多重2次曲面鏡系の等価パラボラ表示

回転放物面鏡と開口面との関係

 回転放物面鏡の焦点を頂点とする円すいに沿う光線は反射され平行光線となる.図のように,回転軸に平行な円筒に沿う焦点を Fm,焦点距離を fm,回転軸に沿う単位ベクトルを km,点Fmを頂点とする円すいの中心軸に沿う単位ベクトルを vm,円すいの半頂角をθmとする.
回転放物面鏡と開口面

回転放物面鏡

  焦点を原点として図に示すように,円すいの中心をZ軸とする(X,Y,Z)座標系を考えると,半頂角 θmの円すいの方程式は, (1)X2+Y2=Z2tan2θm

2つの座標系(X,Y,Z)(x,y,z)

一方,回転放物面の回転軸をz軸,焦点を原点とする(x,y,z)座標系を定義すると,焦点距離fmの回転放物面の方程式は, (2)x2+y2=4fm(z+fm) ここで,オフセット角をαとして,図のようなZ軸とz軸のなす角度を基に座標系の関係を考える.まず,単位ベクトルでは, (3)vm=cosαkm+sinαim(4)aY=sinαkm+cosαim これより,任意の点の位置ベクトルAを直交する単位ベクトルを用いて表すと, (5)A=YaY+Zvm=zkm+xim 両辺に単位ベクトルのスカラー積をとって, AaY=(YaY+Zvm)aY=Y(6)=(zkm+xim)aY=zsinα+xcosαAvm=(YaY+Zvm)vm=Z(7)=(zkm+xim)vm=zcosα+xsinα 両座標系の関係をまとめると, (8)X=y(9)Y=xcosα+zsinα(10)Z=xsinαzcosα 上の関係式を,式(1)に代入すると, (11)y2+(xcosα+zsinα)2=(xsinαzcosα)2tan2θm これを整理して, y2+(1sin2αsec2θm)x2+(1cos2αsec2θm)z2(12)+2xzsinαcosαsec2θm=0 上式と式(2)より,y2を消去すると, x2+4fm(z+fm)+(1sin2αsec2θm)x2(13)+(1cos2αsec2θm)z2+2xzsinαcosαsec2θm=0 これは,z に関して因数分解でき, {(1+cosαsecθm)z+(2fmsinαsecθmx)}(14){(1cosαsecθm)z+(2fm+sinαsecθmx)}=0 よって, (15)z=2fm±sinαsecθmx1±cosαsecθm 上式を式(2)に代入すると, (16)x2+y2=4fm(2fm±sinαsecθmx1±cosαsecθm+fm) 整理すると,次のように円の方程式が得られる. (17)(x2fmsinαcosθm±cosα)2+y2=(2fmsinθmcosθm±cosα)2 円の中心 (x0,y0) ならびに円の半径 ra は, (18)(x0,y0)=(±2fmsinαcosθm±cosα,0)(19)ra=2fmsinθmcosθ0±cosα いま,θm=0 のとき, (20)(x0,y0)=(±2fmsinα1±cosα,0)(21)ra=0 となり,上側符号は円すいの Z>0 に対応し,下側符号は円すいの Z<0 に対応することがわかる.したがって,通常,上側符号をとって,円の方程式は次のようになる. (22)(x2fmsinαcosθm+cosα)2+y2=(2fmsinθ0cosθm+cosα)2 円すいの中心軸方向の単位ベクトルをvmとおくと, vmkm=cosαより,円の半径 ra,円の中心 (x0,y0) は, (23)ra=2fmsinθmcosθm+cosα=2fmsinθmcosθm(vmkm)(24)(x0,y0)=(2fmsinαcosθm+cosα,0) いま,焦点を含む面を開口面にとり,その面上での円形開口面の中心の位置ベクトルP は, vmim=sinα より(imx方向の単位ベクトル), P=x0im=2fmsinα imcosθm+cosα(25)=2fm(vmim)imcosθm(vmkm) ここで, vm=(vmim)im+(vmkm)km より, P=x0im(26)=2fmvm(vmkm)kmcosθm(vmkm) 逆に,回転軸に平行な円筒に沿って光線が入射したとき, 反射光線は焦点を頂点とする円すいに沿うことになる. なお,極形式では,焦点から回転放物面までの方向に沿う単位ベクトルをarとおくと,距離rは(導出省略), (27)r=2fm1arkm

だ円と双曲線の離心率

 図に示すようにだ円および双曲線の長軸の長さA'Aを2a,中心Cから焦点FまたはF'までの距離をcとすると,離心率eは, %次式で定義される. (28)e=ca 離心率eはだ円面のときe<1,双曲線のときe>1ゆえ, (29)p=sign(e21)={1(双曲線)1(だ円) で区別できる. さらに, (30)δ={1(凹面)1(凸面)

だ円と双曲線

 焦点F1から回転だ円面(凹面)までの距離を|R1|,の点からもう一方の焦点F2までの距離を |R2|,焦点間の距離を L(=2c)とすると, (31)Lk1=|R1|a1|R2|a2 ただし, k1は焦点F1から焦点F2に向かう単位ベクトル, a1a2は 焦点F1,F2からだ円上の点に向かう単位ベクトルを各々示す.
だ円面(p=1)の凹面(δ=1)を鏡面とする場合
 光線の進む方向に沿った単位ベクトルa¯1a¯2を考えると, a¯1=a1a¯2=a2より, Lk1=|R1|a¯1|R2|(a¯2)(32)R¯1a¯1R¯2a¯2 ここで,R¯1R¯2は光線の進む方向に沿った単位ベクトルの振幅として新たに定義したもので, (33)R¯1=|R1|(34)R¯2=|R2| これより,離心率e,曲面定数aは, e=ca=2c2a=L|R2|+|R1|(35)=LR¯2+R¯1=LR¯2R¯1(36)a=(R¯2R¯1) このとき,pδは, (37)pδ=11=1

楕円面,凸面のとき

 また,だ円面の凸面を鏡面とする場合, %光線の進む方向に沿った単位ベクトルは, a¯1=a1a¯2=a2の関係となり, Lk1=|R1|(a¯1)|R2|a¯2(38)R¯1a¯1R¯2a¯2
だ円面(p=1)の凸面(δ=1)を鏡面とする場合
 光線の進む方向に沿った単位ベクトルの振幅は, (39)R¯1=|R1|(40)R¯2=|R2| これより,離心率e,曲面定数aは, e=2c2a=L|R2|+|R1|(41)=LR¯2R¯1(42)a=R¯2R¯1 このとき,pδは, (43)pδ=1(1)=1

双曲面,凹面,発散系のとき

 焦点F1から双曲面(凹面,発散系)までの距離を|R1|, その鏡面上の点からもう一方の焦点F2までの距離を|R2|, 焦点間の距離L=2cとすると, (44)Lk1=|R1|a1|R2|a2 ただし, k1は焦点Fnから焦点F2に向かう単位ベクトル, a1a2は 焦点F1,F2から双曲面上の点に向かう単位ベクトルを各々示す.
双曲面(p=1),凹面(δ=1),発散系
 光線の進む方向に沿った単位ベクトルa¯1a¯2を考えると, a¯1=a1a¯2=a2より, Lk1=|R1|a¯1|R2|a¯2(45)R¯1a¯1R¯2a¯2 ここで, (46)R¯1=|R1|(47)R¯2=|R2| これより,離心率e,曲面定数aは, e=2c2a=L|R2||R1|(48)=LR¯2R¯1(49)a=R¯2R¯1 このとき,pδは, \begin{gather} p\delta = 1 \cdot 1 = 1

双曲面,凹面,集束系のとき

 光線の進む方向に沿った単位ベクトルは a¯1=a1a¯2=a2 の関係となり, Lk1=|R1|(a¯1)|R2|(a¯2)(50)R¯1a¯1R¯2a¯2
双曲面(p=1),凹面(δ=1),集束系
 ここで,光線の進む方向に沿った単位ベクトルの振幅は, (51)R¯1=|R1|(52)R¯2=|R2| これより,離心率e,曲面定数aは, e=2c2a=L|R1||R2|=LR¯1+R¯2(53)=LR¯2R¯1(54)a=R¯2R¯1 このとき,pδは, (55)pδ=11=1

双曲面,凸面,発散系のとき

 双曲面の凸面(発散系)を鏡面とする場合,光線の進む方向に沿った単位ベクトルは, a¯1=a1a¯2=a2
双曲面(p=1),凸面(δ=1),発散系
よって, Lk1=|R1|a¯1|R2|a¯2(56)R¯1a¯1R¯2a¯2 ここで,光線の進む方向に沿った単位ベクトルの振幅は, (57)R¯1=|R1|(58)R¯2=|R2| これより,離心率e,曲面定数aは, e=2c2a=L|R1||R2|=LR¯1R¯2(59)=LR¯2R¯1(60)a=(R¯2R¯1) このとき,pδは, (61)pδ=1(1)=1

双曲面,凸面,集束系のとき

 双曲面の凸面(集束系)を鏡面とする場合, 光線の進む方向に沿った単位ベクトルは, a¯1=a1a¯2=a2の関係となり, Lk1=|R1|(a¯1)|R2|(a¯2)(62)R¯1a¯1R¯2a¯2
双曲面(p=1),凸面(δ=1),集束系
ここで,光線の進む方向に沿った単位ベクトルの振幅は, (63)R¯1=|R1|(64)R¯2=|R2| これより,離心率e,曲面定数aは, e=2c2a=L|R1|+|R2|=LR¯1R¯2(65)=LR¯2R¯1(66)a=(R¯2R¯1) このとき,pδは, (67)pδ=1(1)=1

離心率

 種類の異なる鏡面系を統一的に計算するために,離心率e¯を次式で定義する. (68)e¯LR¯2R¯1=pδe また, (69)a=pδ(R¯2R¯1) ここで, (70)p=sign(e¯21)={1(回転双曲面)1(回転だ円面)(71)δ={1(凹面)1(凸面)

だ円および双曲線の関係式

 焦点Fnから鏡面上の点Pまでの距離が|Rn|のとき,光線の進む方向に焦点がある場合 R¯n|Rn|, 逆の場合 R¯n|Rn| として, R¯n=pδa(e¯21)1+e¯cosϑ(72)=pδa(e¯21)1+e¯(a¯nkn) ただし,a¯nは点Pに入射する光線の進む方向に沿う単位ベクトル, knはこの焦点Fnからもう一方の焦点Fn+1への方向に沿う単位ベクトルを示す. ここで, (73)R¯n+1a¯n+1=R¯na¯nLkn 光線の進む方向に焦点Fn+1がある場合qn+1=1, 逆の場合qn+1=1として, (74)R¯n+1=qn+1R¯n22R¯nL(a¯nkn)+L2(75)a¯n+1=R¯na¯nLknR¯n+1

回転2次曲面鏡系の入射光線と反射光線

 符号を考慮した離心率e¯の式(68)を変形して, (76)Rn+1=Rn+Le¯ 光線に沿う単位ベクトルをαnαn+1とおくと, (77)Lkn=RnαnRn+1αn+1 上の2式よりRn+1を消去すると, Rnαn=Rn+1αn+1+Lkn=(Rn+Le¯)αn+1+Lkn=Rnαn+1+Le¯(αn+1+e¯kn)(78)=Rnαn+1+Le¯x ここで, (79)xαn+1+e¯kn これより, αn=αn+1+LRne¯x1=(αn+1+LRne¯x)2=1+2LRne¯(αn+1x)+(LRne¯)2x20=2(αn+1x)+LRne¯x2 よって, Rn=L2e¯x2(αn+1x)=L2e¯(αn+1+e¯kn)2αn+1(αn+1+e¯kn)(80)=L2e¯e¯2+1+2e¯(knαn+1)1+e¯(knαn+1) また, Rn+1=Rn+Le¯=L2e¯e¯2+1+2e¯(knαn+1)1+e¯(knαn+1)+Le¯=L2e¯e¯2+1+2e¯(knαn+1)22e¯(knαn+1)1+e¯(knαn+1)(81)=L2e¯e¯211+e¯(knαn+1) いま, 入射光線群(αnに沿う光線)によってできる円すいを考え,の中心軸に沿う単位ベクトルをvnとすると, (82)αnvn=cosθn  (一定) ただし,θnは円すいの半頂角を示す.一方,これら入射光線群が鏡面で反射した後,反射光線群(αn+1に沿う光線)によって円すいができ,その中心軸に沿う単位ベクトルをvn+1とすると, (83)αn+1vn+1=cosθn+1  (一定) まず,式(78)の両辺にvnのスカラ積をとると, (84)Rn{cosθn(αn+1vn)}=Le¯(xvn) 上式に式(80)を代入してRnを消去し,さらに,式(79)を代入してxも消去すると, L2e¯e¯2+1+2e¯(knαn+1)1+e¯(knαn+1){cosθn(αn+1vn)}(85)=Le¯(αn+1+e¯kn)vn 両辺に2e¯L{1+e¯(lar2)} を乗じて, {e¯2+1+2e¯(knαn+1)}{cosθn(αn+1vn)}(86)=2{1+e¯(knαn+1)}(αn+1+e¯kn)vn 単位ベクトルar2に関して整理すると, {(e¯21)vn2e¯2kn(knvn)2e¯kncosθn}αn+1(87)=2e¯(knvn)+(e¯2+1)cosθn 上式の両辺に 1e¯21 を乗じて, {vn2e¯2e¯21kn(knvn)2e¯e¯21kncosθn}αn+1(88)=2e¯e¯21(knvn)+e¯2+1e¯21cosθn ここで, (89)Kn+1vn2e¯2e¯21kn(knvn)2e¯e¯21kncosθn とおくと(Kn+1は定ベクトル), (90)αn+1Kn+1=2e¯e¯21(knvn)+e¯2+1e¯21cosθn ここでは, αnvn=cosθn(一定)より,定ベクトル vn(単位ベクトル)とスカラ積をとって一定値となるから,単位ベクトル αnは円すいに沿う入射光線群である.鏡面で反射した光線群も円すいに沿う単位ベクトル αn+1であり,これとスカラ積をとって一定値となる式(90)より, Kn+1 は円すいの中心軸に沿う方向である.そこで, Kn+1Cvn+1 とおくと,円すいの中心軸方向の単位ベクトル vn+1 は, (91)vn+1=Kn+1C=1C{vn2e¯2e¯21kn(knvn)2e¯e¯21kncosθn} いま,θn=0 として,中心軸のみで入射光線,反射光線を考えると, (92)vn+1=RnRn+1vnLRn+1kn 上式を式(91)と比較すると次の関係が得られる. (93)sign(C)=sign(RnRn+1)=p これより, (94)vn+1=p|C|{(I~~2e¯2e¯21knkn)vn+(2e¯e¯21kn)cosθn} ただし,I~~ は恒等ダイディクスを示す. (95)I~~=ii+jj+kk ここで, (96)A~~np(I~~2e¯2e¯21knkn)(97)bnp2e¯e¯21kn(98)zn|C| とおくと,単位ベクトルvn+1は, (99)vn+1=1zn(A~~nvn+bncosθn)(90)より, αn+1vn+1=cosθn+1=αn+1Kn+1C(100)=p|C|{(2e¯e¯21kn)vn+(e¯2+1e¯21)cosθn} ここで, (101)anp2e¯e¯21kn=bn(102)bnpe¯2+1e¯21(103)zn=|C| とおくと,cosθn+1は, (104)cosθn+1=1zn(anvn+bncosθn) 行列表示すると, (105)(vn+1cosθn+1)=1zn(A~~nbnanbn)(vncosθn) このとき,次のような関係が成り立つ. bn2=(pe¯2+1e¯21)2(106)=(e¯2+1)2(e¯21)2 これより, bn2=bnbn=(p2e¯e¯21kn)(p2e¯e¯21kn)=4e¯4(e¯21)2=(e¯2+1)2(e¯21)2(e¯21)2=(e¯2+1)2(e¯21)21(107)=bn21 また, A~~n=pI~~+e¯bnkn(108)=pI~~e¯ankn bnA~~n=an(pI~~e¯ankn)=pan+e¯anankn=p(1+e¯2e¯e¯21)an=pe¯2+1e¯21an(109)=bnan ここで,A~~n=A~~ntより(A~~ntA~~nの転置), bnA~~n=A~~ntbn=A~~nbn=bnan(110)=anbn また, A~~ntA~~n=A~~nA~~n=(pI~~+e¯bnkn)(pI~~+e¯bnkn)=I~~+2e¯bnkn+e¯bnknbnkn=I~~+(22e¯2e¯21+(2e¯2)2(e¯21)2)knkn=I~~+(2e¯)2(e¯21)2knkn=I~~+bnbn(111)=I~~+anan まとめると, (112)A~~ntA~~n=I~~+anan=I~~+bnbn(113)A~~nbn=anbn(114)bn2=bn21 ただし,A~~ntA~~nの転置を示す.
 入射および反射光線からなる円すいの半頂角 θnθn+1の関係をさらに考えていこう. sin2θn+1=1cos2θn+1(115)=vn+12(vn+1αn+1)2 ここで,式を再記して, (116)vn+1=1zn(A~~nvn+bncosθn) cosθn+1=vn+1αn+1(117)=1zn(anvn+bncosθn) これより, (118)sin2θn+1=1zn2(A~~nvn+bncosθn)21zn2(anvn+bncosθn)2 整理して, zn2sin2θn+1=(A~~nvn)(A~~nvn)+2(A~~nvn)bncosθn+bnbncos2θn(anvn)22(anvn)bncosθnbn2cos2θn={vnA~~ntA~~nvn(anvn)2}+2{bnA~~nvn(anvn)bn}cosθn(119)+(bnbnbn2)cos2θn ここで, vnA~~ntA~~nvn=vn(I~~+bnbn)vn=1+(bnvn)2=1+(anvn)2bnA~~nvn(120)=bnanvn これより, zn2sin2θn+1={1+(bnvn)2(bnvn)2}+2{(anvn)bn(anvn)bn}cosθn+(bn21bn2)cos2θn=1cos2θn(121)=sin2θn このとき,θn0θn+10zn=|C|>0 より, sinθn+1 は, (122)sinθn+1=1znsinθn θn=0 のときのznz0とおくと, (123)z0=zn|θn=0=|Rn+1Rn| 入射および反射光線の方向 αnαn+1 の関係は, 式(91),式(104)において θn=0 とおき(cosθn=1), vn=αnvn+1=αn+1 とすれば, (124)αn+1=1z0(A~~nαn+bn)(125)z0=anαn+bn ここで, (126)A~~1=p(I~~2e¯e¯21ll)(127)I~~=ii+jj+kk(128)b1=p2e¯e¯21l(129)a1=p2e¯e¯21l(130)b1=pe¯2+1e¯21

多重反射鏡の表示式

 鏡面が多数ある場合, m1枚目の鏡面による反射波について(vmcosθm)=1zm1(A~~m1bm1am1bm1)(vm1cosθm1)=1zm1(A~~m1bm1am1bm1)1zm2(A~~m2bm2am2bm2)(vm2cosθm2)=1zm11z1(A~~m1bm1am1bm1)(A~~1b1a1b1)(v1cosθ1) ここで, (131)(A~~bab)(A~~m1bm1am1bm1)(A~~1b1a1b1)(132)zzm1zm2z1 これより, (133)(vmcosθm)=1z(A~~bab)(v1cosθ1)
回転2次曲面鏡系
よって, 最終段(m番目)の鏡面が回転放物面のとき,この鏡面に入射する光線の沿う円すいを示す vmθm と,最初の円すいホーンの中心軸に沿う単位ベクトル v1θ1 の間には次のような関係が得られる. (134)vm=1z(A~~v1+bcosθ1)(135)cosθm=1z(av1+bcosθ1)(136)sinθm=1zsinθ1 ここで,式を再記して, (137)(A~~bab)(A~~m1bm1am1bm1)(A~~1b1a1b1)(138)zzm1zm2z1 最終段のパラボラ開口面(円形)の半径 ra,中心 P は, (139)ra=2fmsinθmcosθm(vmkm)(140)P=2fmvm(vmkm)kmcosθm(vmkm) 上式に式(134),式(135),式(136)を代入すると vmcosθmsinθm を消去でき,初段の2次曲面鏡の v1cosθ1sinθ1 を用いて, ra=2fmsinθ1(av1+bcosθ1)(A~~v1+bcosθ1)km=2fmsinθ1(bbkm)cosθ1{km(A~~v1)av1}(141)=2fmbbkmsinθ1cosθ1cv1 ここで, (142)c=kmA~~ab(bkm) さらに,最終段の回転放物面鏡の焦点距離fの代わりに,等価パラボラの焦点距離fmを求めることができる. (143)f=fmb(bkm) 等価パラボラを見込む円すいの中心軸の方向を v とすると, ra=2fmsinθ1cosθ1cv1(144)2fmsinθ1cosθ1vkm いま, v=L~~cv1 より,ダイアディクス L~~c=kmc を導入すると, vkm=(L~~cv1)km=kmL~~cv1=km(kmc)v1(145)=cv1 半頂角 θ1 は不変であるが,等価バラボラの焦点位置 fm と円すいの中心軸の方向 v が得られる.さらに,等価バラボラの開口の中心の位置ベクトル p は,次のようになる. (146)p=2f{v(vkm)kmcosθ1(vkm)+d} 等価バラボラの焦点位置は最終段のパラボラとは異なり, d は, (147)d=b(dkm)km また, v は円すいの中心軸方向に沿う単位ベクトルを示し, (148)v=L~~v1 ここで,L~~ はダイアディクスであり, (149)L~~=(I~~kmkm)(A~~+bc)+kmc このとき, kmL~~=km{(I~~kmkm)(A~~+bc)+kmc}=(kmkm)(A~~+bc)+c(150)=c=kmL~~c このとき,次式が成り立つ. (151)L~~tL~~=I~~ 上式より, L~~ は直交変換を示すダイアディクスであるから,単位ベクトル v1 を直交変換した v も単位ベクトルである.

水沢丕雄,片木孝至,"多重反射鏡形アンテナの等価パラボラ表示とその応用," 三菱電機技報,vol.49, no.11, pp.729-732 (1975)