IPEの果樹園2011

今週のReview

1/3-1/8

 

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IPEの想像力 1/3/11

明けましておめでとうございます。

インドで奮闘努力する大原君のブログを楽しみ、ゼミ生が送ってきた卒論の草稿を読んでいます。

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NHK「紅白歌合戦」を観ると、時代を感じます。いつの頃からか、演歌調の歌謡曲よりもアイドル歌手の踊りが増え、フォークソングやシンガー・ソング・ライターが加わり、個人よりも集団で、アイドルやタレントを輩出するプロダクションがNHKを占拠し始めました。いつの頃からか、数名の個性的バンドが入り、外国の歌手や、沖縄などの民謡、若者の異文化を表現する場違いな曲、そして、巨大な装置で舞台を演出するサーカスの要素が増えました。

これは「紅白歌合戦」ではなく、分散する「多文化主義的ヤマト民族」です。日本文化の保存方法について、崩壊が進む古墳と同じように、どこかで議論する人たちが意見をまとめきれない様子を、私はテレビで観たわけです。インターネットやiPodの時代に、レコードの売り上げやラジオ番組へのリクエスト数は旧世代・旧産業が依拠した繁栄の指標でしかなく、NHKの受信料政策はYouTubeと対立して衰退するでしょう。

何が、年越しにふさわしい企画であり、家族をつなぐ共通の娯楽になるのでしょうか?

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NHKハイビジョンでBSドキュメントの秀作を再放送していました。そして、「麦客」を観ました。The Economistでは、メキシコからの非合法移民を紹介した記事 Fields of tears を読みました。日本がグローバリゼーションを生きる上で、彼らの希望をかなえ、彼らの力を借りることを私は望みます。

安全保障は軍隊だけでなく、日本の場合、街角の交番や駐在所が供給しています。同じような形で、日本各地に、英語と中国語、スペイン語を学べる駐在所を設けてください(理想としては、警察官の外国語によるコミュニケーション能力を高めます)。そこでは通訳と警察官、医者と弁護士が(代理)常駐し、語学学校を兼ねた、日本・中国・インド・メキシコの協同組合と近隣平等・仲裁委員会が「言葉・文化の壁」やトラブル解決の相談に乗ってくれます。

それが機能する程度に応じて、住民・地方政府は日本政府と、中国、インド、メキシコから意欲ある労働者を受け入れる条件について合意し、契約します。たとえば、日本の過疎地域をインフラ整備するとともに、姉妹都市や貿易・直接投資・労働の政府間協定を基礎に、国際協力・産業振興地区に指定してはどうでしょうか? すでに特区制度があるはずですが、インドや中国から企業や労働者を誘致できるのでしょうか?

その地区では、最低賃金とグローバルな移動条件を十分に考慮した社会保険制度を最大の優位として提供し、製造業・サービス業・情報通信・医療のハイテク化と低廉化を同時に進めます。なぜなら、外国から労働者たちが自由に出稼ぎし、起業を目指し、投資できるからです。生産拠点の海外移転と、FTAやTPPによる自由化・構造変化が、ここでも起きるでしょう。しかも、国際合意ではなく、日本の政策として判断できます。そのために詳しい情報を集めて、その効果を観察し、政治的な議論を重ねて、対応策を模索します。

外国語音痴の私のような人たちは、日本において語学留学し、下町の零細企業でも海外生産拠点に投資し、製造でも介護でも情報ソフトでも国境を越えた労働者・技術者を安価に雇用できます。発展途上諸国の輸出加工区や、規制緩和のための企業誘致地区でしかない、という反対が起きるでしょう。しかし目的は低コストではなく、相互利益であり、意見交換できる交渉の場を必ず設けます。参加する外国の労働者や企業には日本語のコミュニケーション能力を求めます。他方、応募する日本の住民・企業にも、英語と中国語、もしくはスペイン語の一般会話能力を求めます。これは、新しい社会・政治統合を模索する試みなのです。

「麦客」で稼いだお金を、男たちは村で羊を飼う計画に投資しようと考えます。そして、彼らは取材班に望みます。・・・何年かしたら、もう一度、自分たちの村を訪ねてほしい。そのとき、自分たちがどれほど幸せになっているか、見てほしい。

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JBpress、川嶋諭「初夢:黄金の国ジパングを作るために」を読みました。

国債暴落を恐れることから、改革が加速するかもしれません。民主党が掲げた改革の中身は、政権を得て数カ月の間に大きく変わった、と考えます。

1.「豊かな競争社会」。2.「世界一の効率社会」。・・・政策を進めるための国会審議とマスコミ。議員定数と人口変化の連動による議員定数の是正。

3.「秩序ある豊かな地球に貢献する」。一人当たりGDP世界一を目指す。・・・その通り。しかし、どうやって実現するか、が明確でないと思います。たとえば、論説では、母親減税を唱え、企業の家族手当・子供手当を復活せよ、と主張します。また、高速道路無料化を財源批判で潰してしまうのは間違いで、中央スーパー高速道路として活かすべきだ。環境技術、半導体、など、日本は技術力でアジアの成長の一部になれる、と。

私はおおむね賛成です。政権交代が第二ステージに入った、と実感できる政策を実行してください。旧来の限界を打破して、関係者に積極的な議論を求め、問題点や改善のための方針を見出すこと。政治は具体化のために、規制や制度を変える力を存分に発揮すること、です。

若者に雇用を。老人に安心できる生活保障を。アジアと国際秩序における日本の明確な方針を示してください。新しい方法や新しい分野を開拓する人々に機会が与えられ、企画や投資が刺激されるように。

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インドの政治・官僚制と腐敗 ・・・アメリカの変貌 ・・・中国の変身 ・・・戦争と賠償金、債務危機 ・・・ヨーロッパの変貌 ・・・中世の世界秩序を統治するビザンチン戦略 ・・・幸福のU字カーブ ・・・メキシコからの非合法移民

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主要な出典 Bloomberg, The Guardian, FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, LAT: Los Angeles Times, NYT: New York Times, The Observer, The Times, SPIEGEL ONLINE, WP: Washington Post, WSJ: Wall Street Journal Asia


l         インドの政治・官僚制と腐敗

YaleGlobal , 22 December 2010

India Battles for Transparency – Part I

Sadanand Dhume

中国とインドが成長率で競争して、世界を作り変えるだけではない。インドは世界最大の民主主義国家であり、中国の専制政治に比べて優位にある、と主張される。ブッシュ、オバマのアメリカ大統領がインドを重視するのも、中国に対抗する民主化勢力をアジアで育成するためだ。

しかし、G2通信ビジネスの周波数帯割り当てにおいて、既存の大企業に有利な扱いをした大臣A Raja(その後、辞任した)のスキャンダルで、インドの情報透明性に関する問題が中国に劣らず深刻だ、ということが明らかになった。「汚職(腐敗、癒着)」は国民の政治への不信を強め、経済成長の果実が貧しいものにまで届かず、インドに投資する企業の意思決定を阻む、と懸念される。

インドの官僚制が発展の障害になるというのは以前から指摘されていた。しかし、今ではビジネスの上層(Ambaniや清廉と思われてきたタタTata)やメディア、ジャーナリストも、中産階級とは隔絶した自分たちだけの取引で利益を独占している、と非難されるようになった。

YaleGlobal , 24 December 2010

India Battles for Transparency – Part II

Pranab Bardhan

汚職や賄賂について、中国やインドで深刻化していることを比較・考察しています。

インドには、植民地時代から独立後にも継承された官僚支配体制、いわゆる「ライセンス・ラジ」の伝統がある。それは1991年以降の規制緩和後も、ビジネスの展開を左右する権限、官僚の裁量として強い影響を及ぼしている。

第一に、グローバルなビジネスでも、その土地の生産要素(土地と労働力)や水、電力、などが必要だ。工場を立てても、労働者を雇っても、現地の監督・規制を担当する官僚が認める権限を持っている。迅速に進むか、時間ばかりかかって失敗するか。官僚たちは、手続きの書類を机の隅に放置したまま、企業に賄賂を要求できる。

第二に、急速に成長する経済では、希少な公共財の市場価格が高騰する。土地、油田・ガス田開発、鉱物資源、通信電波帯、など。官僚たちはその配分において特定の業者を優遇し、それを得た者からキック・バックを得る。

第三に、選挙に莫大な運動資金が必要になる。公的な資金援助がないなら、インドのように選挙区の人口が多く、議席を得るために100万人規模の票が必要な場合、広告や集会に人を集める経費が大きな負担である。企業から献金を得れば、その見返りを求められる。

逆に、中国では選挙がないから、この理由で汚職が増えることは無い。しかし、他の二つの理由は同じように当てはまる。また、中国の場合、汚職や賄賂に対する監視が非常に弱い。地方では企業と政府職員が組んで土地の利用と補償額を決めてしまう。確かに中国でも汚職に対する法の処罰はあるが、たとえ死刑のような厳しい罪でも、その適用は恣意的で、むしろ政治的な党派争いにより末端の役人が処分されるだけだ。

粉ミルク汚染問題でも、2008年の北京オリンピックに際して、外国メディアがこの問題を伝えることを意識して、国内メディアが批判を抑えてしまった、という。

インドが中国よりも汚職を深める制度的な理由もある。第一に、行政システムが複雑で重複しており、大臣や官僚は多くの過程で拒否権を持っている。第二に、官僚たちは担当行政区で改善しても見返りがない。官僚は短期で移動し、報酬は勤続年数によって決まる。むしろ民間のロビイストNiira Radiaやジャーナリストが政治家との仲介や汚職に関わる。

しかし、仲間内の利益を優先するクローニー資本主義は、成功した国営企業が重要産業を独占していることもある中国の方が強烈だ。資産家の圧倒的多数が中国共産党の幹部を親族に持っている。インドには活発な民間企業部門がある。

深刻なスキャンダルがあるとしても、両方のケースで言えることは、市民社会による恒久的な監視を強めること、である。その点で、事件を反省するなら、インドに優位があるかもしれない。

guardian.co.uk, Sunday 26 December 2010

A Who's Who of Indian sleaze

Praful Bidwai

6000件の盗聴記録がインターネットに流出したことは、インドにとってWikiLeaksよりショッキングでした。この汚職事件によって失われた国庫の財源は120380億ドルと推定されます。さらに深刻なのは、ロビイストたちが政策や閣僚ポストを決め、ジャーナリストたちが偏狭な大企業の利益を「国益」として称賛する構図が見えたことです。登場人物は、あたかもインド政財界の有力者をすべて並べたような豪華さです。

規制緩和や民営化によって実現したのは、1960年代、70年代の「ライセンス・ラジ」を超える、ネオリベラルなクローニー資本主義である。企業・政治家・官僚の緊密な共謀関係はさらに拡大し、政府は営利活動に乗っ取られ、莫大な公金が簒奪されている。

道徳を欠くことがインドの成長の一部であり、主要なエンジンとなっている。農業は停滞し、一人当たりの食糧消費は減少した。20万人の債務農民が自殺した。工業の成長は遅く、GDP4分の1でしかない。サービス部門のブームなのだ。最高の成長を示す部門は、不動産、建設、通信、輸送であり、IT部門ではない。資本は自然資源や好況の資産を民営化することによって形成されている。何より、決定的な土地へのアクセスは政府が握る裁量的な権限の核心だ。

インドの億万長者の背後には庇護する政治家がいる。それが成長するインドの下腹部だ。クローニー資本主義を使って、資源採掘権、不動産開発権、建設許可、電波帯を得る。

FT December 29 2010

India must free its exchanges

By Patrick Young

1994年、インドの資本市場を急速に近代化したIT技術を称賛しつつ、今、検討されているルピーの完全な交換性と、資本取引の自由化に対して、上場企業の決定で一定の公的な制限を加える考え方を強く批判しています。・・・技術革新のための資本調達を妨げ、外国からインドへの直接投資を阻害し、世界企業を目指すインドの優秀な企業はロンドンなどへ上場するだろう。


l         アメリカの変貌

FT December 23 2010

An America lost in fantasy must recover its dream

By Simon Schama

アメリカの中で拡大する対照的な世界。食糧の配給に並ぶ人の列。3D(悲惨、荒廃、貧窮desolation, devastation, destitution)のアメリカに生きる人たち。

失業手当の期間延長と富裕層への減税で合意した政治家たち。だから大丈夫。貧しい者は一息つき、豊かなものはカリブ海で遊べる。

この途方もない貧富の格差をなくすべき悪事と思っているリベラルは理解していないが、これこそアメリカの成長のエンジンだ。持つ者と持たざる者の分断が進めば、富裕層の減税、脱税、相続税の廃止が好まれ、トリクルダウンのために役立った昔風ビジネスはやめてしまう。

失業者の数など数えたことは無い。20093月の底値から株価は90%も上昇した。それは不良債券を大量に連銀が購入する量的緩和が行われたせいだが、これこそ共和党員たちが攻撃の的にし、第112議会で多くの議席を得たのだ。無責任なインフレ政策だ! というのだが、インフレなんてどこにあるのか?

政治は現実を見なくなった。政治家たちは、自分こそティー・パーティ―の真実の声だ、と名乗りを上げるのに忙しい。2012年の選挙まで不況と妄想が続けば良い。

より悲しみ、より賢明な人々は、ワシントンの凍える朝にオバマの就任演説を聴くため集まったが、今や、その勇敢な、持続できない希望の何であったかを見る。 夢? 現実? それが似ているはずもない。

幻想と事実、思春期の願いと成熟した政治思考、そのどちらが勝つかが、この先数年の最大の政治的テーマになる。政治のネヴァーランドに遊ぶ政治家たちに真実を告げる力が、オバマにはまだあるはずだ。

Dec. 23 (Bloomberg)

Tax Cutters Set Up Tomorrow’s Fiscal Crisis

Simon Johnson

アメリカは着実に世界の金融市場や貿易における支配を失っていく。ますます多くの債券を発行するけれど、投資家たちはもっと他の金融資産を選択するかもしれない。借り手の持つ支配力など幻想だ。ユーロ圏が苦しんでいるように、アメリカも財政危機に苦しむだろう。

金融市場の圧力を受けたときに、政府が増税する意志を持つかどうか。アメリカ連邦政府の場合も、社会保障と安全保障を失うことになる。

NYT December 25, 2010

Cut Here. Invest There.

By THOMAS L. FRIEDMAN

何でも約束してばらまくだけの政治家の時代は終わった。21世紀を生きるのに、もはや無責任な浪費家は要らない。しかし緊縮だけでなく、教育、インフラ、技術革新に投資しなければならない。

健全な財政規律と成長戦略をもつ政治家。いわば「賦課金型の進歩主義者」だ。41歳の熱意あふれるAtlanta市長、Kasim Reedがその好例だ。財政赤字の最大の源は年金支払いだった。警察、消防、市職員の年金は2000年に支払額が引き上げられたが、新規雇用者から以前の水準に戻すことを提案した。組合は激しく反対した。Reedは彼らを招き入れて、この改革をしなければ年金システムが破たんすることを辛抱強く説明した。

財政赤字を抑制できた後、Reedは、市の最も荒廃した地区で警察官の増員と、水泳プールのある市民センターを16か所再開することに投資した。今では地元の企業が、ここで放課後の職業訓練に出資している。

「われわれが国としてas a nation直面する新しい経済の現実に効果的に対処するため、分別のある、正直な対話を始めるべきだ。」

NYT December 25, 2010

The Big (Military) Taboo

By NICHOLAS D. KRISTOF

財政赤字削減が求められるときに、軍事予算・安全保障を聖域にすることは間違いだ。アメリカは中国の軍事費の6倍を支出し、世界に560以上の軍事基地を維持している。

21世紀において、政府は市民を多くの方法で守ることができる。病気の研究に資金を与え、犯罪を減らすような幼児教育を行い、コミュニティー・カレッジを助成し、莫大な戦費を要する戦争を防ぐために外交に投資する。」

ドイツの軍事基地を維持するよりも、こうした方法でアメリカ人の安全を保障する方が優れている。

LAT December 26, 2010

Fixing the economy the scientific way

By Meryl Comer and Chris Mooney

もっと多くの科学者を育て、基礎研究を支援すること。それは21世紀の産業で雇用を増やし、さらに、病気を予測して医療費や社会保障のコストを減らすだろう。

NYT December 26, 2010

The Finite World

By PAUL KRUGMAN

この数カ月の国際商品市場における価格高騰は何を意味しているのか? 投機的な変動でも、金融緩和の行き過ぎでもなく、新興経済の拡大に資源供給が追い付かない世界が来たことを意味する。そして、アメリカはその影響をもたらすより、それに影響されている。

2008年までの価格高騰は金融危機と不況で消滅したが、その後、アメリカが不況から抜け出せないまま新興経済が需要を拡大してきた。世界恐慌のときは商品価格の下落がデフレと不況を拡大した。これはグローバルな景気回復策の成功であって、新興市場や連銀の禁輸緩和を責めるのは間違いだ。

経済成長が終わるとか、資源を奪い合うマッド・マックスの世界が来る、と恐れることは無い。しかし、高価な資源の消費を減らすように、経済や生活スタイルを徐々に変化させる。

FT December 27 2010

Fed fund boosted healthy banks

By Robin Harding in Washington, Bernard Simon in Toronto and Christian Oliver in Seoul

guardian.co.uk, Tuesday 28 December 2010

America's cracked political system

Jeffrey Sachs

アメリカの政治はひどい状態だ。共和党は減税以外に何も政策を語らない。民主党も、もう少し、いろいろ言うけれど、選挙資金をくれる富裕層に減税することは強く支持する。税制支出を削るとしたら軍事費くらいしかないのに、共和党は不必要な戦争や高価な兵器、ミサイル防衛システムへの支出を削ることなど、考える余地がまったくない。

財政赤字が続く結果は、社会的給付や労働市場を介して、貧困層や労働者階級を苦しめる。すでに、アメリカ人の8人に一人が食糧スタンプの世話になっている。レーガン以来、30年に及ぶ富裕層への減税があったにもかかわらず、減税の主張は続いている。驚いたことに、アメリカの最も裕福な1%の家庭が、下位の90%と同じ所得を得ている。富裕な12000家族が、貧しい2400万家族と同じ所得なのだ。

アメリカ人の多くが苦しむとき、富裕層に増税するしかないが、まだ数年、共和党はそれを阻止するだろう。しかし、貧しい労働者階級は黙っていない。彼らが社会的正義を求めて抗議を強めるのは確実だ。

アメリカの政治システムは莫大な選挙資金で富裕層・大企業の支援なしには動けなくなっている。中間選挙でも推定45億ドルが費消されたようだ。もし共和党も民主党も、そして再選を求めるオバマ大統領も、こうした政治システムに反対できないなら、第三の政党が必要だ。

FT December 28 2010

A smaller role for Wall Street

FP Wednesday, December 29, 2010

Obama's 2010: Shadow Government looks back

NYT December 29, 2010

Primero Hay Que Aprender Español. Ranhou Zai Xue Zhongwen.

By NICHOLAS D. KRISTOF

3カ国語を話せる人をトリリンガルと呼び、4カ国語を話せる人をクァドリンガルと呼ぶ。では、外国語を一つも話せない人を何と呼ぶか?」 ・・・「アメリカ人。」

ところが、最近は誰もが中国語を学ぼうとしている。子供に中国語を学ばせる最良の方法を知りたがっている。しかし、スペイン語を学ぶ方が、もっとはるかに重要なはずだ。2009年、スペイン語人口は国民の16%を占めるが、2050年には29%になると予測されている。ラテンアメリカとの取引が増え、労働者が増え、引退したアメリカ人が内外でスペイン語の世話になる。ラテンアメリカは一つの貿易圏になるだろう。


l         中国の変身

SPIEGEL ONLINE 12/24/2010

The Cost of Success

Life in Beijing's Cellars

By Andreas Lorenz in Beijing

投機と需要の増大が北京の不動産価格を上昇させ、家賃が支払えない人々は文字通りの地下生活を余儀なくされている。それ以前は使われなかった地下の倉庫を、違法でも、居住空間に改造して貸しているのだ。

多くの出稼ぎ労働者たちが北京に流れ込んで生活している。北京市民は彼らを「アリ族」と呼ぶ。専門家たちは不動産市場がバブルを生じていると警告し、政府は投機を抑制する課税や規制を始めている。

FT December 25 2010

China raises interest rates

By Jamil Anderlini in Beijing

 (China Daily) 2010-12-27

Changes to development model

By Zhang Xiaojing

中国は高齢化の圧力が強まる中でも労働力の優位をまだ維持するだろう。高い貯蓄率は大きく変化しないだろうが、それは劇的な経済成長と都市化の加速、進歩と市場開放を進めている。西から東へ、世界のパワーシフトは加速してきた。中国は地域協力やグローバル・ガバナンスに積極的な不可欠のパートナーになる。それは中国にとって、人民元を国際化し、世界の通貨システムを徐々に改革する素晴らしい機会となる。

中国はプラグマチックな態度で将来の課題を解決していくべきだ。世界経済の均衡回復、国際金融アーキテクチャーの改善、保護主義が高まる中で新しい成長極の発見、国内消費の拡大。中国国内の、都市と農村、投資と消費、成長と分配、製造業とサービス産業の不均衡が将来の成長を制約するだろう。

要素価格の歪みを質し、政府介入による「レント・シーキング」を減らし、制度改革と市場を重視した政策に転換するべきだろう。エネルギー価格を引き上げ、資源や環境に課税する。直接税を大幅に増やし、地方産業のためのインフラ整備に投資する。土地に依拠した金融を改めて、金融システムを改善し、不動産価格のバブルを防ぐ。

1980年代まで日本の高度成長が隠していた経済の構造的な欠陥は、80年代半ばのプラザ合意で現れた。その後の10年を日本人は「失われた10年」と呼ぶ。対照的に、アメリカ政府は1970年代のスタグフレーションにおいて、産業構造の調整に努力を惜しまなかった。そして、その後の時代にアメリカ経済を持続的に成長させた強固な基礎を得たのだ。経済危機においても、オバマ政権は医療保険制度と金融システムの改革を進めると決意している。」

FT December 28 2010

Chinese missile shifts power in Pacific

By Kathrin Hille in Beijing

中国の断層ミサイルの配備は、アジア地域におけるアメリカ空軍に脅威となっている。それは予想以上に急速に中国の軍事力が高まっていることを示す。中国のミサイルは人工衛星や無人偵察機、レーダーの支援を受けて自動的に標的を定める。この範囲に入った飛行機や船舶が自衛することはできない。

WSJ DECEMBER 28, 2010

Unleashing the Chinese Inventor

By GORDON ORR

中国経済は市場を開放し、輸出を通じて経済の革新能力を高めることに成功した。Huawei ZTEAlibabaなど、携帯電話やインターネットにおける技術革新は世界の最高水準に達している。革新はトップ・ダウンで実現できない。中国政府は、革新的な民間企業を早期に発見し、市場への参加を支援するシステムを目指している。

(China Daily)2010-12-29

A game-changing decade

By Deng Yushan and Xu Jianmeiwriters with Xinhua News Agency

中国のジャーナリストが描く、脱アメリカの多極化した国際秩序、という理想です。中国、ブラジル、ロシアが、西側と異なる発展を示し、西側も含めて、それぞれが重要な貢献と新しい協力関係を拡大する。フラットな世界で、グローバルなパワー・グリッドが形成される。こうして未来の世界社会では政治権力、経済成長、技術革新の多くの極が形成され、平等で、民主的に発展を分かち合え、平和で、調和的になるだろう。

guardian.co.uk, Thursday 30 December 2010

China's green gift to the world

Frank Wolak and Richard Morse

WP Thursday, December 30, 2010;

China has seen the future, and it is coal

By George F. Will

人口増加は保温や調理のための燃料として森林を枯渇させ、人々を石炭に向かわせた。蒸気機関の発明は、この「石油危機」に似た「木材危機」の解答として、人々が地中から石炭を得るための工夫の一つであった。

世界で燃やされている60億トンの石炭のうち、約半分は中国で燃えている。他方、アメリカではこの数年で139か所の石炭を燃やす工場が閉鎖された。アメリカやオーストラリアの炭鉱から中国に向けて、石炭は輸出されている。

FT December 30 2010

China increases state company pay-outs

By Jamil Anderlini in Beijing

中国は、石油化学、タバコ、通信、エネルギー、における国営企業の利潤を政府に移す方針だ。また、建設、輸送、鉱業、鉄鋼、なども利益を政府が吸い上げ、過剰投資を減らし、新しい消費に依拠した産業に転換を図る。

 (China Daily) 2010-12-30

China should better wealth management

By Zhang Monan

中国は、外貨準備を分散し、人民元を国際化し、政府系投資信託による投資を増やす。世界金融危機は中国のチャンスである。


NYT December 24, 2010

At Last, a Border Crackdown

メキシコ麻薬戦争による死者が3万人を超えて、漸くオバマ政権が、その主要な武器供給を行っているアメリカからの大量の密輸を制限するため行動した。有名な圧力団体の一つ、the National Rifle Associationが反対している。


guardian.co.uk, Saturday 25 December 2010

Heathrow's chaos is indicative of a wider national malaise

Will Hutton

guardian.co.uk, Tuesday 28 December 2010

Creating an onshore nation is the only way to restore financial sovereignty

William Brittain-Catlin

空港や航空会社の所有を売買することが、公共の目的を実現することに反しないか? ウィンブルドンのテニス大会と同じように、企業の国際買収を奨励することは、シティの投資銀行や弁護士、会計士の利益になるだけで、国民の利益にはならない。

「株式公開した企業は資本主義的な成長のエンジンである。しかし、企業が何で構成されるかが重要だ。株主と重役はその直接の利益の他にも考慮することが求められる。他の国はこれを行い、繁栄しているが、イギリスはしない。」

オフショア金融センターを廃止、もしくは、非合法化できないのであれば、海外に利潤を送って脱税するような多国籍企業を締め出すべきだ、とWilliam Brittain-Catlinは主張します。


l         戦争と賠償金、債務危機

NYT December 25, 2010

Ending the War to End All Wars

By MARGARET MacMILLAN

「多くの人は気付かなかったが、第一次世界大戦は今年終わった。ヴェルサイユ条約が課した賠償金を支払うため、不安定なワイマール共和国が引き継いだ債券の利払いを、103日、ついにドイツは終わったのだ。」

1億ドル足らずの支払は今の水準で見ればわずかだが、20世紀で最も忌まわしい歴史のひとつだ。それはヴェルサイユ条約と賠償金の支払いがヒトラーと第二次世界大戦をもたらした、という歴史の陰険な神話と結び付く。

1919年、ウッドロー・ウィルソン大統領は、敗戦国に懲罰的な賠償金を要求しない、という方針を明らかにしていた。イギリスのロイド・ジョージ首相やフランスのクレメンソー首相もしぶしぶ合意した。ワイマール共和制下のドイツは階級や政治によって深刻な分裂状態にあった。「専制的な講和」に対する憎しみは広まっていたから、それを守らないことで恥じる気持ちはなかった。

賠償は確かに罰ではなく、ドイツが引き起こした戦争による被害を、主にベルギーとフランスに対して修復するものだった。1921年に1320億金マルク(現在の価値で約4420億ドル)と定められた額を、ドイツは何とか支払えただろうが、それを支払わないことを選択した。

ドイツ政府は何度もその額の変更や支払の免除を求めたが、1933年、ナチスが政権を執ると、ヒトラーは単に一方的に支払を破棄した。結局、ドイツが支払った額は、フランスが普仏戦争の敗北後に支払った額にも及ばなかった。

賠償金に関する論争で、ドイツ人は国際システムに反発する姿勢を取るようになった。また、リベラルな民主主義国として協力することが必要なときに、英仏間で亀裂を生じたことも重要だった。ヴェルサイユ条約の特に賠償金をめぐって、英語圏の人々は不正義と非難し、フランスの復讐心にロイド・ジョージは屈服した、と考えた。この罪悪感が、イギリス政府に何度もヒトラーに対する宥和策を取らせた。

1920年代、ドイツ外務省はヴェルサイユ条約を非難する宣伝工作を行った。他国に比べてドイツが特に戦争の責任を負うのではなく、すべての国が有罪だ、と。1945年以降の歴史研究はより複雑な構図を描いている。オーストリー=ハンガリー帝国はセルビアの弾圧を決断し、ドイツはそれを無条件に支持していた。ドイツの軍部は戦争を望んではいなかったが、急速に工業化するロシアを恐れ、戦争が避けられないのであれば、それが遅れるより早まることを期待した。それは1941年に日本がアメリカを攻撃したことに似ている。

ドイツ軍のエリートたちは、戦争に負けたのではなく、社会主義者、リベラル派、ユダヤ人などの国内の裏切りによって敗北した、という宣伝を強めた。1919年の政治情勢を考えれば、賠償が不健全で、政治的な失敗だ、というケインズの主張は支持されなかった。

戦争を終えるのは難しい。賠償という考えを拒む前に、1990年、イラクのサダム・フセインがクウェートに侵攻したことで、いまだにイラクは賠償を支払っていることを知るべきだ。また1945年の敗北後、全く交渉なしに、ドイツは賠償を求められなかった。ソ連はあらゆる手段で無慈悲に収奪し、ドイツは無条件に降伏し、国内から反対も抗議もなかったが、連合軍がそれを決めた。

ナチスの崩壊後、第1次大戦の残された賠償問題が、ほとんど紛糾することなく速やかに合意された。西ドイツは戦間期の債券に利子を支払い、強制労働を経験した捕虜への補償なども支払う、と合意した。東ドイツは再統合するまで合意しなかった。

ギリシャやアイルランドは、このことを考慮するべきだ。過去の合意を非難することをやめて、容易ではないが、戦争を避けるためにドイツは賠償を支払った方が良かっただろう。


WP Sunday, December 26, 2010

The Putinization of Hungary

SPIEGEL ONLINE 12/27/2010

Former Tycoon to Stay in Jail

Moscow Court Finds Khodorkovsky Guilty

FT December 27 2010

Legal nihilism triumphs in Russia

WP Monday, December 27, 2010

Will Vladimir Putin pay a price for his persecution of Mikhail Khodorkovsky?

WP Tuesday, December 28, 2010;

Jeopardizing democracy in Hungary

By Anne Applebaum

ロシアでは、海外からの批判を無視して、裁判所がプーチン政権を批判したユコス元社長のコドルコフスキーに有罪と禁固の長期化を決定しました。

ベラルーシは民主主義を否定した東欧のケースとして批判されました。しかしハンガリーは、たとえ民主主義の政治体制が安定しても、多数による専制支配が成立する危険を示しています。


l         ヨーロッパの変貌

guardian.co.uk, Monday 27 December 2010

It's not perfect, but the European Union works the way it is'

Thomas Brussig

単なる消費者ではなく、ヨーロッパのアイデンティティーを作れるか。ヨーロッパは確かに共通通貨を得た。しかし、人々は共通の言葉をもたない。政治家たちは異なる言葉で語り、常にヨーロッパの少数者だ。

ミハイル・ゴルバチョフが「ヨーロッパの家」と述べたのは1980年代後半だった。ゴルバチョフはその理念を支持してソビエト帝国を犠牲にした。東ヨーロッパがソ連圏から離脱することを許し、東西ドイツの再統一を、東ドイツがNATOに帰属することも含めて許した。そしてソ連は解体し、かつてのソ連から三つの共和国がEUに加盟した。しかし、旧ソ連からそれ以外の諸国がEUに殺到したとき、彼らの面前で扉は閉じられた。

ウクライナで2004年にオレンジ革命が起き、権威主義体制が崩壊した。キエフの革命家たちはヨーロッパの理想を掲げ、ヨーロッパの繁栄を享受できると信じた。しかし、EU加盟は拒まれた。ゴルバチョフも、オレンジ革命も、「ヨーロッパの心」を求めた。それはまだヨーロッパの制度ではない。デンマークやアイルランドなど、誰もがヨーロッパの憲法を否定した。

言葉はヨーロッパのアイデンティティーを拒む障壁である。それは単に有用なだけでなく、彼らの心であるから。

SPIEGEL ONLINE 12/27/2010

Demanding the Mark Back

Opposition to the Euro Grows in Germany

By Peter Müller

ユーロの解体、離脱が、主要政党の外で、ティー・パーティ―風の政治運動としてドイツに広がっています。政治家、憲法裁判所、経済団体、それぞれの内部で、マルクの再生が主張されます。

guardian.co.uk, Wednesday 29 December 2010

Europe is a troubled adolescent that just needs to grow up

Philippe Perchoc

数か月前、私はメトロで、エストニアの外交官とヨーロッパの刺激が失われたことについて話していた。ヨーロッパはかつてユートピア的な構想に満ちた大陸だった。そのとき私たちの会話を静かに聞いていたパリの女性が突然言った。「ヨーロッパ、ユートピア? もっと現実を見なさいよ。庶民を置き去りにして、金持ちになった実業界の大物たちが集まるクラブでしょ。」

ヨーロッパは心理的な変化の時を迎えている。EU60年間は、ルイ14世の支配した60年と等しい。6カ国の小さな共同体が、グローバルな役割と責任をもつ政治的実体に変化した。その結果、市民や様々な政治的企画は、思春期の苦しみを抱えている。

ヨーロッパが自分の姿を醜悪に感じていることは残念だ。中国、インド、アメリカ、アフリカは自分たちの将来に自信をもっているが、ヨーロッパは不安によって麻痺している。まだ、ベルリンの壁が影響している。経済危機は、ヨーロッパ建設の二つのエンジン、すなわち、連帯と経済効率、にブレーキをかけた。

われわれが全く異なったままで協力できることを、金融問題に翻弄される今の指導者たちは忘れている。トルコ人や、セルビア人や、アイスランド人にヨーロッパの世辞的実体とは何か、尋ねてみればよい。ヨーロッパに必要なのは、ユートピアの計画である。

FT December 29 2010

Expect some answers from the eurozone

By Wolfgang Münchau

ユーロ圏は2011年を生き延びるだろう。問題は、その条件だ。内的切り下げや財政規律を主張すれば、不況とデフレをもたらし、人々は所得を減らしながら債務を支払うことになる。競争力の喪失と、財政破綻とを、同時に解くことは非常に難しい。

それは政治的な危機をもたらすか、EUにおける救済メカニズムを要請する。

guardian.co.uk, Thursday 30 December 2010

Europe should let go of grand ideas

Paweł Świeboda


SPIEGEL ONLINE 12/27/2010

Left-Wing Politician on the Fall of the Wall

'I Feared that German Reunification Would Pose a Threat to Europe'

Lothar Bisky

SPIEGEL ONLINE 12/29/2010

Arson and Integration

Have Berlin Mosques Become a Target?

By Jill Petzinger in Berlin

東西ドイツ再統一の20周年を記念するとき、東ドイツ市民はこの20年を振り返って感慨にひたります。ベルリンの壁が崩壊したとき、東ドイツ市民の多くは、単に国家を放棄するよりも、さまざまな改革を目指していました。

東西ドイツの統一に反対した東ドイツ左派の指導者が、その理由を、ドイツで極右の勢力が強まることを恐れたからだ、と説明しています。しかし、それは間違っていた、と当時を振り返ります。

・・・今や、ドイツ各地で、イスラム教徒や寺院への襲撃事件が続いています。


l         中世の世界秩序を統治するビザンチン戦略

FT December 28 2010

Future shock? Welcome to the new Middle Ages

By Parag Khanna

「こんな世界を想像してみる。強力な中国がアジアを変形し、インドはその支配領域をアフリカからインドネシアにまで拡大する。イスラム圏が影響力を拡大し、ヨーロッパは正当性の危機に直面する。主権をもつ多くの都市国家が富を握り、技術革新を推進している。そして傭兵による軍隊、信仰による過激周団、人道でゅぎ的諸団体が、それぞれ独自のルールで人々の心情と思考、財布を競い合っている。

これは現代の見慣れた光景である。しかし、1000年足らず以前の中世世界の真ん中において、こうした世界が存在した。」

Parag Khannaは、アメリカの派遣が衰退した後の世界は、常識のように見られている「多極化」や、複数の強力な国家がヨーロッパで平和を維持した19世紀の“Concert of Europe”ではない、と考えます。それはむしろ、新中世世界である、と。21世紀は12世紀に似ており、当時は、分裂したヨーロッパに比べて、中国やインドの帝国が拡大し、十字軍やシルク・ロードにより最初のグローバルな貿易システムが繁栄していたのです。

権力は分散し、国家から都市、企業、信仰集団、人道主義的な非政治組織、テロリストから慈善家まで、絶大な権力を握った個人に移っていった。ウォール街を政府が救済しても、国家の復権は起きないだろう。むしろアフリカから中東や南アジアまで、脱植民地世界で展開された事態と同じ特徴を示すだろう。人口過剰、腐敗したガバナンス、人種・エスニック間の紛争、社会インフラの崩壊。その結果、多くの国家が解体に向かう。

アフガニスタンは、こうしたポストモダンな政治的枠組みを示している。すなわち、国際的な資源採取企業、カブール政府、地域の軍閥、外国の平和維持軍。富裕であれ、貧困であれ、国家は公私の複合物になり、グローバリゼーションがもたらす財、貨幣、人間の流出入を管理するフィルターとして働く。人々は国家に忠誠を尽くさず、誰であれ「財Goods」をもたらす者に従う。

世界人口のますます多くが不可欠のサービス、すなわち、治安や社会保障を提供する企業に頼って生きている。台頭するインドでも、多くの「公共の」福祉が、タタやアンバニのような財閥・産業家によって提供されている。彼らはますます現代のメディチ家、14世紀のフローレンスに近付いていく。イスラム世界では、今や、政治的な慈善団体、すなわち、エジプトのムスリム同胞団、レバノンのヒズボラ、が政治政党であるだけでなく、医療や学校を提供する社会機構となっている。

中世にかけていた要素は、唯一、アメリカだ。中世世界は大西洋の時代を知らない。現代は、新世界において栄えたアメリカの覇権が遺した世界である。神聖ローマ帝国における新しいビザンチウムがアメリカだ。それは衰退しながらも、その後の数世紀を、物質的な能力を超えて、外交と謀略によって繁栄し続けた。アメリカはビザンチウムの戦略を採用することで、世界各地で戦争に陥る危険を回避できるだろう。

中世は、その悪評にもかかわらず、偉大な発明と発見の時代、ルネッサンスに至る道であった。

FP DECEMBER 28, 2010

Chinese and Indian Entrepreneurs Are Eating America's Lunch

BY VIVEK WADHWA

FT December 29 2010

A bad year for global governance

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The Economist December 18th 2010

The redistribution of hope

Government debt: Behold 2011, the year of sovereign shocks

Putinisation in eastern Europe: The tasks undone

Long-term unemployment: In the bleak midwinter

(コメント) 新興諸国は繁栄を目指し、アメリカなく、旧来の富裕諸国は不安を感じています。学校システムが失敗し、中産階級が減少し、アメリカでも社会的移動性が低下します。しかし、もしアメリカが国内目標に集中し、新興諸国の参加を促すより、単に、グローバルな安全保障や世界貿易・投資・通貨の安定した秩序に関心を失えば、各地の構造的な問題は悪化するでしょう。

たとえば、ユーロ圏の財政危機だけでなく、日本が維持してきた異常な国債残高への不安が、東アジアの安全保障問題と重なって、資本流出を促すでしょう。

東欧だけなく、危機を経て、プーチン化がアジアや日本でも起きると思います。クローニズムと権威主義体制。政治的・経済的権力を私物化して濫用し、独立した監視や市民の活動を破壊します。選挙は偽装され、裁判所やメディアも権力者に従います。

他方、アメリカでは長期の失業者が減らず、既存の社会保障システムによる対応能力を超えています。地域の主要企業が失われ、地方財政が破たんし、緊急避難的な公私の支援策には限界があります。


The Economist December 18th 2010

The U-bend of life

(コメント) この記事は、特に私自身にとって、興味深かったです。人が幸せを感じることの最も少ない年齢は、5053歳だ、というのです。・・・痛っ!

工業生産額やGDPで人々の幸せを実現できるとは限らない、とこれまで多くの異端の経済学者が指摘しました。正統的な経済学者もGDPの限界を認めていたのです。では、ひとはなぜ「幸せ」を感じるのか? その要因として、性別、個性、環境、年齢、を考えます。

高齢化は「不幸」を意味しません。しかし、経済政策ではなく、社会政策として国民の幸せを高めることが、ますます政府の使命となります。


The Economist December 18th 2010

Fields of tears

(コメント) この記事を読んでも、非合法移民を許せるでしょうか? 何度失敗して、砂漠で死にかけ、盗賊に衣類まではぎ取られ、国境警備を逃れるために地面を這いまわっても、彼らは再び密入国を試みます。どれほど厳しい労働、わずかな賃金であっても、免許も取れず、住宅を追いだされても、彼らは家族がバラバラにならないように隠れて暮らします。

イチゴが「悪魔の果実 the devils fruit」と呼ばれるほど、畑で収穫する仕事は過酷だ、と書いてあります。日射が体を焼き、腰を折る姿勢は苦痛を増します。寒さのせいで病気を患っても医者に行けません。収穫の時期でなければ、彼らには住む場所がなく、風呂にも入れず、ほとんど食べることもないまま、数か月を路上で過ごします。

非合法移民としてアメリカの影に生きるしかなかった夫婦に、これまでの厳しい暮らしを知った上で、もう一度、非合法移民になるか? と尋ねています。その辛さは想像できなかった、と認めた後で、彼らは、もう一度移民するだろう、と答えました。なぜなら、彼らは最初の幼い息子を病気で亡くしていたからです。メキシコの貧しい農村では、仕事がなく、収入がなく、医者に連れて行けなかった。自分の空腹や飢餓には耐えられても、幼い子供を飢餓や病気で苦しめ、あるいは、死なせてしまうことには耐えられない、と。