです.緊密の連動する世界の政治経済事情に対して,望まなくても大きな影響力を手にしてしまうアメリカ大統領や中国共産党の指導部に,その困難な将来を,ある種,同情してしまいます.
2008年に,どこで,どのような社会的革新が起きるのか,予想もつきません.しかし,危機によって政治的指導力や社会システムは試され,新しい可能性が現れる,というのは本当ではないでしょうか? また,それは日常の中の不自由や苦しみを解消し,社会的弱者や制度の外に見捨てられた者たちに希望を与える,気付かないようなささやかな転換や改革からも始まっているのではないでしょうか?
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子どもの頃,年の暮れと言えば,大掃除や煮しめを作る手伝いをしました.
家は長屋の平屋で,玄関には土間があって,その頃は部屋に大した道具などなく,畳を上げて表に並べ,埃を叩き出して風通しをしたように思います.そして,今はなくなってしまった商店街に,お正月に食べる上等の牛肉を買い出しについて行ったり,米屋が届けてくれた,まだ柔らかい,つき立ての餅に見とれたりしました.
煮しめをやっと重箱に詰め終わると,父と一緒に銭湯へ行き,紅白歌合戦を観るのです.母はいつまでも忙しそうで,それでもやっと炬燵に入って,子供たちと話しながら,みかんを食べるのは楽しそうでした.番組が終わる頃,少し前から母は立って,除夜の鐘が中継されると年越しそばを出してくれて,私は炬燵に入ったまま食べました.その汁は鶏ガラの出しで,とてもおいしかったのを覚えています.
まるで時代小説を読むような遠い記憶です.
今では全く失われてしまった年の瀬やお正月の風景ですが,これもグローバリゼーションが大洪水となって押し流してしまった絶滅種のひとつなのです.できることなら,それがいくらかでも残されている田舎や,まだグローバリゼーションの波が強く及んでいない地域の暮らしや文化を守って,豊かにもなってほしいと思います.
サンタクロースであれ,布袋様であれ,世界の最も深い苦しみを味わっている人から順に回ってもらいましょう.・・・どうぞ,良いお年を.
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