多層誘電体基板中に面電流源がある場合

 図のように誘電体(厚みd1の多層誘電体基板)と誘電体(厚みd2の多層誘電体基板)の境界面(z=0)に面電流源がある場合を考える. そして,領域(2)の基本行列が次のように与えられているものとする. (1)(E~2(0)H~2(0))=[F(+)](E~2(d2)H~2(d2)),   [F(+)]=(F11(+)F12(+)F21(+)F22(+))
多層誘電体基板中に面電流源がある場合
逆は, (2)(E~2(d2)H~2(d2))=[F(+)]1(E~2(0)H~2(0)),   [F(+)]1=(F11(+)F12(+)F21(+)F22(+)) このとき,z=d2の接線電磁界の連続条件より, (3)E~2(d2)=E~3(d2)(4)H~2(d2)=H~3(d2) また,領域(3)(zd2)では,後進波が存在しないことから, (5)H~3(d2)=Y3E~3(d2) これより,z=0においてz0の誘電体を見た入力アドミタンスYin(+)は, Yin(+)=H~2(0)E~2(0)=F21(+)E~2(d2)+F22(+)H~2(d2)F11(+)E~2(d2)+F12(+)H~2(d2)=F21(+)E~3(d2)+F22(+)H~3(d2)F11(+)E~3(d2)+F12(+)H~3(d2)=F21(+)E~3(d2)+F22(+)Y3E~3(d2)F11(+)E~3(d2)+F12(+)Y3E~3(d2)(6)=F21(+)+F22(+)Y3F11(+)+F12(+)Y3 同様に,領域(1)の基本行列が次のように与えられているものとする. (7)(E~1(d1)H~1(d1))=[F()](E~1(0)H~1(0)),   [F()]=(F11()F12()F21()F22()) 逆は, (8)(E~1(0)H~1(0))=[F()]1(E~1(d1)H~1(d1)),   [F()]1=(F11()F12()F21()F22()) このとき,z=d1の接線電磁界の連続条件より, (9)E~1(d1)=E~0(d1)(10)H~1(d1)=H~0(d1) また,領域(0)(zd1)では,前進波が存在しないことから, (11)H~0(d1)=Y0E~0(d1) これより,z=0においてz0の誘電体を見た入力アドミタンスYin()は, Yin()=H~1(0)E~1(0)=F21()E~0(d1)+F22()H~0(d1)F11()E~0(d1)+F12()H~0(d1)=F21()E~1(d1)+F22()H~1(d1)F11()E~1(d1)+F12()H~1(d1)=F21()E~1(d1)F22()Y0E~1(d1)F11()E~1(d1)F12()Y0E~1(d1)(12)=F21()F22()Y0F11()F12()Y0 そして,z=0 におけるスペクトル領域の電流をJ~とすると,z=0 の電磁界の連続条件より, (13)E~2(0)E~1(0)=0(14)H~2(0)H~1(0)=J~ これより, (15)Yin(+)E~2(0)+Yin()E~2(0)=J~ よって, (16)E~2(0)=E~1(0)=J~Yin(+)+Yin()Z~(0)J~ ただし, (17)Z~(0)=1Yin(+)+Yin()(18)Yin(+)=F21(+)+F22(+)Y3F11(+)+F12(+)Y3(19)Yin()=F21()F22()Y0F11()F12()Y0 また, H~2(0)=Yin(+)E~2(0)(20)=Yin(+)J~Yin(+)+Yin() H~1(0)=H~2(0)+J~=Yin(+)J~Yin(+)+Yin()+J~(21)=Yin()J~Yin(+)+Yin() z=d2の誘電体と空気の境界面では, E~2(d2)=F11(+)E~2(0)+F12(+)H~2(0)=F11(+)E~2(0)+F12(+)Yin(+)E~2(0)=(F11(+)+F12(+)Yin(+))Z~(0)J~(22)YtransZ~(0)J~Z~(d2)J~ H~2(d2)=Y3E~2(d2)=Y3Z~(d2)J~(23)P~(d2)J~ ここで, (24)YtransF11(+)+F12(+)Yin(+) したがって, (25)Z~(d2)=YtransZ~(0)=YtransYin(+)+Yin()(26)P~(d2)=Y3Z~(d2)