2006/09/14  グループ4

食育と健康 

「食と農」(京野菜と食効・京都府立大学農場見学)中村考志先生・本杉日野先生

 

 食品機能性の一次機能は栄養素、二次機能は味・香り・歯ごたえ、三次機能は健康のために働く作用である。近年、がんの死亡率上昇などの影響により食品機能性のターゲットは「発ガン抑制」にある。また世界がん研究基金による「がん予防15ヶ条」はほとんどが食事に関するものである。

 しかし現在の日本の野菜で補えるのであろうか。日本の野菜は変化し続けている。地産地消型から長距離輸送型・大型仕入れ型へ変化したため輸送耐性、多収性、長期保存性が優先的に選抜され、また消費者嗜好の変化により、くせのないマイルドな風味の野菜に変化した。その結果、野菜に含まれる成分も変化しビタミンなどの栄養素が以前に比べ著しく減少している。

 そこで着目したいのが「京野菜」である。京野菜は全国に輸送する必要がなかったため、種・栽培方法が高度に保存され、味やその成分が残り、高い食品二次機能・三次機能を持っている。また伝統野菜は一般普及野菜に比べ生物的抗変異作用や発ガン抑制作用が強い傾向がある。

 

(まとめ)

野菜を食べることはほとんどすべての臓器のがんを抑制する可能性がある。

一般普及野菜の香りなどの変化は機能性成分の変化を意味する可能性もあり、品種が昔から維持されている京野菜は機能性成分も残っている。

昔から今に伝わる調理法は理にかなったもの、良いものが多いから伝統的な食べ方も重要視すべきである。