IPEの果樹園2021
今週のReview
5/17-22
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エルサレムのガザ戦争 ・・・ボリス・ジョンソンのUK政治改造 ・・・ボリス・ジョンソンと労働党 ・・・US連銀、生産性、インフレ ・・・スコットランド独立論 ・・・ワクチン供給と知的財産権 ・・・ホームレスのチェス・チャンピオン ・・・戦争はどのように終わるのか ・・・US民主主義の救済 ・・・優れた経済学
［長いReview］
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主要な出典 FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, Foreign Policy, The Guardian, NYT: New York Times, PS: Project Syndicate, SPIEGEL International, VOX: VoxEU.orgそして、The Economist (London)
［これは英文コラムの紹介です．私の関心に従って，いくつか要点を紹介しています．関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください．著者と掲載機関の著作権に従います．］
● エルサレムのガザ戦争
FP MAY 6, 2021
Washington Has Enabled Israeli Extremism
By Khaled Elgindy, a senior fellow at the Middle East Institute.
2週間前、エルサレムは、ユダヤ人のイスラエル過激派が「アラブ人への死」を唱えて、東エルサレムのパレスチナ人地区を暴れ回ったとき、暴力に揺さぶられた。街を通り抜ける暴徒は、パレスチナ人の家に岩をぶつけ、アラブ人または左派の疑いのある通行人を襲撃した。イスラエルの西エルサレムと占領された東エルサレムを分ける南北の主要道路に沿って車を止め、運転手がユダヤ人かアラブ人かを確認し、後者の場合、即座に殴打した。
警察の取り締まりは、当然、一方的なものだった。パレスチナの多くの若者が逮捕され、殴打されたが、ユダヤ人の攻撃者はほとんど罰せられなかった。
イスラエルの最大の恩人として、米国はイスラエルで増大する過激主義と戦うために、はるかに多くのことをできるし、そうすべきだ。考えられるものには、イスラエルの過激派グループとその米国内の支援ネットワークに法執行機関の調査を開始することや、単純な公の非難も含まれる。
パレスチナ人に対する人権侵害、継続的な入植地の拡大、家の破壊、小作農立ち退き、その他の違反のいずれの点からも、イスラエルを過激化に責任を問わない一方で、イスラエルを国際的な行動の費用と結果から保護し続けている。それはイスラエルの指導者と彼らが力を与えた極右の過激派に、不処罰と勝利の感覚を煽っている。
The Guardian, Tue 11 May 2021
Defiance in the face of Israeli aggression gives Palestinians everywhere hope
Ziad al-Qattan
The Guardian, Tue 11 May 2021
The Guardian view on Jerusalem and Gaza: old struggles bring fresh violence
Editorial
ラマダンの聖なる月にガザで殺された28人のうち10人の子供が殺され、イスラエルの空爆が領土を襲い、パレスチナの過激派がロケットを発射したため、2人のイスラエルの女性が殺された。エルサレムでは、イスラエル警察がイスラム教の最も聖なる場所の1つでスタングレネード、催涙ガス、ゴム弾を発射し、300人のパレスチナ人が負傷しました。
その導火線は、パレスチナ人が通常のように、ラマダン中、夜間の祈りの後にダマスカス門に集まるのを、イスラエル当局が防ぐ決定だった。共同体間の暴力が相次いだ。占領された東エルサレムのシェイク・ジャラに何十年も住んでいた家から何百人ものパレスチナ人を追い出し、ユダヤ人入植者に与える計画が進んだ。イスラエルの法律では、1948年の戦争前の所有権を証明できるユダヤ人は、市内の財産を取り戻すことができる。家を失ったパレスチナ人には同様の法律が存在しない。これは正当化できない。この立ち退きは、国連の権利擁護局によって戦争犯罪の可能性があると説明されている。この事件と、アルアクサ・モスクで警察が使用した攻撃的な戦術は、不処罰の文化を反映する。そして、被害がすでに発生した後、11時間も経って、月曜日の挑発的な超右の行進は旧市街のイスラム教徒地区からルート変更された。
これはすべて、二重の政治的危機の文脈の中で起こっている。ネタニヤフは、ライバルたちの連立政権に向けた話し合いと、ネタニヤフの汚職裁判が進む間も、権力に固執している。一方、パレスチナの大統領マフムード・アッバースは、ファタハが再びハマスに敗北すると誰もが期待していた選挙を、無期限に延期した。
「封鎖の世代」がガザで育った。ガザは住民でいっぱいの小さな土地であり、仕事も、電力も、きれいな飲料水も不足している。COV-19、イスラエルと占領地でのワクチン接種キャンペーンの絶望的な不公平は、保護を提供せずに支配する政府の下で生活することへの恨みを先鋭化した。
ドナルド・トランプはネタニヤフの行動をそのたびに励ました。今、問題に真剣に取り組む政権がワシントンにある。バイデン政権は、当然、過激な攻撃を非難した。しかし、イスラエル当局は、軍事的対応だけでなく、予想通り、暴力の爆発につながった最新の行動についても、同様に明確に非難されるべきだ。
FT May 11, 2021
Israeli actions in Jerusalem endanger recent detente with Gulf Arabs
David Gardner
NYT May 11, 2021
Israelis, Palestinians and Their Neighbors Worry: Is This the Big One?
By Thomas L. Friedman
考えてみよう。
TikTokがエルサレムのアラブ地区で、イスラエル右翼の土地略奪についてパレスチナ人が持つ不満と出会うとき、何が起きるか? その後、エルサレムで最も神聖なイスラム教徒の祈りの夜をそれに加えたら? さらに、エルサレムで最も感情を刺激するイスラエルの休日を投げ込めば? さらに、パレスチナの大義をめぐる指導権を得るためハマスが権力闘争に訴える? 最後に、パレスチナ自治政府は新しい選挙を行う能力がなく、他方、イスラエルはあまりにも分裂しているため選挙を阻止することができない、という政治的空白を追加すれば、何が起きるか?
月曜日、エルサレム周辺での暴力の爆発はすぐにガザの前線に広がり、人々は次のように尋ねた。これは大きな闘いなのか? 次のパレスチナ人蜂起の始まりか?
イスラエル政府、周辺のアラブ諸国、パレスチナ自治政府は、すべて、答えは「ノー」であると必死に願う。
最も顕著で重要な点は、近年、イスラエルで危険なほどナイーブなコンセンサスが生まれたことだ。イスラエルは基本的にパレスチナ人の紛争を抑圧した。西岸と東エルサレムに住むパレスチナ人が基本的にイスラエルの恒久的な支配下に住むことを否認した、と。このコンセンサスは非常に強力で、イスラエルの最近の4回の選挙すべてにおいて、パレスチナ人との和平問題、つまりそれをどのように達成し、無視された場合に何が起こるか、という問題は議題に含まれなかった。
結局こうだ。ハマス、イスラエル、エジプト、ヨルダン、パレスチナ自治政府はすべて、庶民に意志を押し付けることが彼らの利益だと考えているから、すべて3〜4日で落ち着くだろう。さもないと、これが新しいインティファーダに変わる。庶民が彼らの指導者に意志を押し付け、この地震はイスラエル、ガザ、ヨルダン川西岸、ヨルダン、エジプト、そしてアブラハム協定を崩壊させる。
NYT May 11, 2021
Why So Much Rests on the Fate of a Tiny Neighborhood in East Jerusalem
By Rula Salameh
FT May 12, 2021
The risk of a new Middle East war
最近の暴力は、過激派グループであるハマスが支配するガザでは始まったものではない。代わりに、そのルーツはエルサレムにあり、イスラエル警察が、石を投げるパレスチナの抗議者に対してゴム弾と「スカンク」ガスを使用し、イスラム教の3番目に聖なる場所であるアルアクサ・モスクを収容する敷地に入ったことだった。
ユダヤ人入植者のために道を譲るため、占領された東エルサレムの家からパレスチナ人を追い出すというイスラエルの計画について、怒りはすでに燃え上がっていた。ラマダンの聖なる月にアルアクサ・モスクの近くで制限に抗議しているパレスチナ人に対して、力を行使しているイスラエル警察の画像が、緊張をさらに刺激した。ハマスは怒りを利用し、エルサレム、テルアビブ、ガザに近いイスラエルの都市に向けてロケットを発射した。
ネタニヤフは、パレスチナ人に譲歩することなく、イスラエルが安全で健全な国際関係を享受できる、と有権者に納得させるために10年を費やした。それは彼が国を右に操りながら、イスラエルで最も長く首相に在任することを可能にした戦略だ。彼は、ヨルダン川西岸における静かな植民地拡大に対する米国とヨーロッパの穏やかな反対、およびイランに対抗するという利益に合意してイスラエルと協力する湾岸諸国に助けられてきた。
昨年、イスラエルとの外交関係を正常化する、アラブ首長国連邦の決定は、中東の最悪の秘密を公式化した。いわゆるアブラハム協定（バーレーン、スーダン、モロッコはUAEの主導に従った）は、ドナルド・トランプ大統領の最後の苦境に封印されたが、その間、彼は紛争に対して臆面もなく親イスラエルの姿勢を追求した。
パレスチナ人は今まで以上に疎外されている。二国家案の解決が長引き、希望は打ち砕かれた。しかし、イスラエルに勝利はない。代わりに、その行動は非常に可燃性の高い環境に燃料を滴下した。爆発はいつでも発生する。そして、急速なエスカレーションの中で、ハマスはパレスチナのリーダーシップを固めようとしている。
今週の暴力は、パレスチナ人が傍観され、占領されている限り、平和はないことを示している。
NYT May 12, 2021
Palestinian Refugees Deserve to Return Home. Jews Should Understand.
By Peter Beinart
東エルサレムの6つのパレスチナ人家族の差し迫った追放が、イスラエル人とパレスチナ人を新しい戦争に向けて渦巻く紛争に引き込んだ。その理由は、ユダヤ人コミュニティにおいてタブーの言葉、ナクバthe Nakbaだ。
ナクバ、またはアラビア語で「大惨事」は、イスラエルの建国中に追放または恐怖で逃亡した70万人以上のパレスチナ人だけを指すものではない。それはまた、それ以来起こった多くの追放を呼び起こす。1967年にイスラエルが西岸とガザ地区を征服したときにイスラエルが追放した約30万人のパレスチナ人。イスラエルが1967年から1994年の間に居住権を取り消した後、ヨルダン川西岸とガザに戻ることができなかった約25万人のパレスチナ人。イスラエルが2020年だけで家を破壊した何百人ものパレスチナ人。東エルサレムの小作農立ち退きは、イスラエル自体と同じくらい古い追放のパターンを続けているため、非常に激しく感情を揺さぶる。
しかし、イスラエル、アメリカ、そして世界中の多くのリベラルなユダヤ人でさえ、ナクバはイスラエルの創造と密接に結びついているため、議論するのが難しい。 1948年にパレスチナ人が大量に追放されなければ、シオニストの指導者たちは、実行可能なユダヤ人国家を作る、必要な土地もユダヤ人の大多数も、持てなかっただろう。パレスチナ難民の帰還を許可することによって、追放を認め、是正し始めるには、パレスチナ人が平等な市民と見なされる別の種類の国を想像することが必要である。人口動態の脅威を想像するのは間違いだ。
イスラエル政府とそのアメリカのユダヤ人同盟は、パレスチナ難民が彼らの故郷に戻るという希望を放棄するべきだと主張する。人類の歴史上、ユダヤ人ほど頑固に帰還の夢に固執した人たちはいない。この要求は皮肉に満ちている。ユダヤ人の指導者たちは、パレスチナ人が難民としてのアイデンティティを子供や孫に伝えているという事実を非難する。しかし、ユダヤ人は2000年の間難民としての自分たちのアイデンティティを伝えてきた。
1990年代初頭のソビエト脱出の最盛期に、イスラエルは約50万人の移民を受け入れた。何百万人ものディアスポラのユダヤ人が、明日、イスラエルに移住し始めるとしても、ユダヤ人の指導者たちは受け入れが不可能であるとは言わない。彼らはイスラエルが以前にしたことをする。大量の住宅を早く建てるのだ。ほとんどのユダヤ人がパレスチナ難民の帰還を考えるとき、イスラエルの吸収したソビエトからのユダヤ人を想像しない。パレスチナ人たちがユダヤ人を家から追放する、と想像する。
ユダヤ人がナクバを否定する時間が長ければ長いほど、私たちの道徳的亡命はより深くなる。それに正直に向き合い、修復のプロセスを開始することによって、ユダヤ人とパレスチナ人の両方が、さまざまな方法で、家に帰り始めることができる。
NYT May 12, 2021
Should U.S. Condition Aid to Israel on Reducing Conflict?
By Nicholas Kristof
基本的なパターンがある。ミサイルが飛んでいるときは、両側の強硬派が優勢になる。民間人は死ぬが、一方の過激派は他方の過激派に力を与える。
ハマスがイスラエルの民間人を攻撃するだけでなく、自国民を抑圧していることも事実だ。しかし、アメリカの納税者として、私たちはハマスにあまり影響を与えないが、イスラエルに影響を与えており、豊かな国に年間数十億ドルの軍事援助を提供し、パレスチナ人の爆撃に助成金を支給している。
中東は「ブーメラン症候群」に巻き込まれた。この症候群では、両側の過激派が暴力的な攻撃を仕掛け、最終的には自分の側への攻撃にもつながる。ハマスの過去の砲撃は、イスラエルの政治的穏健を弱体化した。イスラエルによるガザ包囲戦は、ハマスに対する対抗手段であった可能性のあるパレスチナ経済界を破壊した。一方、ヨルダン川西岸と東エルサレムでの土地奪取により、パレスチナ自治政府の指導力は無意味になった。
一部の人々はハマスを抑圧的で無能だと憤慨し、多くの人々は報復に直面することを知っているのでイスラエルへのミサイル発射を嫌う。そして再び、人々はイスラエルのために経済的苦痛、恐れ、葬式に耐えてきたので、ミサイル発射を見て、イスラエルの母親が彼らと同じように悲しむことを期待し、苦い満足を認める。
イスラエルの将来の安全保障は、ある意味で、アメリカの善意とパレスチナ人との暫定協定に依存するが、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は両方を失望させた。
FP MAY 12, 2021
Biden Stonewalls U.N. Concern Over Israeli-Palestinian Clashes
By Colum Lynch, Robbie Gramer, Jack Detsch, and Allison Meakem
FP MAY 12, 2021
Green-Lined Vision Is Blurring Reality in Israel-Palestine
By Yousef Munayyer, a non-resident fellow at the Arab Center Washington.
FP MAY 12, 2021
No Peace Process Means No Peace
By Anchal Vohra, a Beirut-based columnist for Foreign Policy and a freelance TV correspondent and commentator on the Middle East.
PS May 13, 2021
The End of Israel’s Illusion
SHLOMO BEN-AMI
イスラエルの国境の内外での突然の戦争の勃発は、自己満足の国に衝撃を与えた。ビンヤミン・ネタニヤフは、12年もの首相就任期間を通じて、パレスチナ問題を埋葬し、忘れられた。アラブ4カ国との外交関係を確立した最近のアブラハム協定は、パレスチナの大義をさらに弱体化させたように見えた。しかし今、それは復讐をもって再び現れた。
イスラエル人は、彼らの脆弱なホームフロントが、レバノン南部の国境を越えてイランが支援する民兵であるヒズボラとの戦争にどのように耐えることができるのか疑問に思った。ヒズボラには、ハマスの何倍も致命的な15万発のミサイルがある。
ガザの残骸から、ハマスは、必ずしも戦場ではなく、その人々の心の中で勝利を主張する。その時点で、ハマスはその主な目的を達成するでしょう。
NYT May 13, 2021
For the Sake of Peace, Israel Must Rout Hamas
By Bret Stephens
FT May 14, 2021
Biden’s guarded approach to Israel tested by violence
Katrina Manson in Washington
● ボリス・ジョンソンのUK政治改造
The Guardian, Fri 7 May 2021
The Guardian view on Boris Johnson’s win: Brexit is remaking politics
Editorial
イングランド北東部の港町Hartlepoolで、補欠選挙における保守党の驚異的勝利を読みすぎる者もいる。しかし、政府がそのようなコンテストに勝つことはめったにない。特に政府が11年間政権を握っていて、議席が何十年も反対派であった場合は。現在、国内で最も失業率の高い町にはトーリー党議員がいる。これは重要な瞬間だ。この結果は、ボリス・ジョンソンの政治戦略の最初の成果を示したものだ。2016年のEU離脱投票の成果を固め、国家を利用して、ブレグジットを圧倒的に支持したイングランドの「ラストベルト」に、現金と仕事を振り向けたことに基づく。
FT May 8, 2021
Boris Johnson has reinvented the Tories in his own image
古い政治のルールでは、英国政府は中期補欠選挙を失う傾向がある。それは、11年間政権を握っている保守党に対して、中道左派の本拠地Hartlepoolで労働党が圧倒的に敗北したことをさらに異常なものにしている。
明らかなことは、Covid-19の反応の多くをうまく処理できなかったボリス・ジョンソン政権がほとんど無傷であったことだ。ワクチン接種の急展開と経済復活の兆しは、127,000人以上の死者を出した英国で、過去の誤判断の記憶を大部分消し去った。さらに、誠実さとえこひいきに対する疑問符と非難にもかかわらず、このイートン校を出た秀才はイングランドの広い地域を魅了することができるようだ。
特にハートリプールのような、以前は労働党を支持していた「レッドウォール」議席では、有権者はここ数十年の労働党とトーリー党の両方の政治に幻滅している。彼らはジョンソン保守派を支持し、過去との決別を、取り残された地域を「レベルアップ」するという彼らの誓約を、支持した。
政府にとって、これは両刃だ。そのような議席を獲得すればするほど、レベルアップ戦略を打ち出し、実現するためのプレッシャーが高まる。スキル、生産性、きしむインフラストラクチャなどの構造的な問題は容易に解決できない。
ハートリプールなどの地域は、伝統的な産業労働者階級が高齢化し、縮小している。何十年もの間労働党から遠ざかる傾向にある。大陸ヨーロッパの労働党の姉妹政党は、同様の人口動態の変化に苦しんでいる。ドイツの中道左派層の期待は、社会民主党よりもグリーンズ（緑の党）にある。彼らは、右派ポピュリズムと支出拡大の約束を組み合わせた敵と戦っている。それがジョンソン保守党の公式であり、これまでのところ成功している。
The Guardian, Wed 12 May 2021
Only by taxing the rich can Johnson become more than a plutocratic populist
Timothy Garton Ash
元米国大統領ドナルド・トランプと現在の英国首相ボリス・ジョンソンの違いは何か? どちらの男も金権政治の巧みな実践者だが、トランプ自身が英国の同盟者と呼んだ「英国のトランプ」は、まだ成功している。
トランプは、ポピュリズムのアングロサクソン変異型のスーパースプレッダーだった。彼は貧しい人々を助けると約束したが、実際には金持ちを助けた。彼の行動は、彼自身の事業、党の寄付者、より広い寡頭制の利益と切り離せない。
ポピュリズムへの支持は、経済的現象であると同時に文化的でもある。トランプは文化的に、いわば心理的に共感を届けた。彼は、無視され、軽蔑されていると感じていたアメリカ人に、自分が彼らの側にいる、という感覚を与え、「彼らの1人」、つまり白人の負担を引き受ける、ブルーカラーの億万長者だ、と配信した。アイデンティティの感情的政治は、社会的および経済的利益による合理的政治を打ち負かした。彼は富裕な1％の利益を促進し、90％の国民に訴えた。
トランプは、反対派が団結したために、2期目を拒否された。バイデンは素晴らしいスタートを切った。コビッド後の回復、インフラストラクチャ、福祉支出に関する6兆ドル（4.2兆ポンド）の提案が議会を通れば、フランクリンDルーズベルトのニューディールに匹敵するだろう。金持ちはこの変革にもっとお金を払わなければならないことを認識している。特に、40年間の金融グローバリゼーションの中で不釣り合いに富を得た超富裕層に当てはまる。米国の上位0.1％が保有する個人資産のシェアは3倍に、1970年代後半の7％から2019年には約20％になった。
最近の選挙での勝利後、ジョンソン政府は金権政治的ポピュリズムを継続するか、それを超えるかの選択に直面している。
ジョンソンは、ユーモアのセンスで優れ、トランプが米国で行ったのとほぼ同じ方法で、心理的および文化的にイギリスの労働地帯に共感を届けた。ジョンソンには、非常に分裂した野党に直面する幸運もある。トランプと違い、ワクチン接種にも成功した。
次の予算でキャピタルゲインの増税を提案してはどうか。労働党の新しい影の首相は、数年前に次のように論じた。「この国でお金を稼ぐための最も難しい方法は、仕事に行くことだ。最も簡単な方法は、資本、特に住宅を所有することだ。」
FT May 13, 2021
The state takes control in Johnson’s post-Brexit Britain
Philip Stephens
● ボリス・ジョンソンと労働党
FT May 7, 2021
Voters have been forgiving this time — but it won’t last
Henry Mance
FT May 7, 2021
Eight key takeaways of the UK election results
Robert Shrimsley
ハートリプール議会補欠選挙でのボリス・ジョンソン首相の保守党の最初の結果と大勝利は、すでにいくつかの重要なポイントを提供している。
イギリスの有権者は、ボリス・ジョンソンのパンデミックへの対応に広く満足しているか、少なくとも寛容である。この問題は当然のことながら国民の思考を支配し、選挙は最初に政府の業績に関する国民投票であった。
選挙運動は、ボリス・ジョンソンが伝統的な党の忠誠を超えた強力な個人的な魅力を持っていることを再び示した。彼のBrexit連合は、より大きな介入主義と国家支出へのコミットメントを中心に構築された異なるブランドの保守主義で強化された。新しい選挙・人口統計基盤を構築しました。ジョンソンはスターの品質を保っている。
伝統的な労働党の中心部への着実な保守派の侵略は終わっていない。トーリー党が北部のかなりの部分、特に主要都市の外で支持を得る方法を見つけた。ジョンソンの連立が保持していることでは、ブレグジットが投票パターンと政治的アイデンティティに対してより永続的な影響を与えることも示唆する。
労働党の中心地は、ますます主要都市になっている。多様で、大学教育を受けた若い有権者が多く、高所得の賃借人がいる場所は、今や中核地域である。しかし、それは取り戻す必要がある有権者（労働者たち）を好きではない党のように見えるリスクが高い。
スコットランドは選挙のストーリーを変え、その結果、英国の政治情勢を変える恐れがある。権限委譲されたスコットランド議会のSNPの過半数、またはSNPと独立派のグリーンズは、英国の政治的ダイナミクスを変え、ジョンソンに2回目の国民投票の要求に立ち向かう。
NYT May 9, 2021
Starmer must listen to voters, not Labour factions
Peter Mandelson
The Guardian, Tue 11 May 2021
Labour can be reformed if it looks outwards, not just inwards
Peter Mandelson
He Guardian, Tue 11 May 2021
Labour can no longer assume it would hold the whip hand in a ‘progressive alliance’
Gaby Hinsliff
FT May 13, 2021
Labour’s problem is that Keir Starmer is no Tony Blair
Robert Shrimsley
The Guardian, Thu 13 May 2021
The ‘third way’ may have worked for New Labour, but it is impossible now
Joe Guinan and Martin O'Neill
● 社会保障システム
FT May 7, 2021
Ambition is needed to reform Britain’s broken social care system
Camilla Cavendish
● US連銀、生産性、インフレ
FT May 7, 2021
The Fed and Schrödinger’s Phillips curve
FT May 7, 2021
The ‘crowding out’ risk to the economy
Michala Marcussen
FT May 8, 2021
When it comes to inflation, how much fortitude does the Fed have?
Sebastian Mallaby
すべてのアメリカの偉大な機関の中で、連邦準備制度ほど逆境で繁栄したものはない。厄介な米国の選挙制度、暴力的な警察、二極化したメディア、強大なハイテク企業、すべてが連銀を非難する。しかし、FRBは金融危機、トランピアン暴行、パンデミックを乗り越えてきた。インフレは許容範囲内で安定しており、独立性を妥協せず、ドルは世界の準備通貨としての地位を確保している。
不安定な食料とエネルギーを除く、コアインフレがFRBの2％の目標を下回る傾向にあった四半世紀を経て、価格は現在、希望よりも早く上昇する恐れがある。連銀がこれを手に負えないようにするなら、そしてその率が3から4パーセントの範囲に加速するならば、崩壊は世界に破壊をもたらす可能性がある。
PS May 10, 2021
Will the Productivity Revolution Be Postponed?
BARRY EICHENGREEN
生産性の向上はすべてを変えます。労働力がゆっくりと成長し、資本ストックがすでに大きい先進国では、通常、生産量の伸びの大部分を占めています。これは、生産性の向上が経済的パフォーマンスを改善するための最も直接的かつ即時の方法であることを意味します。
米国の全要素生産性の年間成長率がCOVID-19以前の5年間に経験した0.5％から2％に上昇した場合、GDP成長率はIMFが予測した2023-26年の1.5％から2倍に上昇する。この急速な生産性の向上は、1996年から2004年までの米国とほぼ正確に一致する。これは、卸売り、小売り、および金融で革新的なデジタル化が採用された、いわゆるニューエコノミーの時期だ。
その場合、収入は2世代ではなく1世代で2倍になる。政府はより多くの収入とより小さな財政赤字を持つ。債務／GDP比率の減少が可能になる。問題は、ニューエコノミー期間の急速な生産性の伸びを再現できなかったことだ。
デジタルテクノロジーへの投資は大企業に集中している。中小企業は遅れをとっており、大企業による優位性が高まると、競争が減り、市場リーダーにイノベーションを求める圧力が減る。COVID-19からの集団免疫がますます起こりそうにないので、ホスピタリティ部門の企業は恒久的に高いコストに直面する。
1918年から20年のインフルエンザの流行の余波を考えてみよう。1920年代には生産性の伸びがある程度加速したが、完全な影響が感じられたのは1930年代だった。大恐慌の間、企業は生産を再編成するために不況期を利用し、その能力が最も低い企業は市場から撤退した。政府は道路に投資し、初期のトラック産業が流通の生産性を高めることになった。しかし、1910年代にさかのぼるイノベーションが生産性統計に現れるまで、10年以上が経過した。
2つの重要な教訓が得られる。第一に、より速い生産性の成長が実現する前にいくらかの遅れが生じる。予算担当者と中央銀行はそれに応じて計画する必要がある。第二に、政府は加速が早く始まることを確実にする措置を講じるべきだ。1930年代には、これはトラック輸送を促進する道路や橋に投資することだった。今日では、デジタル化の効率性が経済全体におよぶように、ブロードバンドに投資することである。
インフラストラクチャへの支出を削減することは、明らかに逆効果だ。これは、短期的には生産性向上の見通しを悪化させ、幼児教育への支出削減も同様に長期的な見通しを損なう。しかし、生産性上昇の遅延について懸念が強いほど、過熱シナリオを回避するために、バイデンの支出計画を税金で賄うことを強く主張するべきだ。
FT May 11, 2021
Joe Biden’s best bet is to close the federal tax gap
Charles Ellis
FT May 11, 2021
A very different kind of supercycle
NYT May 13, 2021
Krugman Wonks Out: Return of the Monetary Cockroaches
By Paul Krugman
● スコットランド独立論
NYT May 7, 2021
Does Scotland Really Want Independence?
By Jamie Maxwell
ミレニアル世代以下の若いスコットランド人にとって、スコットランドはウェストミンスターの制約から解放されて独自に統治するほうがよい、という信念はほとんど公理だ。イラク戦争からブレグジット、金融危機から緊縮財政まで、英国は危機と衰退のスパイラルに閉じ込められている。
スコットランド人が独立派に過半数を投票した場合、それは独立計画の支持のように見えるかもしれない。現実はもっと複雑だ。
2014年に、独立を問う最初の住民投票が行われ、スコットランド人はわずかな差で統合を続けることを選択した。しかし、2016年、彼らは英国のEU離脱に反対票を投じた。S.N.P.（スコットランド国民党）は、おそらくグリーンズ（緑の党）と協力して、新しい国民投票で英国政府からの合意を確保することを望む。しかしジョンソンの保守党政権は、いかなる要求に対してもノーと答えるだろう。
スタージョンは、2017年にカタルーニャで行われた「山猫」国民投票を排除した。彼女は、英国の裁判所に対する法的な異議申し立てを超える、世論調査を好む。彼女はジョンソンが最終的に民主的な圧力の重みで屈服するだろうと確信しているようだ。
人口動態の傾向、スコットランド議会に対するS.N.P.の選挙での優位性、および英国保守党に対するスコットランドの反感の深さは、長期的に、連邦という憲法上の構造に大きな負担をかける。
態度を決めていないスコットランド人を、UK離脱に向ける、最も速く、最も効果的な方法は、彼らが去ることは決して許されない、と明確に彼らに告げることだ。スタージョンはこれを理解している。UKの最後の首相にならないことが主な関心であるジョンソンは、様子を見ている。
FT May 9, 2021
Scottish vote lights a long fuse under the UK
Robert Shrimsley
The Guardian, Sun 9 May 2021
Many Scots don’t want independence, but a more cooperative union
Gordon Brown
私たちの前に横たわっているのは、何ヶ月にもわたる憲法上の対立、法廷審問、最後通牒、懲罰。しかし、スコットランドと英国が再び協力できる方法が1つある。
私が毎日目にしているのは、2つのスコットランドではなく、3つのブロックである。独立を支持派と反対派の2つのブロックは、中央のより大きなグループを挟んでいる。私たちの300年の歴史を持つ連邦が生きるか死ぬかを決めるのは、どちらの側の支持者でもないこのグループだ。
彼らはスコットランド人かイギリス人かを選択することを強いられたくない。彼らは私たちの国を愛する愛国者であるが、スコットランド人である「私たち」と英国の他の「彼ら」の間で、終わりのない闘いの観点から人生を見る国民主義者ではない。
FT May 10, 2021
Playing for time on a new Scottish vote is not enough
The Guardian, Mon 10 May 2021
Why Scotland’s election result is unlikely to hasten a referendum
Michael Keating
FT May 12, 2021
To save Scotland Johnson must stop competing with nationalists
Jim Gallagher
● 台湾のチキンゲーム
PS May 7, 2021
Taiwan and the Ghosts of History
IAN BURUMA
米国は、台湾としてよく知られている中華民国Republic of Chinaを保護するために、中華人民共和国との壊滅的な戦争の危険を冒す準備ができているのか?
ジョー・バイデン大統領は先週、彼のビジョンを明確にした。彼は、中国と米国の間の競争を民主主義と専制政治の間の世界的な対立と見なしており、中華民国は間違いなくアジアで最も成功した民主主義の1つである。
超大国紛争が人類の大部分を破壊する可能性がある今日の世界で、中国と米国は台湾をめぐる戦争を回避するかもしれない。しかしこれまでのところ、中国はチキンゲームをしており、台湾の防衛を試し、領空に飛び込み、海軍のパトロールを強化し、侵略のための軍事演習、「軍事力の行使を排除しない」と挑発的な発言をしている。」 これに対して、台湾へのより多くの武器輸出と、新冷戦についての強硬論がアメリカ側にも起きる。
チキンゲームは誰が最初に挫けるかをテストするため、迅速かつ予測不可能にエスカレートする。
● ワクチン供給と知的財産権
PS May 7, 2021
Next Steps for a People’s Vaccine
JAYATI GHOSH
5月4日の時点で、世界の人口の8％未満がCOVID-19ワクチンを1回でも接種していましたが、すべてのワクチン接種の80％を占めたのはわずか10の先進国でした。その理由は、先進国が利用可能なすべての用量を購入しているというだけではありません。それはまた、単に回るのに十分な用量がなかったということでもあります。
しかし、この希少性自体は主に人為的なものです。ワクチンの生産は、製薬会社が知識と技術を共有することを拒否したために制限されてきました。承認されたワクチンを製造する企業は、公的助成金と公的資金による研究の恩恵を受けていますが、それでも独占を維持するために特許保護を利用しており、製造を自社の工場とライセンスを付与した他の少数の企業に限定しています。
知的財産権を一時的に放棄することは不可欠ですが、それは最初のステップにすぎません。次のステップは、知識と技術の移転を促進するための具体的な対策を推進することです。カナダからバングラデシュまで、必要な施設を備えた多くの潜在的なワクチン生産者は、これまでのところ、続行するためのライセンスと技術的ノウハウを拒否されています。TRIPS免除は他の方法でもワクチン生産を増やす可能性があります。
民間のワクチン生産者が現在の世界的なニーズを満たすための金銭的インセンティブをほとんど持っていないことを考えると、公的生産のケースはさらに強くなります。
PS May 7, 2021
Money Alone Won’t Ensure Global Vaccine Equity
ROSALIND MCKENNA
FP MAY 7, 2021
Stopping Drug Patents Has Stopped Pandemics Before
By Laurie Garrett, a former senior fellow for global health at the Council on Foreign Relations and columnist for Foreign Policy.
米国製のCOVID-19薬とワクチンに対する米国大統領ジョー・バイデンの特許保護の放棄は、歴史的なマイルストーンであり、道徳的要請だ。
それはまた、最近の経験の遅れた承認でもある。世界貿易機関（WTO）の知的所有権の貿易関連側面に関する協定（TRIPS）コンポーネントを回避することは、製薬業界の予言とは反対に、製薬業界の死を告げるものである。HIV / AIDSに対する世界の対応が、はるか以前に、特許がアクセシブルな治療を妨げ、命を犠牲にし、イノベーションの誠実な強化をほとんど提供しないことを実証した。
1996年以降、製薬会社のコンソーシアムがHIV / AIDS治療データの共有と製造という前例のない一歩を踏み出し、その結果、壊滅的な大流行であったもののターニングポイントとなった。
裕福な国に住む何百万人ものHIV陽性の人々が、葬儀の計画から退職金の積み立てに一夜で切り替えた一方で、サハラ以南のアフリカやその他の貧しい地域で、エイズとともに生きる何百万人もの人々に抗ウイルス薬の併用療法が否定された。戦いが繰り広げられた。エイズ活動家、医師、発展途上国の政治指導者に対して、否定的な、頑固でさえある製薬業界が闘った。
2002年、元米国大統領のビル・クリントンは、西側の製薬会社に特許を取得した医薬品処方をインドのジェネリック製造会社に提供させる技術移転スキームを考案した。最終的には、年間の治療費が10,000ドル近くから100ドル未満に削減された。
製薬業界に混乱をもたらし、革新を阻害するどころか、知的財産法の厳格な施行をめぐるクリントン財団の策略は、HIV薬の発明の劇的な時代を先導し、治療の抗ウイルス力を改善し、薬の副作用を減らし、新しい薬の形態を開発した。これらは現在、感染を防ぐために採用され、小児医療の選択肢が増え、HIV陽性の個人が命を救う治療を受ける方法が大幅に改善されている。
COVID-19関連のワクチンや医薬品の特許保護を自由化する上で、バイデン政権の主導に従う、大手製薬業界を持つ国がいくつあるかはまだわかりません。
FT May 9, 2021
Creative destruction is the silver lining of the Covid-19 crisis
Rana Foroohar
FT May 11, 2021
Biden struggles with western pandemic disunity
Edward Luce
ヨーロッパの指導者たちはすでに、ホワイトハウスのパンデミック版のドナルド・トランプのアメリカ・ファースト外交に悩まされていました。 1億回以上のワクチンを輸出しているヨーロッパとは異なり、米国は依然として供給を蓄えています。しかし、そのような格差は、世界的な「ワクチンアパルトヘイト」の高まる不満に対しては取るに足らないように見えます。
より良い批判は、免除を生産の急速な増加に変換するのは難しいだろうということです。そうかもしれません。技術は若く、そのプロセスは複雑です。それでも、もしそれが本当なら、権利放棄は新たな競争を生み出さないので、特許権者はほとんど恐れることはないでしょう。
同時多発テロの後、ジョージ・W・ブッシュは、アメリカが国内でテロリストと対峙する必要がないように、海外でテロリストと戦わなければならない、と述べた。
PS May 11, 2021
A Global Accord for Sustainable Finance
FABIO PANETTA
FT May 12, 2021
Intellectual property must not be an obstacle to fair vaccine supply
Pedro Sánchez
PS May 12, 2021
What It Will Take to Overcome the Pandemic
PALITHA ABEYKOON, MAHA EL RABBAT, DAVID NABARRO
FT May 13, 2021
Radical transparency will help vaccinate the world
Gillian Tett
FT May 13, 2021
EU plays catch-up on vaccines and hails its export programme
Michael Peel in Brussels
PS May 12, 2021
Industrial Planning Did Not Deliver the COVID Vaccines
DEIRDRE NANSEN MCCLOSKEY, ALBERTO MINGARDI
FT May 13, 2021
Only scientists and voters can change the politics of catastrophe
John Thornhill
PS May 13, 2021
Forget the Vaccine Patent Waiver
PINELOPI KOUJIANOU GOLDBERG
● スターリンの戦争
PS May 7, 2021
Stalin’s War and Peace
NINA L. KHRUSHCHEVA
マクミーキンの見解では、戦争は、多くの人が信じているように、悪意のあるアドルフ・ヒトラーによって引き起こされたのではありませんでした。ヒトラーの遺産は今日の世界を形作るのにほとんど役立たなかった。
第二次世界大戦はヒトラーの戦争ではありませんでした。それはスターリンのものでした。結局のところ、ユーラシア大陸にまたがるのはスターリン帝国でした。スターリンが、すべてを見て、事実上すべてを知っていなかったとしても、彼の政策が引き起こした革命的な不安定さは、ヨーロッパとアジアの両方で第二次世界大戦の明らかな触媒でした。
スターリンはヨーロッパにおけるソビエト連邦の影響力を拡大したかったとナイマルクは書いている。彼には「社会主義大陸の発展のためのロードマップ」がなかった。代わりに、彼はおそらく、中央ヨーロッパと西ヨーロッパの国々が「共産党を含む左派と中央派の連立によって支配され、それぞれの社会を徐々に安定させ、経済を再建する、人民民主主義政府の異なる星座に発展するだろう」と想像した。言い換えれば、スターリンはヨーロッパの社会主義革命を助長したくなかったのです。
西側の指導者たちはロシアの利益、特にその安全保障上の利益をもっと真剣に受け止めるべきです。
NYT May 8, 2021
Was Nazi Germany Defeated or Liberated? Germans Can’t Decide.
By James Angelos
● 中国の拡大
FP MAY 7, 2021
China Is Building Entire Villages in Another Country’s Territory
By Robert Barnett
FT May 9, 2021
China’s ambitions in space: national pride or taking on the Americans?
Christian Shepherd in Beijing and James Kynge in Hong Kong
● アメリカの社会民主主義
FP MAY 7, 2021
America Is Becoming a Social Democracy
By James Traub, a nonresident fellow at New York University’s Center on International Cooperation and a columnist at Foreign Policy.
なぜ米国は社会民主主義を欠いているのですか？歴史家チャールズ・ビアードの時代からの進歩的な思想家は、米国の金権政治が彼らの特権を維持し、改革への努力を阻止するために国の政治に対する支配を利用したと主張しました。
最近では、左側の思想家は、アメリカの例外を階級ではなく人種に帰した。アメリカの例外の最後の要素は成功です。
トランプは、少なくとも直感的にそれを理解しました。 2016年に共和党の候補者の中で一人で、彼は、彼らの地位、経済的、社会的脆弱性についてますます懸念する国民に、自由ではなく安全を提供しました。トランプは、アメリカ人を市場の力からだけでなく、移民やテロリストから保護し、社会保障とメディケアを保護し、ウォール街の男性要因を予約することを約束しました。
ドナルド・トランプの絶大な人気は、米国が人種の悪魔を征服していないことを証明しています。また、私たちはオーバークラスを飼いならしませんでした。しかし、どちらも、左側の批評家が想像した、より公正な社会への非常に克服できない障壁をもたらしたようには見えません。
FT May 9, 2021
Why the toughest capitalists should root for a wealth tax
Martin Sandbu
あなたは成功した資本家であり、あなたの資本を他の人よりもうまく投資することによって金持ちになることに誇りを持っています。あなたはまた、政治の風がどちらの方向に吹いているかを見るのに十分な政治的知識があります。それは必ずしもあなたの利益になる方向とは限りません。したがって、経済をすべての人に役立つようにするため、または、少なくとも分配方法を固定するために、何かを変更する必要があることに同意します。
どのような変更をサポートする必要がありますか？
公共サービスと投資に、より多くを費やす、という決意は、この数十年で最も強くなっています。資本の富が所得よりもはるかに速く成長した場合（1980年代以降、国内総生産に対する富の比率が2倍になった）、公的歳入への相対的な貢献もそれに続くはずである、という意味です。
資本所有者が無駄に抵抗する傾向は変化しつつあります。代わりに、彼らは彼らと資本主義自体の両方に最適な課税の形態を推進すべきです。累進的な純資産税は、納税者の純資産（総資産から負債を差し引いたもの）に対する年間課税であり、非課税額を超える累進性の率で支払われます。
すべての国はすでに富の保有に課税しています。定期的に、繰り返し、富に課税することはめったにありません。代わりに、資産の実現に対するキャピタルゲイン税や取引の印紙税のように、ある形態から別の形態に富が交換されるとき、または相続税や贈与税のように、ある人から別の人に譲渡されるときに、資産に課税します。さらに、すべての国が不動産の富に繰り返し課税します。
これらはすべて、資本主義がうまく機能するのを妨げます。
相続税と贈与税は、事実上、より早く死ぬか、より早くそれを贈与する人よりも、長生きするか、富を蓄え続ける人の資産に軽い負担を課します。固定資産税は総資本資産に課せられるので、90％の住宅ローンを持っている人は、同じ資産を完全に所有していて10倍裕福な人と、同じ額を支払います。
キャピタルゲイン税は、富の漸進的な成長のみに課税し、損失を控除可能にすることによって、最良の投資選択を行う人にペナルティーを科します。また、税金を支払う能力は、上昇して得た金額ではなく、保有総額に依存することも無視しています。簡単に言えば、そのような体制は、投資がうまい億万長者から投資が下手な億万長者に富を再分配します。純資産税はその反対です。
結論として、資本に課税するすべての方法の中で、累進的な純資産税は、資本主義に最も友好的であり、財産所有民主主義を最も支持する体制である、ということです。
● トランプのFacebook停止
FT May 8, 2021
Republicans drift ever further into Trumpism
トランプ氏のアカウントを一時停止するというFacebookの最初の決定は、内戦以来のアメリカの民主主義に対する最も深刻な脅威であった1月6日にキャピトルヒルを襲った暴徒に卵を投げかけた後に行われました。それ以来、トランプの言葉はますます不吉になっています。頭を下げてトランプの時代を待つことができると考える共和党員は、おそらく自分自身を欺いているでしょう。トランプは彼らの党に対する彼の支配を強化しているだけです。そして2024年の大統領選挙を計画しているすべての兆候を示しています。
トランプは大統領職を失ったが、彼の党は大統領選挙のほかで、はるかに成功した。バイデンを支持した多数の有権者は、共和党の投票用紙に切り替えました。トランプの承認率が50％を超えたのは4年に1回ではありません。
FP MAY 10, 2021
Is Facebook a Failed State?
By Julie Posetti, global director of research at the International Center for Journalists, and Kalina Bontcheva, a professor in computer science at the University of Sheffield.
● ホームレスのチェス・チャンピオン
NYT May 8, 2021
Remember the Homeless Chess Champion? The Boy Is Now a Chess Master.
By Nicholas Kristof
昔々、ホームレスの避難所に住む7歳の難民が学校のチェス盤の前に腰を下ろし、遊び方を学びました。その後、彼の学校は、彼がチェスクラブに参加するための料金を免除するという母親の嘆願に同意しました。
その少年、Tanitoluwa Adewumi（Taniとしてよく知られている）は、ホームレスの避難所の混沌から脱出としてチェスを楽しみ、スキルを驚くほど上達させました。 1年余り後、8歳で、彼は同じ年齢層のニューヨーク州チェス選手権に優勝し、裕福な私立学校の、よく指導された子供たちを打ち負かしました。
私はTaniについていくつかのコラムを書きました。読者は、彼の家族のためのGoFundMeキャンペーンに25万ドル以上を寄付して、1年間の無料住宅を提供しました。彼が家族の新しいアパートを走り回っているのを見るのは心温まるものでした。
彼は本当にそれほど強いのか?
Taniはそれを証明した。今月、5年生として、Taniはコネチカットでのトーナメントを巡回し、すべての年齢の上級プレーヤーを対象に、すべてのゲームで優勝しました。
Taniが州選手権に勝ったとき、いくつかの私立学校が彼に入学資格を提供しました、しかし家族は彼を育てた公立学校にとどまることに決めました。Adewumisはまた、読者から寄付された250,000ドルを使用して、他のホームレスの人々や難民を支援する財団を設立しました。
Taniの物語のより大きな教訓は単純です。才能は普遍的ですが、機会はそうではありません。Taniの場合、すべてが一緒になりました。彼のホームレス・シェルターはチェスクラブのある学区にあり、学校は料金を免除し、彼はすべての練習に彼を連れて行った献身的な両親を持っていました。
コラムニストとしての私の挑戦は、読者がTaniのような並外れた個人を助けたいと思うよう促すことです。私たちはチェスの天才ではない子供たちを含むすべての子供たちをサポートする必要があります。それには政策と慈善活動が必要です。
バイデン大統領が提案した児童税額控除やユニバーサル就学前児童への投資は、苦労しているすべての子供たちの機会に革命をもたらすでしょう。
あなたも、アメリカのチェスマスターの知恵に触発されるかもしれません。負けたときの気持ちを谷に聞いた。
彼は私に言いました。 「私は決して負けない。私は（敗北から）学ぶのです。」
● 資本主義と保守主義
NYT May 8, 2021
Is Capitalism Killing Conservatism?
By Ross Douthat
米国の出生数が2020年に過去最低に落ち込んだという水曜日の報告は、予想されていたが、それでも厳しいものだ。 Twitterでは、特徴的に、保守的嘆きと、それが主に保守主義のせいであることを示唆するリベラルなコメントによって迎えられた。アメリカの資本主義が、おそらく、親子関係を手ごろな価格設定ができず、ワーク・ライフ・バランスを不可能にして、原子化（家族の解体）を避けられないものにしている。
しかし、歴史的記録はもっと複雑だ。資本主義の反伝統的な傾向が必然的に宗教的慣行、共同体または結婚の制度を滅ぼす運命ならば、それらのものが急速な成長と技術変化で単に衰退すると予想するはずだ。
友愛社会の台頭は、19世紀後半から20世紀初頭の現象です。宗教団体の会員数は、超資本主義の金ぴか時代を超えて上昇します。 35歳より前に結婚したアメリカ人の割合は、ブームと不況、そして劇的な経済変化を通じて、1890年代から1960年代まで非常に安定していた。
これは、社会的保守主義が経済的ダイナミズムによって損なわれる可能性があることを示唆していますが、動的に対応することもできます。つまり、宗教的リバイバル、新しい形態の連合、新しい求愛モデルなどで表される、絶え間ない「伝統の再発明」を通じて旧いモデルが消える。
資本主義のダイナミズムが必然的に保守的な習慣を解消するわけではありません。このダイナミズムが積み重ねる富、それが可能にする自由、そしてそれが生み出す技術的な解体は、人々をより個性的に、最初は幸せに、しかし時間とともに、おそらくそれほどではなく、最終的には保守主義とダイナミズムを一緒に弱体化させる。
保守主義者は、実際に、何らかの形で多くの形態のダイナミズムを一緒にジャンプ・スタートする必要があることを理解している。古くて、豊かで、退廃的な社会がしないようなやり方で。
● 戦争はどのように終わるのか
FP MAY 8, 2021
How Wars End
By Janine di Giovanni, a senior fellow at Yale University’s Jackson Institute for Global Affairs and a columnist at Foreign Policy.
戦争は決してきれいなテンプレートにきちんと収まらない。しかし、私たちはそれらを特定のカテゴリーに分けることができる。征服戦争、内戦、反乱戦争、反乱戦争、宗教戦争。最近の歴史はまた、代理戦争、予防戦争、レジームチェンジ戦争、そして、アフガニスタンとイラクを中心とした対テロ戦争後、9/11以降の世界的な戦争を見てきた。政治哲学者のマイケル・ウォルツァーは、さらに1歩進めて、戦争の背後にある道徳的議論を「正しい」戦争と「不正な」戦争、つまり人道的理由で戦うべき戦争とそうでない戦争に分けた。
重要なのは、戦争が最終的にどのように終わるかを分析することだ。私たちが終わらせたい紛争はたくさんあるが、戦争の性質が変化し、解決と平和構築がより困難になっている。ボスニア紛争など、将来さらに動揺することにつながる深い傷で終わる可能性がある。シリアでの戦争の衰退とアフガニスタンの将来の不透明さ、そしてイエメン、エチオピア、ソマリア、サヘル、リビア、ベネズエラなど、紛争が続く中、戦争をどのように効果的に終結できるか。
一つは、紛争を終わらせる強い意志だ。もう1つは、国際交渉における比較的新しい展開、外交で「ツー・トラック外交」として知られているメカニズムである。
シエラレオネでは、2000年5月に残忍な戦争を終わらせるための英国の軍事介入が成功した。その戦争は、民間人に対する虐待、集団強姦、拷問、村全体を焼き殺す、など、人権侵害がひどかった。イギリス軍がかつての植民地に到着するまでに、5万人以上の民間人が殺されていた。
イギリス陸軍准将、アフガニスタンでNATO軍を指揮し、彼の国の最高位の兵士になるデビッド・リチャーズは、首都フリータウンが革命統一戦線（RUF）の手に渡ろうとしていたとき、到着した。ロンドンの上官から政策を受けずに、彼は虐殺を阻止した。
彼の軍隊は空港を確保し、RUFを押し戻した。彼は民間人のための安全地帯を作った。リチャーズはジャングルに入って軍閥と会い、RUFと戦うために一緒に参加するよう説得した。その後、彼はRUFを含むすべての関係者に、すべての人にとって最良の結果は戦いの終わりであると納得させた。戦争が終わったとき、リチャーズと彼の部下は、さまざまな派閥の武装解除と新しいシエラレオネ軍の訓練を担当した。
その戦争の急速な終結は、後に彼が国際連立を指揮したアフガニスタンで起こったこととほぼ反対でした。
リチャーズはシエラレオネをよく知っていた。彼は地図、地形、人々、習慣を理解していた。さらに重要なことに、リチャーズは民間人を助けるために動いた。これが、国に永続的な平和をもたらすことに成功した決定的に重要な要因であった可能性がある。彼の介入は、厳密に倫理的かつ人道的な理由で行われた。
しかし、厳密に人道的介入のビジョンは決して定着しなかった。その重要な理由は、それが最初から論争に巻き込まれたことだ。国連を頂点とする国際法のシステムは、今日まで人道的介入を不可能にしている。国連安全保障理事会だけが介入を命じる正当性を持っている。そして常任理事国の拒否権は、通常、大量虐殺を犯すクライアントを保護するために頼ることができる。
これらすべての問題がシリアで頭に浮かぶ。シリアでは、交渉には、外部の仲介者である国連、そして最近ではロシアに加えて、いくつかの紛争当事者の代表が含まれる。しかし、このプロセスは、シリアの主要な利害関係者だけでなく、結果に利害関係があり、非政府組織、宗教指導者、市民社会グループ、民間人など、平和の実施に役立つ可能性のある非国家主体も除外した。反対勢力がますます崩壊するシリアの場合、四方八方に手を差し伸べることは有用だろう。これらすべての政党を含める理由は、信仰に基づく指導者、女性グループ、地域活動家など、多くの政党が平和構築のプロセスの鍵を握っているからだ。彼らは重要なレベルで権力にアクセスできる。彼らはまた、紛争後の社会に住むことになる人々であり、交渉セッションのためにパラシュートで参加する外交官ではない。
ここで、2トラック外交が登場する。「トラック1」は、主要な紛争当事者間の伝統的な交渉プロセスである。「トラック2」の外交は、非公式に行われ、テーブルに当事者たちをより広く配役する。すべての懸念が反映されるように、それはしばしば秘密裏に行われる。これらの非公式の会談は、国連やロシアのような主要国によって召集されるのではなく、しばしば、紛争解決を専門とするNGOやその他の中立機関によって召集される。
避けられない問題の1つは、「テロリストと話をする」かどうかである。戦争の将来には、より多くの反乱グループやその他の暴力的な非国家主体が含まれる可能性がある。私たちは彼らと話をするか、少なくとも理解できる必要がある。紛争を終わらせるために、私たちは反乱グループを理解しなければならない。そして彼らを理解する唯一の方法は彼らと会うことだ。そう、北アイルランドでの数十年にわたる紛争を終わらせた聖金曜日の和平交渉で、ブレアの元参謀長兼主任交渉官であったジョナサン・パウエルは主張する。
戦争は必ずしも勝利で終わるわけではない。彼らは確かに、蹂躙された諸国と、トラウマを抱えた人びとで終わる。永続的な平和を築くには、修復的司法であろうと、移行期正義であろうと、そのような恐怖を生き延びた者たちを認める必要がある。戦争犯罪がもたらした痛みは、常に、修復されねばならない。
● 日本、パンデミック、オリンピック
FT May 9, 2021
Japan presses ahead with its great Olympics gamble
Leo Lewis
昨年のパンデミック以来、日本政府は多くの点で、個人や民間部門の解釈に「不必要」とは何かという問題を残してきました。危機の初期の、より恐ろしい日々において、それは最も厳しい読書が適用されることを正しく（そして首尾よく）信頼し、在宅勤務の方針への迅速なスナップと、例えば食品の買い物と帽子の買い物の間の鋭い描写を作成しました。
それ以来、それらの線はぼやけています。政府の現在の取り組みは、病気を制御しているという日本の評判を取り戻すのに十分な期間、感染数を減らすことを期待して、古い解釈を再主張する試みを含んでいます。運が良ければ、それは何万人ものアスリートとそのチームが移民によって案内される直前に起こるかもしれません。
この問題、そして間違いなく、新しい非常事態宣言が前任者と同様に機能していない理由の1つは、逆説的にオリンピックの準備にあります。
NYT May 11, 2021
A Sports Event Shouldn’t Be a Superspreader. Cancel the Olympics.
By Jules Boykoff
FT May 14, 2021
Japan Inc braced for fresh hostile bids
Leo Lewis
● オバマ
NYT May 9, 2021
The Obamas Are Freed in Their Blackness
By Charles M. Blow
● 韓国
FP MAY 9, 2021
Minari Is About Korean American Faith as Well as Family
By S. Nathan Park, a Washington D.C.-based attorney and non-resident fellow of the Sejong Institute.
● US産業政策
FT May 10, 2021
US-China rivalry drives the retreat of market economics
Gideon Rachman
30年前、「産業政策」は山高帽と同じくらいファッショナブルでした。しかし現在、ワシントンから北京、ニューデリーからロンドンに至るまで、世界中の政府が補助金の喜びを再発見し、経済的自立と「戦略的」投資を称賛しています。
1990年代の自由市場の国際的な受け入れとグローバリゼーションは、地政学的緊張の低下と密接に関連していました。冷戦は終わり、政府は領土を支配するのではなく、投資を呼び込むために競争していました。
現在、地政学的な競争の復活は、経済への国家介入の新しい方法を推進しています。米国と中国の間の信頼が低下するにつれ、それぞれが、半導体であれ希土類鉱物であれ、重要な商品を他方に依存することを危険な脆弱性と見なし始めています。
軍拡競争の論理が始まりつつあります。それぞれの側が、反対側の行動への対応として保護貿易主義への動きを正当化するからです。インドでは、ナレンドラモディ政権が、主要商品の国内生産を奨励するAtmanirbhar Bharat（自立インド）の政策を推進しています。 EUは昨年、産業戦略に関する論文を発表しました。これは、戦略的自治と外界への依存度の低下に向けた推進力の一部と見なされています。
昨年、バイデン氏の国家安全保障顧問であるジェイク・サリバンは、治安機関が「過去40年間の一般的な新自由主義経済哲学を超え」、「産業政策は深くアメリカ的である」ことを受け入れるよう促した。
しかし、自由市場のエコノミストは驚いています。ワシントンのピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン会長は最近、「アメリカの自滅的な経済後退」を非難し、選択された産業や地域を支援することを目的とした政策は通常、費用のかかる失敗に終わると主張した。
FP MAY 10, 2021
Biden Looks for Defense Hotline With China
By Jack Detsch, Foreign Policy’s Pentagon and national security reporter.
FP MAY 11, 2021
The United Kingdom Dispatches HMS Queen Elizabeth to Confront China
By Michael Auslin, the author of Asia’s New Geopolitics: Essays on Reshaping the Indo-Pacific and is a fellow at Stanford University’s Hoover Institution.
800年以上の間、英国の海軍艦艇がポーツマスから世界の海に向けて進水した。先週、英国海軍は、新しい空母であるHMSクイーンエリザベスが7か月の配備を開始し、艦隊とともにインド太平洋に配備する新しい時代を切り開いた。
● ブレグジットとサービス部門
FT May 10, 2021
UK’s services sector starts to count the real cost of Brexit
Andrew Hill in London
● 気候変動と長期投資
PS May 10, 2021
Waking the Norwegian Green Giant
MARIANA MAZZUCATO, RAINER KATTEL
気候の緊急事態への対応は誰にとっても課題ですが、特に石油の採掘・生産に経済的に依存している国にとってはなおさらです。脱炭素化は、多くの国がグリーン産業革命を追求する機会を生み出しました。しかし、より多くの国が将来の繁栄へのこのルートを採用するにつれて、化石燃料の資産、技術、能力の価値が低下し、石油が支配する経済における雇用、輸出収入、産業革新を脅かします。
世界第3位の天然ガス輸出国であるノルウェーは独特の課題に直面しています。ノルウェーの炭素の「ロックイン」はオランダ病の症状であり、他のほとんどのセクターを犠牲にして、1つの支配的なセクターが成功する形で問題を生じます。
政府は明確な方向性を設定する必要があります。それは、後で民間の関係者を引き込む初期段階の高リスク投資を行い、投資と革新をいとわない人々に報いることです。ノルウェーの場合、グリーン産業戦略は、国が所有するかなりの財源を、グリーンエネルギー技術を中心とした新しい国内産業基盤への投資に向けるべきです。
ところが、ノルウェーのStatens Pensjonsfond Utland（SPU）は、現在計画中またはすでに開発中の世界で最も破壊的な化石燃料プロジェクトの最大の投資家の1つです。最近の報告によると、これらのプロジェクトのうち12件だけで、世界の残りの炭素収支の4分の3が消費され、地球温暖化を摂氏1.5度に制限することは非常に困難になります。
ノルウェーが今必要としているのは、経済の多様化を支援するための忍耐強い長期資金です。現在の財政枠組みでは、大規模な公共投資を通常の政府予算の範囲外に置けるため、石油によって決定される経路依存性がオランダ病を悪化させています。
NYT May 10, 2021
The Cicadas Are Coming. It’s Not an Invasion. It’s a Miracle.
By Margaret Renkl
周期ゼミは、1エーカーあたり最大150万という驚異的な数のため、夏のセミよりも大きく、コーラスのようではなく、外耳道に直接吹き付けられる消火ホースのようです。出現の真っ最中、音はどこからでも、どこからともなく聞こえ、耳の骨や歯の詰め物の中で振動しているように見えます。音は一種の狂気のように感じることができます。
ABC Newsによると、これは「侵入」であり、CBSによると「侵入」です。
そんなことはありません。
セミは、それらが出現する生態系、空腹の鳥や爬虫類、そして多種多様な哺乳類に恩恵をもたらします。魚は小川や湖に落ちるときにそれらを食べます。セミが死んだ後、彼らは分解し、太陽の下で短い日々を過ごした木そのものに餌を与えます。
● 共和党と労働者の闘い
NYT May 10, 2021
Republicans Are Still Waging War on Workers
By Paul Krugman
大企業の利益を擁護し、19世紀後半から賃金を低く抑えようと努めてきた共和党は、突然ポピュリストになったのだろうか。
しかし、アメリカの企業の一部が社会的平等を支持し、有権者の抑圧に反対する穏やかな立場を取っていることは、彼らを大いに悩ませています。経済の状態がどうであれ、共和党は常に失業者を助けることに反対してきました。
先週の雇用報告まで、パンデミックの間に導入された拡大された利益は雇用を大幅に減少させなかったという経済研究者の間でかなり広い合意がありました。特に、2020年3月に導入された週600ドルの福利厚生の満了は、全体的な雇用の目に見える増加にはつながりませんでした。特に、福利厚生が求人を断る大きなインセンティブを生み出すはずだった低賃金の州は、それが削除されたとき、高賃金の州よりも多くの雇用を見ていませんでした。
失業者を罰することは、経済状況がどうであれ、可能な限り共和党員が行うことです。共和党は、控えめに言っても、依然としてコーポラティスト党です。
● インドの感染拡大
PS May 10, 2021
Help India Now
JUNAID NABI
FP MAY 10, 2021
COVID-19 Is India’s Great Leveler
By Anchal Vohra, a Beirut-based columnist for Foreign Policy and a freelance TV correspondent and commentator on the Middle East.
FT May 13, 2021
How India’s Covid-19 crisis diminished Narendra Modi
Amy Kazmin, Benjamin Parkin and Jyotsna Singh in New Delhi
● アフガニスタン、イラク
SPIEGEL International 10.05.2021
Interview with U.S. Special Envoy to Afghanistan
"We Will Not Abandon Afghanistan"
Zalmay Khalilzad
Interview Conducted by Susanne Koelbl
FT May 11, 2021
Iraqi Kurdistan’s authoritarian turn: western ally ‘discards idea of democracy’
Chloe Cornish in Erbil
● US民主主義の救済
PS May 11, 2021
Democracy in the Digital Age
GRIGORY YAVLINSKY
FT May 11, 2021
Europe’s phantom political centre risks fuelling populism
Catherine Fieschi
FT May 12, 2021
The struggle for the survival of US democracy
Martin Wolf
4月28日の議会への演説で、ジョー・バイデンは、彼の大統領職で何が危機に瀕しているのかを定義した。彼はまた、独裁者たちが米国の民主主義は「私たちを引き離す嘘、怒り、憎しみ、恐れを克服できない」ことに賭けている、と述べた。彼は正しかった。しかし、それらの独裁者が正しいのかもしれない。アメリカの主要政党の1つは、明確に反民主主義的になっている。これは現在、米国の自由民主主義の運命をめぐる2人の老人の闘争だ。
ソーシャルメディアがなくても、トランプは依然として党の忠誠心を保持しているため、その指導者たちを支配している。彼が国会議事堂の侵略で命を危険にさらした人々でさえ、マー・アー・ラゴで彼の手にキスをするために急いで集まった。トランプが嘘をついているという事実はニュースではない。ニュースは、退任しても、トランプが彼の党の真実を定義している、ということだ。
私たちが見ているのは、狂信とキャリア主義の融合である。どちらのグループも、選挙を覆すことが「正しい」人々に権力を与えるのであれば、それは問題ないと感じている。結局のところ、これらの民主党員はただの非アメリカ人だ。彼らを権力から遠ざける結末は、どんな手段も正当化する。
唯一の希望は、政府がすべての人の利益のために効果的に行動できることを証明することである、とバイデンは理解している。彼は壮大なワクチン接種を展開した。彼は巨大な即時および長期の支出プログラムを通じてそうしようとしている。すべてがうまくいけば、生産量は需要を満たすために拡大し、インフレは緩やかに上昇し、経済は新しい、よりダイナミックな道にシフトする。
バイデンは巨大な賭けをしている。それを彼は知っている。これは、米国の強力なポストコビッド経済の回復を確保することだけではない。気候などの重要な問題の同盟国およびアクターとしての世界における米国の立場を回復することだけではない。米国政府が重要なことを実行できると証明するだけではない。それは今、民主主義の中核、つまり選挙結果の平和的受容を保護することなのだ。
バイデンが成功することを切に願う。しかし、それは私の生涯で民主主義の指導者が取った最も重要な賭けかもしれない。
NYT May 12, 2021
Biden Can’t Decide What Counts as a ‘Democracy’
By Ivan Krastev
権威主義者に対して民主的な連合を構築するため、米国は、誰が「民主的」と見なされるかを定義する独占を放棄する必要がある。そうでなければ、アメリカの戦略的利益に奉仕するにはあまりにも限定された連立か、ワシントンを無防備に偽善的に見える連立になってしまう。
今日の新しい非民主主義の多くは、実際、以前の民主主義である。これらの国の多くでは、市民たちが、特に民主主義を彼らのために働かせる、という希望から権威主義的なポピュリストに投票した。インドやハンガリーのような選挙による独裁政権やポーランドのような選挙による民主主義は、V Demのような組織やアメリカのフリーダムハウスが民主主義の後退“backsliding”とみなすが、政府の支持者たちは民主主義だと主張する。
国務省で非常に頻繁に使用されている「バックスライディング」の概念は、一方に民主主義、もう一方に権威主義という、単純な冷戦の連続体ではもはや十分ではないという事実に、アメリカ政府の多くの人々を盲目にした。
社会が恐怖と不確実性に感染しているため、民主的ガバナンスを構成するものの認識は混乱している。多くの場所でパンデミックと闘った昨年は、民主主義と権威主義体制を以前よりも区別しにくくした。政権タイプから、パンデミックへの対応がどれだけうまくいくか（うまくいかないか）を知ることはできない。それをうまく処理したのは、韓国やニュージーランドのような民主主義だけでなく、中国のような独裁政権である。政権の種類はまた、市民の自由に対するどのような制限や政府が採用する経済政策の種類を予測しない。
ワシントンには選択肢があります。インドやトルコのような中国諸国を封じ込める目的で民主主義であると偽善的にふりをするか、中国とロシアを封じ込める努力を世界的な民主主義を復活させる努力から修辞的に切り離すか。第二の道を歩むべきだ。私たちのソーシャルメディアが飽和した世界では、偽善は究極の悪だから。
民主的活動家の正当性は権力に真実を話すことから来るのに対し、民主主義政府の国際的な正当性は、権力について真実を話すことから来る。
● 英仏比較
FT May 13, 2021
Why the English are complacent and the French apocalyptic
Simon Kuper
● 優れた経済学
PS May 11, 2021
Beware Economists Bearing Policy Paradigms
DANI RODRIK
新自由主義は死んだ。あるいは、多分、生きたままだ。専門家は最近その両方を言う。いずれにせよ、経済政策の世界で何か新しいことが起こっていることは否定できない。
バイデン大統領は、社会プログラム、インフラストラクチャ、および、グリーン経済への移行に対する政府支出の大幅な拡大を求めている。彼は、政府調達を利用して国内のサプライチェーンを再構築し、製造業の仕事を米国に持ち帰りたいと考える。イエレン財務長官は、法人税の世界的に調整された増加を推進している。連邦準備制度理事会のパウエル議長は、伝統的に物価安定に関して最もタカ派の政府機関で、インフレ懸念を和らげ、財政拡大を支援する。
これらの政策変更はすべて、ワシントンの従来の知識からの急激な逸脱である。
米国と、より広くは西側の経済政策は、長い間、根本的な見直しを必要としてきた。1980年代以降支配的なアイデア（ワシントンコンセンサス、市場原理主義、または新自由主義とさまざまに呼ばれる）は、ケインズ主義の失敗と政府による過度の規制が認識されたため、もともと勢いを得たものだ。しかし、彼らは独自の問題を抱える。高度に金融化された、不平等で不安定な経済を生み出したが、気候変動、社会的包摂、破壊的な新技術など、今日の最も重要な課題に対処するための装備が整っていない。
経済学者は、全体的な経済的繁栄を促進する市場の力に夢中になりがちだ。しかし、経済学は自由市場への賛辞ではありません。実際、経済学の指導の多くは、市場がいかに多くの不平等を生み出す可能性があるか、そしてどのように市場が資源を効率的に配分するという独自の条件で失敗するかに焦点を当てています。
幸いなことに、経済学を教えるための新しいパラダイムが存在します。 CORE Projectは、オンライン教育ツールであり、無料のオープンアクセス教科書です。COREアプローチは、不平等や気候変動などの問題に正面から取り組む。COREは、個人が利己的で先見の明があるというより、社会に従い、近視眼的であると想定する。競争は不完全で、勝者がすべてを得るという特徴がある。権力は、あいまいに、または外因的に扱われるのではなく、労働や融資の市場において、プリンシパル・エージェント関係の形で常に存在する。レントは至る所に存在し、経済がうまく機能するためにしばしば必要とされるが、まれな現象ではなく、政策の誤りの結果でも生じる。
重商主義、古典的自由主義、ケインズ派、社会民主主義、オルド自由主義、新自由主義など、これまでのすべての政策パラダイムには、いつ、どこでも適用できる、普遍的プログラムと考えられたため、重要な盲点があった。必然的に、各パラダイムの盲点は、経済ガバナンスについてのわれわれの考え方にイノベーションを起こすのを妨げた。その結果、経済における政府の役割についての過度の楽観主義と悲観主義の間で、行き過ぎと振り子の揺れが生じた。
経済学における政策の正しい答えは、「状況によって異なる」。優れた経済学は、現実世界の状況とさまざまなタイプの介入の望ましさの間のリンクをマッピングする。
● アイルランドの経済史
VOX 11 May 2021
Independent Ireland: A centennial perspective
Cormac Ó Gráda, Kevin O'Rourke
アイルランドの経済は、時代により、従うべきモデルとして、または失敗の冷静な教訓として役立ってきた。
アイルランド独立の最初の60年間、この国は目覚ましい業績不振であり、標準的な無条件収束フレームワークが予測したよりもはるかにゆっくりと成長していた。しかし、経済史家は、その相対的なアイルランドの失敗の原因とタイミングについての私たちの理解を修正した。
1950年代、ヨーロッパが黄金時代に乗り出し、保護貿易主義のアイルランドが外国直接投資を誘致する、という初期の戦略にもかかわらず、取り残された。アイルランドは1973年に欧州共同体に加盟した。そして、1980年代後半になってようやく、遅ればせながら、劇的にヨーロッパの中心に収束した。平均して、アイルランドは驚くほど正常なヨーロッパの国だった。
その結論は、今日のアイルランドの相対的な経済状況にまで及ぶ。一人当たりGDPの統計は、EUで2位を占めているが、よく知られているように、GDPはアイルランド経済の健全性への絶望的に不十分なガイドだ。主にアイルランドに所在する多国籍企業が所有する資本資産の結果として、GNIの信頼性も低く、高額の減価償却費が発生する。
際立っているのは、世界の他の地域とのつながりの程度と、そのボラティリティである。移住は危機の際に重要な安全弁を提供したが、内向きと外向きの要因の流れは明らかにブームとバストの両方を増幅する可能性がある。アイルランドの収束の遅れの最も顕著な結果の1つは、大規模な純移民流出国から、大規模な純移民流入国への転換であった。
2021年のアイルランドは、反移民党がない西ヨーロッパで唯一の国だ。アイルランドの外国直接投資への依存度も珍しい。現在、世界的な租税回避の程度は、国際的な法人税改革が不可避である。多国籍企業は国の主要な雇用主であり、彼らが支払う税金は政府の主要な収入源だ。
● オーストラリア
FP MAY 11, 2021
Australia Is the New Hermit Kingdom
By Amelia Lester
● 住宅価格
FT May 12, 2021
Why haven’t house prices collapsed?
Valentina Romei in London
● デジタル通貨
FT May 12, 2021
Dogecoin gives away the crypto game
Jemima Kelly
FT May 12, 2021
Central banks get serious on digital currencies
Nicholas Gruen
FT May 13, 2021
Crypto’s prime time prompts watchdog’s glare
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The Economist April 24th 2021
Putin’s Russia: Something is rotten
The Russian economy: Under siege
Health care: Dangerous work
Foreign policy under Joe Biden: Overload
Lexington: The Great Game
Bagehot: Football Tories
Women in war: Offices and gentlewomen
The sports business: They think it’s all over
Economic sanctions: Handle with care
（コメント） ウクライナ東部の戦争拡大を準備し、政敵であるナワルニーを投獄したまま完全に世界から消し去ることを命じ、制裁や金融危機から守られ、ウイルスの攻撃にも耐えられる要塞化した国家を築き上げた。これがプーチンの成果だとしたら、国民は非常に不幸な生活を黙って受け入れるしかないのか。
中国では医療に関する恨みと医師を襲う事件が多く起きている。アメリカ外交は価値観を世界に宣伝しすぎだろうか。戦場における女性兵士の重要さ。
なにより、スーパー・リーグ構想が数日で崩壊した事件を、様々に解釈します。
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IPEの想像力 5/17/21
娘を亡くしたIzzeldin Abuelaishは、2012年に書きました（The Observer, Saturday 17 November 2012）。「イスラエルの攻撃は『自衛』などではない。占領された側には何ができるのか? 子供たちが殺害されているとき、国際システムはどこにあるのか? 」
地球上の陸地を覆う人間社会は、今も、地理と宗教・民族（あるいは部族意識）に支配されています。それが＜国民国家＞モデルで実現される世界の秩序です。そこでは軍事力が行使され、難民や分離独立運動が続いています。
「ガザ戦争」という圧倒的に不均衡な戦争に驚きます。パレスチナ武装勢力は勝利する見込みが全くありません。しかし、パレスチナ人がいる以上、イスラエルがユダヤ国家として勝利する見込みもありません。
惑星ガザ、とよばれ、あるいは、天井の無い監獄と称される。
2013年のガザ・マラソンはハマスが中止しました。・・・ガザ・マラソンは、イスラエルが不当に占領する問題を世界に発信する重要な機会であった。それは破壊された建物を避け、穴だらけの道路を迂回し、地中海の海岸線のように蛇行する，世界で最も危険なコースとなった。
それでも今回のマラソンには807名のランナーが参加を準備していた。その3分の1は国際連合パレスチナ難民救済事業機関UNRWAが組織したものだ。・・・あまりにもリベラルな参加者，特に，女性ランナーが男性ランナーと一緒に走るのをハマスは嫌った、という。
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2014年のガザ戦争のときIAN BURUMAは書きました。
・・・2009年のガザ侵攻で、当時のイスラエル外相は、アメリカの日本との戦争にたとえた。地上軍の投入は必要ない。敵は空からの爆撃で降伏する、と。
これは「戦略爆撃」という概念である。敵の「致命的なセンター」を破壊することで、人々の意志を破壊できる、と言うのだ。かつてチャーチルが述べたように、空爆は「安価に」帝国を治安維持する方法であった。はるか上空から、十分に多くの人民を殺戮することで、反乱を停止できる。今、オバマがアフガニスタン、パキスタン、イエメンでドローンを使用するのも、同じ原理だ。
しかし、その勝利は幻である。市民を殺せば、新しい反徒を生むからだ。ネタニヤフがそれを知らないとしたら愚かであり、それを知って空爆を続けるのは、全ての平和が無駄だと考えているからだ。・・・
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ブレグジットの時代に、ガザ戦争は、トランプがバイデンに仕掛けた罠のように見えます。バイデン政権は、中国に対する「ジェノサイド」という非難をトランプから継承し、パレスチナ人に対する国際的な国家建設を無視するネタニヤフへの支持も継承してしまいました。そして、ガザ戦争が起きたのです。
終わらない戦争はない。この紛争はいつまで続くのか。
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Nicholas KristofはNYT May 12, 2021に書きました。
基本的なパターンがある。ミサイルが飛んでいるときは、両側の強硬派が優勢になる。民間人は死ぬが、一方の過激派は他方の過激派に力を与える。
アメリカは、豊かなイスラエルに莫大な軍事援助を毎年提供し、パレスチナ人の爆撃に助成金を支給している。
ハマスを抑圧的で無能だと憤慨し、多くの人々は報復に直面することを知っているのでイスラエルへのミサイル発射を嫌う人々がいる。イスラエルのために経済的苦痛、恐れ、葬式に耐えてきたので、ミサイル発射を見て、イスラエルの母親が彼らと同じように悲しむことを期待し、苦い満足を認める人々もいる。
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おそらく、異なる現実を想像力によって招き寄せることが平和の始まりです。北アイルランド和平はどのように実現したのか?
難民たちをキャンプやガザに封鎖するイスラエルに正義はない。ニューヨーク、ロンドン、東京に、ガザ住民の居住区を建設し、数家族を招いてはどうでしょうか。彼らは懸命に働いて、その土地の社会と経済に貢献し、同時に、パレスチナ人にとっての平和と正義の実現を訴えるでしょう。
世界の多くのユダヤ人たちは、今も、イスラエルを援助していると思います。しかし、これが地球そっくりの別の惑星で、もし「イスラエル」が「台湾」にあったら、と私は想像します。中国人の暮らす「ガザ地区」が封鎖され、ユダヤ人入植地と壁が並ぶ「西岸」を占領した状態であれば、ネタニヤフはガザにこれほど激しく空爆するでしょうか? 中国は台湾を軍事併合するでしょうか? アメリカはイスラエル（と台湾）への経済支援を続け、軍事的に防衛するのでしょうか?
むしろ、「中国」と「アメリカ」は断固として合意・協力して、イスラエルと台湾の2国家案を実現するのではないでしょうか?
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恐怖による支配を「解決」と称する狂気の政治指導者を、民主主義は退けねばなりません。バイデンは、惑星ガザでも、対話と繁栄を通じた和解が可能であることを示すことを求められます。
愛する娘が、民主主義と人権に基づく、異なる国際システムがある時代（あるいは、星）に生まれ変わるように、と父親は願うでしょう。
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