窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書
下名の全権委員は、各自の政府の名において、
窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及びこれらと類似のすべての液体、物質又は考案を戦争に使用することが、文明世界の世論によつて正当にも非難されているので、
前記の使用の禁止が、世界の大多数の国が当事国である諸条約中に宣言されているので、
この禁止が、諸国の良心及び行動をひとしく拘束する国際法の一部として広く受諾されるために、
次のとおり宣言する。
締約国は、前記の使用を禁止する条約の当事国となつていない限りこの禁止を受諾し、かつ、この禁止を細菌学的戦争手段の使用についても適用すること及びこの宣言の文言に従つて相互に拘束されることに同意する。
締約国は、締約国以外の国がこの議定書に加入するように勧誘するためあらゆる努力を払うものとする。その加入は、フランス共和国政府に通告され、同政府によりすべての署名国及び加入国に通告されるものとし、同政府による通告の日に効力を生ずる。
この議定書は、フランス語及び英語の本文をともに正文とし、できる限りすみやかに批准されなければならない。この議定書には、本日の日付を付する。
この議定書の批准書は、フランス共和国政府に送付するものとし、同政府は、直ちに各署名国及び各加入国に対し当該批准書の寄託を通告する。
この議定書の批准書及び加入書は、フランス共和国政府に寄託しておく。
この議定書は、各署名国につきその批准書の寄託の日に効力を生ずるものとし、その署名国は、その時から、すでに批准書を寄託している他の署名国との関係において拘束される。
以上の証拠として、全権委員は、この議定書に署名した。
千九百二十五年六月十七日にジュネーヴで、本書一通を作成した。