海洋法に関する国際連合条約

第十条 湾
1 この条は、海岸が単一の国に属する湾についてのみ規定する。
2 この条約の適用上、湾とは、奥行が湾口の幅との対比において十分に深いため、陸地に囲まれた水域を含み、かつ、単なる海岸のわん曲以上のものを構成する明白な湾入をいう。ただし、湾入は、その面積が湾口を横切って引いた線を直径とする半円の面積以上のものでない限り、湾とは認められない。
3 測定上、湾入の面積は、その海岸の低潮線と天然の入口の両側の低潮線上の点を結ぶ線とにより囲まれる水域の面積とする。島が存在するために湾入が二以上の湾口を有する場合には、それぞれの湾口に引いた線の長さの合計に等しい長さの線上に半円を描くものとする。湾入内にある島は、湾入の水域の一部とみなす。
4 湾の天然の入口の両側の低潮線上の点の間の距離が二十四海里を超えないときは、これらの点を結ぶ閉鎖線を引き、その線の内側の水域を内水とする。
5 湾の天然の入口の両側の低潮線上の点の間の距離が二十四海里を超えるときは、二十四海里の直線基線を、この長さの線で囲むことができる最大の水域を囲むような方法で湾内に引く。
6 この条の規定は、いわゆる歴史的湾について適用せず、また、第七条に定める直線基線の方法が適用される場合についても適用しない。