吉田 みゆき
同志社大学文学部 3回生
松本 尚子
同志社大学文学部 2回生
最終更新日 2004年9月16日
残暑の北志寮地点で、さまざまな体験をする学生たち。今回は二人の学生にちょっと声をかけてみました。
>松本さーん!調査の手伝いだいぶがんばってくれてるね。
現場のトレンチのそばに、ぼけーっとつっ立っている人がいます。非常に小汚いかっこうをしていて、画板を持っています。
こいつはいったい何をしているんだろうか…。と思いでしょう。
答えは簡単。遺構の概念図を書き遺構番号をつけ、出土場所を書いたラベルを遺物かごに入れたりという仕事です。ときどき、写真撮影の補助をしたり、発掘風景を デジカメで記録したり、現場で掘っている学生さんの邪魔をしに行ったり、先生と野球の話で盛り上がったり・・・。その人は、こんな仕事を任されてから、遺跡全体のこともよくわかって大変勉強になります、と言っていたということです。
松本さんのおかしな体験記。写真のとおりぼーっと立っていますが(笑)、いざというときは頼りになる人です。
>吉田さーん!はじめての発掘作業はどう?
はじめて発掘に参加させていただき、実際に遺構を掘ってみて、道具がなかなか思ったように使えず、今まで見学していたときに見てきた現場の方々が、いかに熟練した技術で掘っておられたかに気づきました。発掘した土の中から遺物を探すのですが、ふつうの石と遺物の区別がなかなかつかず、「これは遺物に違いない!」と思っていたもののほとんどが石で驚きました。それでもその中には瓦や土器などもちゃんとあって、大切な遺物を発見できた喜びに心躍りました。土と石ばかりだと思う中にも、思わず見過ごしてしまいそうな遺物が含まれていることがわかって、きちんと見分けることのできる知識と洞察力を身につけたいと思いました。一日の最後に、掘っていた石の枠がきれいにつながり、とても感動しました。今日は釘や焼けた粘土もたくさん出てきたので、あの場所に何があったのかなあ、といろいろ考えながら帰路につきました(この遺構は後日、石組みの井戸になることがわかりました)。
吉田さんの体験記。素直な驚きから、好奇心がうまれるんだ!