竹内 穂波
布施 晶子
伊藤 通子
赤井 圭子
吉崎 千春
石原 和佳枝
最終更新日 2002年11月20日
同志社大学新町キャンパスの地下にある整理室。じつは、さまざまな人たちのるつぼでもあります。今回は、同志社大学の構内とは一風変わった雰囲気の、新町キャンパス地下の整理室。その中では学生アルバイトに混じって、ひときわ仕事のてきぱきした女性の姿が見られます。常勤アルバイトとして働く彼女たちは、いったいどのような思いで作業に接しているのでしょう。今回は、彼女たちの声を聞いて見ました。
今までの生活の中で触れることのなかった中世・近世etcに姿を消した遺物たちが、現代の私の手が触れている不思議な感覚は、整理作業に携われた貴重な体感です。作業中私は、土の衣をいかに素早く・美しく落とし、接合しあう遺物たちを数多く出会わせることが楽しみで、日々、遺物たちの呼び会う声に耳を傾けています。
(竹内 穂波)
瓦と土器の仕分けも分からない素人の私が発掘に携わり8か月が過ぎます。初め何もない部屋を見て本当に土器は出るのか、私に発掘の仕事が出来るか不安一杯でした。ところが始まると山のような土器と格闘してる毎日です。何百年という時を経て現代に出てきた土器を見ると時間の流れの凄さを感じます。通常では体験出来ない直接歴史に触れる貴重な仕事にやり甲斐を感じます。
(布施 晶子)
私は発掘に関しては、未経験です。発掘に携わって、8ヶ月が過ぎました。作業はたくさんの人によって成されています。地層などから、その時代の事なども分かりますが、その時代の宝物(夢)探しをしている様にも思います。
(伊藤 通子)
この仕事を始めた当初は出土して洗浄された後の遺物を、戸惑いながら分類していました。
毎日分類しているうちに徐々に見分けがつくようになり、慣れもあり要領良く仕事をこなしていくことが出来るようになりました。
(赤井 圭子)
歴史の事なんて全くといっていい程わからない私が、はたしてこんな重要な遺物を触ったりしていいのかと思いながらそれでも日々楽しく働いています。中でも一番楽しいのは接合作業で、かなりストレス発散にもなっています。この先整理室が閉鎖されてしまったら私のストレスは一体どうなるのでしょう。
(吉崎 千春)
発掘調査現場に行き火災層と見られる断層に触れ歴史の足跡を感じました。「室町殿」があった時代の土地利用、(火事や建替えなどにより、おおむね6期に分けられるそうですが)遺構を見学し、3代将軍義満の約20年間の最盛期、水面一町の大池に滝もつくられた風景、6代将軍義教の約10年間、後花園帝の行幸もあり、池に舟も浮かべられる風景等、室町殿が機能していた様子を想像しました。また、鋤柄先生に洛中洛外図も見せて頂き勉強になりました。
休日に、京都文化博物館の「ガンダーラとシルクロードの美術」で、大学会館から出土される遺物と同じような陶磁器を見ました。また、常設展ではみごとに注記・接合された壷も拝見しました。遺物への注記・接合等という一連の日常作業にさらに興味が湧き参考になりました。
これからもこの発掘作業に参加させて頂くことを嬉しく思います。また、東方文化の遺物への影響が見られれば楽しいと思います。
(石原 和佳枝)