IPEの果樹園2021
今週のReview
3/15-20
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イギリス予算案と増税 ・・・危機後のベーシックインカム ・・・財政刺激策の限界 ・・・SDRとデジタル人民元 ・・・米中対立の行方 ・・・香港・ウイグルの弾圧 ・・・グローバル・ブリテン ・・・ハリーとメーガンの英王室批判 ・・・気候変動と絶滅種の対策 ・・・アメリカとバングラデシュの貧困 ・・・クアッドの役割
[長いReview]
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主要な出典 FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, Foreign Policy, The Guardian, NYT: New York Times, PS: Project Syndicate, SPIEGEL International, VOX: VoxEU.orgそして、The Economist (London)
[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.]
● イギリス予算案と増税
FT March 5, 2021
The Spectator joins the inflation doom-mongers
Claire Jones
イギリスのリシ・スナック蔵相は、政府支出は今、大幅に増えているが、今後数年で増税する、と説明した。それはアメリカのバイデン政権が行う巨大な刺激策がインフレ的な影響を及ぼすことへの防衛策になる、と新聞記事は述べている。そうだろうか?
FT March 7, 2021
Rishi Sunak takes an axe to Thatcher’s low-tax ideology
Martin Wolf
40年間、キース・ジョセフとマーガレット・サッチャーが広めた自由市場の考え方は、英国保守党のとても快適なスツール(椅子)であった。その信念はブレグジットの原動力になっていた。多くの人が、EUから解放されて、低税率の、規制緩和された経済になると思った。この理想を「テムズ河畔のシンガポール」とよぶ者もいた。
しかし先週の予算案では、リシ・スナックRishi Sunak蔵相がこのスツールの脚の1つを斧で切り倒した。彼は、半世紀以上も見られなかった水準に税金を上げる、特にビジネスに増税することを約束したのだ。この政府の経済ビジョンは何か?
スナックの増税構想は、COVID-19財政危機への必然的な対応だ、と言うかもしれない。しかし、それは違う。かつて、サッチャー主義を信奉するオズボーン蔵相は、政府支出全般を厳しく管理し、法人税を下げた。スナックはそうしなかった。彼は新しい政治的現実をそう認識したのだ。しかし、経済的にはどうか?
オズボーンの法人税削減は投資を増やすことに失敗した。UKの投資は、人口の大きい高所得国の中で最低だ。Andrew Smithersは、ボーナス文化のせいで企業の利潤を投資より株価引き上げに使われる、と主張する。もっと法人税を下げても、イギリスの人口規模はアイルランドより大きく、直接投資の流入を増やすことが重要な意味を持たないだろう。しかし、法人税を引き上げることが投資を増やすとは思えない。
1979年以来、政治を支配してきたサッチャー主義の再検討が必要だ。それは、EU単一市場への参加を含めて、市場の競争を強化し、労働市場の弾力性を高めるものだった。
スナックの増税構想は、単なるギミック(見せかけ)であるともいえる。彼が指導するアイデアは自由港 “freeports” である。経済活動や所得を自由港に移す。彼はまた、大蔵省からUK投資銀行を分離してリーズに設置する、と公表した。当初はわずか120億ポンドであるが。
投資、技術革新、地方分権、税制改革、労働市場改革、エネルギー転換、すべてが欠けている。サッチャー主義が終わった後、何をめざすのか? だれも知らない。
PS Mar 5, 2021
Build Back Equal
MARÍA FERNANDA ESPINOSA
FT March 7, 2021
The politics of the levelling-up agenda
ボリス・ジョンソンは首相としての最初の演説で、「忘れられた人々と取り残された町の訴え」に応えると約束した。わずか2年後、ノースヨークシャーの田園地帯にある裕福なマーケットタウン、Richmondがそれ(政府が支援する町)に入る一方、サウスヨークシャーのかつての炭鉱町Barnsleyは入らない、とほとんど誰も予想しなかっただろう。
ブレグジット国民投票とドナルド・トランプ当選を合わせた2016年の衝撃は、いわゆる取り残されたコミュニティに注目を集めた。多くの、伝統的に左翼労働者階級の有権者が保守党を支持したのは、グローバリゼーションとリベラルな経済学に対する反発と見なされた。これらのしばしばかつて工業地帯であった町は、グローバリゼーションがもたらす経済成長を取り逃し、その社会変化によって疎外された。だから彼らは、良い時代を取り戻す、と約束する人々に投票したのだ。
しかし、その約束を実現しようとする英国の最近の試みは、論争の的になっている。新しい「レベルアップ基金」の最優先事項として置かれた地方自治体には、リッチモンドのような裕福な保守派が代表する地域が含まれ、マンチェスターのサルフォードや旧鉄鋼都市のシェフィールドなど、貧困コミュニティは優先度が低くなっている。
EU離脱がもたらした衝撃が何であれ、英国はこれらの「忘れられた町」を活性化するためのトップダウンアプローチを維持し、政府・官僚が、固定資金のポットを争うさまざまな提案と町から選択する。意思決定を再配置するボトムアップアプローチがもっと良いだろう。ジョンソン政権が本当に「取り残された町の訴え」に応えたいなら、その声を聞くことから始めるべきだ。
● 危機後の回復
FT March 8, 2021
Post-crisis recovery is a chance to address gender inequality
Sanda Ojiambo
The Guardian, Thu 11 Mar 2021
Post-Covid Britain needs a new social guarantee
Anna Coote and Neal Lawson
スナック蔵相は増税と歳出削減を約束した。根本的な対応がなければ、貧困、失業、不平等の増加がCovid危機の必然的な結果となる。
今必要なのは、すべての人の生存権を社会的に保証することだ。ほとんどの人は、これらの必需品について同意するだろう。教育、医療ケア、まともな住居、介護、食物、きれいな空気と水、エネルギー、移動、そして(最近になって)インターネットへのアクセスもそうだ。誰もがこれらの必需品を確実に手に入れるために、生活するための公正な収入と彼らのニーズを満たす公共サービスへのアクセスを持たなければならない。
政策の専門家たちは、“universal basic income”「ベーシックインカム」(UBI)または“universal basic services”「ベーシックサービス」(UBS)のどちらが私たちの好ましい目標であるべきか長く議論してきた。しかし実際には、両方が必要だ。公共サービスがなければ、多くの人々は医療や教育を利用できず、最低限度が保証された収入がなければ、あまりにも多くの人が貧困を非難する。
一方で、私たちは誰もが安全で十分な収入を得られるようにしたい。これは、給付金を請求することの屈辱を最小限に抑え、人々の収入レベルが異なる職種、ニーズ、および条件によって劇的に変動する現実を反映する。反対側には、人々が直接お金を払わない、良い生活を送るために不可欠なサービスがある。これらは低所得の人々にとってはるかに価値があり、不平等を減らすのに役立つ。COVID-19のコストが緊縮策の正当化に利用される危険がある。
トップダウンの均一なモデルはない。サービスは、地方自治体や社会的企業、協同組合、慈善団体など、幅広い組織を通じて提供される。すべてのプロバイダーは、同じ一連の原則と公益に奉仕する義務がある。
最も重要なことは、現金と現物の給付を統合する変革的なシステムを創ることだ。一つには、それは優れた再分配機能をもたらす。誰もが貢献し、誰もが恩恵を受けるので、それは共有された責任と連帯の感覚を構築する。それは、すべてのスキルレベルで比較的安定した公共部門の雇用を生み出し、公共資源の効率的な利用を促進する。
NYT March 11, 2021
The Coronavirus Made the Radical Possible
By Rachel Cohen
● 財政刺激策の限界
PS Mar 5, 2021
Fiscal Follies in the COVID Recovery
DANIEL GROS
先進国の政府は財政の蛇口を開いたままだ。 しかし、2008年の危機の余波とは異なり、今日の問題は購買力の欠如ではなく、ウイルスによるパンデミックに特有の状況である。
財政政策の問題については、2008年の危機からの大きな教訓の1つを今さら学ぶ必要はない。 2009年以降の財政赤字の削減は間違いだった。この物語によると、「緊縮財政」(増税と歳出削減)による公的部門のリバランスは、特に回復を遅くし、それに続くポピュリズムの興隆につながった。IMFでさえ政府債務に関する姿勢を変えた。
しかし、政策立案者は、前回の危機の財政政策の教訓が今日に適用可能かどうか自問する必要がある。一部のセクターで持続する需給ギャップは、可処分所得の不足を反映しているのではなく、コロナウイルスがまだ流行している間、外出することを恐れる消費者の移動の制限と躊躇を反映している。
過去1年間の経験と常識は、追加の大規模な財政移転が単に節約されることを示唆している。追加の刺激策が総需要に与える乗数効果は低い。現在の状況では、需給ギャップや失業率はどちらも誤解を招くものだ。これらは、一般的な需要の弱さではなく、さまざまなセクターに対するパンデミックの影響を反映している。
支出が引き続き増加しているとしても、その多くは輸入可能な商品に向けられるため、特にインフレになる可能性は低い。米国の貿易収支はさらに悪化し、ヨーロッパと中国の生産者に利益をもたらすだろう。
インフレが強まるかどうかにかかわらず、バイデンの財政支出パッケージはGDPのシェアとして米国政府債務を10パーセントポイント増加させ、経済にはほとんど利益をもたらさない。すでに活発な回復を始めている経済を刺激しようとすることは、どちらにしても失敗する案だ。
FP MARCH 5, 2021
Biden’s Stimulus Is the Dawn of a New Economic Era
BY ADAM TOOZE
2009年の景気後退を超えて、バイデン政権が解き放つと決意している米国経済の急速な回復は、世界的な需要を後押しするだろう。
バイデンの刺激策が需給ギャップの信頼できる推定値のどれよりも大きいことは明らかだ。これは、刺激が意図的に高圧経済を生み出すように設計されていることを意味する。
1993年、クリントン政権にまでさかのぼる1世代以上の間、テクノクラートの偏見は逆であった。財政政策と金融政策の両方において、慎重な姿勢で、刺激策はわずかで、金利を先制的に引き上げることが優先された。それが、仕事を見つけたかもしれない何百万もの人々を失業させた。
2021年にバイデン政権によって計画された2つの刺激策は、民主党の大統領が当選した後、中期選挙で敗北する、絶望的なサイクルを断ち切るための、よく考えられた提案だ。
PS Mar 8, 2021
The US Recovery’s Promising Moment
MOHAMED A. EL-ERIAN
NYT March 8, 2021
Will Stagnation Follow the Biden Boom?
By Paul Krugman
FT March 9, 2021
A historic moment in US stimulus
NYT March 9, 2021
The Pandemic Economy and the Rise of the ‘Noxious Contract’
By David Grusky
NYT March 10, 2021
How Biden Funds His Next Bill: Shrink the $7.5 Trillion Tax Gap
By Chye-Ching Huang
FT March 11, 2021
Biden’s stimulus will affect the whole world
● SDRとデジタル人民元
PS Mar 5, 2021
Building a Better SDR
JOSÉ ANTONIO OCAMPO
G20は、国際通貨基金の準備資産である特別引出権の新たな配分に合意した。これは素晴らしいニュースだ。私は長い間、SDRを最も有望でありながら十分に活用されていない国際経済協力の手段と考えてきた。世界がこの半世紀前のツールを最大限に活用する改革が必要である。
米国は協力の必要性を認識している。昨年、SDRの割り当てに反対し、阻止したのは、米国財務長官のスティーブン・ムニューシンだった。 IMFの専務理事クリスタリナ・ゲオルギエバは、COVID-19対策を支援するためSDRを擁護した。
SDRを改善する方法はいくつかある。まず、IMFは二重会計の問題に取り組む。ジャック・ポラックがずっと前に示唆したように、IMFは2つのアカウントを統合するべきだ。私の提案は、未使用のSDRを、それらを所有する国によるIMFの預金として扱うことである。
2番目の重要な改革は、SDRの配分である。これを修正する1つの方法は、準備金の需要が最も高い国、主に開発途上国に、より多くのSDR割り当てることだ。たとえば、ジョン・ウィリアムソンは、低中所得国と高所得国の間で80/20の配分を提案している。もう1つのオプションは、SDRの割り当てを決定するため、IMFのクォータに、準備金の需要を基準として導入する。どちらのアプローチも、1960年代にUNCTADが召集した専門家グループが提案した、SDRの「開発リンク」につながる。
リチャード・クーパーによると、改革のパズルの最後のピースはSDRの民間利用である。しかし、それは望ましいが、需要の投機的な変化から、国際準備通貨(今は主にドル)の発行者、特に米国による抵抗まで、問題を引き起こす可能性がある。妥協案は、SDRの民間利用を制限することだ。たとえば、金融機関が中央銀行に保有する預金(必要な準備金を含む)などだ。
PS Mar 9, 2021
Who Needs a Digital Dollar?
BARRY EICHENGREEN
2月のイベントで、イエレン財務長官はデジタル。ドルのアイデアを「絶対に見る価値がある」とフラグを立て、ボストン連邦準備銀行はMITの学者と協力してすでにそうしていると付け加えた。翌日、議会の証言で、パウエル連銀議長はデジタルドルを「私たちにとって優先度の高いプロジェクト」と述べた。
米中間の技術的冷戦と見る人もいる。中国人民銀行(PBOC)は、遅くとも2022年に、ほぼ確実にデジタル通貨を展開する最初の主要な中央銀行になる。米国が迅速に行動しなければ、遅れをとる。アメリカの金融システムは20世紀でとどまり、米国の競争力を損なう。主要な国際通貨としてのドルの地位は、国境を越えた取引で、中国のデジタル人民元の使いやすさによって損なわれ、米国は金銭的および財政的レバレッジの1つを失う。
これは誇張であるか、完全な間違いだ。デジタル人民元を発行するPBOCの主な動機は、非常に大規模で、規制が緩いデジタル決済プラットフォームである、AlipayとWeChatPayの代わりに、政府が管理する代替手段を作ることである。
AlipayとWeChatPayの普及により、中国当局が経済全体の支払いフローの制御を失うという不安が高まっている。また、支払いに関する情報を使用して、彼らが貸付活動をめざしているから、その普及は、当局がより一般的に資金の流れと融資配分の制御を失う可能性がある。
ドルをデジタル化するコストとリスクと比較検討する必要がある。人々が貯蓄を銀行からデジタルウォレットにシフトすると、銀行の貸付能力は妨げられる。一部の銀行は閉鎖され、信用を銀行に依存している中小企業は他の場所を探す必要がある。さらに、FRBが運営する個人への支払ネットワークは、ハッカーやデジタルテロリストにとって豊富な標的となる。安全保障と金融安定性が不可欠であり、それらが保証されるかどうかは明らかでない。
PS Mar 10, 2021
Janet Yellen’s New Financial Multilateralism
PAOLA SUBACCHI
イエレンは先月、G20の同僚に宛てた手紙の中で、パンデミックによって引き起こされた「健康と経済の二重危機」に対して「勝利を宣言」できる国はないと書いた。 「これは行動のとき、多国間主義の好機である」と彼女は付け加えた。
イエレンは、トランプ政権が反対した行動を求めている。IMFと世界銀行の、譲許的施設を含む政策手段を強化する、および、その準備資産である特別引出権(SDR)の新たな配分により、低所得国のための流動性を増やす。
SDRは、低所得国を支援するようには設計されていない。米国、英国、およびEUは最大の48%を含めて、G20諸国がSDR配分の68%を受け取り、一方、貧しい国々は同じ配分のわずか3.2%を受け取るだけだ。
イエレンは潜在的な解決策を検討する意欲を示した。たとえば、G20諸国は、必要のないSDRを低所得国の景気回復支援に回すことができる。これにより、SDRベースの融資財源を創設する道が開かれる。
SDRには融資条件がない。むしろイエレンは健全なガバナンスと共有パラメーターを確立する必要性を強調し、SDR交換の透明性と説明責任を強化する。その場合、そのような多国間資金は、中国のような二国間債権者に利益をもたらす可能性がある。この点で、イエレンの前任者であるスティーブン・ムニューシンは警告した。
二国間融資に頼る低所得国は、民間債権者や中国の国営銀行などの人質になっている。イエレンは、ガバナンス、弾力性、利用可能性を重視しており、国際金融アーキテクチャの欠陥を認識しているようだ。彼女がそれらに対処する新しい金融多国間主義への道をリードし続けてほしい。
● 米中対立の行方
PS Mar 5, 2021
Biden’s China Challenge
CHRISTOPHER SMART
マシューC.クラインとマイケルペティスは、貿易戦争は階級戦争であるとし、今日の国際的な対立と、世界最大の経済における国内不平等の拡大とを、直接に結びつける。Matthew C. Klein and Michael Pettis, Trade Wars Are Class Wars: How Rising Inequality Distorts the Global Economy and Threatens International Peace, Yale University Press, 2020.
クラインとペティスは、中国共産党(CPC)のエリートが国内消費を抑制し、輸出を増やすことを選択したため、米国の製造業者は苦しみ、不満を抱いた労働者は2016年にトランプ大統領を動員したと主張する。
また、ドイツの政策は賃金を抑制し、ヨーロッパの貿易黒字を助長している。大西洋の両側の裕福なエリートは、国際収支不均衡を維持するために必要とされた投資の大規模な増大から、長い間利益を得てきた。
その意味で、アメリカの労働者は、世界的な金融エリートと、北京とベルリンの両方で設定された悪意のある経済政策の、犠牲者である、ということだ。
元シンガポールの外交官から学者に転向したマブバニは、米国はそれ自体の計画を持っておらず、ましてや中国に対処する計画を持っていない。他方、中国のシステムは、特に米国に関する限り、すべて目標指向の計画である、という。Kishore Mahbubani, Has China Won?: The Chinese Challenge to American Primacy, PublicAffairs, 2020.
マブバニは、中国が世界の舞台に登場した際に、その能力を過大に示した可能性があるという。北京は、地方公務員が欧米企業をいじめることを許し、2008年の金融危機の国内的波及を封じ込めることに成功した後、自分たちの経済モデルに自信過剰となった。
「中国とアメリカの間の争いが、健全で柔軟な民主主義と、厳格で柔軟性のない共産党システムとの戦いであるならば、アメリカが勝つだろう。しかし、もし厳格で柔軟性のない金権政治と、しなやかで柔軟な実力主義の政治システムとの戦いあるならば、中国が勝つだろう。」
FT March 8, 2021
Wishful thinking on China will not serve American interests
Rana Foroohar
アメリカの政策立案者や企業の指導者たちが、なぜ中国が既存の世界秩序と貿易システムの中で単にその地位を占めるだろうと考えたのか、私はそれに驚く。長い歴史、豊かな文化、独特の政治体制、巨大な市場を持つ中国が、独自のルールを作らないのか。
もちろん、彼らはそうしている。おそらく、ドナルド・トランプ政権が経済的に行った唯一の良いことは、「1つの世界、2つのシステム」という問題が存在しない、というふりをやめたことだ。
バイデンは大西洋関係のリセットと「有志連合」を推進し続けるべきだ。アジアでは、インド、オーストラリア、日本などが米国、EUと協力して、サプライチェーンを再構築し、半導体産業がすでに対立点となっている台湾と、南シナ海での、中国の影響力を最小限に抑えることができる。
最も重要なことは、アメリカは、教育、インフラストラクチャ、高成長技術、そして産業エコシステムの一部においても、国内の能力を強化することで中国の挑戦に対抗する必要があるということだ。製造業を持つのは、中産階級の雇用の特効薬ではなく(ロボットがますます工場で仕事をする)、産業コモンズの重要な部分を所有することがイノベーションにとって重要だからである。
FP MARCH 8, 2021
The U.S. Shouldn’t Be Afraid of China
BY DOUG BANDOW
習近平の支配は永遠ではない。彼が、死ぬか、引退するか、またはクーデターのいずれで終わっても、中国はより自由な道に戻ることができる。毛沢東の哲学は、彼の広範なイメージとは対照的に、その死後も生き延びはしなかった。
中国の将来は不透明であるため、ワシントンは長い試合をする必要がある。
中国はソビエト連邦よりもはるかに包括的なライバルだが、その足は粘土でできている。過剰な債務、非効率な国営企業、差別的な経済政策は重大な弱点である。中国はまた、人口動態の崖を越えようとしており、豊かになる前に老いる可能性がある。深刻な政治的弱点もある。 習は毛沢東以来、どのリーダーよりも強いように見えるが、多くの敵を作った。彼の政策に対する不満は中国共産党内で明らかだ。
中国が自然の貧しい地域であり、米国は豊かな恵みを受け続けている。米国は耕作地が不足する心配がない。人口の高齢化は、現在の中国では想像もできない若い移民たちによって補われている。カリフォルニアは、深センよりもグローバルな才能に無限の魅力を示し続けている。情報と批判の両方ができる、自由な社会は、才能と革新のより良いインキュベーターだ。債務の増加や激しい党派対立まで、アメリカにも経済的および政治的課題はあるが、時間は北京よりもワシントンの側にある。
隣国に対する北京の攻撃性は高まっている。脅威にさらされている諸国は、中国に対して、アクセス禁止、地域拒否を強調するほうがよい。中国を打ち負かすのではなく、侵略することのコストを大幅に引き上げる能力が、成功につながる。米国の同盟国は、危険な中国のふるまいを抑える主導権を握ることができるし、そうすべきだ。
PS Mar 9, 2021
China’s Himalayan Salami Tactics
BRAHMA CHELLANEY
PS Mar 9, 2021
Yuen Yuen Ang
Says More…
人々は単純な二元論に慰められる傾向があります。国は民主主義か独裁政治か、資本主義か共産主義かです。しかし、中国も米国も1つの箱にうまく収まりません。
ケ小平の下で、中国は一党独裁政権のままでしたが、社会を自由化し、その驚異的な経済成長への道を開いた特定の「民主的特徴」を受け入れました。逆に、トランプの下で、米国は非自由主義的特徴を持つ民主主義になりました。
Xiは、高潔で正直で、起業家精神にあふれ、大胆なモデル官僚でいっぱいの国家を夢見ています。しかし、実際には、誰も「すべてを手に入れる」ことはできません。官僚的な規律と起業家精神の間にはトレードオフがあります。
PS Mar 11, 2021
Why Should Biden Ditch Trump’s China Tariffs?
SHANG-JIN WEI
FP MARCH 11, 2021
America Will Only Win When China’s Regime Fails
BY ZACK COOPER, HAL BRANDS
米国と中国の間の競争が始まったが、それはどのように終わるのだろうか?
米国が中国に勢力圏を譲り渡すことから、相互の適応、中国の崩壊、壊滅的な世界的紛争に至るまで、米中競争には多くの可能な結果がある。しかし、競争の目標が、戦争以外の手段で、より良い平和を確保することである場合、重要な問題は、米国が中国の指導者たちの心を変える、これを達成できるか、すなわち、拡大や誇張は無駄であると彼らに確信させることができるか、である。それは中国のパワーの衰退、または、中国共産党の崩壊を必要とする。
● インフレ・リスクはあるか
NYT March 5, 2021
Too Many Smart People Are Being Too Dismissive of Inflation
By Steven Rattner
FT March 8, 2021
The inflation risk from Joe Biden’s stimulus plan is exaggerated
Chen Zhao
米国の債券利回りの上昇は、ジョー・バイデンの1.9兆ドルの財政パッケージが米国経済を刺激しすぎて、インフレにつながると、金融市場が恐れていることを示している。しかし、そうは思わない。
刺激策はいくつかの部分で構成されており、それぞれが異なる経済的影響を及ぼす。パッケージのほぼ40%、つまり7,500億ドルは、大量接種を支援し、州や地方自治体に資金を提供するものだ。地方自治体への追加の資金提供は一時解雇を減らす可能性がある。
一方、約1兆ドルは、税の払い戻し、小切手、児童給付、失業手当の形で、世帯への直接の所得補助金になる。脆弱な企業のための1500億ドルの財政援助もある。上院共和党の抵抗で、最終的なパッケージのサイズは多少縮小されるだろうが、全体として、家計および企業への補助金は合計1.15兆ドルである。
このような補助金は、公共部門の投資とはまったく異なる。前者は所得税の減税と同じです。後者はGDP成長に直接影響する。それらは非常に異なる経済乗数を持つ。最近の経験では、所得補助金が成長に与える影響はごくわずかである。企業と消費者が合理的に行動するなら、減税が一時的なものである場合、通常、貯蓄されるからだ。
バイデン・パッケージの消費者およびビジネス補助金の1.15兆ドルのうちどれだけが使われるかは定かでない。確かに、パンデミックは制御されているように見え、経済は再開しているため、資金の一部は最終消費に変換される。供給の制約も一部の商品の価格上昇につながる。これらはインフレの一時的な上昇を引き起こすだろう。
しかし、たとえば、消費者が政府から受け取る金額の半分を節約するなら、追加の個人消費で約5,000億ドルに相当する。バイデンの景気刺激策が経済を過剰に刺激し、物価水準を押し上げると主張するのは時期尚早だ。
一般に、経済的に困難な時期には、低所得世帯への補助金が必要である。しかし、政府はより多くの資源を公共部門の投資に振り向けるべきだ。これは生産能力を追加し、成長を生み出し、需要を押し上げる。
FT March 10, 2021
Why inflation is at risk of overshooting the Fed’s comfort zone
Chetan Ahya
● 反政府活動
FP MARCH 5, 2021
Dissidents Aren’t Saints
BY NATALIA ANTONOVA
● 日本の技術悲観論
FT March 6, 2021
Ishiguro and the rise of techno-pessimism
Janan Ganesh
FT March 7, 2021
Japan’s innovators seek their lost mojo
Leo Lewis
● 香港・ウイグルの弾圧
FP MARCH 6, 2021
Seeking Truth From Fiction
BY ALEXA OLESEN
PS Mar 8, 2021
Why China’s Hong Kong Crackdown Could Backfire
MINXIN PEI
Xiは香港での彼の行動の費用を過小評価していた可能性がある。民主化活動家への最新の起訴は、米国との関係を改善するための中国からの善意のジェスチャーの欠如と相まって、バイデンの立場を強硬なものにする。
バイデン政権は、COVID-19のパンデミックへの取り組みや景気回復の促進など、国内の優先事項に最初に注意を払う必要があるため、当面は中国との正面衝突を避けたいと考えている。バイデンの顧問が中国への最善のアプローチを検討しているが、香港での取り締まり強化は、強硬策だけが中国の行動を変えると確信している人々の意見を立証し、より微妙で、対立の少ない米国のアプローチを支持する意見を弱体化する。
FP MARCH 10, 2021
The Shrinking Chinese State
BY YUKON HUANG, JOSHUA LEVY
米国が反対したのは、経済における国家の影響力であり、市場型の経済に関する中国の実験が最近逆転した、と認識されていることだ。
しかし、中国の国家とその代理人が経済において果たす役割に対する不安は正しくないだろう。社会における国家の役割をGDPに対する政府支出の割合で測定すると、中国は他の主要経済国と比較して見劣りする。実際、中国の政府支出の平均は近年30%強であり、社会主義経済の予想値よりもはるかに低い。
マーケットウォッチャーを驚かせたのは、最近、国家のシェアが35%以上に戻っており、民間部門が減少していることだ。一部の専門家は、これは中国の国家が支援する巨大企業が国内経済、ひいては世界経済において、支配的勢力になりつつあることを意味すると懸念している。また、新しい固定資産を構築するために、時代遅れの国有企業が借りている債務の山が崩壊し、金融危機起きるかもしれない、と心配している。
しかし、最近の国有企業による投資の増加には、より微妙な違いがある。増加の大部分は、水処理プラントや高速道路などのインフラプロジェクトによるものであり、製造業の輸出能力拡大など、商業的取り組みによるものではない。さらに世界銀行によると、インフラストラクチャの多くは、チベットや新疆ウイグル自治区など、中国のより貧しい西部の州を開発するものだ。このような支出は、2020年までに貧困を撲滅するという習近平のキャンペーンと、これらの地域の安全保障を強化したいという国家の願望に沿うものだ。
FP MARCH 11, 2021
China’s New Five-Year Plan Is a Disappointment
BY ALICE HAN, EYCK FREYMANN
● グローバル・ブリテン
The Guardian, Sun 7 Mar 2021
Strong on rhetoric, weak on substance – so much for the ‘vision’ of Global Britain
Will Hutton
グローバル・ブリテンはキャッチーなスローガンだ。今回は帝国ではなくグローバルだが、回復した偉大さの香りがする。それはまた、EUを去ることが小イングランド主義であるという非難をそらす。代わりに、偏狭で内向きに見えるのはEUだ。
さらに、それは野心を表している。グローバル・ブリテンとは、かつてのように大国になることだ。世界との貿易協定を断ち切り、アデンの東に艦隊を送り、アジア旋回の一環として海軍力を計画する。民主主義と法の支配を支持する上で主導権を握るのだ。
翌日、米国は、すべてのEU輸出に対するすべての罰則関税を一時停止しました。激しいエアバスvsボーイングの貿易紛争で、4か月間の休戦のために。いずれにせよ、私たちはEU側にいる。エアバスとそのサプライチェーンは、米国へのウイスキーの輸出よりも6〜7倍価値がある。さらに、エアバスが英国から撤退した場合、急成長している宇宙産業の潜在的なチャンピオンになる、最後のハイテク大企業の1つを失う。事実がグローバル・ブリテンのおとぎ話に反している。
今月、政府は、グローバル・ブリテンの新しい外交・防衛・援助・通商政策がどのように連携するか、統合レビューを発表する予定だ。ボリス・ジョンソンは、先月、ミュンヘン安全保障会議で演説したが、困惑する内容だった。彼は、空母HMSクイーンエリザベスの2万海里の処女航海は、西側の沈滞に対比して、大国イギリスが独立を回復した象徴である、と主張した。35隻のアメリカのF-35を借りて、アメリカの駆逐艦に隣接する。たとえば、ベラルーシに最初に制裁を課すのは、おそらく敏捷で、美徳があるかもしれないが、ルカシェンコ大統領にとってはピンの一刺しである。ベラルーシにとって重要なのは、英国が影響力を失ったEU制裁だ。さらに、アンゲラ・メルケル首相とエマニュエル・マクロン大統領に、英国と米国との共同復活のため、EUの共同外交政策を放棄するよう訴えた。他のすべての指導者が共同の改革について話していたとき、それは狂人の妄想だった。
ブレグジットは、愚かな自滅行為である。私たちの長期的な成長率は、予算局によれば、現在1.7%に沈んでいる。4月と7月のEU物品の税関検査の導入は、食糧不足の懸念から延期される、という。英国とEU間の貿易の流れは危機に瀕している。
FT March 10, 2021
A touch of Frost hits UK-EU relations
FT March 11, 2021
UK policy towards China is riddled with contradictions
Robert Shrimsley
イギリスの戦略は矛盾している。
ブレグジット後、ジョンソンは世界における英国の位置を伝えるために新しい物語を必要としている。英国は、首相が明らかに望んでいる海軍力のように、冒険商人の精神を復活させ、新しい市場と影響力を求めて東に向かっている。
しかし、ジョンソンはリスクを認識している。EUという最大の市場へのアクセスを遮断したため、英国は他の市場を閉鎖する余裕がない。中国は今でも、国際貿易省の最大の海外ミッション拠点である。ロンドン市は、人民元取引の主要ハブとしての地位を維持したいと考えている。
The Guardian, Thu 11 Mar 2021
The Green New Deal's time has come – but what's happened to Labour's radicalism?
Adam Tooze
グリーン・ニューディールの政治は、2008年金融危機からの未完の事業だ、という事実認識から生まれた。気候変動抑制をめざす活動家たちは、私たちが危険な金融のはずみ車に利用されている、と警告し、金融を建設的な方向に向けることを要求した。この考え方は、現状維持はあり得ない、という考えに基づいていた。2020年の出来事が、私たちの現実の危険で不安定な状態を正確に確認した。
米国では、この感情はドナルド・トランプの恐ろしい嫌悪感とジョージ・フロイド殺害によって悪化した。中道の政治家であるジョー・バイデンでさえ、4つの危機が収束すること、つまりCovid-19、経済、人種的正義、そして気候について、話すようになった。これは単なる修辞的な枠組みではない。バイデン政権は、サンダースの政策目標の大部分を吸収した。 2021年に計画された刺激プログラムの倍増は前例のないものだ。政権は、明らかに気候に真剣に取り組んでいる。民主党内の勢力均衡により、人種と環境の正義を政策の中心に置くことを強いられたのだ。
急進主義からの英国労働党の撤退は、イニシアチブがジョンソン政権にあることを意味する。 ブレグジットを実行した後、政府は将来に目を向けることができる。それは気候変動対策にもつながる。 1980年代に炭鉱組合を破壊した後、トーリー党は歴史的な脱炭素化を主宰することになるかもしれない。ワクチン接種後、ジョンソンは英国がCop26を主催したことも保守党の勝利だ、と主張するだろう。
FT March 11, 2021
Squandering trust is no route to a ‘Global Britain’
Philip Stephens
● シリア内戦
The Guardian, Sun 7 Mar 2021
Ten grim lessons the world has learned from a decade of war in Syria
Simon Tisdall
シリア内戦を止めることはできなかった。10年経ったが、それは西側のニュースから消えた。その10の教訓を得て、人びとは今も苦しんでいる。
民間人の苦しみ。難民流出。戦争犯罪者を裁けない。化学兵器の使用。イスラム国。ロシアとアメリカのパワー・バランスが変化。アラブの春。トルコの関与。イスラエルとイランの対抗関係。国連(特に安保理)の失敗。
NYT March 8, 2021
Can Libya Put Itself Back Together Again?
By The Editorial Board
FP MARCH 8, 2021
The U.N. Must End the Horrors of Ethiopia’s Tigray War
BY WILL BROWN, JUDD DEVERMONT
NYT March 9, 2021
The Country I Fled Needs Biden’s Help Now
By Tun Myint
● ハリーとメーガンの英王室批判
The Guardian, Mon 8 Mar 2021
The Guardian view on Harry and Meghan: heavy is the head that wears the crown
Editorial
王族について、ウォルター・バジョットは、その『英国憲政論』に「魔法に日光を当ててはならない」と書いた。君主制の魅力と謎を維持するために、その働きを公衆から保護する必要があった。ベールを持ち上げる際に、ハリー王子は機能不全の宮殿について話した。そこでは気まぐれ以上の人種差別が潜んでいて、自殺の苦悩は無視された。女王の孫とその妻、サセックス公爵夫人が、友人のオプラ・ウィンフリーとのインタビューで、ウィンザーズ(現イギリス王室)が喜んで、または不本意に落ち込んでいる「有毒な雰囲気」に包まれた、薄い貴族の地殻の下にある英国の姿を描き出した。
FP MARCH 8, 2021
Meghan’s Revelations Have Destroyed Black Britons’ Trust in the Monarchy
BY NELS ABBEY
オプラ・ウィンフリーのメーガン、サセックス公爵夫人、ハリー王子へのインタビューがこれほどひどく、これほどの損害を与えるとは誰も予想できませんでした。
メーガンは息子のアーチーを妊娠している間、宮殿での会話と彼の肌の色がどれほど暗くなるかについての懸念があったことを共有しました。
おそらく最もがっかりしたのは、「すべての人のためにすべてを解決する」とメーガンが思って、自殺する危機に瀕していたと示したことだ。彼女が宮殿の人事チームに行ったとき、「あなたは施設の有給のメンバーではないので、あなたを助けるために私たちにできることは何もない」と彼女は言われた。
英国初の黒人王女であるメーガン・マークルは、英国の残忍で複雑な人種関係を癒す機会であった。しかしそのチャンスは、王室自体の人種差別によって強力に破壊されました。
英国の黒人コミュニティの多くにとって、メーガン・マークルとハリー王子の結婚は、ユニオンジャックに黒人がいたことを否定できなくなった瞬間を示した。何世紀にもわたって大英帝国の重みを背負っていた黒人の英国人にとって、結婚は私たちがついに英国社会のすべての回廊に侵入したことを示し、無限の可能性があった。
NYT March 9, 2021
Down With the British Monarchy
By Hamilton Nolan
あなたが聞いたかもしれない最近のインタビューは、英国の君主制が悪口と人種差別の有毒な巣であることを明らかにした。誰もそれを疑わないだろう。階級差別の肉体的な具現化として作られた制度が非人道性に溢れていることほど、容易に信じられることはない。この騒々しい啓示に対して国民が迷っているのは、君主制を改善すべきだ、という広範な信念があるからだ。それはむだなことだ。どんなに砂糖を入れても、毒の瓶を清涼飲料に変えることはできない。
君主制が存在するのは、政府が人々の問題を解決できない、または解決しようとしないことを認めるものだ。人びとを救う代わりに、君主制がスペクタクルを提供する。すべての家族をまともな生活水準に引き上げる、という悲惨な仕事をするより、1つの家族を贅沢なおとぎ話のような生活に昇格させる方が常に簡単だった。庶民は、小さくて高貴で、完全に価値のないエリートのライフスタイルのために資金を提供している。その逆ではない。
2021年に、まだ君主制を持っているような国は、革命的な創意が悲惨なほど欠けていることを証明している。
アメリカは多くの人道に反する罪を犯した。それはわれわれが正すべきだ。私たちの大統領は国民に困惑をもたらすが、少なくともアメリカ人は、何世紀も前に国内最大のギャングだった誰かの子どもの子どもの子どもである、という形で正当性を主張するような、まったくいい加減な金持ちの浪費家の前で、もみ手をしたり、お辞儀をしたりする必要はない。もちろん、私たちは有名人に対する独自の催眠資本主義に中毒状態だが、君主制はもっとねじれたものだ。まるでブッシュ家、カルダシアン家、ファルウェル家がすべて1つの宝石で飾られた準宗教的な名門カルトになって、帝国主義のすばらしさを加味したようなものだ。
この卑劣なショーのスターたちは時とともに変化する。新しい王子と王女が生まれ、豪華な結婚式が行われ、違うお気に入りのお尻がクッション付きの玉座に座る。これらの策略は、それぞれがしばらくの間は人びとの注目を集めるように設計されており、君主制そのものである巨大な巣の頂点にシロアリがよじ登っていくだけである。それが働く人々の活力を養い、それを巨大な王家に逆流させる。
君主制の廃止はそれほど難しいことではない。まず、あなたは彼らの家を奪う。それから、あなたは彼らの富を奪う。さらに、あなたは彼らの称号を奪う。それらすべてはまさに公衆のものであり、不法占拠者たちは非常に長い間それらを保持してきた。
王室にとって良い報せは、経済が回復しているように見えることだ。実務経験がないことを考えても、彼らが仕事を見つけるのはそれほど難しくないだろう。彼らはテスコのマーケットで立派な仕事を得るかもしれない。彼らにとって、それは人生で初めて正直な生活を送る素晴らしい機会である。社会でより良い暮らしをする者がしばしば言うように、ハードワークは自尊心をもたらす。彼らがこれまで以上に幸せになることを私は期待している。
The Guardian, Tue 9 Mar 2021
Meghan and Harry v 'The Institution': another royal fairytale turned Grimm
Marina Hyde
The Guardian, Wed 10 Mar 2021
Britain's generational divide is ever starker, which is a headache for the left
Owen Jones
FT March 10, 2021
Royal rift marks a tragic missed opportunity
● EUは生き残るか
FT March 8, 2021
Europe’s patience with Viktor Orban starts to wear thin
Tony Barber
The Guardian, Tue 9 Mar 2021
Will the EU emerge from the coronavirus crisis stronger or weaker?
Timothy Garton Ash
1968年の抗議運動や冷戦の終結など、ヨーロッパでの経験を共有する他の瞬間もありましたが、これほど多くの人々に同時に影響を与えた瞬間を見つけるには、第二次世界大戦に戻らなければなりません。1945年以来、私たちの個々の行動と政府の行動が、私たちと私たちが愛する人々が生きるか死ぬかを直接決定できると意識している。ただい今回は、ヨーロッパ人はお互いに戦っているのではなく、共通の敵と戦っている。
これまでのところ、Covidに対するEUの対応は、1つの大きな成功と1つの大きな失敗を示している。成功は、7年間の予算と、合計で1.8兆ユーロ(1.6兆ポンド)を超える欧州回復基金(別名、次世代EU)に関する昨年夏の合意である。欧州共有債を導入したこの決定は、ユーロの導入以来、経済統合における最大の一歩であった。これは、EUがすべての加盟国を経済的に回復させ、「より良く再構築」するのを支援するものだ。
大きな失敗は、EUだけがすべての加盟国に迅速かつ公平にワクチンを届けることができると実証する試みだ。ドイツの財務大臣は、ワクチン調達に関する欧州委員会の業績を「本当にたわごとだ」と見事に説明した。EUは非常に複雑であり、27の政府、3つの異なるブリュッセルの機関、複数の欧州の政党グループの見解を考慮に入れる必要があるため、必然的に動きが遅い。その小さな官僚機構も非常に官僚的だ。ここで必要だったのはスピードであり、リスクを冒して赤いテープ(規制)を無視する意欲だった。
ヨーロッパの指導者が本当にヨーロッパの未来を気にかけているのなら、彼らはヨーロッパの未来に関する会議を放棄することから始めるだろう。代わりに、彼らはEUが市民のために実際に何ができるかに焦点を合わせる。
次に、いわゆる「グリーン・デジタルパス」だ。これにより、予防接種を受けたヨーロッパ人は再び大陸を旅することができます。それを超えて、7500億ユーロの回収基金が、ヨーロッパの人々に本当に利益をもたらす方法で、迅速、効果的、非官僚的に、また腐敗することなく使われることを保証する、大きな課題がある。それは新しい仕事と機会を生み出すのを助ける。そのかなりの部分は、真にグリーンなプロジェクトに向けられる。
そして、特に南ヨーロッパで膨張する公的債務が、新しいユーロ・ソブリン債務危機を引き起こしてはならない。
● 気候変動と絶滅種の対策
PS Mar 8, 2021
A Greentech Bubble?
WILLIAM H. JANEWAY
PS Mar 9, 2021
Unleashing the Climate Market
NANCY BIRDSALL, BRIAN WEBSTER
発展途上国の脆弱な人々の生命と生計を破壊する自然災害や異常気象がない週は、ほとんどない。最近の恐怖の中では、氷河の融解によるインドの壊滅的な洪水、11月にホンジュラスを襲ったカテゴリー4のハリケーンがある。
米国の一人当たりの二酸化炭素排出量は平均的な低所得国または中所得国の4〜5倍であり、これらの悲劇に深く関わっている。幸いなことに、2021年は、世界的な金融業界の急成長により、意味のある米国の気候変動対策がようやく始まる年になりつつある。主要な機関投資家がグローバル市場で、安全で長期的なリターンを求め、環境に配慮し始めている。
世界最大の資産運用会社であるブラックロックからの圧力を受け、エクソンモービルは、最近、化石燃料資産の約200億ドルを償却した。2000億ドル以上を管理しているニューヨーク州退職組合基金は、化石燃料会社の株を売却すると発表した。保険市場は化石燃料のリスクを放棄している。すでに2019年、業界の世界資産の37%を占める保険会社が石炭投資から撤退した。
元イングランド銀行(BOE)総裁のマーク・カーニーが政策面で重要な思想家として浮上した。 2015年、彼はまだBOEにいたとき、金融規制当局に資産の炭素強度に関するデータを公開するよう働きかけ、そのような情報がさらに多くの開示需要を生み出せば、最終的に、市場の回復力を構築する、と主張した。
米国が英国とEUに続き、上場企業に気候変動リスクに関する標準化された情報の公開を要求する時が来た。気候リスクの強制的な開示は、すべての競合他社にとって公平な競争の場を好む金融業界内で、幅広い支持を得る可能性がある。
FT March 10, 2021
Humanity is a cuckoo in the planetary nest
Martin Wolf
今日、人間と、私たちが食料として飼育している家畜は、地球上のすべての哺乳類の質量の96パーセントを占めている。さらに、現在生きているすべての鳥の70%は家禽であり、ほとんどは私たちが食べるニワトリです。絶滅率も、過去数千万年より100倍から1000倍高いと考えられる。これはすべて、地球の生命圏に対する私たちの全体的な影響のごく一部である。
人類は惑星の巣のカッコウになった。富と数を増やすことに劇的な成功を収めたことで、「人新世」と呼ばれる新しい時代が生まれた。このラベルは誇張されているかもしれない。しかし、私たちの活動が地球上の生命を再編していることは誇張ではない。これらの脅威を逆転させたいのなら、私たちは何をしてあきらめなければならないか?
FT March 10, 2021
Greenwashing in finance: Europe’s push to police ESG investing
Attracta Mooney in London
● アメリカの投資行動
FT March 8, 2021
Are markets really rigged?
Robin Wigglesworth
FT March 9, 2021
Rise of the retail army: the amateur traders transforming markets
Katie Martin in London and Robin Wigglesworth in Oslo
投資業界は、この長く続く悪意ある「ダムマネー」を真剣に受け止めなかった。市場のベテランは、市場がトップになりつつあることを示す兆候として、激しいジョークや侮辱が散らばるオンライン文化に満ちた、激しい小売投資の傾向を指摘し、次に市場が転落したとき、ナイーブな小売業者が淘汰される、と自信を持って予測していた。
ウォール街にとって重大な問題は、この活発な小売取引の爆発がコロナウイルスに触発された一時的な現象であり、ドットコムのブームとバストの後に起こったように、市場が次のクラッシュを起こすと、必然的に衰退するのか、それとも米国株式を動かす新しい体制の始まりなのか、ということだ。
投資業界の古い守護者の中には、現在の熱狂は忌まわしいと考える人もいる。バークシャーハサウェイの97歳の副会長であるチャーリー・マンガーは、最近、GameStopのエピソードを「競馬場で良い考え」を持っている「新しいギャンブラーの群れ」が率いる「狂乱」と説明した。ロビンフッドは、マンガーの見解は「エリート主義的で失望した」と答えた。
1990年代にはインターネット・フォーラムやニュース・レターがあった。現在のソーシャルメディア環境は根本的に強力である。多くの人にとって、小口投資が魅力を取り戻す方法はなく、主流の投資業界は単に適応するしかない。
「貿易と投資を民主化するなら・・・戻る方法はない。手数料が上がることは決してない」とEric Liu 劉(head of research at Vanda Research)は言う。彼は、個人投資家の戦略とその考えられる影響について、皮肉な見方をしている。 「私は、市場がもはやファンダメンタルズで取引されていないと懸念していない。彼らは長い間ファンダメンタルズを取引してこなかったのだから。」
● ビットコイン
PS Mar 8, 2021
The Bitcoin Lottery
JIM O'NEILL
FT March 9, 2021
There are good reasons for business leaders to invest in bitcoin
Dambisa Moyo
ビットコインの批評家は、取引におけるその不安定性と敏捷性の欠如を指摘しているが、ビジネスリーダーがそれに投資する非常に正当な理由がある。
ビットコイン通貨は信頼できる価値の貯蔵庫であり、特に新興経済国において、多くの問題に対する解決策を提供する。それらは、貯蓄をプールするための代替方法を提供する。従来の通貨とは異なり、インフレのリスクがない。政治的に不安定な環境で安定性と透明性を提供する。
最後に、多くの新興市場は移民送金に依存している。暗号通貨を使用すると、他の通貨よりも大幅に低いコストで送金できる。
企業のリーダーがビットコイン通貨の長期的な有効性を信じていない場合でも、ライバルに対して「オフサイド」にならないようにする。 ビットコインの価値が引き続き高く評価される場合、競合他社のバランスシートが大幅に増加し、事実上、市場で影響を受ける、さらには買収される、という戦略的危険にさらされる。
● 民主主義の衰退
FT March 9, 2021
The decline of democracy is not America’s responsibility
Janan Ganesh
FP MARCH 9, 2021
All Politics Is Personalized
BY ANDREA KENDALL-TAYLOR, ERICA FRANTZ, JOSEPH WRIGHT
● インドの物流投資
FT March 9, 2021
India tests the business model for delivery of anything, anytime
Benjamin Parkin in Mumbai
北米とヨーロッパの投資家は、食品から食料品、酒まで、配達事業に集まっている。一握りのアジア企業がこの熱狂をさらに一歩進めて、いつでも、誰にでも、何でも届けることを誓っている。
バンガロールやムンバイのような都市の密度と慢性的な混雑は、それを買う余裕がある人が彼らのために用事を実行する者に喜んで支払うことを意味する。この需要は、Covid-19のリスクによって強まった。
しかし、そのような企業が成功を収めているという事実は、約14億人の国であるインドの市場に関するいくつかの難しい真実を浮き彫りにする。
第1に、失業者または過少雇用の莫大な余剰だ。毎月数十万人が労働力に加わり、最も幸運な人だけが正式な経済でサラリーマンの仕事を見つける。ギグエコノミー・ワーカーが爆発的に増加し、月に15,000ルピーから25,000ルピーの範囲の給与で、長時間労働する。
第2に、インドのテクノロジーと企業の成長戦略の多くが、エリートで高収入の都市居住者の小さな集団に、究極の快適さを生み出すことに向けられている。
インドのような国での配達の将来は、英国や米国とは大きく異なるだろう。
FT March 11, 2021
School’s still out for Indian children
Amy Kazmin in New Delhi
PS Mar 9, 2021
Is Nuclear Peace with North Korea Possible?
BENNETT RAMBERG
北朝鮮が最近、大陸間および潜水艦発射の新しい弾道ミサイルを公開したことで、平壌の政権が米国本土にもたらすリスクについて新たな懸念が生じている。
北朝鮮の核兵器計画を阻止するための以前の米国政府のイニシアチブは無に帰した。まったく逆に、北朝鮮は2003年に核不拡散条約から撤退し、朝鮮半島を核兵器から解放することを約束した韓国との1992年の合意に従わなかった。
キムが核兵器を廃止したり、検証可能な核凍結を許可したりしないことは、今では明らかだ。今日のすべての核武装国と同様に、核兵器は依然として政権の究極の安全保障である。爆弾はまた、キムに韓国に対する影響力を与える。したがって、課題は、北朝鮮が核兵器を決して使用しないようにすることだ。
この目的を実現するには、古典的な抑止力と新しい外交的思考の組み合わせ、具体的には米朝関係の正常化が必要である。アメリカは現在、韓国の沖合の空中および海上の核の傘を通じて朝鮮半島に抑止力を提供し、国内の約3万人の米陸軍と空軍が、300万人以上の現役および予備の韓国軍を補っている。
北朝鮮に対する抑止力だけに頼ることはできない。なぜなら、北朝鮮が世界の他の地域から孤立していることは、独特の危険を生むからだ。隔離は、誤解や誤算を助長する病理学的不安を助長する。キムは誇大妄想の傾向がある。
抑止力に支えられた通常の外交関係は、中国と米国の間を含む他の二国間関係における核平和への道を提供してきた。二国間核兵器制限条約がないにもかかわらず、中国の兵器庫は、現在の米中緊張の中で、主に低レベルの問題だ。
2つの優先事項が際立っている。北朝鮮は国際的な経済制裁からの救済を必要としており、米国は北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)で攻撃する能力を排除する必要がある。ロケットの除去と引き換えに制裁を解除するべきか。
そのような取り決めは、北朝鮮が核を温存し、先制的なアメリカのストライキのリスクを減らしながら、国の経済を修復するのを助ける。それはまた、北朝鮮のICBM攻撃から米国を解放して、韓国と日本の安全保障ニーズを満たすより良い位置に立たせる。そして、お互いの国の外交代表があれば、双方は紛争に対処し、一般的に関係を管理するための信頼できるチャンネルを持つ。
● エコノミストたち
PS Mar 9, 2021
How Economists and Non-Economists Can Get Along
DANI RODRIK
● ポピュリストと独裁者
PS Mar 9, 2021
Why Trumpian Populism Failed
JAMES A. ROBINSON
成功する独裁者は、包括的な政治プロジェクトのように見える何かを持っている。結局のところ、トランプの「アメリカファースト」は、支持者たちの生活に真の改善をもたらさなかった。ベネズエラの元大統領ウゴ・チャベス、戦後アルゼンチンのフアン・ペロン大統領、現在のウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領など、成功したすべての独裁者は、彼らの中心的な構成員に「商品を届けた」。
トランプは、税金と規制を削減することによって金持ちにのみに提供した。彼の象徴的なジェスチャーは耐えられず、彼の「アメリカを再び偉大にするMake America Great Again:MAGA」のスローガンは埋葬される運命にある。
ポピュリストとしてのトランプのアキレス腱は、彼の極端な反国家主義であった。彼は政府を嫌い、その能力を強化しなかった。対照的に、成功したポピュリストの指導者は、裁量的な方法で国家の力を利用し、支持者のために雇用を創出し、彼らに商品やサービスを提供した。
FT March 10, 2021
Lessons from the Netherlands on staying in power
Simon Kuper
● アメリカとバングラデシュの貧困
NYT March 9, 2021
Amazon and the Breaking of Baltimore
By Alec MacGillis
NYT March 10, 2021
What Can Biden’s Plan Do for Poverty? Look to Bangladesh.
By Nicholas Kristof
米国の大きな道徳的汚れは、歴史上最も裕福で最も強力な国が驚異的なレベルの子どもの貧困を許してきたことだ。水曜日、バイデン大統領の1.9兆ドル、アメリカの救助計画はその汚れを落とすと決めた。
バングラデシュは50年前の今月、大量虐殺、不平等、飢餓の中で生まれた。1974年の飢饉の恐ろしい写真が、バングラデシュの絶望的な評判を固定した。1991年、10万人以上が死亡したバングラデシュのサイクロンを、私はタイムズ紙に報道した。
しかし、バングラデシュはそれ以来30年間の並外れた進歩を享受し、私の悲観論はすべて間違っていた。世界銀行によると、経済成長率は着実に上昇し、パンデミックが発生する前の4年間、バングラデシュの経済は年間7〜8パーセントで成長し、中国よりも速かった。
バングラデシュの平均余命は72年である。これは、ミシシッピ州の10の郡を含む、米国のかなりの数の場所よりも長い。バングラデシュの秘密は何か? それは女子教育だ。政府と市民団体は、少女たちが教育を受けるよう推進した。今日、バングラデシュの子供たちの98パーセントが小学校を卒業している。
同じことがアメリカにも当てはまるだろう。億万長者の生産性を引き上げるつもりはないが、高校を卒業していないアメリカの子供たちの7人に1人を助けることができれば、国は大きな利益を得る。
バイデンが子どもの貧困を撲滅する目的はそこにある。その中心的な要素は、児童への税額控除を恒久化することだ。
● パンデミックの出口
FP MARCH 9, 2021
Saving Lives Saves Livelihoods
BY AHMED MUSHFIQ MOBARAK
曲線を打ち破った国々の成功は、多くの国でパンデミックの初期に顕著であった「命vs生活」the “lives versus livelihoods”の議論が誤った二分法であることを示している。長期的に生計を守る最善の方法は、最初にウイルスを粉砕してから、経済を再開することである。
ニュージーランド人は2020年のほとんどを通して自由で健康的な生活を送ったが、私の仲間のアメリカ人は制約を受け、完全に生活したり、自由に仕事をしたりすることができなかった。
PS Mar 11, 2021
India’s Smart Vaccine Diplomacy
SHASHI THAROOR
PS Mar 11, 2021
Vaccine Nationalists Are Not Immune
DARON ACEMOGLU
● ローマ教皇とアヤトラ
FT March 10, 2021
Pope and Grand Ayatollah join forces to condemn extremism
David Gardner
● ブレグジット後のシティ
FT March 10, 2021
There is a way to keep the UK at the top of global finance
Andrew Large
私は、金融センターとしての英国の将来について戦略的思考が欠如していることに失望している。ブレグジット論争が広めたポピュリストの恨みから、シティは関与を怠った。しかし今、英国は現実的な戦略を必要としている。
私たちの最大の強みは、グローバルスタンダードに沿った道を切り開くホールセール・ファイナンスだった。第二に、英国企業が、たとえば小売金融サービスでEU市場にアクセスするため、EUの規則に従うべきだ。
ニューヨークや中東と異なり、私たちは資金源ではない。私たちは代理人で、お金がどこにあるか知っていた。それを調達し、それを展開するアドバイスができる。これは株式上場と企業財務にもつながる。今日でも、米国、EU、中国などの大規模なブロックと、卸売エリアで、それらのブロックを仲介する機会がある。
私たちは、グローバルレベルで小売活動よりも文化的に均一な卸売市場に広く焦点を合わせた。それらは一箇所に集中する傾向がある。開示や規制当局を通じて施行される卸売市場の基準は効果的だ。英国は債券からヘッジファンドまで、ホールセール基準をグローバル化してきた。このアプローチは、デジタル化され、環境、社会、ガバナンスの問題に焦点を当てた金融などの革新的成長分野に最適である。
EUはほとんどのカードを保持している。彼らは自己利益に従って活動する。したがって、英国政府は、EUの規範から逸脱する自由を主張するためだけに、規制変更をめざすべきではない。強力な隣人を不必要に挑発しても何も得られない。
金融システムの配管と金融の安定性に関して、ユーロが自己利益で介入しても、基準はますますグローバル化する。しかし、長期的には、ユーロと英ポンドの安定性は世界基準への準拠に依存し、EUとは利益共同体である。
FT March 11, 2021
Amsterdam: Europe’s surprise early winner as Brexit shakes up the City
Philip Stafford in London, Mehreen Khan in Brussels and David Keohane in Paris
● クアッドの役割
PS Mar 10, 2021
America’s Return to the World
KEMAL DERVIŞ
FP MARCH 10, 2021
Friday’s Quad Summit Will Show if It’s Just a Talking Shop
BY SALVATORE BABONES
歴史には、何の関係もなかったために失敗した多国間パートナーシップの残骸が散らばっている。それが意味のある使命を持っている場合にのみ存続する。そのため、インド太平洋の海上安全保障を完成することが、理にかなっている唯一の使命である。
FP MARCH 10, 2021
Getting the Quad Right Is Biden’s Most Important Job
BY JAMES MATTIS, MICHAEL AUSLIN, JOSEPH FELTER
3月12日、米国のジョー・バイデン大統領は、オーストラリア、インド、日本の指導者との最初の日米豪印戦略対話会談を主導する。クワッドを機能させることは、アジアでバイデンの最も重要な行動になるだろう。そのためには共通の目標に基づいた特定のアジェンダが必要だ。それは中国だけではなく、アジアの姿勢を正す。
クワッドは、「力が正義」という北京の外交政策に対抗するが、それよりも大きな役割を果たす。このグループは、アジアで最も重要な民主主義国の間の共通利益に基づく。そしてそれは、インド太平洋で強力な価値観に基づくパートナーシップをリードする最高の機会を提供する。
クワッドの本当のテストは、それが実際に「法の支配」を支持し、アジアを安定させるのにどのように役立つかということだ。特にオーストラリア、インド、日本、米国が共通の利益を促進し、インド太平洋の平和と繁栄を強化する4つの分野がある。
1つ目は海上の安全保障。中国の増大する海事クレームは、何年もの間、南シナ海と東シナ海の不安定さを煽っています。国際法違反の甚だしい南シナ海での島基地建設と軍事化から、日本が管理する尖閣諸島周辺の海域への侵入まで、中国はこの地域の緊張を高めてきた。中国海警局が武器を使用して中国の海事クレームを執行することを許す新しい法律は、武力衝突のリスクを高める。クワッド諸国は地域の海上安全保障協力を強化するべきだ。
第2の分野は、サプライチェーンのセキュリティだ。クワッド諸国は世界最大の経済国であり、最も重要な貿易諸国だ。地域全体で信頼できる同盟国とパートナーは、それらの間で安全なサプライチェーンを開発する努力を調整し、中国が現在享受しているレバレッジと強制的ツールを否定するべきだ。
技術協力は、クワッドの3番目の焦点だ。ルールに基づく国際秩序への共通のコミットメントを持つ国々が、情報技術、宇宙のような、紛争や競争の新領域だけでなく、新興技術においても技術的優位を維持することは重要だ。
最後に、クワッドはそのメンバーの多様性を利用して、ワシントンだけでは不可能な方法で、主要な民主主義国とアジアの他の国々との間の外交を強化する。たとえば、日本は伝統的に権威主義体制との関係を維持しており、カンボジア、ミャンマーなどの国と関わりを持つ。インドとオーストラリアはどちらも、アジアやオセアニアの多くの国と深い関係がある。
自由で開かれた繁栄するインド太平洋に対する同様のビジョンを共有するすべての国が協力するために地域で最大の民主主義諸国を結びつけることは、中国の増大する力を誘導し、アジアに積極的に影響を与え、世界で最もダイナミックな地域で民主主義と自由主義を促す最良の機会である。
FP MARCH 11, 2021
How Biden Benefits From Limiting His Own War Powers
BY STEPHEN M. WALT
● 福島原発事故
FP MARCH 11, 2021
The Fukushima Plant Is Still Leaking Poison After a Decade
BY WILLIAM SPOSATO
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The Economist February 20th 2020
Chaguan: How to kill a democracy
Talk radio: Tower of babble
Bello: A case of mistaken identity
Capital markets: SPAC invasion
Buttonwood: Jumping ship
Free exchange: Radiant energy
(コメント) Leadersは、アメリカのエネルギー政策、イタリアのマリオ・ドラギ首相、ウォール街のSPACS、インドの労働市場、マクロン大統領とアフリカの平和維持活動、です。
そのいずれでもなく、私は中国の台湾統一と、それを阻むアメリカの関与を重視しました。台湾を武力によって統一することが中国の強い願いであるなら、アメリカが台湾を軍事援助して侵攻のコストを高める姿勢は信頼されません。
他に興味を持って読んだのは、アルゼンチンのCarlos Menemメネム元大統領に関する記事と、アメリカのイエレン財務長官による財政政策による国際協調(機関車論)を示唆する記事です。
ペロニズムが生んだハイパーインフレーションを抑えるために導入した「兌換法」が、金融・財政政策の自由を奪い、高い失業率と極端な貧富の格差を持つ社会になった。インフレ抑制に魔法を使えるふりをして、経済と行政の改革、政治の私物化を放置した。
殺戮と混乱だけでなく、その向こうに、中国にも、アメリカにも、世界経済と世界政治を改革する展望を示すよう求める、そんな時代が来たのでしょう。
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IPEの想像力 3/15/21
シリア内戦から10年。ニュースや記事に、この10年間の失敗が考察されています。たとえば、Simon Tisdall, Ten grim lessons the world has learned from a decade of war in Syria, The Guardian, Sun 7 Mar 2021.
アメリカとヨーロッパの市民たちは内戦と市民への暴力を止めることに失敗した。「ロシアが決定的な役割を果たした。トルコ、イスラエル、イランという地域の大国が、短期的な自国の利益のために介入した。」
● 民間人の苦しみ。難民流出。戦争犯罪者を裁けない。化学兵器の使用。イスラム国。
● ロシアとアメリカのパワー・バランスにおける変化。トルコの関与。イスラエルとイランの対抗関係。国連(特に安保理)の失敗。
● なにより「アラブの春」(そして世界の民主化)は軍事的な独裁者たちに粉砕された。
国際秩序は、国内と違って、アナーキーである、と研究者の多くは考えます。それは政治秩序がない状態を指します。大国は意志を実現する。小国はそれに従うしかない。あるいは、消滅する。
しかし、アナーキーは真空状態ではありません。大国の統治問題が延長した地域。統合や隔離、少数民族、さまざまなマイノリティーと反対派が生きる土地。分離独立運動。それらはすべて、民主主義とかかわります。
世界は、大国間の均衡を生きるのです。勢力均衡。国際政策協力。国際法。
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The Economistには、アメリカが台湾を、そして南シナ海や東シナ海を、中国の軍事的な圧力から防衛する、という約束を再確認することは難しい、という記事があります。それは台湾という島に現れる米中対立、How to kill a democracy「民主主義の殺し方」の問題です。
香港やウイグル、武漢を観れば、中国の支配体制が台湾をどのように扱うのか、他の方法を想像する自由が失われます。アメリカから国務長官、国防長官が来日し、日本の外務大臣、防衛大臣と会談します。4か国によるクアッドが台湾の民主主義を守れるのか?
アメリカは「地経学的な抑止力」をめざす、とR. Blackwillは書く。すなわち、「アメリカと、日本などの同盟諸国は、中国が台湾に侵攻すれば、ドルによる金融システム、国際通商システムから、中国を排除することを明確にする。」
しかし、これは「西ベルリンの生存」を賭けた対立と異なって、関係諸国の間に利害の相違がある。
「多くの中国人にとって、台湾の回復は、単に国民の神聖な使命であるだけでなく、アメリカのグローバルな指導力が終わったことを意味する。彼らがそう確信するとしたら、台湾侵攻のコストは負担できるし、侵攻する決意だろう。」
台湾をめぐる思考の枠組みが変化します。
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シリアの民主化を救えず、台湾の民主主義も救えないとしたら、それでもアメリカやヨーロッパは民主主義の島々として、かろうじて生き残ることができるのでしょうか? まして、日本はどうか?
安全保障、民主主義、法の支配。・・・その敗北の意味は大きい。「シリアは世界戦争だ。」 Syria is the world’s war.
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