IPEの果樹園2021
今週のReview
3/8-13
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ウイルスに苦しむ世界 ・・・バイデンのインフラ整備計画 ・・・インフレ論争 ・・・「刺激の罠」 ・・・マクロ経済学の進化 ・・・グローバルな最低税率 ・・・中国とその政治経済秩序 ・・・K字型の回復とバブル ・・・テクノロジーの世界的ガバナンス ・・・米中戦争のリスク ・・・景気回復と環境
[長いReview]
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主要な出典 FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, Foreign Policy, The Guardian, NYT: New York Times, PS: Project Syndicate, SPIEGEL International, VOX: VoxEU.orgそして、The Economist (London)
[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.]
● ウイルスに苦しむ世界
FT February 26, 2021
Yuval Noah Harari: Lessons from a year of Covid
Yuval Noah Harari
なぜこれほど多くの死と苦しみがあったのか。悪い政治のせいだ。
以前の時代、人間がペストのような疫病に直面したとき、彼らはそれを引き起こした原因やそれを止める方法を知りませんでした。Covid-19とは大きく異なる。新たな流行の可能性についての最初の警鐘が鳴り始めたのは2019年12月末だ。2020年1月10日までに、科学者は原因となるウイルスを分離し、そのゲノムの配列を決定し、情報をオンラインで公開した。さらに数か月以内に、どの対策が感染の連鎖を遅らせ、止めることができるかが明らかになった。 1年以内に、いくつかの効果的なワクチンが大量生産された。
以前の時代には、人間は感染の連鎖をリアルタイムで監視できず、長期の封鎖の経済的コストが法外なものであった。対照的に、2020年には、デジタルサーベイランスにより、疾病ベクトルの監視と特定がはるかに容易になった。先進国の多くでは、デジタル革命がすべてを変えた。
何千年もの間、食糧生産は人間の労働に依存しており、人々の約90パーセントが農業で働いていた。今日、アメリカでは、約1.5%の人々だけが農場で働いて、すべての人を養うだけでなく、アメリカは主要な食糧輸出国である。ほとんどすべての農作業は機械化され、感染対策の封鎖は農業にほとんど影響しない。
2020年には、人間がほとんど関与しなかったため、世界貿易は多かれ少なかれスムーズに機能し続ける。大部分が自動化された現在のコンテナ船は、近世英国全体の商船隊よりも多くのトン数を運ぶ。国際観光は2020年に急落したが、世界の海事貿易量は4%しか減少しなかった。
1918年、人類は物理的な世界にのみ生息し、致命的なインフルエンザウイルスがこの世界を襲ったとき、逃げる場所がなかった。今日、私たちの多くは、物理と仮想の2つの世界に住んでいる。コロナウイルスが物理的世界に拡大したとき、多くの人は、ウイルスが追跡できない仮想世界に移住した。
科学は政治に取って代わることはできない。政策を決定する際、多くの利益と価値観を考慮に入れる。どの利益と価値観がより重要であるかを決定する科学的な方法はない。すべてのデータが正確で信頼できる場合でも、常に、質問する必要がある。何を数えるかは誰が決めるのか? どのように数値を相互に評価するか? これは科学というよりは政治の仕事である。医学的、経済的、社会的配慮のバランスを取り、包括的な政策を考え出すのは政治家だ。
デジタル化と監視は私たちのプライバシーを危険にさらし、前例のない全体主義体制への道を開く。 2020年、大量監視はより合法かつ一般的になった。エピデミックと戦う過程が、私たちの自由を破壊するのではないか? 有用な監視とディストピアの悪夢の間で、適切なバランスを見つけるのは、エンジニアではなく政治家の仕事だ。
1) 人々に関するデータ、特に自分の体の中で起こっていることに関するデータを収集するとき、データは、これらの人々を操作、制御、または害することなく、これらの人々を助けるために使用されねばならない。
2) 監視は常に双方向に行われるべきだ。監視が上から下にのみ行われる場合、独裁が加速する。個人の監視を強化するときは、政府と大企業の監視も同時に強化する。
3) あまりにも多くのデータを1か所に集中させない。データは、政府省庁や大企業の他のデータサイロから分離しておく。
今日、人類はCovid-19を阻止するための科学的ツールを持っている。科学的成果は政治家の肩に大きな責任を負わせた。だが、あまりにも多くの政治家がこの責任を果たせなかった。アメリカとブラジルのポピュリスト大統領は危険を軽視し、専門家に注意を払わず、陰謀説を捏造した。
科学的成功と政治的失敗のギャップの理由の1つは、科学者が世界的に協力したのに、政治家は対立したことだ。世界中の科学者は自由に情報を共有し、お互いの発見と洞察に依拠した。多くの重要な研究プロジェクトが国際チームによって実施された。対照的に、政治家はウイルスに対する国際的な同盟を形成できず、世界的な計画に合意しなかった。
人類は新しい病原体が蔓延してパンデミックになるのを防ぐために必要な知識とツールを持っている。それにもかかわらず、Covid-19が2021年に広がり続けて数百万人を殺したら、2030年にさらに致命的なパンデミックが人類を襲ったら、これは制御不能な自然災害でも、神からの罰でもない。それは人的失敗、より正確には政治の失敗だ。
● バイデンのインフラ整備計画
FT February 26, 2021
Blended finance, the spinach of investing, will make us stronger
Gillian Tett
ホワイトハウスの難問は、ジョー・バイデン大統領の大胆なインフラ整備計画にどのようにお金を払うのか、である。その答えは、「混合金融」“blended finance”だろう。
それは、社会的価値のあるリスクの高いプロジェクトが資金調達するために、政府が民間部門にセーフティネットを提供するためわずかな公的資金を提供することだ。
開発途上国が今後数年間で大幅に大きな純資金を調達しなければ、世界は深刻なリスクにさらされる。しかし、投資に利用できる政府資金はほとんどなく、民間部門の投資家は保護なしで参加することを躊躇する。公的資金を使って、開発やグリーン・プロジェクトに多くのローンを獲得する。それらのクレジットを、標準化された債券として再パッケージ化し、主流の投資家に販売することができる。
FT March 1, 2021
We must clean up global finance to ‘build back better’
Martin Sandbu
パンデミック自体の費用と、それが終わったときの公平な回復と炭素移行に必要な投資を考えると、違法な資金調達への取り組みはこれまで以上に緊急になっている。国連のハイレベルパネルは、合法であるが積極的な租税回避から、マネーロンダリングや賄賂に至るまで、不法な資金の流れによる財政と経済効率への莫大なコストを明らかにした、厳しい報告書を発表した。たとえば脱税は、レバノンの政府歳入を失わせ、その額がGDPの10パーセントになる。
パネルは、OECDで現在交渉されているものよりもさらに進んでおり、多国籍企業がグローバルな利益に高い税率で課税されることを求めている。また、すべての多国籍企業に、国ごとの財務開示も求めている。
PS Mar 1, 2021
Tax Havens Are Sabotaging the SDGs
YU YONGDING
世界の国家元首と政府首脳は、より公平で、持続可能な世界を構築するため、抜本的な青写真である持続可能な開発のための2030アジェンダを満場一致で採択した。
2015年、ガブリエルズクマンは、世界の個人資産の少なくとも7.6兆ドルがタックスヘイブンに保有されていると推定した。これは、世界の家計金融資産の8%に相当する。2017年、全米経済研究所は、世界のGDPの約10%がオフショアのタックスヘイブンで保有されていると報告した。
政府は、資本規制を回避した違法な資金を積極的に追跡・押収し、本国に送金する必要がある。
FT March 2, 2021
The era of central bank convergence is over
Claire Jones
PS Mar 2, 2021
Central Banks’ Green Goals Are Raising Red Flags
HOWARD DAVIES
FT March 4, 2021
Financial bubbles also lead to golden ages of productive growth
John Thornhill
このバブルから何か生産的なものが生まれるか? それとも、損失を配分するだけか?
エコノミストのCarlota Perezは、経済的過剰と生産性の急増は「相互に関連し、依存している」と主張する。実際、過去の市場バブルは「素晴らしい成功と革新」が「偉大なマニアと法外な詐欺」と舞台を共有した、と。バブルが、技術に資金を提供し、拡散させるメカニズムであることがよくあった。
その後、生産性の黄金時代に突入するかどうかは、この技術変革とグリーン移行を管理するための新しい制度を創設し、適切な経済政策を追求することにかかっている。
「スマート、グリーン、フェア、グローバル」な経済成長を達成するために、ペレスは、税制を変革し、労働力と長期投資収益の負担を軽減し、さらにそれを材料、輸送、汚物にシフトすることが最優先事項であると主張する。
FT March 5, 2021
The Fed must avoid a repeat of the March Treasuries mystery
Gillian Tett
● インフレ論争
FT February 26, 2021
Markets set for a bumpy ride back to inflation
PS Mar 1, 2021
Are Inflation Fears Justified?
KENNETH ROGOFF
グローバリゼーションの逆転はインフレに大きな影響を与える可能性がある。多くの西洋人は、中国人が「私たちのランチを食べる」と恐れている。アメリカのジョー・バイデン大統領が最近、アメリカへのインフラ投資の切望された増加を要求して警告したことだ。しかし、西洋人は、グローバルな製造業に関して、中国人がランチを作っている国であり、そうでなければ、食事の費用がはるかに高くなることを認識するべきだ。
PS Mar 1, 2021
Who’s Right on Inflation?
HAROLD JAMES, MARKUS BRUNNERMEIER, JEAN-PIERRE LANDAU
インフレの亡霊が戻ってきた。
現在、1970年代の混乱した政策論争が再現している。インフレは、石油ショック(価格は1973年から74年に3倍になり、イランのイスラム革命後の1979年に再び3倍になった)の10年間でも、ハト派は、より高いインフレ期待やインフレ・スパイラルを生み出さない、と主張した。イギリスのハロッドのような、ケインズ派経済学者は、生産量が増えるから、成長を促進する金融・財政政策は価格を下げる、とさえ主張した。
これに対して、タカ派は、これまで以上に大きな金融拡大に対して警告し、インフレのタカは、銀行と金融の利害関係者に支持された。拡大策の結果として生じる価格上昇は、組織化されたグループ、特に労働組合がより高い賃金を堅く要求するから、ラチェット効果を生み出す、と。
連邦準備制度理事会のアーサー・F・バーンズ議長が、新たなインフレ・スパイラルを防ぐ決意をした。ミルトン・フリードマンは、価格上昇の暴走を予測して評価を確立した。
オイルショックのずっと前から、ドイツ連邦銀行はインフレを懸念していた。彼らは1973年5月に、ドイツ・マルクの対ドル固定相場制を終わらせる機会をみた。当時、それが銀行の破綻を招くことを恐れていた。しかしその後、インフレ、ひいては金利がアメリカよりも低くなった。ドイツの政策立案者は、その後の1973年のオイルショックが1回限りのショックになる、と主張できた。最初の成功のおかげで、ドイツは1975年の世界的な不況を回避した。
一般に、1回限りのショックは、それが例外的なイベントであることを誰もが認識しているなら、長期的な影響なしに対応できる。しかし、ショックと政策対応が繰り返されると、インフレのパターンが現れる。
主要な軍事的関与についても同様だ。一時的に(つまり、紛争の期間中)需要を押し上げる多額の財政支出もインフレを招かない。第一次世界大戦後、アメリカと英国は「正常」への迅速な復帰を追求し、痛みを伴うディスインフレ過程を採用した。しかし中央ヨーロッパでは、政治的、社会的脆弱性が深く持続し、戦時中の財政的支援が依然として必要という印象があった。これらの国では、インフレとハイパーインフレへの道が始まった。
ウイルスの即時のショックと、それに伴う経済的封鎖の痛みを緩和するため、大規模な金融・財政的支援が緊急に必要とされた。明確に限定された期間で支援が撤回されるなら、インフレ期待に長期的な影響はないだろう。
しかし、コロナウイルスの場合、社会がこの病気に苦しみ続けているため、経済的倦怠感が長引く可能性がある。しかも、影響は均等に分散されていない。観光業や旅行業の回復は大幅に遅れ、継続的な財政支援が求められる。問題は、技術革新や行動変化から恒久的ショックを受ける経済活動から、回復可能なセクターを区別することだ。
例外状態が終了することを確信できるか。それを明確に特定できれば、インフレを心配する必要はない。しかし、1つの例外がさらに多くの例外を生む場合、金融・財政支援に明確な終わりはない。そして、インフレ期待が変化する。
タカ派によって運営される国と、ハト派によって運営される国との間に、政治的不確実性と深刻な二極化が生じる。
PS Mar 4, 2021
What Are the New Inflation Hawks Thinking?
J. BRADFORD DELONG
サマーズは次のように主張している。
「…非常に不確実な状況がありますが、通常の景気後退レベルよりも第二次世界大戦レベルに近い規模のマクロ経済刺激が、この数十年、見られなかった種類のインフレ圧力を引き起こし、ドルの価値と金融安定性に影響を与える可能性があります。もし問題に対処するために金融政策と財政政策を迅速に調整できれば、これは管理可能です。しかし、FRBの公約、インフレの可能性すら否定する政府当局者、増税や歳出削減に議会の支援を動員することの難しさを考えると、インフレ期待が急激に高まるリスクがあります。考えられている規模の財政刺激策は、未知の領域です。」
サマーズとブランチャードは、長期のインフレ期待からアンカーを外すことで、提案されている刺激の規模が、景気後退を引き起こさずに封じ込めることができないインフレ圧力を生み出す可能性がある、と恐れている。彼らはだけではない。プリンストン大学のHarold James and Markus Brunnermeier、およびパリ政治学院のJean-Pierre Landauは、「新しい、危険な世界的におよぶインフレ・コンセンサス」が浮上していると述べる。
過去15年間の「長期停滞」と「世界的な貯蓄過剰」に関する論争が私たちに教えたことが何かあるとすれば、より高いフェデラルファンド金利が正当化される経済条件を創り出すべきだ、ということである。バイデンの「アメリカ救済計画」の規模に対する反インフレのタカ派について、私が理解できる唯一の説明は、必要になったときにFRBが金利を引き上げることを、彼らが信頼していないということだ。
そのため、彼らは、保証されたフェデラルファンド金利を無期限にゼロ下限に維持したいが、ある時点でそれが市場金利を超えることを恐れている。しかし、それは、特に苦労している米国の世帯に対する追加支援に反対する議論としては、意味がない。
● 「刺激の罠」
PS Feb 26, 2021
Biden’s Stimulus Trade-Offs
KOICHI HAMADA
ジョー・バイデンが提案した1.9兆ドルのパンデミック回復計画は、このような野心的で的を絞った戦略がまさに今まさに求められているものであると主張する多くの人々、特に左側の人々に歓迎されています。当然のことながら、右側の多くの人は、表面上は財政の持続可能性に関する懸念をめぐって反対しています。
ローレンスH.サマーズからも疑問が投げかけられています。サマーズは、2008年の金融危機後、バラク・オバマ大統領が国家経済会議の議長に任命され、財政政策の重要性を認識して、2009年のアメリカ復興再投資法(ARRA)の作成に関与した。その刺激策の費用は831億ドルで、バイデンが提案しているものの半分以下であった。
サマーズは、需給ギャップは昨年同様の水準に達したが、現在は減少していると指摘する。これを踏まえて、バイデンの計画は必要以上に少なくとも3倍大きいと考える。さらに彼は、現在の政策議論は、インフレの上昇のリスクを「十分に考慮していない」と信じている。
他方、ポール・クルーグマンは、インフレ予測の不確実な性質を強調した。確かなことは、今日の刺激策を削減すれば、パンデミックに苦しむアメリカ人に深刻な結果をもたらすということだ。
サマーズもクルーグマンも、MMT(現代貨幣理論)を支持しない。しかし、MMTは基本的な洞察を提供する。すなわち、自国通貨を発行する政府が実際に破産しない、という事実だ。それでも、各国はインフレ、国際収支問題、為替レートの下落に直面する可能性がある。MMTの弱点は、労働力が正しく「割り当てられる」場合、価格や賃金のメカニズムを使用しなくても雇用目標が達成される、と示唆していることだ。
バイデンとクルーグマン、そして、刺激策の提案を支持するジャネット・イエレン財務長官は、記録的な支出パッケージがインフレを助長するリスクがあることを理解している。しかし、彼らにとって、職を失った労働者の即時救済が最優先事項である。サマーズは、バイデンがより広範な経済アジェンダを実施することに関心を持っている。金利が上昇した場合、それは非常に難しい。
政策立案者は、失業と飢餓に直面する何百万人のアメリカ人を助けるため、彼らが取るリスクを決定しなければならない。
PS Feb 26, 2021
Can America Escape the Stimulus Trap?
SHANG-JIN WEI
重要な問題は、アメリカが「刺激の罠」に陥っているかどうか。もしそうなら、どうやってそれから抜け出すか、ということだ。
すでに2つの刺激策により、資産価格、特に株式と住宅の価格は賃金よりもはるかに速く上昇した。富裕層は貧困層よりも絶対的および所得の割合の両方でより多くの資産を保有しているため、アメリカの大きな富の格差はさらに拡大している。
格差の拡大は、税率の引き上げ、法的に義務付けられた最低賃金の引き上げ、より寛大な社会移転プログラムなどを通じて、それに対処するための要求を強める。しかし15ドルの連邦最低賃金は、特にスキルの低いセクターで、雇用創出が少なくなる可能性がある。したがって、多くの人が次の刺激的な金融政策と財政政策を求める。
追加の拡大措置は、平均賃金の伸びを上回る資産価格上昇を煽り、富の格差をさらに拡大し、さらに高い税金と最低賃金、そしてより多くの社会的移転の要求を促し、投資と雇用を再び弱体化させる。アメリカは「刺激の罠」に陥る可能性がある。3つの補完的な改革が必要だ。
まず、アメリカは教育システムをアップグレードし、スキルベースを強化して、より多くの労働者がより高給の仕事に就けるようにする。
第2に、政策立案者は、すべてのアメリカ人のまともな生活水準を維持しながら、労働市場をより柔軟にすることを目指す。デンマークの「フレキシキュリティ」モデルから学ぶことだ。そして賃金の伸び、生産性の伸び、移民政策を、共通のパズルの異なる部分として同時に考慮する。
3番目の優先事項は、中低所得層のアメリカの世帯が、金融リテラシーを高め、低コストの資金管理ツールに簡単にアクセスできるようにし、貯蓄を奨励することだ。所得分布の下位40%にいるアメリカ人はほとんど何も貯蓄していない。アメリカ人がもっと貯蓄すれば、より多くの投資をすることができ、経済が速く成長する。それは将来の刺激策を減らすだろう。
FT March 2, 2021
Joe Biden’s popular stimulus reveals a changed America
Janan Ganesh
PS Mar 2, 2021
The Goldilocks Stimulus Myth
YANIS VAROUFAKIS
FT March 3, 2021
What central banks ought to target
Martin Wolf
PS Mar 3, 2021
The Threats to Recovery
WILLIAM R. RHODES, STUART P.M. MACKINTOSH
NYT March 3, 2021
How to Fix Housing for Everyone Except Corporate Speculators
By Gianpaolo Baiocchi and H. Jacob Carlson
1000万人のテナントが家賃を払えない場合はどうなりますか?
脆弱なテナントにとっての悲惨な状況は、家主にとっても経済的苦痛を意味します。 「ママとポップ」の家主、特に手頃な市場で事業を営む家主にとって、物事は特に困難でした。小規模な家主を対象とした10月の調査では、パンデミックによる影響により、30%が不動産の売却圧力が高まったと報告しています。
しかし、放射性降下物から利益を得ようとしている投資家は、この困難を「今世紀最大の購入機会」と呼んでいます。
2008年の金融危機は、家族やコミュニティの手からウォール街のポートフォリオへの富と財産の莫大な移転の影響を示しました。同様に悲惨な結果を防ぐために、私たちは今行動し、社会住宅の大規模な拡大を促進する必要があります。
FT March 4, 2021
Central banks cannot solve a housing crisis
FT March 5, 2021
Stimulus could change the Biden presidency
● マクロ経済学の進化
PS Feb 26, 2021
Evolution, Not Revolution, in Economics
ANDRÉS VELASCO
1年前、ノーベル賞受賞者の経済学者ジョセフ・スティグリッツは、資本主義が「新自由主義のイデオロギー」のせいで「さらに別の実存的危機」を経験していると発表した。現在、ロバート・スキデルスキーは、「マクロ経済学における沈黙の革命」の到来を宣言する。
従来のマクロ経済学者は知的ギロチンを恐れるべきか?
概念的な革命は起こっていない。流動性の罠の中で-金利が下がることができないとき、財政政策が唯一の政策手段になる、というのは、すでにジョン・メイナード・ケインズの一般理論で重要な考え方だった。変わったのは政治だ。アメリカ議会は2.2兆ドル相当の刺激策を、すべての共和党上院議員が賛成票を投じて承認した。共和党のドナルド・トランプが大統領であったから。アンゲラ・メルケル首相はドイツの保守派を説得して、巨額の復興基金に共通債券で出資させた。
概念革命はすでに起きていた。それは金融政策を含み、10年以上前に始まった。2007-09年の危機をきっかけに、中央銀行は非伝統的政策を始めた。「量的緩和」という新しいラベルの下で、数兆ドルの新しいお金を印刷し、最初に国債を、次に社債も購入した。
何十年もの間、マクロ経済学者たちは、長期的には価格水準がマネーサプライにほぼ比例する、マネーサプライを2倍にすると累積インフレ率は最終的に100%に達する、と学生に教えてきた。しかし、2008年1月から始まる12年間で、連邦準備制度は最も通貨供給を3倍に増やしたが、その後のインフレはほとんど上昇しなかった。コロナウイルスのパンデミックが始まってから1年で、同じマネーサプライの測定値は4倍になっているが、インフレは現れていない。
もう1つの概念的な変化が起きている。「複数均衡」だ。実現可能な均衡が複数ある場合、期待は自己実現する可能性がある。悲観論は悲観的な値をもたらし、変化は突然、警告なしに発生する。政策立案者はますますこの危険を認識している。しかし、自己実現的パニックのリスクは、経済学の革命ではなく、政策の慎重さを必要とするものだろう。
マクロ経済学の場合、最近の出来事は革命ではなく進化を示唆する。世界に永続的な変化をもたらすのは、新しい事実への適応、という進化である。
● パンデミックと脱覇権
PS Feb 26, 2021
Building Back Together
JOSCHKA FISCHER
パンデミックは分水嶺の瞬間であり、デジタル革命と急速な脱炭素化の必要性も同様に重要だ。
すでに、伝統的な政治制度、何よりも、国民国家は衰退している。国家はハイテク巨人を抑えるなど、デジタル化の欠陥に対処できない。国家は、パンデミックの世界的拡大とその心理的反応、多くの人々にとって抽象的な経験、に対処する装置が足りない。COVID-19は人間の目には見えないのだ。
信頼を再構築し、社会を安定させる唯一の方法は、効果的な危機対応を行うことだ。そして、その課題のグローバルな性質を考えると、効果的な機関によって促進された、広範な協力なしには不可能である。
私たちが必要とする変革は、最新のインフラストラクチャを構築したり、特定の国で民間投資を増加するだけではない。より良い世界を創造するために各国が効果的に協力できるよう、グローバルな方向に政治を変え、再発明する必要がある。
アメリカは中国との戦略的競争を抑制するべきだ。 21世紀では、覇権を目標にするより、各国は、すべての人々にとって生きる価値のある世界を指導する。
支配ではなく、関係の保全が、グローバルなリーダーシップの新たな必須事項である。
FT March 2, 2021
Poorer countries need more global assistance
FT March 1, 2021
Vaccine scepticism cuts across political lines in the US
Patti Waldmeir
FP MARCH 1, 2021
To Democratize Vaccine Access, Democratize Production
BY MATTHEW KAVANAGH, MARA PILLINGER, RENU SINGH, KATHERINE GINSBACH
NYT March 4, 2021
How Did Boris Johnson Get Covid Vaccines So Right?
By Samuel Earle
● 社会・政治不安の時代
PS Feb 26, 2021
Low Dishonest Decades
JOHN ANDREWS
オーデンは、ナチス・ドイツが第二次世界大戦を開始するためにポーランドを侵略した日を、不潔な出来事とますます不潔な道徳的妥協の「不正直な10年」が終わった、と見なした。トランプ大統領の任期は10年も続かなかったが、2008年の金融危機、COVID-19のパンデミックとともに、世界は間違いなく、1930年代とほぼ同じくらい「妥協の時代」に耐えた。
1つはっきりしていることは、トランプ、ボリスジョンソン、ヴィクトル・オルバーン、ヤロスワフ・カチンスキーなどが劣悪で、不正直であることだ。私たちが最も注意すべきは、腐敗を十分に早く阻止することだ。
ファシズムの暗い中心である権威主義的なナショナリズムが、第一次世界大戦の余波でヨーロッパ全体に広まったのはなぜか。
「ワイマール憲法は、言論の自由や報道の自由など、基本的自由を保護し、女性と男性の平等を宣言し、すべての成人ドイツ市民に、自由で平等な投票権を確立した。自由主義の精神で書かれた注目すべき文書であった。」 ドイツの内務大臣は、有給の産休、女性参政権、すべての人の共学を保証しているワイマール・ドイツは、今や「世界で最も民主的な民主主義」である、と自信を持って宣言できた。
多くの人がワイマール共和国をハイパーインフレと政治的無能と関連付けているが、それは多くの目覚ましい成功を収めた。共和国の福祉資本主義の形態は、オットー・フォン・ビスマルクが数十年前に構築したものをはるかに超えて、おそらく当時のヨーロッパで最も包括的、先進的であった。ドイツ企業と強力な労働組合は、労働者が会社の取締役会に代表される、大胆な賃金仲裁システムに合意した。
1929年のアメリカ株式市場の暴落とその後の大恐慌が、1920年代初頭のハイパーインフレーションから脱した直後のドイツを荒廃させた。ドイツの将校クラスは、第一次世界大戦で彼らの軍隊は実際に軍事的に敗北したのではなく、国の政治家によって裏切られた、と確信していた。
歴史家は、1930年代初頭の出来事で第二次世界大戦の起源を把握するため、世界を滑空する。日本は中国を侵略し、満州に傀儡国家を樹立した。フランクリン・D・ルーズベルト大統領の下、アメリカは金本位制を離脱した。ムッソリーニはアフリカ帝国を求めてリビアとエチオピアで戦争を繰り広げた。ジュネーブでの1932年から34年の世界軍縮会議と、1933年のロンドン経済会議は、参加者の相互不信を明らかにした。集団的善ではなく、利己的なナショナリズムが両会議に浸透していた。ドイツ国民のための生存圏を再建し確保するとしたヒトラーのドイツは、特にそうだった。
打撃のすべてが好戦的人びとと帝国主義者によって開始されたわけではない。たとえば、ルーズベルト政権は、本能的に「アメリカ・ファースト」であり、アメリカの景気回復の妨げとなる国際的なコミットメントや約束を避けた。FDRは突然金本位制を放棄し、世界の主要な民主主義国による大恐慌への統一された対策に呼びばれたロンドン経済会議を欠席した。 FDRは、ナチスとファシストがヨーロッパを制圧するかなり後まで、世界を懸念して行動することはなかった。
トランプはヒトラーではないし、アメリカはワイマール共和国ではない。戦間期が示しているのは、誤った物語、貪欲な政治的選択、そしてエスカレートする宥和政策が、すぐには現れないとしても、恐ろしい結果をもたらすということだ。
PS Mar 4, 2021
The Second Jacksonian Age
GORDON S. WOOD
● グローバルな最低税率
PS Feb 26, 2021
An Open Letter to Joe Biden on International Corporate Taxation
JOSÉ ANTONIO OCAMPO, JOSEPH E. STIGLITZ, JAYATI GHOSH
親愛なる大統領
世界は、国際社会との外交的関与をアメリカ外交の中心に戻すというあなたの選挙公約を歓迎しました。諸政府を結集して、公平で、環境に対して持続可能な、世界経済回復のための条件を創り出すことにより、あなたの指導力が変革を促すでしょう。
あまりにも長い間、国際機関はグローバリゼーションの最も有毒な側面の1つ、多国籍企業による脱税に対処できませんでした。多国籍企業への公正な課税は、私たちが目指す社会を構築するために必要であり、経済成長を促進し、すべての人々に高い生活水準をもたらす累進課税制の中心的な部分でなければなりません。企業の租税回避を終わらせることも、富と所得の不平等に取り組む最良の方法の1つです。
大企業は、利益をタックスヘイブンに移すことで、世界中の政府から年間少なくとも2400億ドルの歳入を奪っています。G20が義務付けたOECDプロセスで現在議論されている多国籍企業への公正な課税を確保するため、国際税制の見直しに積極的に取り組む必要があります。残念ながら、これらの交渉はうまくいっていません。主要加盟国の政府は、国境内に本部を置く多国籍企業を保護することが国益を最もよく実現する、という誤った仮定で交渉するからです。
アメリカではなじみの考え方として、企業の利益は、利益を生み出す主要な要素である雇用、売上、資産に応じて、さまざまな州に割り当てられるべきです。パンデミックの間、Eコマースは3分の1近く成長しました。デジタル多国籍企業だけでなく、すべての多国籍企業のデジタル事業運営が公正な税負担を支払うことが重要です。国際レベルでアメリカのシステムを複製し、多国籍企業に対する世界的な最低税によってサポートされるべきです。
野心的な世界最低税は、租税回避との闘いにおけるゲームチェンジャーになるでしょう。G20諸国が多国籍企業の世界所得に25%の最低法人税を課すことに同意した場合、世界の利益の90%以上が自動的に25%以上で課税されます。そのような税は、もちろん、企業の母国と受入国の間で税収を公平に分配するように設計されるべきです。
法人税は実質的に純利益に対する課税であり、税率を引き下げても経済活動にはほとんど影響しません。法人税は本質的に配当に対する源泉徴収税であり、株式保有は所得よりもさらに不平等であるため、富裕層に対する所得税なのです。
FT March 1, 2021
Sunak abandons the goal of low corporate taxes
● ビットコイン・バブル
VOX 26 February 2021
What happens if bitcoin succeeds?
Jon Danielsson
ビットコインが1兆ドルを超える市場価値で記録を打ち立てている。その成功の価値があるサービスとは何か?
ビットコイン投資家の大多数にとって、成功はその価格が上昇し続けることを意味する。しかし、それだけだと、いつの日か、小さな男の子が「皇帝は裸だ」と叫び、価格が暴落するだろう。
ビットコインがM1マネーの購買力に匹敵することになった場合、1つのビットコインの価格は150万ドルになる。ビットコインの現在の所有者は、何世紀も前に帝国を支配していた王や皇帝に匹敵する、世界で最も裕福な人々になる。彼らは文字通りすべてのお金を所有する。
不平等の急激な増加は、ビットコインの成功の必然的な結果である。そして、今日の最も裕福な人々、ジェフ・ベゾセスとイーロン・マスクとは異なり、ビットコイン貴族は早く買っただけでランクを獲得する。彼らは社会に何も貢献しない。
ビットコイン貴族が彼らのお金を使い始めたとき、私たちの残りの人にとって何が起きるか? 極端なレベルの不平等が社会的分裂とポピュリズムを助長することを、私たちは知っている。ビットコイン貴族はますます脅威にさらされ、政府は彼らを保護するか、または攻撃する。中立であることはない。政治的および社会的不安定性は激化する。
成功とは、取引で使用されることを意味するが、ビットコインが計算単位になるには、その購買力が安定している必要がある。しかしビットコインが成功すればするほど、ひどい結果と内部の矛盾が目立つようになり、ビットコインやその他の暗号通貨は、その時点に到達するずっと前に、破棄されるだろう。ビットコインの価格はゼロに向かう。
できるだけ長くバブルに乗るのは理にかなっている。崩壊する前に抜け出せれば。「皇帝は裸だ」と叫ぶ少年に気をつけて。
FT March 4, 2021
Bitcoin 1.0: the ancient stone money of Yap
Gillian Tett
● 中国とその政治経済秩序
FP FEBRUARY 26, 2021
Why China Favors Democracy Over Dictatorship in Myanmar
BY BRIAN Y.S. WONG
多くのオブザーバーは、北京が権威主義体制を好むと想定しているが、中国は、ミャンマーの予測可能で信頼性の高い文民政府より、拡張主義的な傾向を持つ予測不可能で軍事独裁政権を好む理由はほとんどない。
中国にとって、アウンサンスーチーはミャンマー軍よりもはるかに信頼できる経済的および政治的パートナーである。
過去10年間、軍事政権は支援をロシアに求め、8億700万ドル以上の軍事資産を輸入することで、中国の影響をヘッジしようとした。対照的に、文民政府は、国民からの信頼を得るための手段として経済成長と貧困緩和に大きく依存している。どちらも、中国との二国間関係と経済的関与を通じて明確かつ効果的に提供される。
国民民主連盟NLDは、投票に勝つ政策を優先するが、それは迅速な工業化とミャンマーのサービス経済への移行を意味する。これは、一帯一路イニシアチブの下で、党の政治的資産を北京に結び付けるインセンティブである。
NYT March 1, 2021
Why Is China Still Going After Hong Kong So Hard?
By Yi-Zheng Lian
弾圧が世界の多くから反発を生むのに、なぜ北京はまだ香港を追いかけているのか?
一つの説明は、中国の国益とその指導者である習近平の個人的な野心との間にギャップがある、ということだ。
香港の抵抗の動員手段は、北京の弾圧に適応し続けています。 I.T.で武装した昆虫。自律的な群れ。それぞれが独自の目的と行動計画を持っている。すべてが北京の傀儡政権と闘い、それを民主主義に置き換えることに傾倒する。これまでになく大きな小さな部隊の集合である。
そのような群れの多くが海外で増殖している。
FT March 2, 2021
Jack Ma personifies the contradiction of China’s ideology
Jamil Anderlini
最近のうわさは、Jack Maが南シナ海の島でゴルフをしていることを示唆する。彼の富はほとんど無傷のままであるかもしれないが、中国で最も有名な起業家の屈辱は、中国国家の中心にある鋭く増大する矛盾を明らかにしている。
習近平主席は、中国国民の「大いなる若返り」を実現するための壮大なプロジェクトに着手した。これは、圧倒的に民間企業に依存する急速な経済成長によってのみ達成できる。しかし同時に、彼は政治力を中央集権化し、国有部門を拡大し、共産党が人々の生活とビジネスのあらゆる側面に介入する権利を主張した。
かつて自由市場思考を受け入れていたにもかかわらず、ほとんどの習の政策は、彼のイデオロギーがナショナリズム・民族主義であり、現在も、よりマルクス主義的、社会主義的であることを示唆する。しかし政府は、1949年の革命に勝利した後のように、民間企業を国有化するだけでは不十分であることを知っている。
Maの現在の問題のいくつかは、株式保有の常連客が、世界最大のIPOに個人的な利害関係を持たない新世代の指導者である習から、彼を保護するための政治的重荷をもはや持っていない、ということかもしれない。
今年、中国共産党の創設100周年を迎え、習は中国の社会主義的血統を賛美することで、自身の正当性を高めることに熱心だ。昨年、最も裕福な20パーセントの可処分所得が、最も貧しい5分の1の10.2倍だった国で、それはかなり難しい。資本主義的なアメリカでも、それは約8.4だ。
FT March 3, 2021
A tougher global response is needed to the Myanmar coup
FP MARCH 3, 2021
China Is Losing Influence—and That Makes It Dangerous
BY SALVATORE BABONES
PS Mar 4, 2021
Asian Demonstrators and the American Dream
IAN BURUMA
1か月前、ミャンマーでは、軍事クーデタに反対する抗議運動がヤンゴンの米国大使館の周りに集まった。彼らはジョー・バイデン大統領に、将軍を兵舎に戻してアウンサンスーチーを拘留から解放するよう求めた。
しかし、米国大使館は抗議するのに最適な場所だろうか? 米国の介入に対するデモ隊の希望は、ドナルド・トランプの「アメリカ・ファースト」孤立主義の4年後でも、世界の自由の擁護者としてのアメリカのイメージがまだ死んでいないことを示す。
昨年、香港のデモ隊は、領土の自治に対する中国の厳しい取り締まりに抗議し、トランプを同盟国とさえ見なした。
フィリピン、韓国、台湾で機能したものが、タイ、香港、ミャンマーで機能する可能性は低い。主な理由は、冷戦時代に左翼が「クライアント国」と呼んだのは前3カ国だったことだ。その独裁者たちは「私たちの独裁者」であり、反共産主義の同盟国として米国が保護した者たちだ。
ヨーロッパとアジアにおける米国への依存と、その結果として、アメリカ人が得た影響力は、冷戦によって支えられた。今、新たな冷戦が迫っている。今度は中国との戦いだ。しかし、米国のパワーは大幅に減少している。アメリカの民主主義への信頼は、伝統的な同盟国をいじめた無知なナルシシストを選出したことで損なわれた。
米国の支配は永遠に続かず、アジア諸国とヨーロッパ諸国は、常に信頼できるとは限らないアメリカへの依存から身を引くべきだ。 「従属国」であることは屈辱的である。
FP MARCH 4, 2021
Biden Can Engage Southeast Asia Without Compromising U.S. Values
BY CHARLES DUNST
● アメリカ帝国の脅威
FP FEBRUARY 26, 2021
Biden’s Plan to Lead From Alongside
BY JAMES TRAUB
FP FEBRUARY 26, 2021
Biden’s Syria Strikes Fuel New Debate on War Powers
BY ROBBIE GRAMER, JACK DETSCH
The Guardian, Sun 28 Feb 2021
Stay, go, delay: Joe Biden is trapped and has no good choices in Afghanistan
Simon Tisdall
FP MARCH 3, 2021
America’s Forever Wars Have Come Back Home
BY STEPHEN M. WALT
ザカリアは、安全に対する過度の懸念が、大使館、公共の建物、さらにはバリケードに囲まれたアメリカ議会議事堂自体でさえ、植民地帝国よりも外観が「帝国」になっていると説明した。大きな問題は、なぜこれが起こっているのかということだ。
それは単に世界がより危険になっているからなのか? それともアメリカの海外における行動と国内の自由に対するさまざまな脅威との間に関係があるのか?
海外での帝国的冒険と国内での混乱との関係を見逃してはならない。ジェームズ・マディソン大統領はかつて「継続的な戦争の最中に自由を維持できる国はない」と警告した。今日、海外での果てしないキャンペーンが、軍国主義、秘密主義、行政権の強化、外国人排斥、偽りの愛国心、デマゴーグなど、多くの政治的勢力を解き放つ。ジョー・バイデン大統領が本当に銃後のアメリカの分裂を癒したいのなら、彼は外国での活動を減らすべきだ。
PS Mar 4, 2021
What Should Biden Do About Venezuela?
RICARDO HAUSMANN, JOSÉ RAMON MORALES-ARILLA
FP MARCH 4, 2021
Confidence, Humility, and the United States’ New Direction in the World
BY FP EDITORS
● サウジアラビア皇太子
NYT Feb. 26, 2021
President Biden Lets a Saudi Murderer Walk
By Nicholas Kristof
M.B.S.はレバノンの首相を誘拐した。彼はカタールとの確執を牽引した。彼はイエメンで世界最悪の人道的大惨事を引き起こした。彼は女性の権利活動家を投獄した。彼は、イランがかつてなしえなかったほど効果的に、自国の評判を傷つけた。
M.B.S.を制裁するのは人権擁護の「振り」をするためではない。ジャマルは、アラブ人とアメリカ人の両方に利益をもたらす、より民主的なアラブ世界を夢見ていた。そして、殺人者を許すことで、大統領、あなたはそのビジョンを裏切る。
NYT Feb. 26, 2021
The Murderous Monarch
By The Editorial Board
PS Feb 27, 2021
A Realist Reset for US-Saudi Relations
RICHARD HAASS
FP MARCH 2, 2021
The Middle East’s Next Conflicts Won’t Be Between Arab States and Iran
BY VALI NASR
FP MARCH 2, 2021
Can Biden Finally Put the Middle East in Check and Pivot Already?
BY ELISE LABOTT
FT March 3, 2021
US failure to act against Saudi Arabia will embolden Iran
David Gardner
FT March 4, 2021
Biden chooses not to antagonise Mohammed bin Salman
Katrina Manson
● 防衛と環境の政治同盟
FT February 27, 2021
Liberals and security hawks can find common green ground
Rana Foroohar
防衛関係のタカ派とリベラルな進歩主義者は、通常、簡単に政治的仲間にはならない。それでも、彼らの利益がほぼ完全に一致する可能性がある問題がある。それは気候変動だ。
最近、これら2つの陣営の重複する利益に基づいた国家レジリエンス戦略を、海軍の技術者と学者のグループが提唱している。それは、半世紀前の列強競争の時代に起きた、超党派の協力のいくつかを呼び起こす。
● IMF改革
FT February 28, 2021
The IMF no longer functions as the world’s safety net
Ousmène Jacques Mandeng
大恐慌以来の最も深刻な経済危機は、IMFが輝く瞬間だったはずだ。IMFはパンデミックの開始以来、多くの借入契約を承認したが、これらはその1兆ドルの融資枠の10パーセント未満にすぎなかった。
国は通常、IMFに頼る前にすべてを試みる。国がIMFに近づく頃には、最も抜本的な対策が必要であり、基金の財源は厳格な融資条項(コンディショナリティー)に結びついている。したがって、借入れはIMFに関与する機会とコストの認識に依存し、それはしばしば政治的なものだ。
1990年代後半のアジア通貨危機により、IMFは、その厄介な条件のため、東アジア諸国の多くで嫌われた。 2008年に始まったユーロ危機では、テクノクラート、独立ブローカーとしての役割を失い、EUの政策立案者にとっての政治的防御に見えたことで、IMFの信頼はさらに損なわれた。
IMFは、最後貸し手ではなく、貸し手としての融資条件を見直し、積極的に融資を行う必要がある。
PS Mar 1, 2021
When Special Drawing Rights Aren’t So Special
HANNAH WANJIE RYDER, GYUDE MOORE
SDRsの発行だけでなく、その配分に関して改善が必要だ。
FT March 3, 2021
The IMF’s surcharges are unfit for purpose
Kevin P. Gallagher
IMFを最も必要としている国は、危機の始まりから2022年の終わりまで、利息の支払いと手数料に加えて40億ドルを超える追加料金を支払う必要がある。追加料金がIMFの最大の収入源になり、収入のほぼ半分を占めると推定している。
これらの追加料金は、1990年代後半のアジア金融危機後に最初に課され、最初から緊張した議論の対象であった。それらの背後にある理論的根拠は、IMFプログラムの需要を制限し、借り手が予定より早く返済することを促し、IMFの収入を生み出すことである。
各国が大規模な長期融資を求めてIMFに来るのを抑えるより良い方法は、プログラムとアドバイスの設計を改善し、各国が危機からより早く回復できるようにすることだ。さらに、新しく適切に分散されたクォータの割り当てが必要である。
● K字型の回復とバブル
FT February 28, 2021
Warren Buffett warns of ‘bleak future’ for debt investors
Eric Platt in New York
FT February 28, 2021
The end of the party looms for markets high on stimulus
Ruchir Sharma
NYT Feb. 28, 2021
The Private Equity Party Might Be Ending. It’s About Time.
By William D. Cohan
PS Mar 2, 2021
The COVID Bubble
NOURIEL ROUBINI
アメリカ経済のK字型の回復が進行している。安定したフルタイムの仕事、福利厚生、財政的クッションを持っている人々は、株式市場が新たな高値を付ける中、順調に回復している。しかし、失業中、あるいは、低付加価値のブルーカラー、サービス部門に部分的に雇用されている人々、つまり新しい「プレカリアート」は、借金を抱え、金融資産がほとんどなく、経済的な見通しが立たない。
ウォール街とメインストリートの間の断絶が拡大している。資産分布の下位50%は株式市場の総資産のわずか0.7%を保有しているだけであり、上位10%は87.2%、上位1%は51.8%を保有している。最も裕福な50人は、最下位の1億6500万人と資産額が同じである。増大する不平等はハイテク大企業の登場に続いて起きた。アマゾンが1つ仕事を作るたびに3つの小売業の仕事が失われ、同様のダイナミクスがハイテク大企業の支配する他のセクターにも起きている。
しかし、今日の社会的および経済的ストレスは新しいものではない。生活費と支出の上昇に加えて、実質(インフレ調整済み)所得の中央値が停滞していたため、ブルーカラー労働者は生活が悪化した。何十年間も、この問題の「解決策」は金融「民主化」であった。貧しい世帯が資金の余裕がないまま家を買うために、もっと借り入れて、その家をATM機として使用できるようにした。この消費者信用(住宅ローンやその他の債務)の増大がバブルをもたらし、それは2008年の金融危機で終わったが、数百万人の仕事、家、貯蓄が失われた。
最近のGameStopの物語は、空売りする邪悪なヘッジファンドと闘う、英雄的な小さなデイ・トレーダーたちの団結として描かれる。それは、絶望的な、失業中、スキルレス、債務負担の人びとが再び搾取されている醜い現実を覆い隠す。多くの人は、経済的な成功が、良い仕事、勤勉、忍耐強い節約と投資ではなく、一攫千金のスキーム、暗号通貨(または「糞コイン」)のような、本質的に価値のない資産に対する賭けである、と確信する。
量的緩和(現代貨幣理論または「ヘリコプターマネー」の一形態)を通じて、アメリカ連銀と財務省が財政赤字の大規模な貨幣化という実験に取り組んでいることを、金融市場が懸念し始めている。批評家たちは、このアプローチが経済を過熱させ、予想よりも早くFRBが金利を引き上げるしかない、と警告する。
確かに、財政赤字の貨幣化が負の供給ショックと合わせてスタグフレーションを引き起こすなら、インフレは最終的には起きるだろう。このようなショックのリスクは、新たな米中冷戦の結果として高まっている。各国が新たな保護貿易主義と、投資および製造事業の自国内への再配置を追求するにつれて、グローバル化の逆転、経済のバルカン化のプロセスを引き起こす。しかし、それは中期的な話だ。2021年の話ではない。
超緩和的金融政策によって、資産市場はバブルではないにしても、依然として泡立っている。しかし、株価収益率は、1929年と2000年の破裂前と同じくらい高い。レバレッジの上昇と、特別目的買収会社、ハイテク株、暗号通貨に、バブルの可能性があり、市場マニアは多く懸念の原因だ。
このような状況で、FRBがパンチボウルを奪うと、市場は即座に崩壊する、と懸念している。最終的な金融正常化を妨げる公的および私的債務が増加すれば、中期的なスタグフレーションの可能性、そして、資産市場と経済のハードランディングの可能性が増し続けている。
The Guardian, Wed 3 Mar 2021
How elimination versus suppression became Covid's cold war
Laura Spinney
● テクノロジーの世界的ガバナンス
FP MARCH 1, 2021
The World Must Regulate Tech Before It’s Too Late
BY VIVEK WADHWA, TARUN WADHWA
100年分の価値ある変化が、10年で起きている。2030年までに、業界全体がソフトウェアコードに置き換えられるだろう。職業全体が、目を覚ませば、自分たちの生活が不要であることに気付く。ロボットが私たちの雑用をし、私たちの街を巡視し、私たちの戦場で戦っている。
生活と仕事だけでなく、国全体が混乱するかもしれない。デジタル通貨は世界の金融を不安定化し、ロボット工学は製造業の海外移転を加速する。再生可能エネルギーのコストは急落し、石油から電力にシフトする。諸国家が数世代にわたって激しく競争する。さらに、これらすべての変化が同時に発生し、あらゆる場所で無秩序になる。
したがって、世界の国々が集まって、幅広いテクノロジーとその将来の使用についてコンセンサスを打ち出すことがこれまで以上に重要になっている。政府が科学の進歩と自由市場の革新に介入することには反対論がある。政府は抑圧するか、彼ら自身の目的のためだけにそれらを使用する、と。しかし、行動しないのは無思慮である。迫りくる巨大なブルドーザーには、重要な集団的決定が避けられない。
国境を越えて関係者全員の利益に影響を与える倫理と公平性に関する新たな根本的な問題が提起される。さまざまな圧力に直面して、各国はテクノロジーの適切な使用について非常に異なる結論に達するだろう。技術の使用を制限し、誤用の責任を負う、国による賠償のメカニズムを確立する政府間コンセンサスが緊急に必要だ。
社会は何が受け入れられるか、決定するべきだ。結局のところ、法律は成文化された倫理であり、倫理は社会的コンセンサスによって定義される。すべての社会は、独自の文化、歴史、道徳によってそれぞれの進歩にアプローチする。
集合的な倫理的ガバナンスが必要である。私たちの世界を再構築するために、進歩する技術の共通理解に到達する時が来た。国際機関と昔ながらの外交は、素朴な希望と時代遅れのアプローチのように見える。しかし、それは私たちが持っている唯一のチャンスだ。それなしには、世界がこれまでに見たことのない規模で、技術的混乱に加えて、社会的、経済的、政治的混乱が起きる。
FT March 3, 2021
Building trust in AI systems is essential
● 米中戦争のリスク
PS Mar 2, 2021
What Could Cause a US-China War?
JOSEPH S. NYE, JR.
一部のアナリストは、ペロポネソス戦争がアテネの台頭に対するスパルタの恐れに起因していると述べ、米中関係がますます強力な挑戦者に対して覇権を争う紛争の時期に入ったと信じている。
私はそれほど悲観的ではない。同時に、誤算は常に可能で、第一次世界大戦で起こったように、「夢遊病」が大惨事に陥る危険性もある。歴史には、パワーバランスの変化について誤解した事例がいっぱいある。
アメリカ人が中国の権力を過大評価または過小評価することも危険であり、アメリカには両方の経済的および政治的インセンティブを持つグループがいる。アメリカと中国は、新たな冷戦または熱戦を引き起こす可能性のある誇張された恐れを回避すべきだ。
アメリカはかつて世界最大の貿易国であり、最大の二国間貸し手であった。今、アメリカの57か国と比較して、ほぼ100か国が中国を最大の貿易相手国としている。中国は今後10年間で一帯一路イニシアチブによるインフラプロジェクトに1兆ドル以上を融資する予定だが、アメリカは援助を削減している。
アメリカの傲慢は常に危険だが、誇張された恐怖も危険であり、過剰反応につながる可能性がある。同様に危険なのは、中国のナショナリズムの高まりであり、これはアメリカ衰退への信念と相まって、中国がより大きなリスクを冒すことにつながる。双方は誤算に注意しなければならない。
FP MARCH 2, 2021
The One-Sided War of Ideas With China
BY ROBERT D. KAPLAN
冷戦は、米国の民主資本主義とソビエト共産主義のどちらが歴史の勝者かを決定するアイデアの戦いであった。アメリカは勝ったが、その余波は、壮大な中東戦争、欧米での厄介なポピュリズム、そして、ますます全体主義的な中国の容赦ない台頭により混乱している。今、私たちは機能的には第二次冷戦に着手している。どちらの側もこれが「熱戦」になることを望まない。しかし、今回のアイデアの戦いはすべて一方的なものだ。
米国は地理が常に豊富にあるため、地理的問題を割り引く傾向がある。大陸の地理で武装した米国のエリートは、何十年にもわたって自由と人権の擁護に執着してきた。しかし、地理にはるかに問題を感じる中国人は、地図を見るのに忙しい。それが一帯一路構想の鍵だ。
中国の新しい帝国地図は、新疆ウイグル自治区とトルコのウイグル人イスラム教徒を弾圧することから始まる。これは、米国が人権の観点から、中国は地理の観点から、自然に見ている問題だ。中国にとって、新疆ウイグル自治区は、太平洋岸に隣接する耕作可能な農地の発祥地で、民族的に支配的な漢民族が常に恐怖と侵略と反乱の泉と」して見ている、乾燥した草原と高地である。
中国の文明とその官僚国家は3500年前から存在していたが、反抗的な新疆ウイグル自治区は18世紀半ばに中国の清王朝の一部になった。つまり、中国のフロンティア地域は実際には自国の国境内から始まる。これは中国を非常に神経質にする問題だ。
冷戦時代、ヨーロッパと世界の他の地域は物理的に2つのブロックに分割され、それぞれが異なる政治的価値観を表し、東と西が互いにほとんど貿易しなかった。現在、世界貿易の厳しさと必需品は、事実上、リベラルな世界秩序を破壊している。今日の世界は、デジタル接続され、ハミングするグローバルな商取引システムであり、中国が支配し操作しようとしている。米国のように、ソビエト連邦も歴史に対する道徳的目的を信じていたが、中国はその法的境界を越えるユートピアを持たない。それゆえ中国は自己破壊的ではなくなったが、敵として、より手ごわい存在だ。
冷戦中とは異なり、衝突するアイデアは重要でない。効率と、おそらく、調和が唯一の美徳である。重要なのは交易路の建設と維持だ。
FT March 4, 2021
US vs China: Biden bets on alliances to push back against Beijing
Demetri Sevastopulo in Washington
FP MARCH 4, 2021
The West Needs Champions
BY ELISABETH BRAW
● ドラギとマクロン
FT March 2, 2021
Mario Draghi and Emmanuel Macron — the EU’s new power couple?
Ben Hall, Europe editor
● UK予算案
The Guardian, Wed 3 Mar 2021
The Guardian view on Rishi Sunak's budget: Britain will go backwards with tax rises and spending cuts
Editorial
FT March 4, 2021
The UK’s ‘new Tory’ economics are different but insufficient
Martin Wolf
FT March 4, 2021
Sunak’s tax freezes are not as harmless as they seem
Merryn Somerset Webb
FT March 4, 2021
A tactical Budget that spends today and taxes tomorrow
FT March 5, 2021
‘Act big’ in the US means thinking smaller in the UK
Chris Giles
● 民主主義サミット
FT March 3, 2021
The first task of democracies is to put their own house in order
Tony Barber
昨年の主要な工業化された民主主義のG7サミットは、メリーランド州のキャンプデービッドで開催される予定だった。パンデミックによりキャンセルされた。
ジョンソンとバイデンのイニシアチブは、空虚で分裂的な広報活動に終わらないように、慎重な準備が必要だ。 1つの問題は、ジョンソンの推定D10と、バイデン政権が召喚する可能性のある友好国のより大きなクラブで、民主主義の質が異なることだ。どちらのイニシアチブも、民主主義そのものではなく、地政学的利益を促進する目的で採用された反中国戦線に変わるリスクがある。
バイデンの民主主義サミットに関して、難しい問題は、どの国を招待。または、除外するかである。少なくともバイデンは、トランプの下で米国の自由民主主義が後退したことについて、率直であるべきだ。民主主義への脅威は、海外の敵対的な権威主義体制からだけでなく、自国で選出された指導者、怒っている有権者に支持され、確立された制度を破壊し、少数派を弾圧する指導者からも生じる。
ジョンソンのアイデアは、「グローバル・ブリテン」という外交政策のブレグジット時代のスローガンに、肉付けしたように見える。それがヨーロッパ内外で他国の政府にどのような印象を与えるかは別問題だ。
● プーチン体制の衰弱
PS Mar 3, 2021
Potemkin Putin
ANDERS ÅSLUND
プーチンは長い間、彼の巨大な野心の究極の保証人として、ロシアの消費者に依存してきた。しかし2018年、個人の可処分所得の急激な減少に続いて、ロシアの世帯に厳しい年金改革を強いた。
ロシアの経済停滞の主な理由は3つだ。プーチンの権威主義的な泥棒政治、2014年以降のウクライナでのロシアの軍事侵略に対応して課された西側の金融制裁、石油価格の低さである。
ロシア経済の成長源を多様化するために彼は何もしていない。石油価格が下落すると、石油、ロシアの通貨、輸出、輸入がすべて苦しむ。プーチンが無視したいと思う2つの要因、つまり泥棒政治と制裁を誘発する外交政策は、外国人投資家をますます怖がらせている。
ロシアは分裂している。人口のリベラルな3分の1がプーチンに反対している。別の3分の1は彼を支持し、残りの3分の1は不可知論者だ。ロシアは、経済的および技術的にだけでなく、人口統計学的にも衰退している。昨年、その人口は、若者の移住によって、ほぼ70万人減少した。
● UK政治
FP MARCH 3, 2021
British Prime Minister Is a Broken Job
BY MARK GARNETT
FT March 4, 2021
What independence movements teach us about belonging
Simon Kuper
● ドルの信任
FT March 4, 2021
Dollar defies the doubters as hopes for economic rebound rise
Eva Szalay in London
新年の抱負と同じように、通貨への信頼は変わりやすい。
● 景気回復と環境
NYT March 4, 2021
Making the Concrete and Steel We Need Doesn’t Have to Bake the Planet
By Rebecca Dell
過去1年間、パンデミックを避けながら窓の外を眺めるのに多くの時間を費やした。あなたが私のような都市の住人なら、間違いなく主にコンクリート、鉄鋼、そして、少しは空を観る。
道路や歩道、アパートやオフィスビル、高架道路、堤防、車、バス、街灯、彫像まで、すべてコンクリートと鉄鋼でできている。そして、下水道本管、送電線、基礎、ダクトなど、目に見えないものも。
鉄鋼やコンクリートで作られたものが提供する快適さ、セキュリティ、利便性にはコストがかかる。鉄鋼とセメントの生産は、気候危機の原因となる二酸化炭素を、全世界排出量の約15パーセントも生み出している。米国では、製鉄所やセメントキルンなども、最も有害な大気汚染の主要発生源だ。これらの産業を浄化しなければ、気候や汚染の問題を解決することはできない。
国の気候目標を達成することが、アメリカの製造業に負担をかけることはない。それで私たちの製品と技術をより競争力のあるものにすることができる。スマートな気候基準は、新しい製造業と建設業の仕事を生み出し、それによって中産階級への新しい上昇機会を生み出す。
インフラ投資は、両政党が合意した数少ないことだ。私たちがどのように再構築するかは、私たちの呼吸法と、住まなければならない気候に影響する。ほとんどの人は、周囲の鉄鋼やコンクリートに気づかず、それが気候をどのように変化させているかを知らない。
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The Economist February 13th 2020
Human rights: How to talk about Xinjiang
Banyan: Cool it or blow?
America and China: Genocide aside
Cuba and Venezuela: Practically perfect
Astrobiology: Come out, come out, wherever you are!
Emerging economies: Some pleasant fiscal arithmeyic
Trade policy in America: Rinse and repeat
Free exchange: Targeting practice
(コメント) 中国政府による新疆ウイグル自治区の住民に対する信仰や言語、拘留、少数派の人権に対する軽視・蹂躙について、批判するときに、トランプ政権のポンペオ国務長官が「ジェノサイド」と断定したことに、バイデン政権は引きずられています。記事はこれを間違いと主張します。
インフレに関する論争やコロナウイルスに対するワクチン接種の問題が大きく扱われていますが、概ね、通常の内容と思いました。むしろ、同じトランプ政権が決めたアフガニスタンからの撤退の枠組みに関して、興味を持ちました。バイデンも打開策を持たない。しかし、アメリカはドイツや日本を占領し、成功裏に撤退したではないか、と。
宇宙に生命はいるのか? 人類に匹敵するような知的生命体がどこかにいるのか? そういう科学が、その答えを出すのは近いそうです。
キューバ、ベネズエラの経済改革、アメリカの保護貿易政策、中国の中央銀行を通じた産業転換政策、が優れていると思います。
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IPEの想像力 3/8/21
政変に次ぐ政変、軍事クーデタや、警察・官僚の腐敗、難民危機を乗り越えたが、なお改革の願いかなわず臨終のときを迎えた民主革命後の指導者が、こんな遺言を若者に託す。
● 金融市場を改革してほしい。・・・金融市場が社会の富を増やすこと、リスクを集団的に抑制・回避し、災害のコストを分担することに役立っているのか? 株式市場や債券、為替など、金融を商品として売買する仕組みを改めてほしい。本来の目的に応じた売買として、また、明確な所有者や納税の監視のために、金融市場は独自のデジタル通貨だけを使用し、他の通貨から切り離す。
● 老人医療・介護システムを改革してほしい。・・・高齢化が進んでも、財政的な負担を抑える工夫を見つける。若者の医療と同じシステムではなく、根本的に、異なる仕組みで運用してはどうか? 老人ホームの在り方も、住宅や雇用を含めて、地域社会の活性化の視点から見直してほしい。
● 原発を廃止し、再生可能エネルギー、地球環境と両立できる社会モデルに転換してほしい。・・・廃炉の展望や汚染された冷却水、使用済み燃料・汚染物の長期保存や処理の仕組みもないまま、原子力エネルギーを維持する政権を認めない。豊かな自然を回復する、積極的なエネルギー政策を定めてほしい。
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民主化、というのは、弾圧や法制によって消滅するものではありません。
香港の民主化運動は激しく弾圧されています。もし10年後に、選挙を一部取り入れたとき、民主化を否定してきた政府とその支持政党の候補者が、1人でも当選できるのでしょうか。ポーランドは、許された枠内で、与党の候補者ではなく、民主的な候補者が当選しました。ロシアでは、そうではありません。ベラルーシも。
しかし、中国の指導者が3人交代するとき、ついに民主化運動を政権と秩序の一部にすることが正しい、制度を強化するために、民主主義を尊重する、と決断するのではないか、と私は思います。ソビエト連邦でも、共産党書記長が短期間に3人交代しました。アルゼンチンの通貨危機でも、大統領が3人交代しました。
タイでも、ミャンマーでも、軍事クーデタが反対派を弾圧しています。しかし、民主化を押さえ続けることは不可能です。
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イギリス王室が、ハリス王子のパートナーであるメーガン妃とその子供に、差別的な発言を繰り返していたと報道され、問題になっています。
オリンピック組織委員会の森元首相と同じだ、と感じます。王室は、何のためにあるのか? だれのために存在するのか? 国民の統一の象徴であり、戦争やパンデミックや、困難に立ち向かう政府と国民を励ますのか。あるいは、それは保守主義、伝統、自民族の優位を確信し、差別的な振る舞いを文化や愛国心によって肯定するための道具なのか。
その意味が問われているのは、日本の天皇と同じです。メーガン妃と眞子さま問題が似ている、と私は思います。答は、そのどちらにもないのです。両方が、国民として主張し、正直に生きているのであれば、その姿を受け入れ、歪みを正すように、改善を促す包容力や、自身が抱える邪悪な精神を浄化する勇気を示すように、発言し、行動する能力が試されるのでしょう。
何と難しい立場を強いられる人たちか。過激な主張を押さえて、非常に危ういバランスの中で権力を担うわけです。
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多くの犠牲者を想い、民主化に成功した指導者が、もしかすると、もっと王室と協力できたかもしれない、と思うかもしれません。・・・しかし、どうでしょうか。
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****3・11をめぐって
「映像で見る」を観ました。
IPEの果樹園 2011 今週のReview 3/14-19
https://www1.doshisha.ac.jp/~yonozuka/Review2011/031411review.htm
東日本大震災・福島原発事故の7周年 「10メートルの堤防が・・・」
IPEの想像力 3/12/18
https://www1.doshisha.ac.jp/~yonozuka/Review2018/031218review_s.html
東北被災地への調査旅行 2012年2月26日〜3月7日
https://www1.doshisha.ac.jp/~yonozuka/Tohoku_2012.html
「13メートルの津波を防ぐ堤防や、高台建設の・・・」
IPEの想像力 3/11/19
https://www1.doshisha.ac.jp/~yonozuka/Review2019/031119review.html
拙論「東日本大震災のガバナンスをめぐる考察 : 現地調査により被災地から学ぶこと」経済學論叢 64巻2号 (PDF)
https://doshisha.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=22954&item_no=1&page_id=13&block_id=100
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