当部門では、組織工学の技術を用いて、神経細胞ファイバーを作製する技術の確立を目指します。次に神経細胞ファイバーを脳に移植し、新たな神経回路を創出する技術の確立を目指します。さらに、これらの技術を用いて、神経回路創出による脳機能の回復と拡張を目指します。 神経回路創出による脳機能の回復に関しては、脳損傷部位のバイパスや神経疾患で途切れた神経回路の再生医療につなげられたらと考えています。神経回路創出による脳機能の拡張に関しては、構成的アプローチ(げっ歯類の脳に霊長類特有の神経回路の創出)によって、霊長類の脳の理解につなげられたらと考えています。 脳機能の回復や拡張時の脳活動の変化に関しては、高速で広視野のin vivoカルシウムイメージング可能なマクロズーム・多点走査型共焦点顕微鏡を用いて、解明を目指します。
2024.9.10
西村准教授の和文総説が表面と真空に掲載されました。
2024.9.6
D1沼田さんが「バイオ超越」夏合宿において優秀ポスター賞を受賞しました☆
2024.8.30
西村准教授が日本薬学会薬理系薬学部会の奨励賞を受賞しました☆
2024.7.25
西村准教授の総説がFrontiers in Neural Circuitsに掲載されました。
2024.7.7
西村准教授が医療薬学フォーラム2024/第32回クリニカルファーマシーシンポジウムにおいて優秀ポスター賞を受賞しました☆
2024.4.22
尾崎准教授の論文がExperimental Brain Researchに掲載されました。
2024.2.14
尾崎准教授の総説がJournal of Rehabilitation Neurosciencesに掲載されました。
2024.1.26
西村准教授の論文がRegenerative Therapyに掲載されました。
2023.7.25
西村准教授の論文がNeuropsychopharmacology Reportsに掲載されました。
2023.6.14
西村准教授の論文がSTAR Protocolsに掲載されました。
2023.3.1
西村准教授の論文がBiological and Pharmaceutical Bulletinに掲載されました。
2023.1.1
西村准教授の和文総説が日本薬理学雑誌に掲載されました。
2022.11.17
西村准教授の論文がStem Cell Reportsに掲載されました。
2022.9.13
脳研リトリートが実行委員長 中島さんを中心に盛大に開催されました。
2022.6.29
尾崎准教授の論文がNature Communicationsに掲載されました。
2022.4.1.
中島さん(D1)がラボに参加しました。
2022.4.1.
西村准教授が着任しました。
2022.4.1.
尾崎准教授が着任しました。
准教授 Research associate professor
西村 周泰
Kaneyasu NISHIMURA, Ph.D.
kannishimail.doshisha.ac.jp
准教授 Research associate professor
尾崎 弘展
Hironobu OSAKI, M.D., Ph.D.
hosaki
mail.doshisha.ac.jp
インターン生募集中です。研究を行って学会発表をしてみませんか?
関川 幸絵 Yukie SEKIKAWA
准教授 Research associate professor
西村 周泰
Kaneyasu NISHIMURA, Ph.D.
kannishimail.doshisha.ac.jp
神経細胞は一度失ってしまうと再生できない細胞ですが、もし我々ヒトが、失った神経細胞を再生す能力を有していたならば、自らの力で神経疾患のうちいくつかは克服できていたかもしれません。脳を構成する神経細胞は一体どのように形成され、お互いにネットワークを作っているのだろうか?そしてその動的で複雑な脳神経細胞の形成過程を解読し、神経細胞を作る技術が確立できれば、人々の健康維持・増進への貢献や神経変性疾患の治療に応用できると考え研究を進めています。
現在、再生医療の分野ではヒトES/iPS細胞のような多能性幹細胞から誘導した神経前駆細胞を用いた細胞移植や、脳内の他の細胞から直接神経細胞へ変換的に誘導するダイレクトリプログラミングなどを駆使して、失った神経細胞を補う治療法の開発が進められています。私たちはヒトiPS細胞を用いて、神経変性疾患の一つであるパーキンソン病に焦点を当てて、失われた中脳ドパミン神経回路網の機能形態的再生に繋がる基盤研究を進めています。
また幹細胞誘導技術を基盤とした神経オルガノイドの作製やゲノム編集技術およびイメージング技術など取り入れながら脳疾患の分子病態の再現と創薬の観点からの新規治療戦略の開発も進めています。
1) ヒト脳発生の再現による神経細胞の誘導法の研究
2) 細胞運命の操作による神経細胞創出法の研究
3) 神経変性疾患の病態再現と機能再生的治療法の研究
1) Nishimura† et al., Stem cells Dev., 31 (11-12), 269-277 (2022). †責任著者
2) Amimoto* and Nishimura*,† et al., Stem Cell Res., 55, 102486 (2021). *共筆頭著者、†責任著者
3) La Manno, Gyllborg, Codeluppi and Nishimura et al., Cell, 167 (2), 566-580 (2016).
4) Nishimura et al., Stem Cell Reports 6 (4), 511-524 (2016).
5) Samata Doi and Nishimura et al., Nat. Commun., 7, 13097 (2016).
准教授 Research associate professor
尾崎 弘展
Hironobu OSAKI, M.D., Ph.D.
hosaki
mail.doshisha.ac.jp
多くの患者さんが痛みを訴えて病院にかかるように、痛みは体の不調を知らせる大切なシグナルです。 しかし、「痛み」は脳内で生み出される現象であるため、患部の治療だけでは痛みを除去できないことも多くあります。 痛みを生み出す神経回路の働きを理解することにより、治療困難な疼痛へのアプローチを目指します。
・大脳一次体性感覚野において、痛み感覚がどのように処理されているのかを解明しました。
Osaki# et al., Nature Communications (2022) #共責任著者
・感覚系視床における抑制性神経核である視床網様核がどのように特定のシグナルを大脳へ選別して伝えているのかを解明しました。
Osaki# et al., Neuroscience Res. (2018) #責任著者
脳梗塞等で脳神経回路が損傷すると、本来の機能が失われ、さらにその失われた機能を別の領域で代償するといった様々な反応が起こります。 こうした変化を捉え、理解することは、今後、開発が進む神経回路再生医療にも役立つ知見になると考えられます。また、そういった変化をうまく活用し、より一層機能回復を促す手法の開発を目指します。
Fukui*, Osaki*# et al., Scientific Reports (2020) *共筆頭著者、#共責任著者
Ishii*, Osaki* et al., Behavioural brain research(2021) *共筆頭著者
Sato*, Itokazu*, Osaki* et al., eLife (2019) *共筆頭著者
・電気生理学(OpenEphys)
・Ca2+イメージング・内因性シグナルイメージング
・オプトジェネティックス(ガルバノミラー制御による刺激位置走査など)
・電子工作とプログラミング技術を組み合わせた行動実験装置
といった様々な手法を適宜組み合わせて、研究を行っています。
Recent advances and applications of human brain models. Kaneyasu Nishimura*, Hironobu Osaki, Kotaro Tezuka, Daisuke Nakashima, Shintaro Numata, Yoshito Masamizu
Frontiers in Neural Circuits (in press)
〒610‐0394 京都府京田辺市多々羅都谷1-3訪知館3階