発掘物語2 | 執筆記事|同志社大学歴史資料館

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概報作成中!!

松田 度
同志社大学歴史資料館非常勤嘱託職員
同大学院博士課程後期

最終更新日 2002年8月3日

 最近日差しがどんどん強くなってきました。この真夏日のなか、同志社大学会館地点の調査も佳境にはいってきました。並行して進めてきた新町校地北別館地点の整理作業もようやく一段落し、今ようやくその調査概要の報告(略して概報といいます)の作成をはじめたところです。

 報告の内容は、調査で得られた情報のダイジェスト版ということになります。とくに、鋳造関係の資料と金属製品の報告に重点を絞って報告する予定です。

 この北別館地点の調査では、遺跡から得られるさまざまな情報について、写真測量による記録という手法に加え、デジタルデータによって編集するという方法を採用しています。写真測量という手段をとれば、手書きの記録とはくらべものにならないほど手早く、正確に、多くの情報を記録することができます。そしてデジタルデータによる編集は、保存されたデータのなかから、手早くほしい情報だけを拾い上げることもできる、という利点をもっています。今回は、その活用法と成果の一部を紹介する、ということにもなります。

 概報に掲載する予定の図としては、調査区のインデックスとなる最終調査面の全体図、地山面のコンター(地形の等高線)をもとにした旧地形の復元図、調査成果のメインとなる江戸時代の鏡作り工房群の全体図などを準備しています。実際は、いっしょに仕事をしている測量会社の人達と協力して、私たちの手元にある調査中のメモ(遺構番号を記録した概念図や、デジタルカメラのスナップ写真)を参照しながら、データのおかしなところを修正し、正式な図に仕上げてゆく作業が必要で、現在その仕事に追われているところです。出土した遺物については、手書きの実測図(土師器皿)以外に、デジタルカメラによる写真実測をおこなったもの(陶磁器や鏡の鋳型)の図も用意しています。

 また、大学会館地下の調査事務所で、発掘調査の合間に急いで撮影した遺物写真(上手く撮れたのかなあ…)も掲載する予定です。乞うご期待?! 


資料は膨大です。


鋭意作成中!!



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