グループレポート                     グループ2 

『食育と健康』夏の症状と食養生

 

・調理実習の感想

今回、自分たちで調理し、盛り付けたことによって、料理がより美味しく感じました。

無駄のない野菜の切り方や段取りのよさなどプロ意識を垣間見て、普段の料理でも活かそうと思いました。実際、食材を目にすることによって、夏野菜は水分が豊富で、色彩豊かで栄養価が高いことが実感できました。また、辻岡さんに「味見」の必要性を教えてもらいました。最低味見は三回したほうがいいと、どこかの料理家も言っていましたが、味付けの段階や煮たり炒めたりしながら味見をすることが、料理の上達に欠かせないと思いました。人によっては完成してから味見して、「まあ、こんなもんか」と言ってそのまま食卓に出してしまいますが、もう少し早めに味見をすればいくらでも改善の余地があるのではないでしょうか。味見というのは、いわばやったことの確認です。塩を入れたら確認、胡椒をいれたらまた確認。塩加減一つとっても、薄くもなく塩辛くもなく、ちょうどいい加減にするには少しずつ足して味見をするのがいいと思いました。

 

・夏の食養生

夏は抵抗力が弱っている時、体に諸熱を溜めたり、夜更かしをすると「暑邪」になりやすい。春の食養生と同じく、気・血・津水を補う必要があり、トマトやナス、冬瓜などの旬の食材で体の熱を冷まし、利尿作用によって熱と湿気を取る必要がある。(大量の汗からの水分の発散は気やエネルギーを消耗するので避けるべき)

また体系学に見られるように冷奴なども薬味と一緒に食べるというような工夫によって、食材の組み合わせを考えた食事も必要である。

 

 

     「夏のコース」の気になったメニュー

今回、野菜をふんだんに使っていて、見た目の彩りも美しく美味しかったので『茯苓風味のスズキ魚のバトネ、エスカベッシュ風』に注目してみた。

〈使われていた主な食材〉

ピーマン・・・清熱除煩・平肝和胃

       ビタミンCは緑のピーマンに100g中79mg、赤色「クイ−ベル」には170mg、黄色「キングベル」には150mg含まれている。

魚や肉と組み合わせれば、肉や魚のビタミンB₁やタリウムとピーマンのビタミンC(※1)、β−カロチンが協調して疲労回復、美容に役立ちます。

       油と一緒に炒めると、カロチンの利用率を高めます。

(※1)ビタミンC・・・抗酸化作用や粘膜を丈夫にする作用。疲労回復などがある。成人が

一日に必要な量は100g。ビタミンCの分解酵素を持つニンジン・キュウリと一緒に食べないようにすべき。

とうがん・・・清熱利水腫・清肺化痰排膿

       ビタミンCが豊富で、利尿作用がある。腎機能が低下した人、体を冷やす

       とよくない体質「気血両虚」や「妊婦」など、もともと水分不足な「陰虚」

       の人は控えめに。

なす・・・清熱・活血止血・消腫止痛・袪風活絡

冷やす性質の強い野菜なので、夏バテ解消の働きをする。胃腸を冷やすので、胃腸の弱い人、冷え性の人にはよくないが、しょうがを加えるとナスの「寒性」を弱めることができる。

疲労回復によい豚肉やニンニクと食べると、夏バテ解消の効果がさらに期待できる。

たまねぎ・・・利水消腫など

とまと・・・解暑清熱など

茯苓・・・利尿作用など

(まとめ)

食材の食べ合わせを考えた構成になっており、また夏の食養生に適った食材ばかりを使用していることが分かった。

 

     最後に

健康で、美味しくいただくという辻岡生隆先生の薬膳の料理は、肉や魚をなるべく食べない、甘いものを食べないという、抑制的な食事方法とは違い、美味しく組み合わせを考えており、心身ともに満足のいく食事方法で良いと思いました。