IPEの果樹園2021

今週のReview

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議事堂襲撃の次は?  ・・・バイデンの経済政策 ・・・トランプの遺産 ・・・ナワルニー ・・・バイデン外交 ・・・アメリカの債券市場 ・・・ドルの覇権から人民元へ ・・・ボビー・ワイン ・・・弾劾より特赦せよ ・・・金融緩和と再生、インフレ ・・・ブレグジット後

[長いReview

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主要な出典 FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, Foreign Policy, The Guardian, NYT: New York Times, PS: Project Syndicate, SPIEGEL International, VOX: VoxEU.orgそして、The Economist (London)

[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.] 


 議事堂襲撃の次は?

NYT Jan. 14, 2021

Trump Ignites a War Within the Church

By David Brooks

The Guardian, Fri 15 Jan 2021

The Guardian view of Trump's populism: weaponised and silenced by social media

Editorial

SPIEGEL International 15.01.2021

Twitter, Facebook and Co.

By Markus Becker, Patrick Beuth, Markus Böhm, Max Hoppenstedt, Janne Knödler, Guido Mingels, Mathieu von Rohr, Marcel Rosenbach und Hilmar Schmundt

FT January 16, 2021

Donald Trump, Twitter and the messy fight over free speech

Richard Waters and Hannah Murphy in San Francisco

議事堂襲撃とハイテク大企業とのつながりに政治的関心が集まった。プラットフォームからドナルド・トランプを追放することは正しい処置か?

ヘイトスピーチ。EUのデジタル・サービス法。憲法の定める表現の自由。通信品位法。独占禁止法。プラットフォームの規定とルール公開。外部の監視委員会。

FT January 16, 2021

How TV news de-civilised us

Janan Ganesh

FT January 18, 2021

We need a new era of international data diplomacy

Rohinton P Medhora

SPIEGEL International 18.01.2021

Economist Nouriel Roubini

"Twitter and the Other Platforms Are Bad, Facebook Is Worse"

Interview Conducted by Tim Bartz

議事堂襲撃の次は何か? イランの核施設攻撃だろう。それには4つの利益がある。1.自分の権力を誇示する。2.バイデンを苦しめる。3.イスラエルとサウジアラビアを喜ばせる。4.ペンスと解任・特赦の取引をする。

なぜビジネスはトランプを支持するか?  なぜ共和党はトランプを支持するか? バイデンは白人労働者に雇用をもたらすことを何でもする。しかし、共和党はそれをじゃまする。テクノロジーへの投資で株価上昇は持続する。アメリカはハイテク大企業を分割できない。中国と対抗するために、デジタル型の軍産複合体になる。

アメリカの社会はますます分裂し、右翼はテロを繰り返す。数年でインフレは戻ってくる。バイデンと主要閣僚は左派ではなく穏健派だ。金利の引き上げ、財政赤字の削減に変わり、ヨーロッパの政府債務危機は再発する。

FT January 19, 2021

Despots everywhere should lose social media accounts

James Bosworth


 バイデンの経済政策

NYT Jan. 14, 2021

Four Rules That Should Guide Bidenomics

By Paul Krugman

またやるのか。12年間で2度も、民主党の大統領が深刻な不況に陥った経済を継承した。

バイデンは、議会でわずかな優位を得ているだけだが、オバマが過度に慎重な姿勢を取ったことに反して、むしろ大胆な刺激策を採用した。

バイデン政権が従うべきルールを示してみよう。

ルール1:政府のパワーを疑うな。共和党はオバマケアthe Affordable Care Actを激しく攻撃してきたが、医療保険を多くの人が得たことは明らかだ。パンデミックに対して、共和党は企業や失業者への支援を増やしている。

ルール2:債務の増大を無視せよ。

ルール3:インフレの不安を無視せよ。回復にインフレは必要であるし、ハイパーインフレーションは起きない。

ルール4:共和党の支持は期待するな。オバマの求めた超党派の解決策を求めるな。

PS Jan 15, 2021

Capitalism We Can Believe In

LAURA TYSON, LENNY MENDONCA

COVID-19のパンデミックが広がる前でも、資本主義に対する信頼は、世界中で、特に若者たちの間で低下していた。

それは資本主義が重要な社会経済問題に応えなかったからである。気候変動や、機会、所得、資本の不平等だけではない。資本主義における民間のインセンティブは、効率性、成長、革新をもたらすのに成功したが、同時に、所得や資産の不平等を拡大し、公平さの規範と矛盾した。資本主義システムでは、教育、医療、社会保障のような公共財に対する投資が不足し(パンデミックにおいて特に重要だ)、温暖化ガスのようなマイナスの外部性を軽視する。

こうした欠陥は予想されたことであり、公共政策や制度で是正できるはずだ。課税と給付、最低賃金で、所得や資産の不平等を抑制できる。教育、職業訓練、医療サービスに対する公共投資も、良い職場や起業を助けて機会を増やすだろう。

資本主義の批判は、しばしば、その異なるタイプを無視している。ヨーロッパのさまざまな「社会的市場」モデルは、アメリカにおけるベオリベラルな資本主義と大きく異なる。アメリカの中でも、州や土地によって、重要な違いがある。

バイデンは、ヨーロッパやカリフォルニアの試みから多くのアイデアを採用できるだろう。

FT January 17, 2021

Wall Street’s new sheriff is on a mission

Rana Foroohar

ジョー・バイデンはSEC委員長に、Gary GenslerCFTC(商品先物取引委員会)委員長を指名した。ゴールドマンサックス出身の、ウォール街をよく知ることで恐れられている人物である。デリバティブ市場の改革やブロックチェーンなどについて研究している人物が、バイデンの民主党がめざす改革を望んでいる。

NYT Jan. 18, 2021

Gig Workers Are Employees. Start Treating Them That Way.

By Veena Dubal and Juliet B. Schor

この国最大の野菜販売店の1つであるAlbertsonsが、その配達員を解雇し、独立した契約型の配達サービスDoorDashに代える、と発表した。こうした契約型の労働者は、最低賃金、失業保険、重要な法的保護を受けられない。

Uber Lyftは、こうした契約型の労働者を法的な権利から切り離すことに熱心だ。

FT January 19, 2021

The minimum wage alone can’t save the US working class

Sarah O’Connor

PS Jan 19, 2021

Four Ways Biden Can Boost the Global Economy

JAYATI GHOSH

発展途上諸国から見て、バイデンが世界経済の回復のためにすべきことは4つある。1.COVID-19に対抗するため、WTOの知的所有権を一時的に停止する。2.IMFSDRsを追加発行する。3.多国籍企業に対するグローバルな課税システムに関して国際協調を実現する。4.パリ協定に復帰し、気候変動対策で発展途上諸国を援助する。


 コロナウイルス対策

FT January 15, 2021

The new Covid variants are a peril to us all

Adam Kucharski

PS Jan 18, 2021

Europe’s Vaccination Debacle

HANS-WERNER SINN

PS Jan 18, 2021

A COVID Genocide in the Americas?

FEDERICO FINCHELSTEIN, JASON STANLEY

FT January 19, 2021

Agonising choices in ICUs should be made by society, not individuals

Katharina Hauck

ロンドンの集中治療室ICUは多くの治療を要する患者たちに圧倒されている。ICUの医療スタッフが不足している。治療する患者を選択しなければならない臨床医は大きなストレスに苦しむ。ガイダンスが必要だ。

PS Jan 19, 2021

The Ethics of Prioritizing COVID-19 Vaccination

PETER SINGER

FT January 21, 2021

Unequal vaccine access will return to haunt the rich

David Pilling


 トランプの遺産

FT January 15, 2021

Donald Trump’s woeful legacy

PS Jan 15, 2021

America’s Post-Trump Reckoning

HAROLD HONGJU KOH

アメリカがこれからの4年間に世界における地位を回復できるかどうか、それはアメリカ人が法の支配という考え方に従い、世界を指導してグローバルな諸問題に対応するため、国を団結させる能力にかかっている。

トランプは、同盟や長期的な信頼関係を軽蔑し、真実や外交、官僚、その他の、健全な行政にとって不可欠な要素を、国内でも多国間でも、激しく侮辱した。パンデミックや経済危機に対処する中で、トランプはアメリカの能力についての評価を大きく低下させた。なかでも特に重要なのは、その選挙キャンペーンにおいて、法の支配を支える価値や制度を攻撃し続けたことだ。

トランプは、第2次世界大戦後のカント的なビジョン、共有された価値に基づいて協力する民主主義国家の共同体という世界観を、価値とは無関係な、大国の影響圏というオーウェル的なビジョンに代えた。オーウェル的なビジョンはアメリカの基本的な価値と矛盾するだけでなく、アメリカが立ち向かう3つの新しい挑戦に対する納得できる答えも示せない。それは、不平等に対する経済的な挑戦、増大する政治的な分断の中で、多様性と包括性とを調和させる文化的な挑戦、悪質なゼロサム的ナショナリズムの時代に、必要な国際協力をもたらすグローバルな挑戦である。

バイデンは、大きく変化した世界で、グローバルなガバナンスを回復するために、トランプ以前の国際関係に戻ることはできないだろう。ロシアのプーチンは敵対する反政府指導者を暗殺しても罪を問われず、あるいは、隣国の独裁者を支援している。中国はAIIBや一帯一路のような、アメリカが指導したブレトンウッズ型制度に代わるものを示そうとしている。

バイデンは、拘束力のない政治的合意、「行政府間の合意、プラス」を推進して関与の再編を試みるだろう。この新しい関与政策は軟弱に見える。しかし、21世紀の国際法の枠組みは、ますます、条約や国際協定という伝統的手段を超えて拡大してきた。法的でない相互理解、多層的な協力関係、外交における「法的な談話」などが、今では定期的に行われている。グローバルな規範の誕生が国際的な会話で扱われている。こうしたソフトな法規範が、法的な「体制構築」において有効であることは、すでに証明されてきた。さまざまな国の国際法学者が、国際法の枠組みや制度は二国間・多国間の対話を通じて実現する、と考えるのが当たり前になっている。

NYT Jan. 15, 2021

Trump’s Inevitable End

By MICHELLE GOLDBERG

世界はトランプを最悪の政治指導者であると認めた。しかし、それは遅すぎたかもしれない。2度目の弾劾決議、ソーシャルメディアからの追放、契約からの排除。

議事堂襲撃事件はトランプの信者たちによる神格化をめざしたものだ。トランプは法に従わない。彼は自由に法を破り、また、法を作ることができる。トランプの下では、連邦機関が極右のテロ集団が関与する事件の捜査をためらった。

The Guardian, Sat 16 Jan 2021

If Trump looks like a fascist and acts like a fascist, then maybe he is one

Nick Cohen

FT January 18, 2021

Trump supporters stay loyal but wary

Patti Waldmeir

PS Jan 18, 2021

The Cure for Demagogic Populism

MICHAEL LIND

アメリカ史が示すように、ポピュリズムを撲滅する最善の策は、疎外された人びとを政治の主流に組み込むこと、そして、彼らの正当な苦しみに洗練された手法で解決策を示すことだ。農民の組織化や労働組合は、制度を通じて、農民や労働者を政治に組み込んだ。ニューディールにおいて、F.D.ルーズベルトは、ほとんどのエコノミストの主張に反して、金本位制を離脱し、ポピュリスト的な他の不満を吸収する改革を行った。

ポピュリストはしばしば悪党であるが、その支持者たちの声は尊重し、聴くべきである。ポピュリズムのデマゴーグは代表制民主主義の病であり、それを治すには真の代表制を取り戻すことだ。

FP JANUARY 18, 2021

Fukuyama: Expect More Violence Before America Returns to Sanity

BY MICHAEL HIRSH

冷戦終結以来、Francis Fukuyamaフクヤマの「歴史の終わり」the “end of history”ほど激しく論争された考え方はないだろう。

フクヤマは、共産主義の崩壊で、民主主義と資本主義が世界に広まる、と主張したわけではなかった。しかし、個人の認証に向かう基本的な人間的要求を満たすのは民主主義だけであり、それに代わるものはない、と主張したのだ。

問題は、民主主義の政治は、政策をめぐる二極化した対立ではなく、アイデンティティーをめぐる対立に変化したことだ。中身が何であれ、トランプがやりたいと言うなら、と、支持者たちは議事堂襲撃にも参加した。それは、良いか悪いかではなかった。

すでに以前から、トランプが狂信者たちに囲まれ、マッカーシーに変身する瞬間をわれわれは恐れていた。しかし、そのような行き過ぎの結果は、トランプ主義の周縁であろう、とフクヤマは考える。

最も重要な転換を示したのは、イタリアのベルルスコーニ元首相だ。彼の財閥はメディアを支配し、それを政治的な支持に転換した。権力を握ったことで、今度は、自分の財閥やメディア帝国を守った。民主主義は弱く、権威主義者に対して無防備だ。問題は続く。

トランプと支持者たちは、陰謀論の拡散にプラットフォームを利用できた。社会は、メディアが政治意識を操作するという時代に、その制御能力を取り戻さねばならない。

資本主義も、民主主義も、破壊テストを受けた。民主主義が永続的な混乱に向かうとは考えない。「歴史の終わり」とは、そのような根本的な破壊と改革の永久循環である。権威主義体制に向かう力が強いように見えても、それ自体、決して安定しているわけではない。

活気に満ちた経済を生み出せるか。オーストリアのオルバンはEUからの補助金に頼っている。

しかし、ロシアや中国は本当に変わるのか? 中国の成長は続くのか? アメリカは外国に対して発言を控えるかもしれない。最も力を持つ者が秩序を築く、というリアリストの考え方で、中国は国際機関のポストも次第に独占するかもしれない。バイデンが国際システムを大きく改革できる、と期待することは難しい。

COVID-19は各地の制度がいかに弱いか示した。しかしパンデミックは、第2次世界大戦や大不況と同様に、社会の結束、政府への支持、社会保障を実現する力になる、とフクヤマは考える。危機に対して何ができるか、それは政治が決める。

NYT Jan. 19, 2021

President Donald J. Trump: The End

By Thomas L. Friedman

The Guardian, Wed 20 Jan 2021

Joe Biden is now president, but Trump has changed the US for a generation

Martin Kettle

The Guardian, Wed 20 Jan 2021

The attack on the US Capitol was a case of 'liquid authoritarianism' in action

Heinrich Geiselberger

ファシズムが戻ってくるとき、自分はファシストだ、と言うわけではない。

しかし、議事堂襲撃が何であるか、定義することは難しい。ファシズムであるとも断定でいない。その運動の社会的基盤が何であるのか、まだ明確ではない。

Arnold Schwarzeneggerシュワルツェネッガーは、議事堂襲撃を、1938年のナチスによるポグロム(ユダ人集団殺害)にたとえた。しかし、1923年のミュンヘン一揆の方が正しい喩えだろう。ナチ運動は、1920年代、30年代には組織や制度がまだ流動的であった。「トランプ主義」や「右派ポピュリズム」もそうだ。それは流動的権威主義を手段として、文化的、経済的な流動化に対抗する。より固定した近代性を実現する、ノスルタルジックなユートピアの実現も、その1つである。

FT January 20, 2021

Trump lost the election, but he's still won in his way

Robert Shrimsley

PS Jan 20, 2021

US Institutions After Trump

DARON ACEMOGLU

PS Jan 21, 2021

All Quiet on the Populist Front?

JAN-WERNER MUELLER

各国におけるポピュリスト的指導者の盛衰は、国際的に波及しない。ポピュリストたちは連帯せず、世界の主要なポピュリスト的指導者もバイデンの勝利を認めた。

ポピュリストを生む政治文化は個々の国で非常に異なっている。しかし、その類似性は、彼らが互いに成功した例から学び取ったことを意味するだろう。政治指導者として、彼らは民主主義をあからさまに破壊する煽動を記録されないように意識している。

トランプはポピュリストの典型ではなかったし、賢明なポピュリストでもなかった。


 ナワルニー

PS Jan 15, 2021

Navalny’s Return

EKATERINA KOTRIKADZE

ナワルニーAlexei Navalnyは、クレムリンの命令で毒殺されかけたことがほぼ確実である。暗殺を実行することについて、関与した組織の発言もナワルニーに録音され、公開された。しかし、それだけではロシア国民が大規模に政府を倒すようなカラー革命を起こす条件ではない。昨年夏に、プーチンが憲法を改正して2036年まで支配を継続する、と決めたとき、ロシア人は目を閉じた。

ロシアの歴史は、ソビエト時代も帝政時代も、一般に、指導者が権力を手放すのは、その死だけである、と知っている。プーチン支配下のロシア人の多くは、帝国へのあこがれと、外部の敵に関する恐怖が混じり合った気分を表す。

支配された生活は理想的ではないが、ナワルニーとその支援者たちは、それだけでは十分でない、と知る。

NYT Jan. 15, 2021

No, the Chaos in America Is Not a Gift to China and Russia

By Maria Repnikova

NYT Jan. 17, 2021

The Extraordinary Courage of Aleksei Navalny

By The Editorial Board

The Guardian, Mon 18 Jan 2021

The Guardian view on Alexei Navalny: such bravery needs backing

Editorial

ドイツに亡命するより、暗殺者が待つロシアに帰国した、ナワルニーの並外れた勇気に称賛するだけではいけない。指導的諸国は、ナワルニーの自由を取り戻すために、ロシアへの経済制裁やマネーロンダリングの取り締まりを強化するべきだ。

FT January 18, 2021

Alexei Navalny is Russian for ‘domestic enemy number one’

Ben Hall, Europe editor

The Guardian, Tue 19 Jan 2021

Alexei Navalny is appealing to the people, over the heads of Russia's crooked system

Yana Gorokhovskaia


 中国と西側

PS Jan 15, 2021

China’s Debt Grip on Africa

PAOLA SUBACCHI

世界金融危機以後、中国は厳しい条件で発展途上国向けの融資を増やした。パンデミックの中で途上国政府は返済のためにパンデミック対策の財源を失う事態に直面している。中国の貸し手は私的でも公的でもない銀行であり、形式的には民間銀行の枠組みで、担保を取って融資している。政府融資に関するパリ・クラブに参加せず、秘密裏に再交渉する傾向がある。中国の銀行は、借り手のガバナンスには問題が多くても、改革を要求することはない。それは債務の返済を持続不可能にした。

バイデンは中国を促して、債務処理に介入する国際的な枠組みを求めるべきだ。

NYT Jan. 16, 2021

Shadows on the Silk Road

By Paul Salopek

FT January 18, 2021

America’s disarray is China’s opportunity

Gideon Rachman

FT January 19, 2021

China’s rebound masks long-term challenges

FP JANUARY 19, 2021

More Black Ambassadors Would Highlight America’s Greatest Strengths

BY BRYCE C. BARROS

NYT Jan. 20, 2021

I Grew Up Witnessing Forced Labor. U.S. Companies Must Step Up.

By Nury Turkel

FT January 21, 2021

The right answer to Xi Jinping is a one-China policy

Philip Stephens

アメリカに新しい大統領が誕生し、西側は新しい中国政策を必要としている。ワシントンと北京の新しい関係が、これから数十年間の地政学的な条件を形成するのであり、バイデン政権はそのパラメーター決定の機会を得た。

西側の中国政策は、経済的パートナーと、競争する超大国という、2つの方針の間で決断を求められた。バイデンが西側の中国政策を統一するうえで、北京がこれまでに示したウイグル、香港、台湾、インド、オーストラリアへの強硬姿勢に対抗して、タカ派が主導権を握るだろう。

しかし、強硬策は戦略として正しくない。むしろ一貫性が重要だ。自分の再選のためにドナルド・トランプが採った外交と違い、バイデンは諸政策間の一貫性を示すべきだろう。台湾に関する「1つの中国」という言葉を借りて、「1つの中国」外交を実現する。すなわち、西側が一致して、南シナ海、5Gデジタル通信、人工知能、一帯一路などで対抗し、気候変動やパンデミックでは協力することだ。

バイデンが指名したキャンベルKurt Campbellは、アジアにおける戦略的な対抗と経済的相互依存の緊張状態に、魔法の答えを見つけることはないだろう。しかし、予測可能性は重要だ。

トランプのユニラテラリズムはアジアの同盟諸国をバラバラにしたが、キャンベルは最近の論説で、東アジアにおける持続的な勢力均衡を回復することがアメリカの目標である、と書いた。

東京やソウルは自国の利益だけを主張している。ヨーロッパは中国の野心をアメリカにとっての問題だと考える。しかし、米中の対立は技術的な優位をめぐる争いに結びついている。北京は西側を分断統治する。しかし、アメリカは、西側の「1つの中国」外交を展開するべきだ。

FP JANUARY 21, 2021

U.S. China Policy Must Confront the Genocide in Xinjiang First

BY RAYHAN ASAT, YONAH DIAMOND

FP JANUARY 21, 2021

Europe Is Getting Closer to China, But Biden Can Pull It Back

BY JOSEPH DE WECK, EYCK FREYMANN


 右翼

FP JANUARY 15, 2021

Far-Right Extremism Is a Global Problem

BY HEATHER ASHBY

FP JANUARY 18, 2021

Washington Must Treat White Supremacist Terrorism as a Transnational Threat

BY JOEL RUBIN


 バイデン外交

FP JANUARY 15, 2021

America and the World: How to Build Back Better

BY JONATHAN TEPPERMAN, FAREED ZAKARIA

Jonathan TeppermanJT: 1970-71年冬にForeign Policy誌は創刊された。それはアメリカ外交の転換が求められたからだ。創刊号と読むと、その問題意識は今と非常に似ていると思う。

Fareed ZakariaFZ:それはベトナム戦争の失敗によるものだ。アメリカの権力と威信が崩壊し、FDR以来、最も成功したリンドン・ジョンソン大統領を破滅させた。

それはまた、ブレトンウッズ体制の終わったときであった。アメリカは、東アジアの台頭を認め、非対称的な条件で貿易と金融のシステムを維持していた。西欧、日本、そして韓国も台頭し、アメリカは突然、世界的な競争に襲われた。

中国の台頭も、冷戦終結の時代が持続不可能だ、という感覚を生んでいる。また、グローバリゼーションがもたらす不平等が、民主主義を持続できない、という不安となった。

JT:1970年代は、非常に多くの異なった分野で開放が起きた。

FZ:それはグローバリゼーション1.0だった。そしてアメリカは工業生産における独占的地位と、それに依拠した外交政策の能力を失った。

現在の衝撃は、グローバリゼーション2.0から起きている。多くの新興工業諸国が現れ、さまざまな相互依存関係の中では、アメリカだけが国際秩序を指導することはない。

JT:冷戦の終結では、ロナルド・レーガンによる封じ込め政策(介入をともなわない)への回帰が成功とみなされた。リベラルの外交正策はどうなったのか? カーターはなぜ失敗したか?

FZ:彼の無能さと、アメリカに管理できない事情が多かった。オイル・ショック、スタグフレーション、ソ連のアフガニスタン侵攻、イラン革命、アメリカ大使館人質事件。

JT:冷戦終結で得た平和の配当はどうなったのか? 1990年代は何だったのか? 新しい国際秩序と世界平和につながらなかった。

FZ:大きなチャンスを逃した。特に地政学の均衡で。敵を破壊するのか、敵を更生させるのか? ソ連崩壊後に、アメリカはこの選択を真剣に考えないまま、自由化が経済崩壊を経て、プーチンの敵対する権力に変わった。

JT:2000年代の失われた10年はどうか? テロ攻撃からイラク侵攻ばかりにこだわった。中東を破壊することにエネルギーを注いで、国際秩序への関与は失われた。

FZ:民主党のリベラルな社会改革がベトナム戦争で支持を失ったように、イラク戦争は共和党の国際主義が支持を失った。これはドナルド・トランプの登場を説明する重要な要素である。それは世界金融危機だけではなかった。

JT:イラクとアフガニスタンで戦争が続いている間に成立した、バラク・オバマのアメリカの関与を削減するという主張は何だったのか? シリアでもリビアでも、軍事介入を認め、結局、アフガニスタンでも減らしたことで、その後、増やした。

FZ:オバマは転換を明確に意識していた。アジアに限らず、重点を転換し、軍事や外交の型を打ち破った。敵とも交渉し、関係を安定させること、内政の重視とアメリカ再建を願った。アメリカと世界の非軍事化を求めた。しかし、世界は彼の予想以上に扱いにくいものだった。

イラク戦争は失敗だったが、多くの悪を解き放った。アラブの春もそれに敗北した。グローバリゼーション。情報革命。その混乱から、オバマは逃れられないと知った。

トランプはアメリカ史の大きな逸脱だった。通常、アメリカ人は大統領に楽天家を選ぶ。トランプは暗く、悲観的な人物だ。世界への開放性を本気で否定する。

JT:これは何を意味するのか? 1970年代初めにも、ホルブルックは、アメリカは覇権主義を捨てる、と述べた。ミニマリストになるのか?

FZ:アメリカは以前の快適な世界から離脱した。アメリカは今も世界を指導するが、さらに他の国々が積極的な役割を果たす。中国はアメリカに挑戦する力がある。アメリカはともに生きることを学ばねばならない。

アメリカには深刻な脅威がある。しかし、それは改革を進めるために失敗から学ぶことを意味する。

FP JANUARY 15, 2021

Consensus Lost

How FP set out to change the world.

BY JUSTIN VAÏSSE

FP JANUARY 15, 2021

Inside Joe Biden’s Foreign-Policy Worldview

BY HEATHER HURLBURT

FP JANUARY 15, 2021

Foreign Policy Begins at Home

BY KELEBOGILE ZVOBGO

FP JANUARY 15, 2021

A New Pivot to Asia

BY C. RAJA MOHAN

PS Jan 18, 2021

The Post-Trump Reconstruction of America and the World

KEMAL DERVIŞ

FP JANUARY 19, 2021

Biden Can Reinvent American Power for a Post-Trump World

BY ELISE LABOTT

ドナルド・トランプ大統領が破壊した痕を短く表現することは難しいが、特に2つの点で世界を破壊した。第1に、偽の情報と陰謀論が育つグローバルな生存圏を急拡大し、法の支配に属さない世界の人口を一気に増やした。第2に、野獣たちを取り締まる世界の警察官という役割を拒否した。

PS Jan 20, 2021

Can America Be Trusted Again?

CARL BILDT

FP JANUARY 20, 2021

Trade Can Drive a Revived U.S. Strategy in Asia

BY ALEXANDER FELDMAN

FT January 21, 2021

Why does Davos Man get it so wrong?

Simon Kuper

FP JANUARY 21, 2021

Iraq’s Disappearance From Biden’s Agenda Is a Big Mistake

BY MINA AL-ORAIBI

FP JANUARY 21, 2021

The World Is Glad to See Biden Take Office

BY CAILEY GRIFFIN, CHRISTINA LU

FP JANUARY 21, 2021

Changing of the Guard

BY ROBBIE GRAMER, JACK DETSCH


 アメリカの債券市場

FT January 15, 2021

Dealing fix for Treasury securities market is needed now

John Dizard

VOX 15 January 2021

Global liquidity and dollar debts of emerging market corporates

Lorenzo Forni, Philip Turner

金融危機以来、アメリカ以外の外国企業がドル建債券を発行し、支配的な外国投資になっている。多くの新興市場で、高いレバレッジ、通貨建のミスマッチは、企業の支払不能を生じる主要な要因となり、各地の銀行のバランス・シートを破壊する脅威となった。

それは新しい規制を必要とするだろうし、金融の脆弱性に対する金融緩和の要求や、新興市場の中央銀行が政府債券の購入を増やすことにつながる、という意味で財政政策に影響する。

新興市場の企業がドル建債務を増やしている事態に対して、第1に、国際債券市場に関する規制が求められるだろう。債券価格やデリバティブ市場の浮動性が高まっているからだ。第2に、債務諸国のマクロプルーデンシャル規制を銀行全体におよぼすべきだろう。第3に、新興市場の中央銀行はむつかしいマクロ政策を求められる。不況に対して金融緩和することと、企業の負うドル建債務の存在は矛盾する。そのためには、国内の金融市場を深化・発展させることでQEが効果的になる。しかし、QEの有効性は財政状態に依存する。健全かつ独立性の高い中央銀行でなければならない。

FT January 16, 2021

Tech stock booms: then and now

Michael Mackenzie

FT January 16, 2021

Jenga-like structure builds in credit markets

Joe Rennison in London

中央銀行のサポートがなくなれば、債務のタワーはぐらつき始める。これはジェンガ・ゲームに似ている。

FT January 16, 2021

Central banks and climate change: all hot air

Claire Jones

FT January 20, 2021

Time to look again at the financial system’s dangerous faultlines

Paul Tucker

西側は次の金融危機を許してはならない。それは国の危機だけでなく、北京その他の戦略的な競争相手を有利にする、地政学的な危機になる。

どのような状況でも、アメリカの財務省証券市場が最も流動的な市場として、ドルの準備通貨としての優位を保障している。それは大西洋の反対側における、ヨーロッパの政府債市場についても同じことだ。

1に、中央銀行が、債券市場の流動性についても、最後の貸し手として保障する。第2に、政府債券やそれによる融資に関して、市場の構造を修理し、必要なら全面的に改造する。第3に、ある種のファンドや投資期間が行う極端なレバレッジと流動性のミスマッチを、今すぐに、解決する。イエレン新財務長官は、シャドー・バンキングを制圧するべきだ。


 ドルの覇権から人民元へ

FP JANUARY 15, 2021

The Rise and Fall and Rise (and Fall) of the U.S. Financial Empire

BY ADAM TOOZE

2020年の金融危機が明確にしたことの1つは、世界経済におけるドルの中心的な地位であった。政治的、戦略的な意味で、アメリカの覇権は失われたが、その金融的な影響力はもっと持続的である。アメリカ連銀は、ドルに依拠した金融システムの責任ある、寛容な、守護者である。しかし、それは同時に難題と不満をもたらす。

中国とロシアはドルによる決済システムに代わるものを実験しているが、ヨーロッパでは「戦略的な自律」という言葉が流行っている。

しかしドルの覇権は、批判家にとって、まじりっけなしの称賛を意味しない。むしろ不平等、脱工業化、高賃金で安定したブルーカラー労働者の職場を失わせた、という意味で、彼らはドル高を非難する。ドルの地位は、トランプ的なポピュリズムと、矛盾するより、むしろ機能的に結びついている。

ドルが世界に君臨して1世紀におよぶが、この時代の世界は人口増加、経済活動、国家の暴力(世界戦争)が爆発した人類史上のいかなる時代よりも数倍の大混乱を経験した。それゆえ、実体経済と国際的な権力システムが驚異的な大転換を遂げてきた。

アメリカは、第1次世界大戦中に、世界の金融覇権国として突然出現し、衝撃を与えた。1914年の危機において、アメリカはセルビアほども重要でなかった。しかし、戦争は拡大し、長期におよんで、想像を超える物資と人命が失われた。そして明らかになったのは、世界のだれもがドルを必要としたことだ。ドルは、戦争に動員されていない莫大な資源、工業力、労働力へのアクセスを意味したからだ。

ジョン・メイナード・ケインズがヨーロッパを代表して、世界の銀行となったウォール街に戦時債務の免除を申し入れた。アメリカが返済を要求しなければ、ドイツの賠償額は減って、ヨーロッパの民主主義とビジネスは再生しただろう。

アメリカにとって、国際連盟は負担の少ない責任を意味する制度であった。しかしここでは、自国の利益と国際的利益との深刻なトレード・オフが問われた。それは20世紀の覇権に関する中心問題である。ビクトリア時代のイギリス全盛期には、世界金融秩序の守護者として、ロンドンからその他の世界に向けて、あたかも多くのマーシャル・プランのように、民間投資が流れ出た。アメリカ・ドルの供給は政治的であり、国内の民主主義と相性が悪かった。

ワシントンを支配する共和党は、気前よい債務免除を拒否しただけでなく、貿易保護主義に戻り、移民流入に壁を設け、経済に野蛮なデフレを強いた。それは世界中から金準備を吸い上げることになった。戦時債務支払いにウォール街からの融資をうけても問題を積み上げただけだ。

戦後、アメリカの関与は一貫していなかった。アメリカの権力に頼るヨーロッパと日本のリベラル派は、制御されない金融市場の圧力と、国内の政治的不満の間で漂流した。

1944年、ブレトンウッズ会議は新しい見解を示すものだ。ドルに対する為替レートの固定化、資本移動の制限は、貿易や投資のために有益な安定性を提供したからだ。しかし、ブレトンウッズはアメリカの浪費ではなく、グローバルなドル不足に苦しんだ。市場が求めるようなヨーロッパ諸通貨の大幅な切り下げは、ソ連との緊張が高まる中で、政治的に危険すぎた。反共産主義の波に乗って、アメリカ議会はマーシャル・プランを認めた。

戦後の世界的なドル不足が終わったのは、日本とヨーロッパの経済が復活し、アメリカへの輸出を通じて十分なドルを得るようになったからだ。もし為替レートを市場が決めていたら、ドル価値は下落するはずだった。しかし、固定レート制であったブレトンウッズは、ドルに対する投機的攻撃と、為替管理を必要とした。

日本とドイツがアメリカと同じようにインフレを受け入れていたら、均衡が促せただろう。しかし、特にドイツはそれに抵抗した。ウォール街と財務省はブレトンウッズを決して好まなかった。彼らが好んだのは、世界の諸通貨が市場によってその水準を調整することだった。その同盟相手をロンドンに見出した。そこでは1950年代から、ユーロダラーとよばれる、ドル預金の自由な取引が行われていた。

規制されない民間資本移動の増大が、公的な為替の固定レートに挑戦した。リチャード・ニクソン大統領が、19718月に、ドルと金の高官を停止した。その結果、現代人工通貨システムの時代が始まった。市場の判断とは、ドル価値の下落であった。ドイツと日本は長くそれに逆らった。G7サミットやSDRはそれを緩和する試みだった。

ドル危機を終わらせ、ドルの覇権を維持する最も真剣な決定は、197910月にFRB議長のポール・ボルカーが行った。それは金利の上昇を容認することだった。世界経済にはその衝撃がおよんだ。かつてない大規模な資金流入が、世界の金融センターに向けて起きた。

通貨と金融市場の自由化はブームを生んだ。この新しい秩序は弾力的で、資源の効率的な配分と成長をもたらした。しかし、金融ブームはさらに膨張した。そして、より頻繁に、より深刻な金融危機が起きたのだ。1980年代のラテンアメリカ危機はアメリカの銀行システムを巻き込んだ。東欧とソ連の危機。そしてソ連崩壊後、アメリカ・ドルの一極支配という新しい時代が始まった。

しかし、それは病的な幸福感であった。債務危機の処理が試みられ、アメリカの金融当局は世界を救済する者たちと自負した。インドネシアのスハルト大統領が金融危機で失脚した。中国は、その危険性を学んでいた。

中国は新興市場の運命を避ける決意だった。為替レートをドルに対して低い水準に固定し、貿易と長期投資にとって不可欠な分野への資本流入を規制するため為替を管理した。インフレを抑え、その結果として生じる不満を許さなかった。

アメリカの消費者にとって、ドル価値の回復は安価な輸入財を意味した。ウォール街は、資本流入から豊富な収益を得た。しかしアメリカ人労働者は深刻な競争に直面した。不平等を制限するうえで重要な拮抗力となっていた組織労働者が、1970年代から、その力を失った。ブレトンウッズ1.0は「偉大な社会」の別名であったが、ブレトンウッズ2.0は巨大な分極化した社会の時代をもたらした。

イラクとアフガニスタンの戦争で、アメリカの財政と貿易収支は赤字となっていた。それは1970年代の際限であり、過剰に拡大したアメリカ帝国とドル支配の崩壊は避けがたいものに見えた。2008年の金融危機は予期された危機だった。

アメリカ連銀は大西洋の銀行システムを救済するため、ニューヨークのヨーロッパ系・アジア系銀行に流動性を供給した。

他方で、金融危機では、新しい超大国として中国の台頭が顕著なものになった。人民元の野心的な国際化を北京は推進していた。しかし、中後港企業はドル体制に深く組み込まれたままだった。2015年、中国は新しい覇権の危機に直面した。上海市場で株価が下落し、人民元も売られた。中国企業がドル建債務を必死に減らそうとした。イエレンのUS連銀は、金利引き上げを延期し、中国は資本規制を強化した。

今、北京はブレトンウッズ2.0を支持している。しかし、中国の成長が続けば、主要な市場で中国がアメリカを超える。他方、トランプ政権はドルによるグローバル金融システムの依存関係に矛盾する政治を採用した。

中国が国際舞台で支配的地位に上昇するとき、「ツキディデスの罠」と戦争を予測する者がいる。しかも、戦争は近代における通貨覇権の唯一の交代モデルであった。

より漸進的な移行を考えようとすれば、アメリカがドルにどれくらい投資を引き寄せる力があるか、は重要である。近年、外国投資家の需要は鈍ってきた。20203月には、財務省証券市場で危険な動揺が起きた。しかし、それはドルが売られたのではなく、世界各地の投資家がドル建債券を求めて殺到したのだ。

北京とブリュッセルは、金融市場の拡充を図るだろう。アジアへのパワー・シフトが続く。グリーン・エネルギー革命、デジタル・プラットフォーム、非国家型のデジタル通貨、デジタル人民元。

2050年の予測によれば、世界GDPに占めるシェアは、中国が20%に達し、これに比べてUSEU、インドは12-15%であろう。ドルの支配的地位が維持される、と予測するかもしれない。しかし、これまでの通貨・金融史は、ロンドン中心の金本位制、戦間期、第2次世界大戦後、ブレトンウッズ、その崩壊、中国の対ドル固定制、2008年の金融危機と量的緩和、そのいずれもが前例のないものだった。

ドルは民主主義に少し似ている。ドルは最悪の世界通貨であるが、その他のすべてを排除して残っている。

PS Jan 19, 2021

The Year of the Renminbi?

ARVIND SUBRAMANIAN, JOSH FELMAN

美人コンテストのように、準備通貨の地位は相対的な魅力によって決まる。今、新しいのは、世界の主要通貨国がその信頼性を低下させる競争をしているように見えることだ。

相対的な魅力を測定するのは難しい。しかし、いつ正確に測定できる要素がある。通貨発行国の経済規模だ。グローバルな支配的経済は、国際準備通貨の「ハードウェア」である。中国は、当然、このハードウェアを持っている。2013年から、世界最大の貿易国になった。今では、購買力平価で測って、アメリカ経済の規模を超えている。

中国は人民元の相対的な魅力も高めてきた。COVID-19の危機から早く回復し、デジタル通貨を開発し、「一帯一路」では貿易や金融取引に人民元を使用し始めている。

しかし、ドルの地位は変わらない。人民元に比べて、ドルが地位を回復しているのは、経済ハードウェアにソフトウェアが合わさっているからだ。投資家からの信頼、すなわち、信頼できる政府に保証された強力な銀行システムの存在だ。

中国は、債務超過の銀行を整理する必要がある。資本規制を撤廃し、投資対象の透明性を高めることも必要だ。資本規制を再導入しないことも重要だ。これらには時間がかかる。不可逆的な改革だと信用されるには、もっと長期を要する。

中国は、信頼できる経済パートナーでなければならない。しかし、オーストラリアへの制裁や、香港市民の言論や民主化要求への弾圧は、逆方向だ。ジャック・マーの行動にも懲罰的な介入を行った。

もちろんアメリカも、特にトランプ政権は、金融パートナーとしての信頼性を損なってきた。イラン制裁は外国銀行を含めて、アメリカの一方的行動に対する脆弱性を懸念させた。また、NYSEから中国企業の上場を廃止させた。

どちらの国がそのソフトウェアの信頼をより大きく損なうのか、わからない。しかし、覚えておくべきだ。歴史はアメリカ・ドルの側に味方しない。中国が何をしようとも、未来の国際通貨は中国が握るだろう。


 ボビー・ワイン

FT January 16, 2021

Bobi Wine, a tenacious challenger set on power in Uganda

David Pilling and Andres Schipani

キャグラニーRobert Kyagulanyiが若いころ、彼の母は政治に近づかないように、と言った。彼は、ボビー・ワインとして知られるウガンダの人気ポップ歌手になった。そして38歳の彼が、今週の選挙で、76歳の現職大統領Yoweri Museveniムセベニに対抗する候補者である。

選挙戦の中で、ワインは銃撃され、殴打され、投獄された。彼が思い出せないほど多く。彼の支持者たちが殺害され、彼の集会は警察に襲撃された。彼のトレードマークである赤いベレー帽が違法にまでされた。投票日が近づくと、多くのインターネットはつながらず、彼の選挙チームは逮捕されていた。

「ゲットー」のナンバープレートを付けた黒いキャデラックに乗って、ワインはピカピカに輝き、目立っている。彼は、アフリカで最も長く支配する独裁者を倒すことについて、穏やかな口調で、明確に説明し、まさに真剣だった。

その結果がどうなろうと、彼の影響力はウガンダをはるかに超えている。ウガンダの国民は4400万人だが、年齢の中央値はわずか16歳だ。アフリカのほとんどにおいて、ワインは新しい政治の力を代表する。すなわち、働く機会がなく、老人政治家たちによって支配されることに不満を抱く、野心的で互いに結びついた、組織されない都市の若者たちだ。

若いころから音楽家で、ジャマイカのレゲー歌手ボブ・マレーにちなんでボビーを名乗った。レンガ積みから、食用バッタの採取まで、所得を補ってきたが、20歳で最初のヒット曲が出た。

彼は、より裕福な家庭の若い女性と出会い、2000年に結婚した。「私は気まぐれな若者だった。しかし妻に出会って、大きく変わった。」 夫婦には4人の子どもがいる。

彼の歌はより政治的になり、ひどい衛生状態から、お粗末な政府まで、あらゆるものを攻撃した。2017年、ボビーは議会に立候補した。プロテスト・ソングはそれほど影響力があったからだ。彼は「ゲットーの大統領」を名乗り、圧倒的に勝利した。2019年、大統領選挙に出馬すると表明した。

率直に、彼は自分が大統領の資格を持たないと認めている。彼の選挙公約は、理想主義であって、政策はとぼしい。カンパラの、特に貧困地区で、彼はつき上げる拳と「ピープル・パワー」の歓声に迎えられる。支持者たちは彼を肩に担ぎ上げ、時には彼の足元にうずくまる。

ワインは、ムセベニが反対できないほど多くの票を得て勝つつもりだった。しかし、政治アナリストたちは、それは無理だろう、と考えていた。大統領が選挙過程を支配しているからだ。ムセベニが勝利を宣言すれば、暴動が起きるかもしれない。ワインは暴力を回避する、と言う。

勝っても負けても、ワインはウガンダにとどまる、と言う。「もし死ぬとしたら、ここで死にたい。」

The Guardian, Sun 17 Jan 2021

Many Ugandans are desperate for change but now it seems nothing will shift Museveni

Patience Akumu

The Guardian, Mon 18 Jan 2021

I never thought of Zimbabwe as a haven of stability. This year, I finally could

Michelle Kambasha


 弾劾より特赦せよ

FT January 16, 2021

A Senate trial is not the right answer to Donald Trump

Vernon Bogdanor

弾劾は不器用な武器である。それは司法と政治を混同する。国民を分断する、危険な大統領がもたらした諸問題を解決するのにふさわしくない。弾劾がバイデンの最初の日々を消耗させるとしたら、それも間違いである。

弾劾は議会制ではめったに使用されない。弾劾制度は、近代の政党政治が発展する前にできた。公共財に関して、また、正義に関しても、議会はバラバラな個人の集まりだった。

今、UKやその他の諸国で、議会制では司法と政党政治とを分離している。UK首相は有権者と下院(庶民院)に対して責任を負い、その不信任投票で地位を失う。法的には、すべての市民と同様に、不正行為に対して訴えられる。

大統領制では、大統領が議会とは別に選出されるから、より頻繁に断崖が行われる。特に、ラテンアメリカがそうだ。ブラジルのDilma Rousseffルセフ大統領は、2016年に、予算の問題で弾劾された。彼女はこれを政治的な報復だと主張し、権力の分立の下では許されない、と主張した。

トランプが暴徒に議事堂を襲わせたというアメリカ議会の訴えも、同じような主張によって紛糾するだろう。証拠に関して、論証の基準について、明確なルールがないために、トランプの運命は党派政治が決めるだろう。上院が大統領を裁くことは憲法に違反しないか、最高裁は沈黙している。

もしトランプが上院で有罪となれば、彼に投票した7000万人のアメリカ国民は、それを政治的復讐とみなすだろう。そしてトランプは殉教者になる。犯罪行為は法廷が裁くべきであり、政治家ではない。しかし、より優れているのは、彼に特赦を与え、不名誉な中で忘却されるままにすることだ。

FP JANUARY 20, 2021

It’s Time for Justice, Not Healing

BY S. NATHAN PARK


 イスラエル

The Guardian, Sun 17 Jan 2021

The Guardian view on Israel and apartheid: prophecy or description?

Editorial


 ニッサンとゴーン

FT January 17, 2021

Nissan’s future is on trial alongside Carlos Ghosn lieutenant

Leo Lewis


 金融緩和と再生、インフレ

FT January 17, 2021

Why the ECB should go Japanese

Martin Sandbu

ECBは、日銀が2016年から採用しているイールド・カーブへの介入、長期金利をゼロに固定する政策を導入するべきだ。

FT January 18, 2021

Kristalina Georgieva: ‘We are in a resilient place but cannot take stability for granted’

Martin Wolf

IMFの専務理事であるゲオルギエバKristalina GeorgievaFTMartin Wolfによるインタビューに答えた。

2020年は大恐慌以来の最悪の不況として記録されるだろう。しかし、ワクチンと、世界経済の再建に向けた政治的コンセンサスにより、2021年は回復の年になると予測されている。その中心にあるのはIMFである。

ゲオルギエバのメッセージは、慎重に、しかし楽観的である。「ワクチンは魔法の杖ではない。」 回復は部分的で、不均等に起きる。諸国の政府が、断固として、統一した支援を行うことが重要だ。

気候変動対策やデジタル化に向けた投資が求められている。非銀行部門では支出を抑制することが支配的だが、債務の組み換えを促し、倒産を減らすべきだ。

2021年に向けた重要なメッセージは2つある。1) 支援策を早期に打ち切ってはならない。2) ワクチンを早期に、すべての場所で、接種するべきだ。

危機に立ち向かえ。銀行の健全化を回避するな。中央銀行の独立性や、金融の規制・監視を確実に行え。ノンバンクの仲介機関もその監視を免れてはいけない。中国も、ついにG7と協力する。

グローバルな金融ガバナンスは、事実上、大きく前進した。

FT January 19, 2021

Sorry, but debt forgiveness is not going to happen

Guest writer

FT January 19, 2021

Higher inflation is coming and it will hit bondholders

Jeremy Siegel

COVID-19対策のための支出と莫大な債務がインフレにつながる、という不安を高めることはない。しかし、この債務は、戦争と同じように、返済されないだろう。それは債券価格と利回りに影響し、たとえば、将来のインフレによって債券保有者が負担することを意味するしかない。

PS Jan 19, 2021

The Inevitability of German Stimulus

MELVYN KRAUSS

FT January 21, 2021

Covid congestion raises the spectre of inflation


 メルケル後

FT January 18, 2021

Germany’s CDU chooses Merkelism without Merkel

FT January 18, 2021

Markets approaching a boiled frog moment

Katie Martin

PS Jan 18, 2021

Merkel Minus Angela

JOSEF JOFFE


 ブレグジット後

FT January 18, 2021

Sadiq Khan: Financial services have been badly let down by Brexit

Sadiq Khan

PS Jan 18, 2021

Was Brexit Inevitable?

ROBERT SKIDELSKY

UKEU離脱は、あるレベルにおいて、キャメロン元首相の深い読みで進めた政治的策略であった。2015年に、UK独立党のナイジェル・ファラージが保守党を脅かす力を抑え、目前に迫る総選挙で保守党が勝利するために、キャメロンは国民投票を約束した。彼は最初の目的を達したが、それは単に、離脱派が2016年の国民投票に勝利し、直後に辞任するまでのことだ。

ブレグジットは、この視点では、政治的アクシデントであり、ある政治家の戦術的な計算が失敗したことを意味する。しかし、これは表面的なものである。ドイツの哲学者Georg Wilhelm Friedrich Hegelヘーゲルが言う「ミネルヴァのフクロウ」が夕暮れに飛び立つような歴史理解は、多くの意図しない結果を含む。キャメロンの政治的策謀は、ヘーゲルの「世界精神」、もしくは、歴史の見えない動力として働いた。

その意味では、ブレグジットはあらかじめ宿命であった。後から見れば、UKが分離するのは避けられなかった。それは、ヨーロッパから、ではなく、その制度的な表現からの分離である。離脱派は直感的にEUの夕暮れが近づいていることを知っており、残留派は知らなかった。

UKEUに遅れて参加し、気まずい加盟国だった。EUの将来においてUKの重みは失われる。1992年、マーストリヒト条約でEMUからオプト・アウトしたときから、亀裂が始まっていた。EMUは、すべての加盟国にとって、政治統合に向けた飛び石になることを意図していた。2012-14年のユーロ危機において、指導者たちは単一通貨に対して政治が統一していないことを危機の原因と考えた。EUは財政統合と銀行システムの統合、最後の貸し手となるECBの役割を強化した。COVID-19によって生じた経済危機に、野心的な財政救済プランが成立した。その意味で、離脱派は正しかった。EUの経済構造には連邦主義のロジックが埋め込まれている。

しかし、連邦主義はヨーロッパの宿命なのか? 政治的統一に向かうか、それとも、国民国家の寄せ集めに後退するか。そういう二元論は間違っている。

ヨーロッパにはいくつかの可能なバージョンがある。その1つは、ドイツの元財務大臣Wolfgang Schäubleショイブレの「可変的な幾何学」である。ドイツが指導する「コア・グループ」で単一通貨が機能する。そして「地中海グループ」は、調整可能な釘付けのような、より弾力的な制度にする。

それは実行可能で論理的であるが、しかし、ヨーロッパを生来の異なる(生産的と非生産的)部分、もしくは人種、に分けるという点で、支持されていない。

もっと魅力的な視点は、現代版の中世ヨーロッパである。ケント大学のAdrian Pabstによれば、現在、ヨーロッパ・システムは、制度、法域、多元的メンバーシップ、多極的な権威、重層的ガバナンスの複合体である。ヨーロッパは法的な契約ではなく、社会関係の中にある。

忠誠心は近接性から生じ、「相互関係」から生じる。それが共通の任務を実行する動機であり、方法だ。ヨーロッパは、補完性の原理や、共有財の悲劇を重視する。連邦主義者が不可欠とみなす中央からの管理がなくても、経済制御に必要なすべての任務を市民社会が果たす。そういう視点もある。

2次世界大戦直後には、ヒットラー的な帝国と、戦争する国移民国家との間に、魅力的な中間の道があった。ドイツ連邦共和国(西ドイツ)の弱い連邦主義がそうだ。J.M.ケインズも、「小さな政治・文化的単位が、より大きな経済単位に緊密に結合される」というアイデアに魅了された。

現代の封建制がヨーロッパに実現するか。それは2つの闘いだ。社会科学において、このアイデアが専門領域を超えて支持されるか。また、経済成長を推進する国民国家モデルより、豊かな思想や文化を生み出したルネサンス都市国家が人々に好まれるか。

現代の民主主義には、持続的成長と許容できる平等を実現するための集権化した経済管理と、地域主義とを組み合わせることが何よりも必要である。ブレグジットは、その挫折を意味する。

The Guardian, Tue 19 Jan 2021

Brexit was a typically English revolution – one that left the elites unharmed

Rafael Behr

FT January 21, 2021

Democratic Unionists are now Irish reunification’s secret weapon

Robert Shrimsley

PS Jan 21, 2021

Boris Johnson Must Change His Act

CHRIS PATTEN


 ハイテク大企業

FP JANUARY 18, 2021

Big Tech’s Big Challenge

BY SALIL TRIPATHI

FP JANUARY 19, 2021

How China Took Western Tech Firms Hostage

BY ELISABETH BRAW

FP JANUARY 19, 2021

2021 Is the Year the Internet Gets Rewritten

BY TYSON BARKER

PS Jan 20, 2021

The Internet Versus Democracy

STEPHEN S. ROACH


 バイデン就任式

NYT Jan. 18, 2021

Lincoln Knew in 1838 What 2021 Would Bring

By Bret Stephens

FT January 19, 2021

Joe Biden’s challenge: big, early victories in a toxic political climate

James Politi and Lauren Fedor in Washington

FT January 19, 2021

The awesome stakes of Joe Biden’s presidency

Janan Ganesh

PS Jan 19, 2021

How to Tackle Vulnerable Countries’ Triple Crisis

MANISH BAPNA, MUHAMMAD MUSA

世界は関連する3つの危機に直面している。すなわち、健康、経済、気候の危機。指導者たちは大胆な行動を求められる。豊かな国は貧しい国に連帯するときだ。

NYT Jan. 19, 2021

Democrats Are About to Control Congress. What Will They Do?

By Spencer Bokat-Lindell

FP JANUARY 19, 2021

What to Expect in Biden’s First 100 Days in Foreign Policy

BY ROBBIE GRAMER, AMY MACKINNON, JACK DETSCH, CHRISTINA LU

FP JANUARY 19, 2021

A Democracy Summit Is More Urgent Than Ever

BY ANDERS FOGH RASMUSSEN

The Guardian, Wed 20 Jan 2021

Joe Biden must put an end to business as usual. Here's where to start

Bernie Sanders

The Guardian, Wed 20 Jan 2021

The Guardian view on Joe Biden's inauguration: democracy prevails – for now

Editorial

FT January 20, 2021

The American republic’s near-death experience

Martin Wolf

FT January 20, 2021

Joe Biden will find ample potential for acrimony in the Middle East

David Gardner

FT January 20, 2021

Dear Joe Biden, deficits still matter

Ruchir Sharma

FT January 20, 2021

The biggest post-Trump job is to restore US institutions

Michael McKinley

PS Jan 20, 2021

Leaderless Liberalism

ANA PALACIO

PS Jan 20, 2021

Liberation

JEFFREY D. SACHS

NYT Jan. 20, 2021

Biden Can Heal What Trump Broke

By Jesse Wegman

NYT Jan. 20, 2021

Biden Bets on Unity

By The Editorial Board

NYT Jan. 20, 2021

Is America Ungovernable Now?

By Thomas B. Edsall

FP JANUARY 20, 2021

President Biden Pledges a Fresh Start for America

BY MICHAEL HIRSH

FT January 21, 2021

Crises facing Biden threaten to create vicious cycles

Mohamed El-Erian

FT January 21, 2021

Joe Biden embraces his inner radical to confront winter of peril

Edward Luce

ジョー・バイデンは、ドナルド・トランプとすべての点で反対になる。したがって、退屈な大統領である。しかし、F.D.ルーズベルトもそうだった。「退屈さ」を、彼がどう定義するのか。彼の掲げた野心的目標は人々を驚かせる。

PS Jan 21, 2021

Biden Can Pass His China Test

JAVIER SOLANA, EUGENIO BREGOLAT

NYT Jan. 21, 2021

Democrats, Here’s How to Lose in 2022. And Deserve It.

By Ezra Klein

NYT Jan. 21, 2021

Put the Money Printer on Autopilot

By Claudia Sahm

NYT Jan. 21, 2021

Why Joe Biden Must Not Shy Away From the Full Power of the Presidency

By Eric Posner

FP JANUARY 21, 2021

A Face Lift Can’t Fix the State Department

BY STEPHEN M. WALT

FP JANUARY 21, 2021

The 1776 Project Is a Desperate Search for the Right Enemies

BY KONSTANTIN MCKENNA


 EU移民

FT January 20, 2021

EU immigration: Frontex faces scrutiny over its growing role

Michael Peel in Brussels, Kerin Hope in Athens and Laura Pitel in Ankara

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The Economist January 2nd 2020

The future of global e-commerce

Digital government: Online onslaught

Foreign policy after Brexit: Britain’s place in the world

Britain and the world: Amazing journey?

Digitising government in Japan: Update required

Fiscal stimulus: A hairy moment

Repression in Uganda: An undemocratic vote

The Brexit deal (1): Britain’s Swiss role

How it happened: When the music stopped

The infrastructure infatuation: In the works

(コメント) 都市が変わったから、というのは理由になりませんが、多くの問題が詰まっています。しかも、ここにはコロナウイルスも、ウイグルの人権問題も、挙げていません。

中国が展開しているe-コマースの新世界に、他の諸国は吸い込まれていきます。他方で、日本が唱える「デジタル化」はさっぱり進みません。政府を改造する、かつての民営化、今はデジタル化。

ブレグジットが本当に始まった年です。イギリスはどうするのか? それは、いつ、どのようにして始まったのか? そして、ブレグジットが胚胎され、今や、スイスの跡をたどる。

大規模な財政支援策、巨額のインフラ投資が失敗しないために、何を改革するべきか?

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IPEの想像力 1/25/21

ゼミ生たちにZOOMで面談の試験をしました。むしろ、私に多くの質問がされたような気がします。

周庭さんの話が出ました。黄之鋒などとともに、香港の民主化を求めた若者たちの女性指導者です。国家安全法で有罪になれば最低3年、最高刑は「無期懲役」であり、抗議デモに加わった人たちを恐れさせるに十分であったと思います。

・・・香港の裁判所は2日、昨年の大規模抗議デモにおける違法な集会を巡り、民主活動家の黄之鋒氏に禁錮13か月半の実刑を言い渡した。活動家に対する今年の判決で最も厳しい内容となった。

黄氏は 昨年6月に警察本部近くで違法な集会を開催し参加をあおった罪を認めている。

共に活動していた周庭氏は同様の罪で禁錮10カ月、林朗彦氏は禁錮7カ月の量刑を言い渡された。(ロイター 2020122日)

判決文を聴きながら、周氏は泣いたそうです。日本からのSNSによる支援メッセージも多く、政府は刑を軽くしたのではないか、という観方があるそうです。

中国政府が、SNSに現れる国民の意識を十分に監視し、政府への支持を高める(批判を抑える)ために量刑を考えたかもしれません。彼女の禁固刑が意外に(?)軽かったのであれば、SNSを通じて周庭さんを支援した人たちの心が少しは役立った、という良いニュースです。

しかし、と私は異論を唱えました。SNSは監視や情報操作の手段になる。トランプもそうだ。また、SNSで「いいね」をクリックすることが、命がけで民主化デモに参加する人たちに、日本から応える支持の表明として十分なのか。

たとえば・・・ ゼミ生が京都駅に並んで、香港を支援する募金活動をしようか。そして、募金を使って(香港や日本で)新聞広告を出そう。私たちは連帯する、と。

いや。・・・それはできないか。国家安全法は、外国勢力との結託・共謀を挙げて、違法とみなす。それは、中国の外にいても適用される。彼らに危険を与え、自分たちも香港・中国政府から犯罪者として記録されるのかもしれない。

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バイデンは、トランプほど、中国に対して強硬な姿勢を取らないのではないか? という意見を聞きます。ポンぺオ国務長官が、ウイグル人への弾圧・収容所について「ジェノサイド(民族大虐殺)」である、と批判したニュースもありました。

・・・中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会(CECC)は14日公表した報告書で、中国が新疆ウイグル自治区でウイグル族などイスラム教徒の少数民族に対し「ジェノサイド(民族大量虐殺)」を犯した可能性があるとの見解を示した。(ロイター 2021115)

確かに、日本政府や企業も含めて、中国を批判する者は少ない、と私は言いました。それは、中国の巨大な市場に深く依存しているからです。工業やデジタル技術、そして、ますます軍事力においても、中国に敵対することは避けたい、と考える「現実」があります。

その意味でも、アメリカの姿勢は重要です。アメリカが中国を明確に批判するなら、日本政府はそれを受けて、アメリカとともに批判する立場を明確にするでしょう。日本企業が、それでも、中国市場を離れることはないと思います。中国政府を批判することもない。しかし、アメリカの多くの企業が黒人への人種差別(それを是認するトランプ政権)に対して、最後は明確に抗議しました。

バイデンはトランプほど強硬ではない、という批判について、ポンペオ(そしてトランプ)が、イスラエルやサウジアラビアと緊密に同盟し、指導者たちを称賛したことを、私は指摘しました。彼らは「人権」を重視する政治家ではありません。バイデンを苦しめ、非難するために、火を放っただけです。

バイデン政権は「アジア」をどう観ているのか。

・・・米国務省のプライス報道官は23日、台湾に対する中国の軍事的圧力が地域の安定を脅かしているとして、軍事、外交、経済的圧力を停止するよう中国に求める声明を発表した。台湾との関係強化も表明した。(毎日新聞 2021124日)

私は、このニュースを特に歓迎しました。圧力によって服従させるのではなく、民主的な代表と交渉して、平和的に解決するべきだ、という原則をアメリカは示したからです。その通りだと思います。それは、何らかの形で、北京にもできることです。

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ロシアに帰ったナワルニーや、ウガンダ大統領選挙に立候補したボビー・ワイン、香港で収監された周庭、黄之鋒のような、本当に勇気ある政治活動家たちに、私は感動します。

・・・「もし死ぬとしたら、ここで死にたい。」

彼・彼女たちの勇気を称えます。そして、民主的な政治は弾圧によって滅びない、と信じます。

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