IPEの果樹園2006

今週のReview

8/28-9/9

IPEの種

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世界の英字紙HPからコラムを要約・紹介します.著作権は,それぞれ,元の著作権に従います.

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ただしFTFinancial Times, NYTNew York Times, WPWashington Post, LATLos Angeles Times, BGBoston Globe, IHTInternational Herald Tribune, CSMChristian Science Monitor


Peeling away Grass’s morality FT August 18 2006

The Betrayal of Memory NYT August 18, 2006

PETER GAY The Fictions of Gunter Grass NYT August 20, 2006

Niall Ferguson The Myopia of Hindsight LAT August 21, 2006

(コメント) ギュンター・グラズの自伝Peeling Onionsが憤慨と論争を呼んでいます.「ドイツの良心」としてノーベル文学賞を受賞した作家が,今まで,ナチスの親衛隊the Waffen-SSであった過去を隠してきたからです.ドイツの戦後世代が,そのオピニオン・リーダーたちと築いた道徳世界の,本格的な解体作業が始まった,という印象です.あるいは,これもまた,グラスの描く20世紀政治世界の転換を示す劇場なのでしょうか.

日本人にとっても,戦争において,誰が何をしたのか,問い直す作業がもっと必要でしょう.たとえば自民党は,総裁選候補者たちの過去を,詳しく公表すべきではないですか?


FT August 18 2006

Reckless adventure

LAT August 18, 2006

Defining Victory in Lebanon

NYT August 18, 2006

War on Daddy’s Dime

By THOMAS L. FRIEDMAN

(コメント) 和平の結果,イスラエルのオルメルト首相は,その支持率を急激に下げました.民間の指導者は,しばしば過剰な軍事攻撃によって失敗する,とFTは批判します.レバノン戦争によって,イスラエルは抑止力を失い,ヒズボラはアラブ世界における名声を高めた,と.

レバノンから外国の軍隊・武装勢力が撤退し,非武装化するまでは,誰が勝利したか決めることは空しい作業です.ヒズボラのロケット攻撃で,イスラエルの安全保障が損なわれたのは間違いありません.

NYT August 18, 2006

Start Talking to Hezbollah

By LAKHDAR BRAHIMI

(コメント) 3人のイスラエル兵士が人質になったことで,イスラエルは戦争を開始し,30日にも渡って戦闘状態を拡大しました.その間,アメリカ政府は安保理による停戦合意を遅らせ,ますます強力な武器をイスラエルに供給して,戦闘が中東に新しい秩序をもたらす,と弁護したのです.レバノンで命を奪われた無辜の市民たちは,こうした論理を決して受け入れないでしょう.

拉致された3人の兵士には多くの関心が払われたけれど,最悪の場合,二十年もイスラエルに囚われたままの,何千人ものパレスチナ人やレバノン人,軍事的占領については,ほとんど関心が払われない,とBRAHIMIは憤慨します.この戦争は,テロとの戦いを損ない,怨嗟,憎悪,絶望を広めただけです.平和や自由や民主主義の敵を利するものです.

レバノンの統一と安定を維持すること.ヒズボラの政治党派としての成長を受け入れること.イラン,シリアも含めて,外部勢力の干渉を排除すること.イスラエルは占領地区からの撤退を率先すること.中東和平の根底にあるパレスチナ問題を解決する基本合意は,すでに安保理決議として存在している.

WP Friday, August 18, 2006; A21

A Moment to Be Seized in Lebanon

By Charles Krauthammer

BG August 19, 2006

In Mideast, the goal is 'smart power'

By Joseph S. Nye Jr.

(コメント) 「伝統的に,国際紛争で勝利するのは軍事力で優位を持つ側であった.しかし情報時代では,勝利するのはより強力なストーリーを示す側である.」 そして,ハードとソフトの双方のパワーを駆使して戦略的な優位を築く力を「スマート・パワー」と呼びます.

Nyeは,ヒズボラが優位を得る状況にあった,と考えます.自分たちこそ,イスラエルに抵抗する勇敢なイスラム勢力である,というストーリーを広めることができたからです.しかし,イスラエル兵士を拉致し,国境を越えてイスラエルにロケット弾を降らせたことで,アラブの世論は分裂しました.ところがイスラエルもまた,ヒズボラに軍事的な攻撃を強めたことで,ヒズボラの強攻策に対する支持を強めてしまいました.もっと抑制された短期の反撃にとどめておけば,イスラエルはヒズボラへの支持を奪うことができたでしょう.

アメリカへの教訓とは何か? 「この戦いはイスラム世界と西側の間の戦いではない.少数派のテロリストたちと,もっと穏健な多数派との間の,イスラム世界における内戦である.」 アメリカがテロリストたちに勝利するためには,アラブ世界の穏健派が勝利しなければならず,そのためにはソフトパワーを駆使することが重要です.

WP Saturday, August 19, 2006; A17

Making Peace Stick In Lebanon

By Franklin D. Kramer

FT August 20 2006

America has emerged as a loser in the Middle East

By Philip Gordon and Jeremy Shapiro

LAT August 20, 2006

France's Paltry Lebanon Offer

LAT August 20, 2006

United Nations: The World's Scapegoat

By Paul Kennedy

(コメント) IMFも国連安保理も,大国による権力政治の実態を隠すイチジクの葉に過ぎないのでしょうか?

国連は人類の議会でもないし,独自の軍隊も,独自の財源も持ちませんでした.加盟国は主権について一定の譲歩を行いましたが,その譲歩も無条件ではありません.シエラレオネや東チモールのように弱い敵であれば,国連軍は強く行動できます.しかし,そうでなければ,停戦が維持され,和平が成立することを願う以上のことは何もできない,と.

大国の意見が一致しないときも,国連は動けません.しかも,大国は平和の喪失について国連の無能さを責めます.つまり,これほど有益なスケープゴートは無い,と.

NYT August 22, 2006

In Lebanon, Even Peace Is a Battle

By CARLOS PASCUAL and MARTIN INDYK

WP Tuesday, August 22, 2006; A15

Mideast Echoes Of 1938

By Richard Cohen

(コメント) 第二次世界大戦が始まる前年,それを防ぐために何ができたか? 各国は何をしたか? 中東を1914年ではなく,1938年と見なせば,何が見えてくるか?

ヒズボラはイスラエルを滅ぼし,中東を再編するために戦争に訴える.フランスはヨーロッパ勢力を統一して和平を維持する力はない.アメリカ政府は孤立主義に傾く.

BG August 23, 2006

What Israeli security could teach us

By Jeff Jacoby, Globe Columnist


The Guardian Friday August 18, 2006

Japan: Signals from a shrine

WP Sunday, August 20, 2006; B07

The Uneasy Sleep of Japan's Dead

By George F. Will

The Japan Times: Sunday, Aug. 20, 2006

Homegrown political terror

FT August 22 2006

Japanese demographics

FT

Japan to alter controversial war shrine

By David Pilling in Tokyo

WP Thursday, August 24, 2006; A21

The Legacy Of Japan's 'Lion Heart'

By George F. Will

(コメント) 靖国神社がA級戦犯を祀っているからではなく,神道や国家主義による戦争の正当化を強制する手段であったことに,私はもっとも深刻な影響を示している,と思います.靖国神社がある限り,韓国や中国の反発は正当なものとなるでしょう.たとえ行き過ぎた反発や,間違った批判に対しても,日本政府は正しく反論できないでしょう.靖国神社は,日本が国際的な,尊敬される役割を果たし,重要な地位を得る妨げとなっています.靖国神社は国内政策をも歪め,民主的な制度の下で皇室が果たす役割を曖昧で不安定なものにし,政党の再編や憲法をめぐる修正論争にも深刻な影を落としています.

FTの社説は,簡潔に,しかし世界の読者に,日本で起きた右翼のテロを伝え,警告を発しました.他方,急速に赤ん坊を失っていく日本社会は,移民を受け入れるというより,多分,中国などへの投資を増やすことになるのでしょう.日本や中国の政治家はこれをどう見るか?

戦後3番目の長期政権を実現した小泉潤一郎を,George F. Willは,西側の4人の政治家に比べます.すなわち,サッチャーのように規制緩和と国家の解体に励み,ブレアのように支持基盤の自民党を批判して改革を進め,ジュリアーニのように喧嘩っ早く,最初の連銀を閉鎖したアメリカ大統領,アンドリュー・ジャクソンのように,小泉は郵政省を解体した.

しかし,日本を変えたのは「コイズミ」ではありません.グローバリゼーションが日本を変えたのです.日本は新しい条件で効率性の追求を強いられて,変わるほかなかったと思います.コイズミは,それを自分の個性に取り込む政治的なセンスを発揮した,と.「アベ」が同じようにできるとは思えない.


The Guardian Friday August 18, 2006

Rethinking immigration

Paul Donovan

NYT August 19, 2006

Sounds of Assimilation

By GAUTAM MALKANI

LAT August 20, 2006

Give Illegal Immigrants Licenses -- and Obligations

By Peter Skerry

FT August 21 2006

Multiculturalism: an unfolding tragedy of two confusions

By Amartya Sen

FT August 23 2006

Immigration gains

The Guardian Wednesday August 23, 2006

European immigration

(コメント) 移民政策をどうするべきか? 


NYT August 18, 2006

Wages, Wealth and Politics

By PAUL KRUGMAN

(コメント) 所得格差はアメリカでも注目されています.


FT August 20 2006

The global monetary fund needs to reform its quotas

By Peter Costello

FT August 21 2006

The new reserves of economic power

By George Magnus

Aug. 22 (Bloomberg)

China, India Lead Debate on Free Capital Flows

Andy Mukherjee

(コメント) 世界資本・世界投資家の時代でしょうか?


FT August 21 2006

Call to speed SE Asian common market

By John Burton in Singapore

(コメント) 地域市場の時代でしょうか?


FT August 22 2006

Europe’s eroding wealth of knowledge

By Jean Pisani-Ferry

(コメント) ヨーロッパは何によって覇権を得たのか?


FT August 23 2006

America cannot rely on power alone

By Christopher Layne

(コメント) アメリカのパワー信仰.


FT August 23 2006

Needed: an industrial strategy for today’s world

By Brendan Barber

(コメント) 新しい産業政策の時代?


The Guardian Thursday August 24, 2006

Wal-Mart may be just too American to succeed globally

Richard Adams

(コメント) アメリカで勝てても,世界では勝てない?

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The Economist, August 12th 2006

Lost in the Middle East

The Lebanese crisis: The search for peace?and a way to rebuild a country

Migrants in Mexico: Waiting to cross

American interest rates: Missing a wingbeat

Japanese Banking: And then there were three

(コメント) アメリカが中東に民主主義を築こうとしたのは間違いではなかった,とThe Economistは考えます.パレスチナ政府に選挙を行わせたことも,イスラエルとの和平を受け入れるように求めたことも,間違いではなかったでしょう.しかし,民主主義に対して各地の独裁者やイスラム原理主義者がどれほど強く反発するか,を正しく予測していなかった,と.アメリカがイスラエルを見捨てれば,すべて解決するか? むしろ,イスラエルに近隣諸国との和平を促し,パレスチナ国家との共存を可能にすることです.その前に,レバノン侵攻は,イスラエルの弱さを示したわけです.

アリゾナの60マイル南にある,メキシコとの国境にある町について,移民産業の報告もあります.移民たちは炎熱の砂漠を越え,国境警備を逃れるために,たとえ自分の尿を飲んでも,越境の機会を待ち続けます.地元の赤十字が,足のやけどや水分不足で倒れた人々を,毎月約1000人も救出する,と言います.

他方,「ヘリコプター・ベン」の異名を持つバーナンキが主催するアメリカの心理作戦も,数年で14をわずか3にまで圧縮した日本の金融外科手術も,これで金融政策という妖怪にうまく首輪をはめたぞ・・・ とは誰にも言えません.

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NYT August 24, 2006

Butterfly Kiss-Off

By JEFFREY A. LOCKWOOD

(コメント) こんな鮮烈な話を,知ってましたか!?

夏休みが終われば,学校の理科の先生たちは,蝶(ヒメアカタテハ Painted Ladies)が孵化する様子を子供たちに見せる楽しい授業を工夫します.生物の変態,生命の神秘に,子供たちが眼をみはるでしょう.

アメリカには約45も蝶の飼育場(牧場 ‘farm’)があり,蝶ビジネスが栄え,毎年1100万匹の蝶や孵化パッケージを売り,蝶を使った婚礼の演出( “Fill the Sky”パッケージ・・・300ドル )まで売られています.しかし,生物学者は危惧しています.飼育場で量産された蝶は,各地の自然環境に適した個性を失い,全土に輸出されて生態系を変化させるかもしれません.

そこで,いつもの対立が始まります.蝶ビジネスの利益か,環境と生物種の保存か? もし孵化キットから生まれた蝶を野外に放してしまうなら,その授業は失敗でしょう.e-メールで注文され,世界中に届けられた飼育場の蝶が世界環境を汚染しています.企業も政府も,その回収計画を持っていません.

教育的で,環境にも悪影響がない,正しい答えとは何でしょうか? 蝶が孵化したら,その蝶を冷蔵庫に入れることです.そして蝶たちを安楽死させます.私たちの行為は,いつも,この地球環境を汚すことに責任があります.そして,環境を守るのは容易でない,と教師はその行為によって子供たちに教えるのです.

それは,余りにも冷酷で,野蛮な教育でしょうか? 実際,飼育場では蝶のことを,家畜(livestock),と呼びます.もし経験のある教師なら,10ドルの孵化キットに頼ることなく,子供たちと一緒に野原に出るでしょう.そしてその土地の幼虫を集めます.幼虫を飼育して,蝶になったら野に放してやる.それが倫理的にも正しい教育です.


The Guardian Friday August 25, 2006

Alienation can be a humane response to globalisation

Jeremy Seabrook

LAT August 30, 2006

Iraq Isn't the Philippines

By Jon Wiener

BG August 31, 2006

Blinded by a concept

By George Soros

LAT August 31, 2006

Pipe Down, Rummy

BG September 2, 2006

War is not a solution for terrorism

Howard Zinn

NYT September 3, 2006

Donald Rumsfeld’s Dance With the Nazis

By FRANK RICH

FT September 4 2006

The world may regret the end of the neo-con era

By Gideon Rachman

(コメント) テロの起源は,むしろ国内社会の疎外にある,とJeremy Seabrookは考えます.その社会の経済的だけでなく,政治的,文化的,精神的な世界から,厳しく疎外された人々がいます.グローバリゼーションがそれを強めているのではないか? 持続不可能な形で世界を開発することでテロを制圧できるのか? これ以上に残酷な行為があるだろうか?

Jon Wienerは考えます.イラクは最終的に成功する? そんな歴史的証拠を求めて,アメリカによるフィリピン侵攻を指摘する者(LATMax Bootthe Atlantic Monthly Robert Kaplanなど)がいるけれど,それは間違いだ.しかしイラク戦争に反対する者でも,たとえば,Washington PostThomas E. Ricks は長期駐留を支持しています.民主的で安定した国家を作るために.軍事技術も,メディアも,国際的な支援も,今のイラクと19世紀末のフィリピンはまったく違います.そして歴史の評価は,常に,現実をめぐる論争なのです.

ラムズフェルドが常に強気の演説をして,激しい非難を浴びています.しかし,ラムズフェルドを失い,アメリカの軍事介入を失っても,国際社会はそれで良いのか? とGideon Rachmanネオコンを称えます.その創始者であるIrving Kristolが述べたように,ネオコンとは「現実を直視したリベラル」だから.理想を失ったアメリカ外交は,何を求めるのか?

イスラエルもアメリカも理解するべきです.大規模な軍事力の行使は,必然的に民間人を大量に殺害することになり,その政治目的を達成することもできません.戦争目的として,アメリカはイラクに民主主義と安定をもたらすと主張し,イスラエルは自国の安全を確保すると主張しました.大規模な暴力は無益です.


FT August 25 2006

Bernanke calls for fairer globalisation

By Krishna Guha in Jackson Hole

NYT August 25, 2006

Fed Chief Sees Faster Pace for Globalization

By EDMUND L. ANDREWS

YaleGlobal, 29, 31 August 2006

Why Globalization Is in Trouble ? Part I , Part II

Branko Milanovic

FT September 1 2006

Sweden's decision

NYT September 3, 2006

Off the Shelf: Aiming to Level a Global Playing Field

By STEPHEN KOTKIN

NYT September 3, 2006

The Jagged World

By DAVID BROOKS

FT September 4 2006

Global stability rests on sharing the gains

By Jan Kregel and William Milberg

Sept. 4 (Bloomberg)

Sweden Sends Message to Europe as Election Looms

Matthew Lynn

(コメント) バーナンキ連銀議長とグローバリゼーション? その組み合わせは,保護主義の台頭を避けるために,各国はグローバリゼーションが国民の福祉を高める効果を確実に発揮するように,政策や制度を改善するべきだ,という訴えを生み出します.バーナンキは,もちろん,世界最大の債務国家が保護主義による国際金融不安を恐れるというだけでなく,一種の,世界連銀議長でもあるからです.

グローバリゼーションとは,ヨーロッパが福祉国家を捨てるだけでなく,より多くの移民を受け入れて新しい民族となること,より肌の黒い,新しいヨーロッパを作ることだ,とBranko Milanovicは考えます.ヨーロッパ人はそれを嫌い,恐れ,拒むのです.ヨーロッパが社会的に固定し,中国やインドの製品やサービスに対して市場を失うのであれば,それも可能でしょう.しかし,グローバリゼーションをすべて拒むことはできず,各国はそのスピードと様態を変えるだけです.

特に,世界がもっと平等で,もっと貧困地域に優れた開発モデルがあれば,貧しい移民たちが仕事を求めて国を捨てる流れも抑えることができたはずです.皮肉なことに,こうした貧しい移民たちを利用できる企業はますます利益を上げ,所得格差を広げるでしょう.

だからスウェーデンや北欧は注目を集めます.選挙によって社会民主党が敗北したことで,スウェーデン・モデルもヨーロッパも変わるはずです.不良債権ではなく,高負担や若者の失業が,どれほど深刻な問題なのか? 人々は迷っているようです.

Dr. Stiglitzの新著 “Making Globalization Work” (Norton) は,何か答えを示すでしょうか? より平等なグローバリゼーションを,正しい政策や制度を選択することによって実現できます.アメリカが拒んでも,アジア諸国は協力して動き始めたように.

個人の思想や豊かさにおいて,グローバリゼーションは健全さを試されています.


FT August 25 2006

Sony

FT August 25 2006

Ford / Rubin

(コメント) デルとアップルが600万台のラップトップ型パソコンから欠陥バッテリーのリコールに応じています.その責任はソニーにあります.FTは,しかし,悲観していません.

むしろフォードの再建にルービン元財務長官が関わることを懸念します.企業の買収や再建には,お金だけでなく,政治力が要るわけです.


Aug. 25 (Bloomberg)

China Can't Shield Asia From a U.S. Slowdown Yet

William Pesek

FT August 29 2006

China's greed culture

(コメント) アメリカの消費が衰えても,中国の成長がアジアを救うか?


IHT FRIDAY, AUGUST 25, 2006

The use of force: Western military power is in crisis

Julian Lindley-French

LAT August 25, 2006

France Finally Steps Up

(コメント) アメリカの軍事力が信用を失い,世界から撤収しても,フランスやEUが各地の危機を救えるか?


FT August 27 2006

Policymakers fear ‘lumpy’ growth may not benefit all

By Krishna Guha

FT August 29 2006

The myth of central banks and inflation

By Kenneth Rogoff

Sept. 1 (Bloomberg)

`Wal-Mart Economy' Faces Audit at IMF Meeting

William Pesek

FT September 4 2006

Managers will miss the voice of the proletariat

By Stefan Stern

(コメント) あるいは,世界を救うのは中央銀行家と経済学者でしょうか? グローバリゼーションを正しく機能させる方策を彼らは求めています.

否,彼らは言うほどに現実を理解せず,まして勝手に動かすことなどできないかもしれません.バーナンキが指摘したように,1.中国,インド,旧ソ連圏が急速に世界市場と統合し,2.かつての工業諸国と発展途上諸国との貿易は逆転して,前者が後者からますます多くの工業製品を輸入しており,3.生産拠点は世界中に分散しており,4.金融市場が増大し,はるかに高度化しました.どこにも,これを指令した者はいません.

世界は,各国のマクロ管理政策ではなく,インフレ期待や為替レートによって大きく変化します.ある意味で,現実を動かすのは,ウォルマートや,世界中の労働者なのです.そして将来に備えて,アメリカ人はもっと貯蓄せよ.


LAT August 27, 2006

Citizenship Isn't a Split Decision

Gregory Rodriguez

BG August 28, 2006

Scapegoating immigrants

BG September 1, 2006

Xenophobia in hardcover

FT September 4 2006

How the migration estimates turned out so wrong

By John Kay

(コメント) 移民に市民権を認めるほうが良いのか? 将来の移民を正しく予想し,政策によって制御できるのか? ますます移民排斥が他の領域にも影響を広げます.


WP Sunday, August 27, 2006; B07

Unbind Japan's Military

By George F. Will

FT August 31 2006

Japanese economy

FT September 3 2006

Koizumi’s successor faces formidable challenges

By Douglas Turner

FT September 3 2006

Yen carry trade

(コメント) 世界を救うのは,日本や円でしょうか? 二十年前なら,円が? あるいは,今でも憲法9条を破棄して?


NYT August 31, 2006

The Next Industrial Giant Is ... India?

By KEITH BRADSHER

(コメント) インドでしょうか?


CSM August 30, 2006 edition

Welcome to world peace

By Charles Kurzman and Neil Englehart

Asia Times Online, Aug 30, 2006

The death of deterrence

By Gabriel Kolko

(コメント) アメリカがいないほうが平和になる?


FT September 1 2006

What is the IMF for?

The Guardian, Friday September 1, 2006

Growing old gracefully

Liz Stuart

(コメント) IMFは何のためにあるか? 固定レートを維持するブレトンウッズ体制は解体し,通貨危機への救済融資を繰り返す中で正当性を失ってきました.

アジア諸国は独自の行動を取りました.財政規律と外貨準備を増やせば,IMFなど無用なのか? 何よりも分担金の割合を変えて資本を増やす必要があります.しかし,ヨーロッパ諸国は既得権を失うような交渉を受け入れないでしょう.これはゼロ・サム・ゲームだから.

そして各国の中央銀行と同じように,政治からの独立性を示すことです.


FT September 2 2006

Time to confront Iran with a realistic deal

The Guardian, Saturday September 2, 2006

Iran: Defiance, divisions and dilemmas

(コメント) イランが中東の政治秩序を確立する?


FT September 1 2006

Lunch with the FT: Paul Kennedy

By Daniel Dombey

(コメント) 覇権の歴史を研究してきた歴史家の判断を聞きましょう.さて,日本の序列は? ・・・大国の興亡以後,もっともミステリアスな事件は「日本の減速(あるいは,凋落)」です.日本もイギリスのように格好良く衰退できるでしょうか?


LAT September 2, 2006

Celebrating Labor -- by Working

Meghan Daum

(コメント) 9・11とは何だったのか? 少なくとも,今年は労働者の祝日でした.


FT September 3 2006

Rome must reform to stay in the eurozone

By Wolfgang Munchau

Sept. 5 (Bloomberg)

Indian Currency Panel Wants Rupee to Risk Ruin

Andy Mukherjee

(コメント) 通貨や為替レートに関する考察です.ユーロが解体し,中国やインドが資本自由化を進め,世界が急速にドル化していく? もちろん,そんな未来もあるでしょう.


The Observer, Sunday September 3, 2006

Britain would benefit from Clinton's tough love

Will Hutton

The Japan Times: Monday, Sept. 4, 2006

Divisive changes in U.S.-ROK accord

(コメント) イギリスであれ,韓国であれ,アメリカとの付き合いには慎重さを要します.

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The Economist, July 19th 2006

Japan and its neighbours: Drawing Yasukuni’s sting

The UN and Lebanon: Robustly complicated

Israel: The blame game

Europe and the Middle East: To Israel with hate ? and guilt

Economics focus: The uses of adversity

(コメント) 賢明なる中国の大兄は,小泉なる小人が靖国神社参拝で日本の平和国家としての尊厳をボロボロにしても,悠然と見放すわけです.日本人は20世紀の前半を侵略に賭け,後半を平和に賭けた.どちらに学ぶのか? と.・・・まず靖国から始めなさい,とThe Economistは進言します.

レバノン戦争の終結を完成するには,やはり,国連軍が必要です.しかも,その主体はアメリカではなく,ヨーロッパです.ユーゴ内戦時,EU外交政策や安全保障はガタガタでした.この機会に,その後,大きな前進があったことを意欲的に示します.イスラエルでは,今や,いつも誰かが誰かを非難しています.電撃的な戦争に陶酔した歴史があったから? 軍事力の優位に何を期待したのか? ヒズボラ掃討はレバノン国民に支持されるはずだった? 予備役全体を投入して圧倒的な勝利を? ・・・

アメリカ人は,もう一度,不況の効用を思い出してはどうか?