13063158 法学部政治学科2回生佐々木麻子
6月20日 食物の五味、五性とその特徴
薬膳では、食物を味覚によって5つに分ける。これを「五味」といい、酸、苦、甘、辛、塩の五つである。中医学では、薬も食物も同様に味そのものがそれぞれ特有の効果を持っていると考えられている。五味はそれぞれ五臓六腑に入り、その働きを養うとされている。
酸味
■効果
出すぎるものを抑え、渋らせる作用、消炎作用、粘膜の表面に働きかけて分泌を抑える作用がある。
寝汗、下痢、多尿、遺精などの改善に用いる。
血圧降下にも良い。
■五臓六腑
肝、胆、眼、筋などを養う。
■主な食材
*温性→杏、梅、桃、レイシ、酢
*中庸→小豆、スモモ、ブドウ、リンゴ、レモン、ローヤルゼリー
*涼性→トマト、ミカン、枇杷、柚子、キウイ、梨
※食べ過ぎると、収斂作用により筋肉が緩み、唇が反り返る。
また、脾、胃を傷つけるので注意。
苦味
■効果
便秘解消、湿を乾かし、固める作用がある。
肝炎、高血圧、心疾患、リューマチ、体内に湿がこもって起きる病気に良い。
■五臓六腑
心、小腸、舌、血脈などを養う。
■主な食材
*温性→豚レバー、紅茶、酒、酢
*中庸→銀杏(食べ過ぎると毒になるので注意)
*涼性→菊花、慈姑、セロリ、レタス、百合根、緑茶、プーアル茶、浜納豆、牛蒡、苦瓜
※ 食べ過ぎると皮膚の光沢がなくなり、体毛が抜ける。
また、陽気が少なくなって胃腸を冷やしやすい。
大腸、肺を傷つけるので注意する。
甘味
■効果
衰えを補給し、緊張を緩め、痛みをとる作用がある。
諸薬の中和の役割をする。
■五臓六腑
脾、胃、唇、肌などを養う。
■主な食材
*温性→もち米、栗、棗、松の実、くるみ、南瓜、龍眼、エビ、太刀魚、なまこ、アナゴ、牛肉、鹿肉、鶏肉、羊肉(L-カルニチンが豊富でエネルギーを燃焼しやすくする)、鶏レバー、さくらんぼ、紅茶、酒、八角、黒砂糖、大豆油など。
*中庸→うるち米、とうもろこし、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、山芋、小豆、黒豆、豆乳、ソラマメ、えんどう豆、湯葉、ゴマ、蓮の実、キャベツ、椎茸、春菊、たまねぎ、にんじん、ほうれん草、スモモ、パイナップル、ブドウ、リンゴ、うなぎ、貝柱、牡蠣、鴨、牛レバー、豚肉、鳩の卵、牛乳、蜂蜜、白砂糖、氷砂糖など。
*涼性→大麦、小麦、そば、はと麦、豆腐、緑豆、菊花、くわい、きゅうり、金針菜、セロリ、もやし、大根、たけのこ、青梗菜、冬瓜、チシャ、トマト、なす、マッシュルーム、キウイ、スイカ、梨、バナナ、みかん、枇杷、メロン、柚子、あさり、シジミ、かに、海苔、鱧、緑茶、ごま油など。
※食物のほとんどは甘性である。
食べ過ぎると骨が弱くなり、毛髪が抜け、体がだるくなってブヨブヨになる。
また、腎、膀胱を傷つけるので注意が必要である。
辛味
■効果
身体を温め発汗、発散させ、気血のめぐりを良くする作用がある。
風邪、気管支系疾患、通風などに良い。
■五臓六腑
大腸、肺、皮膚、鼻、毛などを養う。
■主な食材
*温性→アブラナ、からし菜、にら、ねぎ、ピーマン、ラッキョウ、八角、辛子、胡椒、山椒、唐辛子、シナモン(ニッキ)、生姜、にんにく、大豆油、菜種油
*中庸→サトイモ、春菊、たまねぎ、ほうれん草
*涼性→大根
※食べ過ぎると人体の陽気や汗などを発散しすぎて逆に冷えるので注意する。
塩味
■効果
しこりを和らげ、潤し、下す作用がある。
バセドー氏病、リンパ腺の腫れ、しこり、便秘などに良い。
■五臓六腑
腎、膀胱、耳、骨などに良い。
■主な食材
*温性→なまこ、熊の掌
*中庸→鮑、いか、貝柱、くらげ、鴨、豚肉、豚の心臓、豚の腎臓、豚足、鳩肉、鳩の卵
*涼性→栗、大麦、アサリ、蜆、蟹、昆布、海苔、わかめ、ピータン、醤油、味噌、塩
※食べ過ぎると血が粘って顔色の光沢がなくなる。
また、腎から水を取りすぎて、人体を養い成長活動の元となるエネルギーを消失させてしまうので注意が必要である。
食物は熱性または寒性を表す。