松田 度
同志社大学 歴史資料館 調査研究員
同志社大学 大学院 博士課程後期
最終更新日 2004年2月25日
新大学会館(仮称)のなかに、井戸がつくられることになりました。と言っても、地下水が湧いてくるのではなく、「歴史」の湧いてくる井戸です。この「井戸」は、のぞけば「あふれ出てくる歴史の流れが見える」というコンセプトにちなんだ、会館の歴史展示のひとつです。
場所と構造
場所は、会館の中庭予定部分から西側の建物内へ入ってすぐの位置、前回紹介した「壁の穴」の南側にあたります。
井戸は、一辺1.33mの正方形で、深さ40cmの地面に20インチの液晶モニターが埋め込まれたもの。このモニターは、地表面に張られた強化ガラスを通してのぞき込めるようになっています。
内容
モニターをのぞき込むと、本学の今出川・新町キャンパスや大学会館の写真が、画面の奥から湧き上がるように出てきます。そしてゆっくりと回転しながら、次々と写真が湧き上がってきて、次第に大きくなりつつ、画面外へと消えてゆきます。
内容は、明治時代から現在までの本学今出川・新町キャンパスと大学会館にかかわる写真が中心で、3分程度の時間内で春夏秋冬、昼と夜、キャンパスの日常風景といった写真が展開します。
とくにクラーク記念館、ハリス理化学館といった建物の写真は、キャンパス内に重要文化財の建築を数多くもつ同志社大学ならではの写真構成といえます。
この内容については、たとえば現在行われているクラーク館の改修や、新町キャンパス南の新研究室棟の建設が終われば、次々にリニューアルするといったかたちで、大学の変化に合わせて随時更新してゆく予定です。
新大学会館がオープンしたら、みなさんもこの「井戸」のそばを通る機会があるかもしれません。そのときはふと立ち止まって、のぞきこんでみてください。