入力インピーダンスと電圧定在波比

 入力インピーダンスが純抵抗,つまりzin=r(jx=0)で与えられるとき,電圧反射係数Γは, Γ|jx=0=zin1zin+1=r1r+1(1)={|Γ|(r1)|Γ|(r1) これより,規格化入力インピーダンスzinは, zin=r=1+Γ1Γ=1+(±|Γ|)1(±|Γ|)(2)={1+|Γ|1|Γ|=ρ(r1)1|Γ|1+|Γ|=1ρ(r1) となり,電圧定在波比ρもわかる.

 電圧定在波の最大の位置での電圧反射係数はΓ=|Γ|ゆえ,その点での規格化入力インピーダンスzinは, (3)zin|Vmax=1+Γ1Γ|Vmax=1+|Γ|1|Γ|=ρ ここで,ρは電圧定在波比を示し, (4)ρ=|V|max|V|min1 このとき,zin(=r+jx)は実数となる(純抵抗).したがって,r1x=0.これは,複素平面の正の実軸上である.

 電圧定在波の最小の位置での電圧反射係数はΓ=|Γ|ゆえ,その点での規格化入力アドミタンスyinは, yin|Vmin=1Γ1+Γ|Vmin=1(|Γ|)1+(|Γ|)=1+|Γ|1|Γ|=ρ(5)=1zin|Vmin1 このとき,yin(=g+jb)は実数となる(純コンダクタンス).したがって,g1b=0. あるいは,zin(=r+jx)が実数となり(純抵抗),r1x=0.これは,複素平面の負の実軸上であり,スミス図表では電圧定在波比ρの読み取りにも対応している.

 スミス図表を用いる場合,

この手順を逆にすれば,電圧定在波ρ,負荷点から電圧定在波の最大の位置までの距離lがわかれば, 実軸上の点P2を反時計回りに2βl回転させ,規格化負荷インピーダンス(点P1)を求めることができる.

電圧定在波比