電圧定在波の最大の位置での電圧反射係数は\(\Gamma = |\Gamma|\)ゆえ,その点での規格化入力インピーダンス\(z_{in}\)は, \begin{gather} z_{in} \Big|_{V_{max}} = \left. \frac{1+\Gamma}{1-\Gamma} \right| _{V_{max}} = \frac{1+|\Gamma|}{1-|\Gamma|} = \rho \end{gather} ここで,\(\rho\)は電圧定在波比を示し, \begin{gather} \rho = \frac{|V|_{max}}{|V|_{min}} \geq 1 \end{gather} このとき,\(z_{in} (= r + jx)\)は実数となる(純抵抗).したがって,\(r \geq 1\),\(x=0\).これは,複素平面の正の実軸上である.
電圧定在波の最小の位置での電圧反射係数は\(\Gamma = -|\Gamma|\)ゆえ,その点での規格化入力アドミタンス\(y_{in}\)は, \begin{eqnarray} y_{in} \Big|_{V_{min}} &=& \left. \frac{1-\Gamma}{1+\Gamma} \right| _{V_{min}} = \frac{1-(-|\Gamma|)}{1+(-|\Gamma|)} = \frac{1+|\Gamma|}{1-|\Gamma|} = \rho \nonumber \\ &=& \frac{1}{z_{in}} \Big|_{V_{min}} \geq 1 \end{eqnarray} このとき,\(y_{in} (= g + jb)\)は実数となる(純コンダクタンス).したがって,\(g \geq 1\),\(b=0\). あるいは,\(z_{in} (= r + jx)\)が実数となり(純抵抗),\(r \leq 1\),\(x=0\).これは,複素平面の負の実軸上であり,スミス図表では電圧定在波比\(\rho\)の読み取りにも対応している.
スミス図表を用いる場合,
この手順を逆にすれば,電圧定在波\(\rho\),負荷点から電圧定在波の最大の位置までの距離\(l\)がわかれば, 実軸上の点P\(_2\)を反時計回りに\(2\beta l\)回転させ,規格化負荷インピーダンス(点P\(_1\))を求めることができる.