スペクトル領域のベクトルポテンシャル
スペクトル領域のベクトルポテンシャルによるスペクトル領域の電磁界
等質・等方性媒質において,電流分布 による電磁界 , は,磁気的ベクトルポテンシャル を用いて次式で与えられる.
ただし,電流は面に分布している場合を考え,
一方,磁流分布 に対する式は,双対性
より,次のようになる.
ここで, は電気的ベクトルポテンシャルであり,磁流が面に分布している場合を考え,
空間領域の
から,フーリエ変換したスペクトル領域の
を定義すると,
フーリエ変換対の関係より,
これより,
ここで,.
さらに, は,
上式の被積分関数は,
よって,フーリエ変換対の関係より,
また, のフーリエ変換は(導出省略),
これより,電界,磁界
をフーリエ変換した式は,
面電流分布に対するスペクトル領域の電磁界
いま,一定の面上に面電流源がある場合を考えると,ベクトルポテンシャルの成分はゼロゆえ,スペクトル領域の成分もゼロである.
したがって,このときの電界は,
ここで,
を定義すると,は,直交するに沿う軸の成分,およびに沿う軸の成分で次のように表すことができる.
座標系の定義
これより,スペクトル領域の電界は,
上式より, のとき ゆえ,TE波であり,スペクトル領域の磁界は,
上式より, のとき, ゆえ,TM波である.
いま,
とおくと,
行列表示すると,
ここで,
とおくと,
の転置をで表すと,逆の関係は次のようになる.
磁流分布に対するスペクトル領域の電磁界
電流分布によるスペクトル領域の電磁界
,
に対して双対性を適用すると,磁流分布によるスペクトル領域の電磁界
,
が得られ,次のようになる.
ただし,スペクトル領域の電気的ベクトルポテンシャル
も,軸に直交する成分のみで,
これより,
-
のとき,
ゆえ,
とおけばTM波が得られる.
-
のとき,
ゆえ,
とおけばTE波が得られる.
スペクトル領域の磁気的・電気的ベクトルポテンシャル
ベクトルポテンシャル について,
とするとき,で与えられれば(は単位ベクトル),
となる.このとき, は,
フーリエ変換対の関係より,
したがって,空間領域からスペクトル領域への変換は,
これより,
同様に,電気的ベクトルポテンシャル についても,
とするとき, で与えられれば,空間領域からスペクトル領域への変換は,
よって,