8月10日 「食と住」
この日は積水ハウス納得工房を見学させていただいた。さまざまな点で感心するところがあった。
まず、整理と整頓と整理整頓は違うということを知った。整理とは見た目にきれいにすることである。机の引き出しがぐちゃぐちゃであっても、机の上がきれいになればいいのだ。整頓とは、見た目をすっきりさせることである。整理整頓とは、見た目のきれいさと見た目の美しさを兼ね備えたものである。積水ハウスはこの見た目の美しさをも兼ね備えた整理整頓をインテリアの面で重視しているのであろう。
次に、様々な部屋における工夫に驚いた。まずはリビング。積水ハウスがアンケートをしたところ、男性が仕事から帰って来てスーツを脱ぐ場所は、およそ9割の人がリビングと答えたそうだ。だから、リビングにはかつてなかった様々な収納ができるようになっていた。テレビ台などがそうである。ゴミ箱にも工夫が凝らされていた。ゴミ箱はゴミを入れる場所なのであまり人目について欲しくない。ということでゴミ箱の収納スペースまでできていた。次にキッチン。ここでも工夫が凝らされていた。食卓の上にある照明はある程度移動することできる。キッチンにある机の引き出しがお盆のようになっていて、それごと食卓に持っていけるつくりにもなっていた。和室には机があったのだが、それを畳むときれいに床になる。その他、バスタオルをティッシュのように取り出せる工夫や、引き出しが双方向から開けることができ、脱衣所で脱いだ服をそのまま洗濯室のある部屋に送れるなどの工夫がされていた。どうやらこれらの部屋では「見せない美しさ」が強調されているようだ。
そして、照明についても学んだ。様々な照明があった。照明はその照らし方の強弱や照らす位置や照らす照明の個数などによってその部屋における雰囲気がガラッと変わることに驚いた。
建物の構造も教えていただいた。地震をどのように軽減するか、いかに少ないエネルギーで部屋の暖をとるかなどである。
最後に妊婦体験や老後体験もさせていただいた。私は妊婦の体験をさせていただいたが、女性は大変だなと思った。妊婦には親切にしてあげなくてはならない。
積水ハウスを見学させていただいて感じたのだが、様々な点でそれまでにない工夫がされている。その工夫は、客のアンケートを参考にしているらしい。だから客のニーヅにも対応しているし、斬新なデザインであっても受け入れやすい。そして固定観念にとらわれない発想をしている。我々のプロジェクトでも積水ハウスでのこの経験をいかしていきたい。