3.2 円形導波管のTE$_{1n}$およびTM$_{1n}$モードの特性
円形導波管の基本モードはTE$_{11}$モードであり,これに関連する周方向の次数$m=1$のモードについて偏波方向を考えてみる.上式の上側より,
\begin{gather}
\VEC{e}_{1n}
= \frac{A_{1n} \bar{\chi}_{1n}}{2a}
\Big\{ J_0 \left( \bar{\chi}_{1n} \bar{\rho} \right) \VEC{a}_x
+ \ell J_2 \left( \bar{\chi}_{1n} \bar{\rho} \right)
\big( \cos 2 \phi' \VEC{a}_x + \sin 2 \phi' \VEC{a}_y \big) \Big\}
\end{gather}
中心$\bar{\rho}=0$では,
$J_0 (0)=1$,$J_2(0)=0$ ゆえ,このとき電界
$\VEC{e}_{1n}(0)$は$x$方向偏波となっている.そして,主偏波の非対称性および交差偏波成分は上式の第2項によるものである.一方,下側については,
\begin{gather}
\VEC{e}_{1n}
= \frac{A_{1n} \bar{\chi}_{1n}}{2a} \Big\{
\ell J_2 \left( \bar{\chi}_{1n} \bar{\rho} \right)
\big( \sin 2 \phi' \VEC{a}_x - \cos 2 \phi' \VEC{a}_y \big)
+ J_0 \left( \bar{\chi}_{1n} \bar{\rho} \right) \VEC{a}_y \Big\}
\end{gather}
このとき,中心 $\bar{\rho}=0$ での電界$\VEC{e}_{1n}(0)$は$y$方向偏波である.