【担当教官 】戸田裕之(とだ ひろゆき)
【教官連絡先】06-6879-7733
【履修対象 】電子情報エネルギー工学科[通信工学コース](4年次)
【単 位 数】2
【セメスター】7
【受講要件 】回路理論I、II、電磁波工学I、IIを履修していることが望ましいが、それ以外の学生にも理解できるよう講義する。
【概要・目的】
通信工学の分野における測定の果たす役割を理解させ、測定の基礎的理論、測定に用いる機器の構成などの説明を通して、今後、研究や実験などを進めるに当たって必要となる通信測定の技法に関する理解を深めることを目指す。

【授業計画】  ( )内は講義回数

  • 測定の基礎理論(3回)
    通信測定に限らず一般の測定に必要な知識として、単位、絶対測定、標準器などの概念を解説する。また、誤差の扱いについても触れる。

  • 測定機器の基礎知識(2回)
    測定機器特に電気測定機器について、その基本構成を示し、測定機器の基礎的理解を深める。

  • 通信測定の基礎知識(4回)
    通信測定において重要な意味をもつ、電流、電圧などの測定について、直流及び交流での測定方法を示し、実効値、平均値、波形率などの説明を行う。

  • 測定機器の動特性(1回)
    測定機器の特性を特徴付ける、静特性と動特性のうち、通信測定において重要な意味をもつ動特性の説明を詳しく行う。これにより、被測定物理量に応じて測定機器を選定する必要のあることを理解する。

  • 通信測定の応用(5回)
    通信測定の実際の応用例として、波形・周波数の測定、マイクロ波の測定(スミスチャートなど)、ネットワークアナライザなどを説明し、測定分野における通信測定の位置づけを明確にする。また、イーサネットワークに流れるパケット量の測定などの例を通して、物理量測定のみならず様々なレベルでの測定の必要性を論じ、通信工学における測定法の重要性を理解させる。


  • 【教科書 】管野允著「改訂電磁気計測」、コロナ社
    【参考文献】阿部武雄、村山実著「電気・電子計測」、森北出版  山口次郎著「大学課程電気電子計測」、オーム社
    【成績評価】主に期末試験により評価する。出席も評価に加味する。
    【コメント】通信の分野に限らず、工学における測定のもつ意味は大きい。この講義では、一般の測定に関わる基礎知識、通信計測の基礎としての電圧や電流などの電気計測のみならず、通信工学に特有の測定方法などについて説明する。本講義により、将来研究活動を展開する上で重要な、測定に対する知見を深める。