13063158 法学部政治学科2回生 佐々木麻子

 

夏の食養生と薬膳の試食

 

 日本の夏は、現在の暦とズレのある二十四節気の5月上旬の「立夏」から8月上旬の「立秋」までとされている。この時期には「暑」に「湿」が伴う為に大変蒸し暑く、人体はその影響を知らず知らずのうちに受けるために暑熱が溜まってしまう。抵抗力や体力が低下している人にはこの「暑熱」が「暑邪」となって体調を崩す原因となる。暑邪は炎熱、上昇、発汗の性質を持ち、身体を涼やかにして体温を調節する機能を持っている。健康の為に一日一回は汗をかくべきとされるのもこのためである。しかし、過剰に汗をかくと、口や喉の渇き、唇や舌の乾燥、いらいら、息切れ、不眠などの症状が出てしまう。

 したがって、この時期の食養生には体の余分な熱を取り、汗で失った体液を補充する食べ物である枝豆、ナス、スモモや、スイカ、苦瓜、冬瓜といった瓜科の食物をとるとよい。このような夏に旬を迎える夏野菜には、身体を冷やし、体液を補充する作用のあるものがたくさんある。また、中医学では、多量の汗をかくとともに生命エネルギーである「気」も出てしまう為、それらを補う食物をとり夏バテを防ぐ事ができると考えられている。そして、こういった食事だけでなく、昼寝も夏を快適に過ごす秘訣である。

 

夏 *  五行→火

  五臓→心 

心の活動が火のように盛んになるために、“心火上炎”すなわち心臓の働きが

高ぶりやすくなる。

寝付けない、夢が多い、いらいら、顔面紅潮、動悸、喉の渇きなどにつながる

 

  現代医学ではこれらを「自律神経失調症、口内炎、不眠症、神経症」と称するが、中医学では「心」は血液の循環のほか、精神活動を調整をする大脳の働きの一部や自律神経系の働きも含むと考えられている。

  心臓の拍動の事を「心気」と言うが、心気が正常であれば血液は絶え間なく血管の中を流れて全身にホルモンや栄養分を運ぶ。新規の作用が弱くなってくると顔色も青くなり、動機や息切れ、不整脈などが出る。

 

  ⇒夏の食養生には、「清涼の働きで体の熱を取り、苦味で心臓系統を養う」食材の組み合わせが大切である。

 

 

 

【夏の食養生 薬膳の試食】

 

@     ローズマリーティー:抗酸化作用、細胞活性化、老化防止

 

 

A     合鴨肉の八角煮、生薬卵添え:

・鴨肉→身体を暖める作用が弱い

・卵→貧血予防、動脈硬化予防、栄養価が高い

・長薯→身体を潤す、老化防止作用、強壮

・生姜→抗酸化作用、血圧上昇、身体を温める

・八角→抗ウイルス、気を昇らせる

 

 

B     ヴィシソワーズ ミント風味:

・オニオン→血圧降下作用、気を昇らせる

・ジャガイモ→「寒」の性質、血圧降下作用

・セロリ→「涼」の性質、血圧降下作用、肝にこもった余分な熱を収める

・牛乳→血圧降下、安眠作用、栄養補給、身体を潤す

 

C     鱸の沢煮 清涼野菜添え:

・南瓜→ビタミンE、「潤」の性質を持ち、水分をためやすい

・茄子→暑熱を冷やす、夏バテ防止、利尿作用

・トマト→コレステロール値降下、熱を収める、消化を促進して肝のへ毒を助ける

 

 

D     鹿児島六白黒豚フィレ肉の香草パネグリエ:

・豚肉→ビタミンB1、身体に余分な熱をこもらせにくい

・ブロッコリー→ビタミンC、胃腸に優しい

・アーモンド→老化防止、栄養価が高い、消化しにくい血行促進

 

 

E     取り合わせサラダ Sauce Japaneise(和風ドレッシング):

・アスパラ→免疫力向上作用、カロチン、ビタミンC 

 

 

 

 

F     豆乳のババロア抹茶風味、フルーツ添え:            

・豆乳→「涼」の性質を持ち、肝にこもった余分な熱を取る、栄養補充、補血作用

・抹茶→抗酸化作用、「寒」属性で体を冷やす

 

G     ルイボスティー:活性酸素消去、抗酸化作用