食育と健康 2006年11月8日
「食と運動」 グループ2
担当:井上敬先生(予防医学専門医)
《講義内容》
健康方程式を実践することによって、
50歳まで生きられる人は、100歳まで生きられるようになる。
「健康とは、肉体的、心理的及び社会的に健康な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」
WHO世界保健機関が発表したこのような健康の定義は、二重否定を用いることや、健康の定義に「健康」という語を用いていることから定義と呼ぶには少し問題がある。また、この定義通りの健康を手に入れるのは、容易ではない。
井上先生の健康に対する考え方
健康方程式:酸素+究食+感謝=健康
健康とは、生産的な心身の状態である。
(生産力とは知力ではなく、持久力である筋力のことを指す)
病気や死も健康な状態と同じ線上にあり、なだらかな移行によって繋がっている。生産力が0になった時、死と考える。
生産力の落ちる(命を縮める)原因→喫煙、肥満、悲観的思考
・ 100歳まで生きた人の共通点は前向きで、明るく、細かいことにこだわらないことである→結果的に楽観思考の方がよい。
・ 悲観的思考は感謝する気持ちを持つことで、楽観的思考に変わる。
→生命が不幸になるのは感謝の気持ちが足りないから。
朝食抜きに関して
春夏秋冬があるように体にもリズムがある。
空腹→運動→食事→睡眠
空腹とは、
空腹は運動をする合図である。ごはんを食べた後に空腹感を感じるのは、一時的に血糖値が下がるためである。
朝食が良くない理由(一部)
・ 政府が朝食を食べようと推進しているが、昔、日本人は午前11時と午後5時の2食の生活だった。国策として朝食を推進しているのは、日本だけ。
・ 肥満になる。←脳卒中、心筋梗塞の原因。
・ 胃がん(胃に物が入って運動するとなる)、大腸がん(大便が溜まるとなる)の原因になる。
・ 時間や食事の無駄になる
究食=休食+求食+球食
究食とは理想の食事習慣。朝は休食にして、体を整える。また、休食にすることで、より昼の求食(体が求めるもの)が美味しく感じられ、感謝が増す。夜は球食(体を構成し、整える大豆などのたんぱく質や野菜をとる。特に豆腐。)することによって、生産力を高めることができる。
《グループ2での朝食の代わりに野菜ジュースの結果》
生産力があがったかという面においては、朝食抜き肯定派と反対派に分かれるが、感謝力を高める面においては、共通して賛成意見であった。
今回の授業は前回のまとめだったので、《まとめ》は省く。
《感想》
先生への質問など聞いていて、私たちはどうしても朝食抜きがいいか悪いかに関してのみ、議論の中心が偏りがちになるが、一番大切なのは感謝力を上げることではないかと思う。実際、井上先生の仰しゃいます生産力というのは筋力のみを表すということからも朝食がいいか悪いかを正確に比較し、判断するのは難しいことだと思う。感謝力を上げるにはどうしたらいいかという、その一端に朝食抜きがあるという見方もできると思う。それは、戦時中とは比べ物にならない程、食が豊かになり私たちが食べることへの感謝する気持ちが薄れてしまっているから、感謝力を自ら上げる努力をしないといけないからだろう。そこを原点として、生産力が上がるのではないかと思う。
プロジェクト科目ということを念頭において、
今回は以前のまとめであったが、井上先生の講義は、朝食は食べないといけないという固定概念を覆し、休食を薦めるというもの(朝食がいいと思っていた人々に朝食抜きをプロデュースするもの)であったが、何か目新しいことをプロデュースすることは非常に大変なことだと実感した。また、哲学的思想を持ち込みながら精神の自由を説くなど、人に説得させるためのアプローチの方法も勉強になった。