IPEの果樹園2021

今週のReview

2/15-20

***************************** 

21世紀の大国 ・・・株式市場と投機の民主化 ・・・パンデミックの中央銀行 ・・・プラットフォーム・エコノミー ・・・テクノクラシーと独裁者の民主化 ・・・富裕税 ・・・ナワルニーとプーチン ・・・民主主義と真実のメディア ・・・マリオ・ドラギ ・・・技術革新のゆがみ ・・・中国の成長消滅 ・・・弾劾裁判後のトランプ支持者 ・・・自然界を含む経済学

[長いReview

****************************** 

主要な出典 FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, Foreign Policy, The Guardian, NYT: New York Times, PS: Project Syndicate, SPIEGEL International, VOX: VoxEU.orgそして、The Economist (London)

[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.] 


 21世紀の大国

SPIEGEL International 04.02.2021

From Brussels to the Rest of the World

How Europe Became a Model for the 21st Century

An Essay by Ullrich Fichtner

政治風刺漫画の世界では、ヨーロッパはカタツムリやヒドラ、蛇の穴や豚舎として描かれる。欧州連合は、病人であり、車椅子の老婆、悲しむ女性に無視された子供。ヨーロッパは、空気の抜けた気球、エンジンのないレースカー、脱線した列車、沈没船、大きすぎて滑走路が見つからないジャンボジェット機。大陸は、EU首脳たちが集まる不毛の山頂、ファイルのゴミの山、牛乳とワインの海がたくさんある汚された土地。ヨーロッパは、不安定なカードの家、ぼろ家、燃えている小屋、崩れかけた寺。それはいつも破滅状態だ。

こうしたすべての風刺にもかかわらず、EUは世界の最強国家の1つである。

EUは、この10年ほどの間にも、深淵にあまりにも近づきすぎて、崩壊が避けられないように見えた。2007-2008年の金融危機ではギリシャからヨーロッパ政府債務危機が起きた。大陸中の右派ポピュリストだけでなく、諸国の連合という基本構造に問題がある、といわれた。金融危機からアイデンティティー危機になり、難民危機はEUの生死を問う危機になった。2016年、イギリスがEU離脱を決めたことは、ヨーロッパの人々が愛することのないEUという歴史的実験を、埋葬する棺に最後の釘を打ったように見えた。

ブレグジットの前は、ブリュッセルの権力構造についてん、ヨーロッパの人びとは何も知らなかった。しかし、ある意味で、政治教育が進、現在ブリュッセルの政治情勢をより厳密に追跡している。 EUの指導者を知ることはまだ少ないが、かつてほど顔の見えない状態ではなくなった。

それでも、世界における欧州連合の重みについて、広範な理解はない。ユーロ導入とEUの東方拡大後にあった自信過剰から、今日の顕著な劣等感へと、EUの印象は大きく変化した。ヨーロッパの衰退という間違った物語を信じて、多くの人びとが未来を悲観している。

EUの重要性を示す指標は多い。どの指標にも論争があるが、GDP1人当たりGDP、どの指標でもEUは世界のトップ3に入る。多くの分野で目理科を超え、中国にも優位を保つだろう。EUは、アメリカ、インド、南アフリカ、ロシアにとって最も重要な輸出市場であり、中国とブラジルの2番目に大きな市場で、日本と韓国では3番目に大きな市場である。中国ではなくヨーロッパが、台頭するアフリカ大陸の最大のパートナーである。アフリカの全輸出の3分の1EUに向けられており、アフリカへの外国投資の40%はEUからのものだ。

1800年頃からヨーロッパの工業化は始まったが、その当時、世界の人口の半分はアジアに住んでいた。世界生産でもアジアが半分を占めた。しかし、1900年には、アジアの世界シェアは20%に減少した。それはヨーロッパが技術進歩をリードしたからだ。その意味では、今、アジアや中国の台頭と言うのは正しくない。それは「復帰」であり、長い正常化の過程、とみなすべきだ。

中国の台頭はマイナス面だけでなく、ヨーロッパにとってプラスのことがある。もし中国が支配を求めず、世界経済と国際社会に占める公平な位置を、公正な競争を通じて求めるのであれば、ヨーロッパはそれを歓迎するだろう。労働者の保護や人権について、中国との貿易交渉では、中国がヨーロッパの多くの規制に従うようになる。

カリフォルニアのハイテク企業はEUの規制に従って製品を作る。ガーナやエクアドルのコーヒー生産者も、McDonald, Subway and Wendyのようなファーストフードのチェーン店も、Adidas, Nike, and Zaraも、EUの規制に従っている。Microsoft, Google, Apple, Intelは互いに訴訟を起こしているが、サンフランシスコやニューヨークだけでなく、欧州委員会の仲裁を求める。一般データ保護規則(GDPR)が示す、ヨーロッパのデータ保護は、急速に世界標準になり、どの企業もどの国も無視することはできない。EUの炭素排出規制もそうだ。

現代のグローバリゼーションとは、「ヨーロッパ化」である。

近代史においては、指導的な大国がその能力と原則を示し、他の諸国が従った。1819世紀のイギリスとフランス、20世紀、両大戦後のアメリカがそうだ。しかし、1980年代から、アメリカは規制緩和を推進し、新しい金本位制を示す役割を放棄した。EUは、その真空を埋めたのだ。

ドイツ政府は現在、欧州の規範と基準を揺るがし、連合を弱体化しようとする中国の試みを特に懸念している。中国を批判するとか、人権侵害で攻撃するとき、EU諸国の中から共通の戦線を離脱する国が出てくる。ハンガリー、ギリシャ、クロアチア、スロベニア、チェコ共和国は、北京の権力に、危険なほど接近している。新しい断層線がここに開くかもしれない。

複雑な同盟が機能するには、時間が重要だ。27の加盟国が首尾一貫した外交・安全保障政策を策定できないことに不満を言うのは、EUが歴史的に非常に若い組織であることを忘れているからだ。27の加盟国のうち16国は1995年から参加しており、13国が2004年に加盟した。ほぼ2世紀にわたって深く根付いたナショナリストの考えを変えるのは容易でない。

ユーロをめぐる崩壊論は間違いだった。EUはすでに多くのことを実現した。平和の維持、気候の保護、自然破壊の終焉、住民の保護、繁栄、生活向上、幸福の追求。ほとんどのヨーロッパ人は、これらが自明であると信じている。もはやそれらをほとんど聞かず、麗々しく称賛することもない。しかしEUは、何世紀にもわたって人々が互いに引き裂かれた大陸全体を、21世紀のモデルに変えた。

それはこれ以上にない21世紀の大国そのものだ。

The Guardian, Wed 10 Feb 2021

We're on a collision course with the planet. But with public support, that can change

Larry Elliott


 株式市場と投機の民主化

NYT Feb. 4, 2021

Pumps and Dumps and Chumps

By Paul Krugman

理性的な世界なら、小さなゲーム機販売企業GameStopの株価が上下するのを誰も気にしない。Redditが煽ったGameStop株はUS株市場全体の0.06%でしかない。そもそも株式市場は実物経済の余興でしかない。

しかし、われわれは理性的でない世界に暮らしている。GameStopの話は、経済や市場よりも、心理と政治の問題だ。ドナルド・トランプの4年間を経ても、われわれの社会はまだ騙されやすいままである。非常に多くの影響力ある人々がフェイクのポピュリズムに殺到する。

GameStop株に起きたことは、ソーシャルメディアで加速されたa pump and dump(虚偽の推奨によって株価を吊り上げ、人びとを巻き込んで自分だけ売り抜ける投機)である。付録として略奪的な取引が加わった。原則的に、これは違法である。しかし、GameStop株では誰も起訴されないだろう。その意図を証明することは可能だ。

明言しておくが、これはポピュリスト的な蜂起ではない。われわれの経済は多くの家族を取り残してきたが、アメリカの労働者たちが必要とするのは賃金の停滞を終わらせることであり、株式投機ではない。騒動が終われば、熱狂する取引で金を失うのが小規模の投資家たちであり、儲けるのはウォール街であると分かるだろう。

進歩的な人びとには同調する者もいる。しかし彼らは知るべきだ。株価上昇に対するQAnon的な雰囲気は常にあった。株価が沈めばなおさらだ。Redditやソーシャルメディアには、ユダヤ人銀行家を非難する声が多くある。

ポピュリズムを支持するなら、そのポピュリズムが本物であることを確かめるべきだ。すなわち、アメリカ人の生活を改善する政策を要求し、陰謀論や、「エリート」に対する見せかけの文化戦争ではない。

FT February 5, 2021

A Piggly Wiggly warning for the Reddit investor rebels

Richard Lambert

FT February 6, 2021

GameStop case puts the focus on market plumbing

FT February 8, 2021

The biggest lesson of GameStop

Rana Foroohar

操作された金融システムを攪乱し、正義の小規模投資家たちがヘッジファンドを倒す、GameStop株取引の熱狂はダヴィデとゴリアテにもたとえられた。

しかし、その考えは間違いだ。市場は「民主化」されていないし、スマホで株取引する人々は「包括的な資本主義」を代表するわけではない。

しかし1980年代、民主党も共和党も、政治家たちは市場と民主主義を同一視して行動した。市場の規制緩和を進め、ブレトンウッズの為替レート制度が崩壊した後、金融政策で景気変動を緩和する市場介入が増え、株式保有者の資本主義が登場した。アメリカ経済は、安定した雇用と所得の上昇に基づく繁栄から、企業も消費者も資産価格の上昇にますます注目するものに変わった。

まさに今、COVID-19による経済的苦痛を緩和するために短期の財政刺激策が採用されている。しかし、アメリカ経済の水準は、個人がキャピタルゲインや退職後に備える口座からの分配を消費することに依存している。もし資産価格が大きく下落すれば、成長は持続できない。

ジョージ・W・ブッシュ大統領が「所有社会」への移行に言及した40年前も、企業の本質、ビジネスと社会との契約は、変化しつつあった。2つの現象は、当然、無関係ではない。

市場の変革は企業に短期的な圧力をかけ、アウトソーシング、自動化、労働組合の削減、401kプランの確定給付年金の削除によって、コストを減らしたが、選択した投資の責任、その悪い結果のリスクを、労働者個人に負わせる。1989年、アメリカの家族の31%が株式を保有していたが、今はほぼ半分だ。私たちは皆、デイトレーダーのように見える。

アプリやソーシャルメディアで株取引をする人が増えても、市場が主導する資本主義システムを実現することはない。われわれの経済は消費支出に頼っており、それは資産価格のインフレの上に立つ。そのうえで、10代の若者たちはベッドルームから投資する。しかし、現在のような雇用が続くなら、若者たちは、ポートフォリオの価値が急落してもセーフティーネットの無い、ギグワーカーに終わるだろう。

それはリベラルな民主主義にとって、持続可能ではなく、支持されるものでもない。だから私は、「富(資産)」を優先する経済から、労働に報いる経済に変える、というジョー・バイデンの公約を称えるのだ。

株式投機は、いくら共有されても、民主主義ではない。

FT February 8, 2021

Is a new era of retail trading emerging after GameStop saga?

Robin Wigglesworth

FT February 10, 2021

How herd behaviour drives action on r/WallStreetBets

Ian Goldin


 ミャンマー

PS Feb 5, 2021

Don’t Isolate Myanmar

BRAHMA CHELLANEY

FT February 9, 2021

The dilemma facing foreign investors in Myanmar

FP FEBRUARY 10, 2021

Can Myanmar’s Protesters Succeed?

BY COURTNEY T. WITTEKIND


 パンデミックの中央銀行

PS Feb 5, 2021

The Perils of an Uneven Global Recovery

KENNETH ROGOFF

景気回復は、ワクチンと同様に、世界に平等に広がるわけではない。

政府や中央銀行による多大な政策支援にもかかわらず、債務問題に直面しているフロンティア経済や貧困の驚くべき増加を経験している低所得国など、経済リスクは依然として深刻だ。コロナウイルスが飼いならされるどころか、ポピュリズムが蔓延し、記録的なレベルの世界的債務が発生している。政策の正常化が均等に進まない可能性が高い。

金融緩和の縮小2.0は、うまくいかないリストの最上位にある。それが起こった場合、新興市場だけが苦しむことはないだろう。 2013年の「縮小ショック」は、米連邦準備制度理事会が金融政策を正常化すると示唆し始めて、新興市場から巨額の資金流出を引き起こしたものだ。

インフレを一時的にFRB2%の目標を上回らせることは、債務水準が高く、生産量がまだ潜在力を下回っている環境で害を及ぼすよりも、はるかに優れている。結局、現在、米国で働く人は1年前より900万人少ない。しかし、米国がこの夏までに予防接種の目標を達成し、コロナウイルスの突然変異が抑制された場合、ゼロ金利からの連邦政府の「リフトオフ」の予測は大幅に前倒しされるだろう。

VOX 08 February 2021

Inflation and the Biden stimulus

Jean-Pierre Landau

FT February 9, 2021

Gene Sperling: Joe Biden’s $1.9tn plan is necessary as economic recovery insurance

Gene Sperling

PS Feb 9, 2021

New-Model Central Banks

BARRY EICHENGREEN

2008年の世界的な金融危機と現在のCOVID-19により、中央銀行が金利や公開市場操作をはるかに超えた手段を使用して、拡大する市場や活動を支援するために介入するのを見てきた。

今、私たちはこの範囲をさらに広げるための呼びかけを聞いている。欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド総裁と連邦準備制度理事会のラエル・ブレイナードはそれぞれ、中央銀行に気候変動への取り組みを促している。ブラック・ライヴズ・マター運動を背景に、カリフォルニア州のマキシン・ウォーターズ米国下院議員は、連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長に、特に人種的不平等を含む不平等についてより多くのことをするように促した。

中央銀行にこれらの追加の責任を課すことは、中央銀行とその政策手段をインフレ抑制の主要な目的からそらすリスクがあると警告する純粋主義者をぞっとさせる。彼らは、金融政策は気候変動と不平等に取り組むために向いておらず、炭素税や平等な住宅法で、より効果的に対処できると警告する。金融政策が気候変動や不平等に限定的な影響しか及ぼさない限り、そのような変数をターゲットにすることは中央銀行が失敗することになる。そして、欲求不満から、政治家が中央銀行の独立性に介入するかもしれない。

しかし、中央銀行家がそれらを無視し、他の誰かがよりうまく対処できる、と言った場合、それは高慢で危険な無関心の表れと見なされる。その時こそ、彼らの独立は本当に危険にさらされる。

金融政策は、気候変動や不平等など、インフレや支払い以外の問題にも影響を及ぼす。最善の方法は、金融政策を利用してインフレ抑制を目標にし、同時に、規制当局が他の差し迫った問題に対処するよう指示することだ。

FT February 10, 2021

The Fed must be mindful of mounting inflation worries

FT February 12, 2021

The Fed needs to call time on cheap money

Gillian Tett


 プラットフォーム・エコノミー

PS Feb 5, 2021

Reimagining the Platform Economy

MARIANA MAZZUCATO, RAINER KATTEL, TIM O'REILLY, JOSH ENTSMINGER

独占禁止法理論の新学派は、現在の法的パラダイムの亀裂を修正する競争を始めている。 1970年代以降、市場の健全性を評価する最良の方法は消費者に不利益をもたらす慣行を特定することだという仮定で、消費者福祉の原則が独占禁止法を支配した。しかし、グーグル、アマゾン、フェイスブックなどがユーザーに「無料」サービスを提供することで、その計算方法は変化した。主要なプラットフォームがユーザーに支払うとしても、これらの市場の主な価値の源泉は、ターゲットを絞った販売・促進広告のためにユーザー生成データを蓄積することだから、彼らが優位を維持するだろう。

規制当局は、方程式の反対側、特にサプライヤー市場を検討する必要がある。消費者が直接被害を受けていない場合でも、Googleがコンテンツ作成者をどのように扱い、Amazonが売り手をどのように扱い、Uberがドライバーをどのように扱い、Facebookが商人をどのように扱うか。

市場支配力の新しい指標、特にプラットフォームの力の明確な定義を備えた新しいツールキットが必要である。新しい現実を説明するために修正された場合、市場支配力の議論は、主要なプラットフォームを分割し、主要な合併をロールバックする必要があると結論付けるかもしれない。しかし、さらに推し進めると、一部のデジタルサービスは社会インフラと見なされるべきだ、ということにもなる。

価値を創造することによって生み出される富と、抽出によって蓄積される富の間には大きな違いがある。 1つ目は、経済の生産能力を向上させるリスクを冒したことに対する報酬である。 2つ目は、経済の生産能力に匹敵する改善を提供せずに、報酬の過度のシェアを獲得することから来ている。デジタル経済は、富の創出とレントの抽出との混乱を加速させており、この2つを区別することはますます困難になっている。問題は、金融仲介業者が価値の創造と企業間での分配方法を決めているだけでなく、これらの抽出メカニズムが利用者の観ているインターフェイスに組み込まれていることだ。

新しい経済基盤を構築するには、株主shareholderモデルから、公共的価値の創造をより深く評価する利害関係者stakeholderモデルへ移行することだ。富や、その他の望ましい市場の成果は、公的、私的、市民的な領域の間で、集合的に共同作成されており、そのように理解されるべきである。政策分析も、企業の意思決定も、効率最大化を問うだけではもはや答えられない。われわれはまた、富の創出が実際に社会を改善しているか、社会的課題に対応する能力を強化しているか、考察しなければならない。

異なる種類のプラットフォーム経済を発展させるには、テクノロジーとイノベーション・エコシステムの方向性を形作る大胆な産業政策・イノベーション政策を推進する必要がある。たとえば、政府調達と共通の市場基準が、プライバシー保護だけでなくデータの所有権も変更した経済を想像してみよう。現在の様式では、私たちはすべて無報酬のデータ労働者だ。

1に、イノベーションの速度だけでなく、方向性を設定するための調達、産業、規制の調整されたポリシーが必要だ。より基本的なレベルでは、政策立案者は、すべての市場、すべての経済、およびすべてのイノベーション・エコシステムが方向性を持っていることを認識するべきだ。プラットフォーム・ガバナンスに関しては、価値の創造と配置を決定する上で、企業国家an entrepreneurial stateが積極的な役割を果たす。

2に、ハイテク大企業のプラットフォームが行うデータ抽出機能を区別することだ。データがどのように使用され、どのデータが最初に収集されるかが最も重要な問題である。

最後に、公共部門が再び投資を開始する必要がある。オンラインプラットフォームを管理するには、国家が新しいリスクを理解し、効果的に対応するための独自の能力を開発する必要がある。投資と公共目的のイノベーションを追求するべきだ。プライバシーを実際に尊重し、人的機関を強化し、市民の対話を促進するプラットフォーム経済を持つことの意味について、より広く考える時が来た。

FP FEBRUARY 9, 2021

Australia Is Ground Zero in the Global Battle Against Google

BY SALVATORE BABONES


 バイデン政権

NYT Feb. 5, 2021

A Plan B for Immigration Reform

By Jorge Ramos

バイデン氏は、大統領としての最初の100日以内に、国の約1,100万人の不法移民に市民権へのロードマップを与える法案を議会に送る、と約束した。

バイデン大統領の新しい提案では、合法的な身分証明の無い人々は、税金を支払い、刑事および国家安全保障の身元調査に合格するなら、5年後にグリーンカードを申請することができ、さらに3年後、英語の知識と他の要件を満たして、市民になるために申請することができる。

ただし、段階的に進むべきだ。

FP FEBRUARY 8, 2021

What to Expect From Biden’s Immigration Policies

BY CHRISTINA LU


 パンデミックの外交

FP FEBRUARY 5, 2021

Postcards From the End of the Pandemic

BY FP CONTRIBUTORS

PS Feb 8, 2021

Whither US Foreign Policy?

RICHARD HAASS


 テクノクラシーと独裁者の民主化

FP FEBRUARY 6, 2021

Weimar’s Lessons for Biden’s America

BY ROBERT GERWARTH

PS Feb 8, 2021

Building Back Broader

RAGHURAM G. RAJAN

テクノロジーは、経済活動を地理的に広めるのに役立つだけでなく、遠隔地をあらゆる場所の市場に接続することもできる。

国または州の州都で考案された大規模な万能プログラムでは、地域コミュニティの特定の課題に取り組むことはできない。あるコミュニティにとって、最大の問題は、輸送ネットワークへの高速で手頃なアクセスがないことだ。問題は若々しいエネルギーのための安全な出口の欠如かもしれない。コミュニティの住民は、最も差し迫ったニーズを理解するのに最適な立場にある。

特定の地域の課題に取り組む計画を考案する献身的な地域のリーダーシップと、彼らの仕事を支援および監視するための熱心なコミュニティがなければ、資金は無駄になる可能性が高い。1つの可能性は、国または州政府(または慈善団体)が、コミュニティでのプロジェクトの革新的な提案でグループに資金を提供するための助成金コンテストを作成することだ。

カナダのような先進国は、これまで解決策に挑戦してきた地域の問題に対するボトムアップの救済策を奨励するために、そのようなネットワークを構築してきた。

FP FEBRUARY 8, 2021

Why Partisan Hostility Won’t End With Trump

BY NOAM GIDRON, JAMES ADAMS, WILL HORNE

FT February 9, 2021

Mitt Romney is the model for a new Republican party

Janan Ganesh

NYT Feb. 10, 2021

The New Deal’s Capitalist Lessons for Joe Biden

By Louis Hyman

よりダイナミックな社会として再建するのであれば、ニューディールの多くの中身は、荒っぽい自由主義ではなく、根本的に穏健なものであり、社会的に進歩的な目的のために資本主義のツールを再調整し、資本主義そのものを損なうことなく行われた、ということを覚えておくべきだ。

FP FEBRUARY 10, 2021

Autocrats Have a Playbook—Now Democrats Need One Too

BY CHRISTOPHER SABATINI, RYAN C. BERG

FT February 11, 2021

We need to stop pathologising uncomfortable feelings

Jemima Kelly


 アフリカの角

PS Feb 6, 2021

Toward a Peaceful Order in the Horn of Africa

ABIY AHMED


 富裕税

FT February 7, 2021

Now is the time to reform the UK’s dysfunctional tax system

Martin Wolf

FT February 8, 2021

A wealth tax is the economic buffer rich nations need

Tim Bond

パンデミックからの回復、気候変動対策、社会の「レベルアップ」はすべて不可欠だが、非常に費用がかかる。現在、多くの政府が中央銀行の印刷機を通じて資金を調達している。間もなく、政府はインフレの制御を失うか、政策目標を放棄するかを選択するしかなくなるだろう。どちらも、社会的不安につながりかねない選択である。明らかな解決策は、富裕税だ。

アメリカの最も裕福な家計の10%は、2020年の第3四半期に80.7兆ドルの純資産を持っていた。これは総世帯資産の70%弱である。上位10%の純資産は、同期間の国内総生産の375%に相当し、過去30年間でGDP200%を下回ったことがない。

税金は、十分に消費することができない社会のセクターから富を再分配し、経済を刺激する。これは、連邦準備制度による歪みから解放され、金融市場が価格発見と効率的な資本配分という経済的機能に戻るのを助ける。不平等の拡大、投機的なバブルとバストのサイクル、債務水準の上昇、生産性の伸びの低下など、経済を苦しめる病気をもたらすゼロ金利と量的緩和が必要なくなる。

アメリカ経済には、最新の財政パッケージと、過剰な家計貯蓄から派生する潜在的な需要の源がある。マネーサプライの最速の成長を目撃した。インフレショックが継続的な財政赤字の現金化と組み合わさった場合、自立したインフレスパイラルが起きやすくなるだろう。

1回限りの富裕税は、おそらく毎年の増税よりも公平であろう。最も裕福な市民に1つを導入することは、最終的には経済の地獄につながるしかない債務の現金化から脱出する途だ。


 ジョージ・シュルツ訃報

FP FEBRUARY 7, 2021

George Shultz, Revered U.S. Diplomat, Dies at 100

BY MICHAEL HIRSH

NYT Feb. 8, 2021

He Helped End the Cold War With Kindness

By Philip Taubman

FP FEBRUARY 8, 2021

Was George Shultz America’s Best Secretary of State?

BY WILL INBODEN


 ハーバーマス

FP FEBRUARY 7, 2021

Why Jürgen Habermas Disappeared

BY BLAKE SMITH

近年、EU統合が行き詰まっているため、ハーバーマスの公的介入が緊急に高まると予想された。しかし、反対のことが起きた。彼は相変わらず哲学的および政治的に生産的だが、彼の仕事はその意味を失った。ポピュリストのナショナリズムから福祉国家の侵食まで、彼が何十年も闘った政治的発展は、これまで以上に手に負えない。ヨーロッパ内で、非自由主義的で非民主的な中国の影響力拡大は、これまで以上に差し迫ってきた。知識人が世論を形作ることによって政治に影響を与える「公共圏」の概念は、学会の外ではますます限界に達している。


 ジェフ・ベゾス

FT February 8, 2021

To make bright ideas bigger you need cash and vision

Andrew Hill

NYT Feb. 8, 2021

What Jeff Bezos Hath Wrought

Kyle Johnson for The New York Times

NYT Feb. 9, 2021

Hi, Alexa, It’s Jeff Bezos. How Should I Spend My Time Now?

By Margaret O’Mara

もし歴史がガイドになるなら、インターネット上で本を売るという当時のクレイジーなアイデアを16700億ドルの巨大企業に変えたジェフ・ベゾスの次の行動は、これまでよりも重要だろう。

ハーイ、アレクサ。ジェフ・ベゾスだ。引退したら何をして過ごそうかな?

FT February 11, 2021

Is Jeff Bezos the greatest chief executive in tech history?

John Thornhill


 ナワルニーとプーチン

FT February 8, 2021

Vladimir Putin’s Russia is destabilising itself from within

Tatiana Stanovaya

プーチンの成功は、世界の舞台でロシア人を鼓舞しながら、生活水準の着実な改善をもたらす政権の能力に根ざしていた。現在、政権は主に人々を怖がらせ、母なるロシアが再び「包囲された要塞」であるという印象を育むことで支配している。

ロシアの社会経済問題は不快だが、克服できないものではない。しかし、体制は中途半端にまともな対応を取れない。国民の80%は、当局を完全かつ取り返しのつかないほど腐敗していると見なしている。政権は、反対派や国民との対話を拒否することで、社会的緊張が政治的抗議に変わるのは確実だ。体制がより柔軟になる知恵を持つか、さもなければ、それは明白に抑圧的国家になる。

FT February 9, 2021

EU support for Russian democracy is inadequate

Constanze Stelzenmüller

PS Feb 9, 2021

Is Russia’s Future Belarus’s Present?

SŁAWOMIR SIERAKOWSKI

この数年間で最大の抗議デモがロシアで起きた。隣国ベラルーシのように、しだいに、デモの圧力で専制国家が揺らぐという期待が高まっている。しかし、両者には大きな違いがある。

ベラルーシの抗議デモは、20208月の選挙が、不正によって、ヨーロッパの最も長期に及ぶ大統領Aleksandr Lukashenkoが再び大勝利した、という結果に対して爆発した。ロシアのデモは、クレムリンが命じた毒殺未遂から回復したAlexei Navalnyがロシアに帰還したことによって起きた。

しかし、ナワルニーはロシアで支持されていない。その支持率はわずか5%である。ウラジーミル・プーチン大統領の支持率は29%である。大統領選挙になれば、39%がプーチンに投票し、ナワルニーは2%しか投票しないだろう。ロシアでは、権力者が自動的に信頼と正当性を手に入れる。

FP FEBRUARY 10, 2021

Time to Think About a World Without Putin

BY JEFF HAWN, SIM TACK

PS Feb 11, 2021

Putin Is Losing the Battle for Russia’s Future

ANDREI KOLESNIKOV

ロシア人が抗議者と連帯して車のクラクションを鳴らすことは、個人的な影響を与える危険性がある。抗議に対する対応は、クレムリンの過去の弾圧を超えた。それは戦争状態である。

クレムリンが命じた毒殺未遂からの回復に数ヶ月を要した後に、ドイツからモスクワに戻ったナワルニーを逮捕したことは、彼を(そして彼の同志も)道徳的権威のようなものに転換した。

プーチン政権は以前も抗議に直面した。 2011年、ロシア人は立法選挙の結果に抗議するため街頭に殺到したデモは2012年前半まで続いた。しかし、クレムリンはデモを押しつぶさなかった。 2011年後半には、プーチンが市民社会と真の対話に従事する準備があると噂され、彼の政権が崩壊の危機に瀕しているかもしれないという期待を高めた。

今回、クレムリンはデモ隊と交渉することを示唆せず、警備隊がクレムリン地区と連邦保安庁地区を取り囲み、多くの抗議者を逮捕した。これは大統領が守勢にあることを示している。

7年前のクリミア併合以来、それに対する西側の制裁は、ロシア経済を徐々に侵食した。そして、経済への国家介入は独裁政権を維持するために不可欠であり、価格統制で必然的に終わるアプローチには政治的侵食が続いた。同じように、ソビエト連邦は崩壊した。

ナワルニーは若者、特に1824歳の若者の間で大きな支持を得ている。言い換えれば、プーチンは将来の世代に向けた戦いに負け始めている。抗議はロシアの政治を二者択一的事件に変えた。ナワルニーか、プーチンか、どちらの側か。それはプーチンがもはや勝つと確信していないコンテストである。


 中国と外交

FT February 8, 2021

Taiwan war games raise risk of US-China conflict

Diana Choyleva

FT February 8, 2021

Why the Anglosphere sees eye to eye on China

Gideon Rachman

PS Feb 9, 2021

An EU-China Deal for a Bygone Era

WENDY CUTLER


 民主主義と真実のメディア

The Guardian, Mon 8 Feb 2021

In the war of fake news versus facts, here's what the next battle should be

Timothy Garton Ash

民主主義が生き残るためには、最低限の共有された真実が必要だ。16日、ワシントンで国会議事堂が襲撃されたとき、アメリカは、重要な、慎重に検証された事実、つまり誰が選挙に勝ったかを、何百万人もの市民が否定することの危険性を示した。

民主主義が繁栄するためには、市民とその代表者が共有された事実に基づいて活発な議論を行う、ある種の「公共圏」が必要だ。そのような公共圏を回復することは、今や自由民主主義の更新のための中心的な仕事である。それを「事実の反撃」とよぼう。

その基本的な考え方は、2500年前の民主主義の始まりからあった。古代アテネの市民たちは、元の「公共広場」であるthe Pnyx、野外討論場に集まった。 「誰か集会で演説する者はいるか?」と伝令は尋ねた。市民なら誰でも石の舞台に上がって話すことができた。事実と議論が提示され、議論された後、政策は投票にかけられた。古代アテネ人がサラミスの海戦で侵略者のペルシャ人と戦うことを決めたのは、そして世界初の民主主義を救ったのは、この慎重なプロセスであった。

ほとんどの民主主義は近年、アテネの理想から大きく遠ざかっている。あるものは急速に(米国、ポーランド)、他のものはよりゆっくりと(ドイツ、英国)。この課題に対処するには、ツイントラック戦略が必要だ。まともな公共放送を持っている民主主義は、予算を2倍にし、政府からの独立を強化し、明日の市民のためのデジタル公共広場を強化する必要がある。ポピュリスト与党によって公共放送が破壊された国では、インターネットプラットフォームなどの独立した民間メディアを守ることが重要になる。

しかし、FacebookGoogleAmazonTwitterAppleNetflixなど、デジタル世界の私的な超大国を引き継ぐのに十分な大きさの民主主義国はない。この場合、アメリカとEUの民主主義を合わせて、臨界量の民主主義が協調行動を取る必要がある。

私たちが必要とするのは、アメリカとEUが主導する、首尾一貫した政策を抽出するプロセスである。プラットフォームをより直接的に有害なコンテンツの抑制に責任を持たせるため、米国通信品位法を改正するなどのいくつかの作業は、新しいアメリカ議会に依存する。独占またはほぼ独占の状態は、EUの競争政策と改訂されたアメリカの反トラスト法の戦略的な組み合わせが必要だ。

バイデンの「民主主義サミット」前に、一連の提案がなされるべきだ。80カ国が同じ措置を採用することはないだろう。しかし、根底にある原則と基本的なアプローチには一貫性がなければならない。そうでなければ、すでに中国が抜けた自由なインターネットは、さらにサイバー・バルカン化を進めるだろう。

PS Feb 8, 2021

Demagogues vs. Dictators

MICHAEL LIND

ドナルド・トランプの米国大統領としての1期を通じて、民主党と共和党の両方の反対派は、彼をファシスト独裁者になると頻繁に批判した。しかし、トランプがホワイトハウスから追放されたことで、このアナロジーは受け入れられなくなった。イタリアの指導者でトランプが最も似ているのは、ファシスト独裁者のベニート・ムッソリーニBenito Mussoliniではなく、スキャンダルを頻発した元首相シルヴィオ・ベルルスコーニSilvio Berlusconiである。

社会の主要なグループが、労働組合、宗教団体、コミュニティグループなどの選挙政治や機関を通じて適切な代表を務めている場合、ポピュリストのデマゴーグが大衆の支持を受けることはめったにない。都市や州、地方、または国家の中の大きな集団が、従来のリーダーによって権利を剥奪され、無視されていると感じたときだけ、彼らを代表していると主張する、自分の利益しか気にしない派手なアウトサイダーたちに注目する傾向がある。

残念ながら、富と地位が現代の西洋社会ではますます集中する一方で、中間組織と地域社会は衰退し、伝統的な政党は、億万長者やメディアの有名人が簡単に採用する単なるラベルになるまで衰退している。より多くのベルルスコーニス、より多くのトランプが生まれる条件は熟したままである。


 マリオ・ドラギ

PS Feb 8, 2021

Whatever It Takes in Italy?

PAOLA SUBACCHI

ドラギがCOVID-19緊急事態に効果的に対処する場合、イタリアの経済基盤を強化することはもちろん、まず国の複雑な政治をナビゲートする方法を見つける必要がある。つまり最初に、反体制の五つ星運動(M5S)から完全な指示を確保することだ。

しかし、M5Sは方程式の一部にすぎない。ドラギの新政権は、議会の過半数を確保するために、おそらく中道の小党とシルヴィオ・ベルルスコーニ前首相のフォルツァ・イタリア党、そして、おそらくマッテオ・サルヴィーニの極右レガからも票を必要とする。しかし、彼がそのような同盟を結ぶことができたとしても、イタリア政治は手に負えないままであり、メンバーの論争、好み、気まぐれに簡単に人質になる可能性がある。

COVID-19ショックが到来したとき、イタリアは2008年の世界的な金融危機から完全には回復していなかった。 2020年には、国のGDP9%近く縮小し、それに加えて、企業や家計への打撃を和らげるために公共支出が急増し、国の債務の対GDP比率は約155%に急上昇した。

実際の生産量が、数年以内にパンデミック前のレベルに戻る(債務とGDPの比率が低下する)可能性は低い。ドラギによれば、高水準の債務を持続可能に保つための鍵は、教育や技能形成などの「生産的目的」に向けて公共支出を振り向けることである。しかし、イタリアの諸政党は、ドラギの「良い」債務と「悪い」債務の区別に同意しないかもしれない。

生産的な支出は債務の維持可能性を測る方程式の一部だが、債務返済コストを低く抑えることも不可欠である。そのためには、機能する政府が必要条件であり、十分条件ではない。政治を信頼できるものにするべきだ。ドラギは、政治プロセスを主導するのではなく、イタリア経済変革の基礎を築くことに集中する必要がある。これは、彼の政権に時間制限を設けることを意味する。

テクノクラート政府は、その遺産が後継者の仕事によって定義されるよう、効果的で、短命な政権であるべきだ。これは、ドラギの焦点が、持続可能な政策決定に向けてイタリアの政治勢力を導くことにあることを意味する。

ユーロ懐疑論者やファシストの声など、一部の声を単に抑制しようとすると、圧力が高まり、壊滅的な爆発を引き起こす。対話と効果的な統治を通じてそのような力を和らげることが、前進する唯一の信頼できる方法である。

FT February 9, 2021

‘We expect Italy to do its homework’: Draghi and the EU recovery fund

Sam Fleming in Brussels, Miles Johnson in Rome and Daniel Dombey in Madrid


 技術革新のゆがみ

PS Feb 8, 2021

Poor Countries’ Technology Dilemma

DANI RODRIK

経済発展は、労働力の分配を増やし続けるために、より生産的な雇用を創出することに依存している。伝統的に、貧しい国々がこの変革を遂げたのは工業化であった。工場の仕事は陰鬱であったが、農民がブルーカラー労働者になることを可能にし、結果として経済と社会を変えた。

工業化とグローバル・バリュー・チェーンへの統合は、急速な経済成長を達成するため、またはCOVID-19パンデミック後にそれを回復するために不可欠である。アフリカの若い人口のための仕事をもたらす。しかし、アフリカ製造業のルネッサンスには摩擦がある。工業化が根を下ろしているところでさえ、より近代的で、形式的で、生産的な製造部門で良い仕事が生み出されたことはほとんどない。

製造業の雇用増加の大部分は小規模の非公式企業によるもので、正規の仕事の数は停滞している。この経験は、製造業の雇用の伸びが正規企業に集中していた台湾(1960年代から1970年代)やベトナム(最近)などの東アジアの急速な工業化企業の経験とはまったく対照的だ。

エチオピアとタンザニアの両方で、大企業は優れた生産性パフォーマンスを示すが、雇用をあまり拡大しない。一方、中小企業は労働力を吸収するが生産性の伸びはない。その結果、これらの経済は良い仕事をほとんど生み出さない一方で、生産性向上のメリットは製造業のごく一部に限定されたままである。

大規模な製造会社の重要な特徴の1つは、過度に資本集約的であることだ。エチオピアやタンザニアなどの低所得国では、労働者が豊富で、資本(機械設備)が不足しているため、資本投資は高くつく。標準的な経済理論では、そのような状況で、生産はより労働集約的な技術に傾くと予測している。

しかし製造技術は、主要な先進国の要素価格に対応して、時間の経過とともに次第に資本とスキルを集中的に使用するものになった。 1950年代または1960年代のテクノロジーは、より労働集約的だったかもしれないが、今日のアフリカ企業が世界市場で競争するのに役立つことはない。また、グローバル・バリュー・チェーンで使用されているテクノロジーは、特に未熟練労働者に合わせて偏っている。

先進国における最近の技術変化のパターンは、低所得国が所得水準を高め、世界中で格差を収束させることをより困難にしている。これらの変化は、発展途上国の経済のより進んだセグメント内でも、経済的および技術的二元論を深めることにつながる。

技術変化の方向性と、政府がそれを再方向付けしなければならないツールについて、公共の討論が求められる。

PS Feb 11, 2021

Emerging Economies Have a New Imperative

JONATHAN WOETZEL, MEKALA KRISHNAN

何年もの間、発展途上国は、低コストの労働力だけに基づいて競争するだけでは十分ではないと忠告されてきた。生産性を高め、スキルベースを開発し、生産品質を向上させる必要がある。そして今、このリストは回復力を含むように拡張される。グローバル・バリュー・チェーンでの地位を維持したい、あるいは生産の一部を獲得したい国は、自国のリスクを評価し、混乱に耐えて迅速に回復する能力を育成する必要がある。

多国籍企業は、サプライチェーンをより安定し、透明性があり、持続可能にする必要がある。そのための最善の方法は、テクノロジーを使用することだ。生産ネットワーク全体を端から端まで接続することで、出荷の正確な場所とタイミングを提供し、地平線上で発生するリスクをリアルタイムで可視化できる。ただし、より多くの物理的資産がデジタル化されるにつれて、企業はサイバーセキュリティへのより大きな投資とともに、関連する技術スキルを備えた労働者を必要とする。

サプライチェーンの回復力も公共部門の問題だ。物理インフラストラクチャは、自然やさまざまな悪意のある人物がシステムに与えるリスクに耐えられるように構築し、適合させる必要がある。過去1年間の経験を踏まえると、政府は堅牢なデジタルネットワーク、早期警報システム、および緊急事態管理機能を確保する必要がある。

PS Feb 11, 2021

Tackling the COVID Hunger Crisis

GORDON BROWN, MARK LOWCOCK


 ブレグジット後

VOX 08 February 2021

After Brexit: Views of leading economists on future prospects for the UK and EU economies

Romesh Vaitilingam

The Guardian, Thu 11 Feb 2021

Empire shaped Ireland's past. A century after partition, it still shapes our present

Michael D Higgins


 環境

NYT Feb. 8, 2021

A Happiness of Bluebirds

By Margaret Renkl

FT February 10, 2021

How tech went big on green energy

Leslie Hook in London and Dave Lee in San Francisco


 中国の成長消滅

FP FEBRUARY 8, 2021

Hong Kong Can’t Be Saved. Hong Kongers Can.

BY DOUG BANDOW

FP FEBRUARY 8, 2021

China Will Run Out of Growth if It Doesn’t Fix Its Rural Crisis

BY MARTIN CHORZEMPA, TIANLEI HUANG

他のすべての主要経済が縮小している時期に、中国は1月下旬にGDP2020年に2.3%成長したと発表した。しかし、その印象的な成果の下にあるのは、非常に不均衡な回復だ。過去と同様に、北京は国による投資に大きく依存し、民間投資と個人消費が弱いままである。より高い工業生産のための国家主導の投資、成長を促進するための低利融資は、将来の収益性の見込みがほとんどない、さらに多くのいわゆるゾンビ企業を形成し、中国の銀行の帳簿をさらに多くの不良債権で埋めただろう。

これは、中国の経済成長の歪んだモデルを詳しく調べた多くの人によく知られています。あまり知られていないのは、中国全土の都市で働く29千万人の農村部の戸籍(世帯登録)の移民労働者を含む、中国の農村部に降りかかったCOVID-19による不況の不均衡な負担である。サービスや小売など、多くの移民が働く経済部門が強制的に封鎖された。ある推定では、中国の移民労働者は約1,000億ドルの賃金を失い、回復する可能性はほとんどない。

何億人もの農村の中国人は人的資本の不足に直面し、広範な健康問題に苦しんでいる。広範囲にわたる貧血、矯正されていない近視、および寄生性腸内寄生虫。パンデミックによって悪化した中国の農村危機は、外部の観察者、さらには多くの中国人にもほとんど見えないままである。

パンデミックが発生する前に、多くの移民労働者は、中国の労働市場の需要の変化により、製造業や建設業に就職することが以前よりも困難であることに気づいていた。未熟練労働者に依存する生産が、賃金が低いままであるエチオピア、バングラデシュ、ベトナムなどの国に移動するところまで、生活費と賃金が上昇している。中国がバリューチェーンを上って知識ベースの経済に変わるにつれて、低スキル労働者の必要性は少なくなる。そして今、パンデミックは構造的失業をさらに悪化させた。中国にとって、その将来に対する実存的な問題は、何億人もの未熟練労働者が経済において生産的な役割を果たせるかどうかである。

中国には2つの道がある。1つは、韓国、台湾、香港、シンガポールなど、裕福になった数少ない旧開発途上国の道、もう1つは、メキシコ、ブラジルのように永続的な危機に瀕し続けることだ。中国が最終的にどの道をたどるかは、とりわけ人的資本に依存する。高校の学歴が50%未満の国では、中所得国の罠から逃れることができない。移行に成功した国の平均は76%である。中国の労働力のわずか30%が高校を卒業しただけである。

最初の緊急の課題は、すべての地方のティーンエイジャーに高校を無料で義務化することだ。彼らの両親の多くは、パンデミックの最中に収入を失い、費用を支払うことができない。他の発展途上国が行ったように、中国は子供たちを学校に通わせることを条件として、地方の家族に現金を与えることを検討するべきだ。また、失業者の移民労働者がスキルを向上させるための再訓練の機会を拡大する。移民労働者の社会的セーフティーネットをオーバーホールする。


 ビットコイン

FT February 9, 2021

Elon Musk’s effect on crypto world shows how irrational markets are

Katie Martin

FT February 10, 2021

Nouriel Roubini: bitcoin is not a hedge against tail risk

Nouriel Roubini

ビットコインが新しい「デジタルゴールド」であるという主張は、ビットコインや他の暗号通貨に新しいバブルをもたらしている。

ビットコインの基本的価値はゼロであり、その大量の汚染エネルギーを大量に消費する生産に適切な炭素税が適用された場合はマイナスになる。現在のバブルは最終的に別のバストで終わると予測する。


 弾劾裁判後のトランプ支持者

NYT Feb. 9, 2021

Would the Founders Convict Trump and Bar Him From Office?

By Eli Merritt

The Guardian, Wed 10 Feb 2021

The Guardian view on Trump’s second impeachment: uneasy, but essential

Editorial

PS Feb 10, 2021

Why Try Trump?

ERIC POSNER

トランプが反乱を扇動したという主張は一筋縄ではいかず、彼を無罪にすることを正当化しようとしている共和党の上院議員は、彼が何をしたとしても、それは反乱ではなかったと主張するだろう。

トランプを失格にする本当の理由は、彼がアメリカの諸機関にとって脅威であり、その無謀で、権力に狂った暴挙が選挙制度を掘り崩しかねず、今後何年にもわたって害毒をおよぼすであろうということだ。これは明確に述べるべきだ。

それから、上院共和党員たち、そしてもっと重要なことは、彼らに投票するかもしれない市民を、下院の責任者たちが、この男は二度と公職に立候補することを許されるべきではない、と説得することだ。

NYT Feb. 10, 2021

I’ve Studied Terrorism for Over 40 Years. Let’s Talk About What Comes Next.

By Martha Crenshaw

強力なタブーの崩壊に酔いしれた、大義への新参者たちは、急進化のダイナミクスの中で暴力的な極右グループを生むかもしれない。この極右の白人至上主義者、ネオナチの環境の中で権力を争うことは、脅威の不安定さと予測不可能性を強めるだろう。

グループが治安部隊からの圧力の下で地下に移動するとき、彼らは必然的にもっと秘密の組織になる。外部との接触を断ち切り、彼らは世界の終わりのカルトのように主観的な現実に入る。

テクノロジーは、極右の陰謀論者の世界が遠隔で通信することを可能にし、運動を結びつけるが、同時に、不信と侵入を恐れさせる。その結果、民主主義はプロパガンダや偽情報と戦う方法を模索し、資金の募集や調達を困難にした。政府や、FacebookTwitterなどの民間企業は、過激派のコミュニケーション能力を制限することで、オンラインでの暴力の訴えに対応している。

しかし、政策立案者は、迅速かつ包括的な解決に向けた要求に、抵抗するべきだ。必要なのは、目の前にある証拠に照らして、対応するオプションを慎重に検討することだ。大惨事の直後にとられる行動は、合理的な計算よりも感情によって引き起こされる。そして、一度取られると、それらの措置を元に戻すのは難しい。

最大の危険は、暴力に惹かれ、武装しており、イデオロギー的信念、共有されたアイデンティティーを守ることへのコミットメント、および無関係の恐れから行動する意欲のある小グループまたは個人である。民主的な正統性を回復するための重要なステップは、彼らが代表していると主張するコミュニティが、彼らを拒否するときである。

NYT Feb. 10, 2021

How Long Can Democracy Survive QAnon and Its Allies?

By Thomas B. Edsall

FP FEBRUARY 11, 2021

How to Live With Authoritarians

BY KAREN STENNER, JESSICA STERN

SPIEGEL International 09.02.2021

Interview with Washington Post Editor Martin Baron

"We Had To Be Much More Forthright about Trump"

Interview Conducted By Marc Pitzke und Roland Nelles


 自然界を含む経済学

PS Feb 10, 2021

Restoring Nature to Economics

DIANE COYLE

スミスやリカードのような、農業が今日よりもはるかに大きな経済的シェアを占めていた時代の古典派経済学者は、人間活動が自然界で起こり、自然の恵みに依存していることをよく知っていた。彼らは常に土地を分析に含めた。しかし現代の経済学は、経済の定義と測定から自然を大部分除外している。

農民が作物を売って得たお金はGDPにカウントされるが、作物に受粉するミツバチのサービスや土壌の質は、ミツバチが死ぬか土壌が失われるまで考慮されない。また、従来の経済統計には、きれいな空気によって提供されるサービスや汚染の悪影響が組み込まれていない。しかし、COVID-19の死亡率と呼吸器疾患との関係は、人的資本と将来の収入の減少という狭いレンズを通してだけでも、そのコストを明らかに示している。

経済政策立案者の仕事は、社会にプラスの利益をもたらすよう、国の資産ポートフォリオを全体として管理することである。これは、重要な生物種や生態系を含む個々の資産の減価償却、およびそれらの間の補完性を考慮に入れることを意味する。

そのような枠組みで、長期ポートフォリオ・アプローチを採用する政府は、費用がかかり、エネルギー集約的な、見苦しいコンクリートにより洪水を防ごうとせず、上流の植林と下流の湿地保全に低コストの投資を行うと決定するだろう。同様に、農民は生物多様性の喪失とミツバチの個体数の減少をよく知っているが、化学肥料への依存度が高くなり、死んだミツバチが増える悪影響についてはあまり知らない。自然地域への人間活動の侵入は、エボラやCOVID-19のような感染症の蔓延をもたらし、社会、経済、政府に莫大な費用を強いている。

パンデミックは、お金は価値の尺度として不十分だ、という古い重要な教訓を含め、多くの教訓をもたらす。病院のポーターから配達ドライバーまで、「エッセンシャルワーカー」は最低賃金で働く者が多い。現在、自宅で学校の授業を監督する人、またはレストランが封鎖中に追加の料理をしている人は、家庭内での無給労働の価値を新たに理解するだろう。

20203月以降、人々が公園へのアクセスに置く価値は飛躍的に高まった。経常的に自然から得ている価値の多くは測定されず、あまりにも少ししか支払われず、エコノミストたちはそれを無視する。

それらはもはや持続可能ではない。


 WTOと地域間協定

VOX 10 February 2021

Memo to the new WTO Director-General: Never waste a crisis

Simon Evenett, Richard Baldwin

VOX 10 February 2021

Europe’s trade strategy for the age of geoeconomic globalisation

Christian Bluth

******************************** 

The Economist January 23th 2020

Technology and geopolitics: Betting all the chips

Russia: The return

Equatorial Guinea and the IMF: Who will blink first?

Chinese youth: Generation Xi

Russia: Into the lion’s den

Bagehot: Think small

Semiconductors: A new architecture

America’s recovery: Fire without fury

(コメント) すべてのモンがインターネットとつながり、情報を駆使する世界では、文明の血液となではいえませんが、脳細胞が半導体のチップです。それは莫大な投資額であり、グローバルな産業転換です。半導体の生産者が、台湾のTSMCと韓国のサムソンという2社の寡占になっているのは、市場としてだけでなく、地政学的にも新興な問題です。アメリカは中国で生産される半導体を締め出す規制を課し、またAmazonGoogleMicrosoftなどが、新興企業も加わって、独自の半導を生産するようになっています。

ロシアに帰還したナワルニーの意図と政治・社会背景、ブレグジット後のイギリス政治がめざす方向、亜米利加の景気刺激策をめぐる論争、など、読みごたえがあります。

特集記事の、中国を変える若者たち、ポスト90年代、の姿も印象的です。

******************************

IPEの想像力 2/15/21

中国の台頭を恐れるより、中国の衰退を恐れるべきだ。

ときおり、そう警告する論説を読むときも、中国のイメージは台頭する(むしろ復活する)世界帝国であり、新しい国際秩序の先頭を歩むアジア強国でした。

しかし特集記事(The Economist January 23th 2020)を読んで、そうではないな、と思いました。これまでに読んださまざまな論説が、星雲状に集まる核があるとしたら、中国の若者たちを考察する特集記事がそうでした。”Jiulinghou”post-90s)という、1990-1999年に生まれた若者たちのことです。

90年代生まれ」の若者たちは、18800万人いる、ということです。当然、日本の人口と比べてしまうので、多いなあ、と思います。彼・彼女たちは、1989年の天安門事件以後に生まれています。「70年代生まれ」は、1976年の毛沢東の死後、子供時代を過ごしました。「80年代生まれ」は、ケ小平の下で、改革開放が進む時代に育ちました。しかし、「90年代生まれ」が生きたのは、習近平が権力の頂点に立った時代です。それ以前の中国を知りません。すなわち内戦や貧困、飢餓はもちろん、改革の時代も、独自の急成長も、直接、知らない世代です。

記事の冒頭に、毛沢東の肖像がかかる天安門広場で、毎朝、日の出とともに行われる国旗掲揚のセレモニーを、多くの人々が見つめる情景があります。肌を刺す厳しい北京の冬でも、セレモニーに参加する市民の列は絶えない、と。

なぜ中国共産党が支持されるのか? その答えは世代によって異なるようです。帝国主義的支配、特に、日本の侵略を打ち負かした。朝鮮戦争を含む、大戦争の勝利という記憶。毛沢東という指導者のカリスマと秩序の混乱を恐れる。文化大革命、権威、文化、支配エリートの剥奪。毛沢東の死後、権力闘争にケ小平が勝ったのは何が理由であったのか。国民生活の疲弊や、カンボジア内戦とベトナムとの戦争・・・?

90年代に生まれた若者たちは、共産党の権威に逆らったりしない。中国が豊かになったこと、国際的な地位が高まっていくことを誇りに思っている。権威主義的な国家や共産党の支配を肯定的に観ている。マルクス主義、ナショナリズム、西側の基本的諸価値を否定するイデオロギーを、愛国主義に求める。そして、子供のときから、学校では「習近平思想」を学習する。

しかし、中国の高成長(その条件)は、パンデミック前にも消滅していたが、いよいよ、それが明白になった。若者として、猛烈に働いて、より高い地位や所得を求めるより、「生きがい」を求めるようになった。大学を出て、都市の大企業に就職するとか、ハイテク分野で起業するとか、そういった夢は、嘘ではないが、非常に限られた成功例でしかない。それがわかったら、都会生活の極端な競争、環境破壊、所得や地位の格差、不平等に、もっと異なる生き方を模索し始める。そんな若者が増えているという。

一人っ子政策は子供を甘やかした。しかし、その弊害で男子の人口は女子より多く、4000万人も結婚できない。都市より田舎暮らしを理想化し、環境保護、気候変動対策を支持する。さらにフェミニズム、ゲイ、LGBTの権利を訴え、農村の貧困や都市下層の不当な扱いを憤る。そんな若者たちが中国の政治を変え、次の国際秩序に最も重要な発言力を得るだろう。

共産党はそれを十分に意識している。

ドナルド・トランプの暴言とアメリカ政府が示した中国への攻撃、侮辱、アメリカ国民に広まったアジア人への差別は、中国の若者たちに、アメリカや西側のリベラルな価値も民主主義も、偽善である、と教えた。コロナウイルス対策の競争で、欧米は敗北し、アジアが、特に中国が勝利した。そういう政府の宣伝は、国際秩序の将来にも影響するだろう。

****

奈良の平城宮跡を散歩しました。だだっ広いだけだと思っていたら、とても中身のある展示と解説に感銘を受けました。奈良時代の生活水準や身分の違い、食生活まで、やたらに勉強になります。・・・そうか、貴族は蛸の干物まで食べていたのか。

****

中国の若者たちだけでなく、激しい競争によりグローバルな産業構造の変化が絶え間なく進んでいる。しかも半導体生産の2つの巨大企業は、台湾と韓国、2つの地政学的危険地帯から発したTSMCとサムソンだ。

地政学を呑み込みながら、それでもグローバルな産業の再編、工業化とハイテク化の波は続きます。中国の台頭はもちろん重要ですが、中国やアジアを含めて、世界経済は、半導体、電気自動車、鉄鋼業、再生可能エネルギー、農業・食糧生産、ワクチンなど医薬品生産・・・そして、情報経済とプラットフォーマー規制をめぐり、数年ごとに、すっかり変貌するでしょう。

日本が停滞しているとしたら、老人ばかりが密室で協議するからです。若者たちは中国の「90年代生まれ」に共感し、新興産業は激変する世界の一部を生きているはずです。

******************************