竹井 良介
同志社大学 文学部文化学科 1回生
松本 尚子
同志社大学 文学部文化学科 1回生
大橋 優美
同志社大学 文学部文化学科 2回生
斎藤 夏果
同志社大学 神学部 3回生
松田 度
同志社大学 歴史資料館 調査研究員
同志社大学 大学院 博士課程後期
最終更新日 2003年10月24日
紅葉も深まる今日この頃。11月2日に開催されるホームカミングデーに向け、歴史資料館でも二つのミニ企画展をスタートさせました。ひとつは、新町キャンパス第1従規館地点の発掘調査をもとにした展示。もうひとつは、京都市左京区にある岩倉大鷺町での発掘調査成果の紹介です。
第1従規館地点の展示では、当地にあったと伝えられる中世法華宗寺院の本満寺にスポットを当てて、発掘調査から得られた歴史情報とあわせ、どのような仮説が考えられるのか、といった点に展示のウェイトをおいています。
岩倉大鷺町の展示では、当地では初めての発見となった条里地割遺構も重要ですが、できるだけ遺跡の情報を正確に伝えるため、近代以降の遺物についても紹介する事にしました。
なお、今回の二つの展示は、本学の学部生有志が中心となって、企画から展示資料の選択、レイアウト、解説パネルの作成までをやりとげてもらったところが「みそ」です。
まだまだ文章の組立やレイアウトのバランスなど、こなれていないところもありますが、それをカバーするのが、展示を通じて真剣に何かを学び取ろうとする意欲です。さっそく、展示完成後、彼・彼女らの感想を聞いてみました。
自分は、今回の第1従規館地点の展示で文章の作成を担当したが、とてもやりがいのある仕事であった。いろいろ文献をしらべていくうちに、自分のしらなかったことや勘違いしていたことが数多く見つかってとても勉強になった。また次回も機会があったら参加したい。(竹井)
普段、展示を見る側で、展示を作る立場に立った事はなかったのでとても良い経験になりました。松田さんのお話をうかがって、現代に直接つながっている近代の遺物もとても大切だとわかりました。今まで、遺物は古ければ古い方が価値があるものだと信じ込んでいたので、違った見解を知ることができて、考古学に対する新たな視点ができたと思います。(大橋)
発掘から実測、そして報告書のためのデジタルトレースとそのレイアウトまで、最初から最後まで関わった、自分の子どものようにも思える遺物たちを展示するのは、とても楽しい仕事でした。展示用に選び出されてきた子たちに名札を作ってやり、一人一人に応じた並び方を考え、最後はガラスケースの中にきちんと整列させる。遺物がほとんど破片なので、派手ではないけれど、とてもシンプルでわかりやすい展示になったように思います。岩倉大鷺町発掘の速報展、どうぞご高覧下さい。 (斎藤)
私は展示当日のお手伝いをしただけなのですが、すこしでも多くの人たちにこの展示を見てもらえたら、と思いました。見どころは、後ろの入口すぐにある岩倉の展示です。ひとつだけルーペのついた遺物を、じっくり見てください。(松本)
この展示、来年の1月まで続きます。展示をつうじて、学生たちの想いをも感じ取ってもらえたら、と思います。